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「結局、トランプ景気は自己崩壊する」という予想通りすぎる結末 誰もが予想していたことだけれど…
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52638
2017.08.21 真壁 昭夫 信州大学経済学部教授 現代ビジネス
■北朝鮮への「譲歩」が台無しに…
8月上旬、世界の金融市場では北朝鮮と米国の衝突懸念からリスク回避が進んだ。その後、米国の政府高官が北朝鮮に対して譲歩する姿勢を示したことから、世界の株式市場は反発し、ドルも値を戻した。
一時108円台に突入していたドル円は反発し、111円台目前まで円安が進んだ。7月の米小売売上高が予想を上回ったことも投資家のリスクテイクを支えた。
それでも、ドルの買い戻しは続かず、上値は重い。連邦準備理事会(FRB)が公表した7月の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨の中でインフレの鈍化が示され、年内の追加利上げの可能性が低下したことはその一因だ。加えて、米国の政治先行きの不透明感が高まっていることも見逃せない。
8月上旬から中旬にかけての金融市場の動きを見ていると、投資家の視線は北朝鮮問題から、米国の景気動向と年内の追加利上げの可能性に移りかけた。
市場参加者が米国のファンダメンタルズを見極めようとした矢先、白人至上主義派と反対派の衝突へのトランプ大統領の対応が、政治不安・不信を掻き立てている。
■国家の分裂を加速させる大統領
米国社会の混乱は、今に始まったことではない。2013年には、保守強硬派のティーパーティー(茶会党)から支持を受けた共和党の保守派議員がオバマケアを批判し、予算が成立しなかった。その結果、連邦政府は一時閉鎖に追い込まれた。
トランプ大統領の誕生以前から、米国の社会では原理的な思想を重視する層と、それ以外の人々との間に亀裂が生じてきたのである。
トランプ大統領はこの亀裂を広げている。白人労働者の生活改善を主張してきた以上、「白人による米国」第一とも受け止められている政治的スローガンを下ろすことはできない。そこに入国制限や移民の排除などに関する主張が加わることで、社会全体の分裂が加速しているように見える。
すでにトランプ陣営の側近や軍のトップからも、白人至上主義を擁護したトランプ大統領の発言に反対する考えが示されている。その背景には、大統領の失言の火消し役に回るというよりも、米国社会全体を正しい方向に導かなければならないという危機感があるといえる。
それでも、制度上、今すぐにトランプ氏を大統領の座から引きずり下ろすことはできない。当面、米国の政治に対する不安は続くだろう。
■トランプに振り回される世界経済
2009年6月に底を打った米国経済は8年を超える景気拡張期の中にある。米国の経済学者からは、トランプ政権下で3%のGDP成長率を達成できるとの指摘もなされている。
そのためには、積極的に財政政策を運営して新産業の育成やインフラ投資を進める必要がある。ただ、景気回復の勢いは徐々に低調になりつつあるようだ。賃金は増えず、生産性も高まっていない。
今回のバージニア州での衝突事件を受けて、企業経営者はトランプ政権に対する失望を深めたはずだ。北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉への不安、北朝鮮問題などもあり、企業経営者のマインドは悪化しやすくなっている。
そこにきて今回のトランプ大統領の言動である。これが負の材料にならないはずがない。米国経済の先行き不透明感は一段と増したと考えるべきだ。
安定した政治環境が整うことは投資家がリスクテイクを進めるために欠かせない。米国の政治リスクが高まる中、投資家のマインド悪化も懸念される。徐々にリスクは取りづらくなり、米国の株価の上値が重くなる可能性がある。
政治の不透明感から、FRBも利上げに対して慎重かつ忍耐強くならざるを得ないのではないか。米金利の上昇圧力は抑えられ、ドルじり安の展開も考えられる。
こうした米国の政治リスクが短期間で後退し、政策期待が盛り上がるとは考えづらい。有権者が期待した政策の実現が困難との見方が広がれば、トランプ大統領の支持率は一段と低下するだろう。
社会の不満は追加的に高まり、混乱が深まる恐れもある。当面、米国の経済は政治リスクに振り回され、それが世界経済の先行き不透明感を高めるだろう。
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