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グランドセイコー(「Wikipedia」より/663highland)
「世界のSEIKO」失われた輝き…東京五輪で公式時計に不採用、盟友エプソンと腕時計戦争
http://biz-journal.jp/2017/08/post_20245.html
2017.08.19 文=編集部 Business Journal
セイコーエプソンは9月、同社初となる独自ブランドのアナログ腕時計「TRUME(トゥルーム)」を発売する。TRUMEはセンサー融合技術で高精度に計測した位置や気圧、高度、方位などの情報をアナログ針で表示するほか、チタン合金に光沢感を持たせたパーツ加工など外観にもこだわった。最先端のアナログ時計を追求したというのが謳い文句。価格は税別24万〜28万円。量販店数十店に専用ブースを開設する。時計でのブース設置はセイコーエプソンでは初めてだ。
エプソンは家庭用プリンターで知られるが、時計は創業時からの事業であり歴史は長い。セイコーホールディングス(HD)傘下のセイコーウオッチ向けに腕時計をOEM(相手先ブランドによる生産)供給してきた。自社ブランドでセイコーウオッチと戦うことになる。
エプソンは、時計型端末事業をプリンターやプロジェクターに次ぐ事業の柱に育てる方針。今年4月、完全子会社だったオリエント時計を統合した。オリエント時計は、前身の吉田時計店が1901年に創業した老舗時計メーカー。バブル期にNTTや百貨店、銀行株に手を出し、バブル崩壊で巨額の株式の含み損が発生。実質的な債務超過に陥った。
オリエント時計がすがったのがエプソンだった。エプソンが1997年にオリエント時計の筆頭株主となり、2009年に完全子会社にした。そして今年4月、開発や製造はエプソン、国内販売は子会社のエプソン販売に統合し新たな腕時計を出すことにした。
エプソンは今年6月、機械式腕時計「オリエントスター」の新作を販売した。経営統合後、初めての商品で、価格は税別17万円。
エプソンの17年3月期の連結決算(国際会計基準)は、売上高に当たる売上収益は前期比6%減の1兆248億円、営業利益は同28%減の678億円。円高が続いたことが響いた。時計事業はセイコーウオッチ向けにOEM供給を行っていたが、12年からは一般向けのリスト型のウエアラブル機器を発売した。
セイコーウオッチ向けOEMビジネスに加え、オリエント時計やウエアラブル端末など、時計関連事業の比重が増したことから、15年にウエアブラル機器事業部を新設した。17年3月期の時計やウエアラブル機器の売上高は507億円(16年3月期は607億円)と100億円の減収。同事業は大半がセイコーウオッチ向けだ。そこで自社ブランドの腕時計の投入で、26年3月期には17年3月期比2倍弱の1000億円以上に引き上げる目標を掲げる。そのための初の自社ブランドのアナログ高級腕時計がTRUMEというわけだ。
■インバウンド需要の後退
セイコーウオッチの持株会社、セイコーHDの17年3月期の連結決算(日本会計基準)の売上高は前期比13%減の2571億円、営業利益は同44%減の74億円と大きく落ち込んだ。主力のウオッチ事業の売上高は1345億円で前期より299億円の減収、ウオッチ部門の営業利益は76億円と前期より51億円の減益だ。一時はインバウンド(訪日外国人)需要で潤ったが、インバウンド需要が後退。高級品が伸びず業績が悪化した。
20年の東京オリンピックのオフィシャルタイマー(公式時計)担当はスイスのオメガ社である。オリンピックで歴代もっとも多く採用されているのはオメガ社。東京オリンピック開催決定前からオメガ社に決まっていたが、世間はSEIKOブランドが輝きを失った出来事と受け止めた。
というのも、1964年の東京オリンピックではセイコーのクォーツ時計がオフィシャルタイマーに採用された。タイム測定に使われたのはデジタル(文字表記)のストップクロック。このクロックもセイコーが提供したもの。世界に「SEIKO」ブランドをアピールする機会となった。
1970〜80年代、「SEIKO」は「SONY」や「Canon」とともに、世界で最も輝いていた日本のブランドだった。「セイコーが名門オメガを買収する」といわれたのもこの頃だった。スイス政府の猛反対にあって結局、買収できなかったといわれている。セイコーの黄金時代だった。
■スイスの高級時計が腕時計市場を席巻
現在は様相が一変した。スイスの高級腕時計が世界市場を牽引する。
日本時計協会の統計によると、2016年のウオッチ完成品の国内市場規模は7867億円。国内メーカー品が1860億円で構成比は24%。輸入品が6007億円で76%、輸入品は高級品がスイス製、低価格品が中国製だ。国内メーカーは、かつてはセイコーが時計の代名詞だったが、今では力関係が拮抗してきた。
1位はカシオ計算機、17年3月期の時計事業の売上高は1696億円。エレクトロニクス技術を生かしたデジタル腕時計「G−SHOCK」が国内外で人気を得た。年間販売で850万個を記録した。2位はシチズン時計で、17年3月期の時計事業の売上高は1636億円。3位がセイコーHDで17年3月期のウオッチ事業の売上高は前出の通り1345億円。カシオやシチズンに水を開けられた。
エプソンは、セイコーウオッチへのOEM供給から、自社ブランドの腕時計メーカーへの脱皮を図り、年商1000億円を目指す。カシオ、シチズン、セイコーの腕時計大手3社のなかに割って入ることを狙う。セイコーエプソンとセイコーウオッチが、シェア争いで火花を散らすことになる。
(文=編集部)
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