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東芝を経営破綻させた原子力分野の背景には日本支配層の核兵器開発があることを忘れてはならない
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201708100000/
2017.08.11 00:00:08 櫻井ジャーナル
東芝の会計処理が問題になっている。2009年3月期から14年第1〜3四半期までの約7年間に1518億円という利益の水増しをしていたことが発覚、田中久雄社長、佐々木則夫副会長、西田厚聡相談役の歴代3社長が2015年7月21日付けで辞任しているが、その後始末ができないでいるわけだ。
不正会計を始める2年前、東芝はイギリスの核関連会社でMOXを製造していたBNFLからウェスチングハウスを54億ドルで買収している。BNFLは1971年に創設されているが、その前、1960年代にイギリスは核兵器用のプルトニウムをイスラエルへ秘密裏に供給していた。東芝を破綻させた原因が原子力分野にあることを指摘する人は少なくない。
日本の原子力政策の根っこに核兵器開発願望があることは本ブログでも指摘してきた。東芝のケースも、核兵器開発が重要なファクターだ。こうした日本の願望にとってロナルド・レーガン政権の核政策は大きな意味を持つことになる。
レーガン政権は新型核弾頭の設計や、増殖炉の推進に力を入れ、テネシー州のクリンチ・リバー渓谷にあるエネルギー省のオークリッジ国立研究所の実験施設では増殖炉を組み立てていた。増殖炉は発電をしながら、従来の使用済み核燃料を純粋なプルトニウムに転換するとされ、エネルギー省は多額の資金をこの分野に投入したが、1980年代の半ばになると議会は増殖炉計画の予算を打ち切ってしまった。計画を成功させることは困難だと判断したわけだ。アメリカの経済的な苦境も影響しただろう。
東芝の問題でも登場するウェスティングハウスは1984年、100億ドルにのぼる原子炉を中国に供給する契約を結んだが、その直後に日本が登場してくる。エネルギー省の一部や増殖炉派はクリンチ・リバーで開発された技術を日本の電力会社へ格安の値段で移転する契約が持ち上がったのだ。レーガン政権が増殖炉の開発を進めていた時期から日本の科学者たちが大挙してクリンチ・リバーの施設を訪れていたという。
アメリカの増殖炉計画に必要な資金を日本の電力会社が賄うようになると、日本側は核兵器開発に必要な技術を求めるようになるが、そのリストのトップにはプルトニウム分離装置があった。その装置が送られた先は、東海再処理工場のRETF(リサイクル機器試験施設)。プルトニウムを分離/抽出する目的で建設されたこの施設は日本における増殖炉計画の中心的存在だ。
東海再処理工場は1977年に試運転を始めているが、78年6月に開かれた「科学技術振興対策特別委員会」でこの施設について、山川暁夫は「核兵器への転化の可能性の問題が当然出てまいるわけであります」と発言、アメリカ政府はそこを見過ごさないと指摘した。1969年にアメリカ大統領となったリチャード・ニクソン大統領の補佐官、ヘンリー・キッシンジャーは彼のスタッフに対し、日本もイスラエルと同じように核武装をすべきだと語ったという(Seymour M. Hersh, “The Samson Option,” Random House, 1991)が、ジミー・カーター政権は日本の核開発には神経質になっていた。
カーター大統領だけが日本の核開発を注目していたわけではない。CIAは日本が核兵器の開発をしていると確信、日本に監視システムを設置している可能性が高い。そうしたことからレーガン政権では増殖炉の問題でCIAは排除されたのだ。
日本の施設でも核兵器クラスのプルトニウムを製造できるが、イギリスやフランスで処理され、日本へ引き渡されるプルトニウムも核兵器クラスで、1980年から2011年3月にかけての期間、日本で蓄積された同クラスのプルトニウムは70トンに達するとジャーナリストのジョセフ・トレントは主張している。
しかし、1995年に高速増殖炉「もんじゅ」が、また97年4月に東海村再処理工場で大きな事故が起こる。「もんじゅ」では2次冷却系のパイプが破裂、そこから2〜3トンと推定される放射性ナトリウムが漏出、当然のことながら火災が発生して運転を休止した。その際に動力炉・核燃料開発事業団(動燃)は事故原因が写ったビデオ映像を隠そうとしている。2010年には原子炉容器内に筒型の炉内中継装置(重さ3.3トン)が落下するという事故も引き起こした。
2011年3月11日に東電福島第1原発が過酷事故を起こり、大量の放射性物質を環境中に放出した。その総量はチェルノブイリ原発事故の1割程度、あるいは約17%だとする話が流されたが、算出の前提条件に問題があり、元原発技術者のアーニー・ガンダーセンは少なくともチェルノブイリ原発事故で漏洩した量の2〜5倍の放射性物質を福島第一原発は放出したと推測している。(アーニー・ガンダーセン著『福島第一原発』集英社新書)
放出量を算出する際、漏れた放射性物質は圧力抑制室(トーラス)の水で99%を除去できるとされていたようだが、実際はメルトダウンで格納容器の圧力は急上昇、気体と固体の混合物は爆発的なスピードでトーラスへ噴出したはず。トーラス内の水は吹き飛ばされ、放射性物質を除去できなかっただろう。
また、燃料棒を溶かすほどの高温になっていたわけで、当然のことながら水は沸騰していたはずで、やはり放射性物質を除去できなかったと考えねばならない。そもそも格納容器も破壊されていたようで、環境中へダイレクトに放射性物質は出ていたはず。ガンダーセンが示した放出量の推定値は控えめだと言わざるをえない。チェルノブイリ原発の放出推定量が正しいとして、その10倍以上だった可能性がある。
福島第1原発事故の3日前、3月8日にイギリスのインデペンデント紙は石原慎太郎都知事(当時)のインタビュー記事を掲載した。その中で彼は核兵器を作るべきだとおだをあげ、1年以内に核兵器を保有できると語っている。
石原によると、核兵器を持てば、中国、朝鮮、ロシアを恫喝でき、全世界に対して「強いメッセージ」を送ることになる。彼が考える「理屈」によると、外交の交渉力とは核兵器なのであり、核兵器を日本が持っていれば中国は尖閣諸島に手を出さないと語っている。「脅せば屈する」という発想はネオコンのそれと同じだ。
福島第1原発で大事故を引き起こした電力会社を日本やアメリカの支配層は守り、そのツケを庶民に回した。東電の内部にメスが入ったなら、核兵器開発の闇が暴かれる可能性があり、そうした事態は避けたかったのだろう。
それだけでなく、原発は巨万の富を原発関係者にもたらしてきた。原発で被曝しながら働かされる労働者の写真を撮り続けた樋口健二はローリングストーン誌の日本語版で次のように語っている。
「原発には政治屋、官僚、財界、学者、大マスコミが関わってる。それに司法と、人出し業の暴力団も絡んでるんだよ。電力会社は、原発をできればやめたいのよ。危ないし、文句ばっかり言われるし。でもなぜやめられないかといえば、原発を造ってる財閥にとって金のなる木だから。」
「東芝はウェスティングハウスを買収、日立はGE、三菱はアレバとくっついて、『国際的に原発をやる』システムを作っちゃったんだ。電力会社からの元請けを三井、三菱、日立、住友と財閥系がやってて、その下には下請け、孫請け、ひ孫請け、人出し業。さらに人出し業が農民、漁民、被差別部落民、元炭坑労働者を含む労働者たちを抱えてる」
「原発労働は差別だからね。」
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