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一斉に撮影する乗客
はとバス、外国人客が急減…「脱・東京観光」加速か、羽田・成田から直接地方へ
http://biz-journal.jp/2017/08/post_20117.html
2017.08.09 文=山田稔/ジャーナリスト Business Journal
東京五輪開催まで3年を切り、インバウンド(訪日外国人客)の増加が止まらない。2017年上半期(1月〜6月)は1375万人と、前年同期比17%増で過去最高となった。
観光、旅行、宿泊業界は増え続けるインバウンドへの対応に追われているが、その一方で意外な現象が起きている。
東京観光の顔ともいえる「はとバス」の利用客のうち、「訪日外国人コース」が前年割れとなっているのだ。同社が7月に発表した16年度(16年7月1日〜17年6月30日)の東京観光コースの利用者数は93万4306人で、前年度比8万2060人増(9.6%増)となった。これはバブル期(1989年度)の94万4872人に迫るもので東京観光の人気ぶりを裏付ける。
ところが、訪日外国人コースは5.6%減の8万3879人にとどまった。とりわけ落ち込みが際立つのが中国人向け(中国語)コースで、前年度の2万1731人から1万5267人と25%もの大幅減となった。英語コースは前年度並みの6万8612人となっている。
はとバス側は、外国人コースの減少についてどう分析しているのか。
「外国人旅行客もリピーターが増え、旅行のスタイルが変わってきている面があるのかなとみています。東京国際空港(羽田空港)や成田国際空港から東京に入り、滞在して観光というものから、空港から直接、東京以外の観光地に向かい、東京観光に割く時間が減っているのではないでしょうか。8カ国語対応の自動音声ガイドシステムも用意して、いつ増加に転じても対応できるようにしています」(はとバスの広報担当者)
「東京プレミアム夜景」コース、乗客の8割は女性
ライトアップされた東京タワー
すっかり東京の景色に溶け込んでいる、はとバスの黄色い車体。いつも見かけているが、東京で暮らし始めて30年以上になるにもかかわらず、筆者は一度も乗ったことがなかった。はとバス人気の実態を確かめようと7月下旬、2階建てオープンバスで東京の観光名所を巡るコースに参加した。
もっとも手軽なのは所要時間1時間の「TOKYOパノラマドライブ」だ。東京タワー、銀座、レインボーブリッジなどを周るコースで、8カ国語の自動音声ガイドシステム付きで料金は1800円。魅力を感じたが1時間というのは物足りない。そこで東京タワー大展望台入場券付の「東京プレミアム夜景」(所要時間2時間30分、2900円)を予約した。
乗車当日はどんよりとした曇り空。出発は18時30分だが、15分前にはほぼ乗客全員が揃っていた。乗車時に持ち帰り自由というレインコートを渡された。配慮が行き届いている。車内はほぼ満席で、乗客の数は40人ほど。すべて日本人で、家族連れ、カップル、女性の2人連れなど、8割は女性だった。
丸の内から皇居前、桜田門、国会議事堂と進み、ガイドさんが左右の建物や名所の案内をしてくれる。1936年に完成した国会議事堂の総建設費は、当時の額で約2600万円。現在の価格に直すと約600億円ともいわれるとの説明に、乗客から「へぇー」と驚嘆の声が上がる。
この日は日中の気温が26.7度だったこともあり、涼しくて快適だ。オープンバスなので頬に当たる風が気持ちよい。信号や標識、街路樹が頭上に迫り、タクシーやマイカーに乗っているときと比べ、目に入る景色の印象や体感がまったく違う。バスは青山通りから乃木坂方面へと進み、ミッドタウン、六本木交差点を経て東京タワーへと向かう。日が暮れてネオンが輝く時間帯になってきた。乗客は思い思いにスマートフォンなどで車外の光景を撮影しながら快適なバス旅を楽しんでいる。
夜の帳が下り、ライトアップされた東京タワーが迫ってくる
六本木交差点の手前でガイドさんが六本木の地名の由来を説明してくれた。この一帯に名前に樹木の字がつく大名の屋敷が6つあった(青木、一柳、上杉、片桐、朽木、高木)ことにちなむという説、6本の大きな松があったからという説の2つがあるという。初めて知った。小さな発見だ。ガイドさんの説明は実に流暢で、興味深い話が多かった。
タワー大展望台からの夜景
19時頃、ライトアップされた東京タワーに近づくと乗客が一斉にカメラ、スマホで撮影し始めた。やはり絵になる存在だ。東京タワーでは約1時間の自由行動。大展望台でパノラマ夜景を楽しみ、冷たいビールで喉を潤す。展望台にはアジア観光客だけでなく欧米系の客も多い。さすがに人気スポット。高さでは東京スカイツリーに負けたが、しっかりとした存在感を放っている。
お台場の観覧車付近、はとバスから見た風景
20時10分、東京タワーを出発し、レインボーブリッジを渡り、お台場から有明、豊洲へと進む。豊洲の新市場脇を通過すると乗客たちは口々に「ああ、ここなのね」と確認する声を発する。勝鬨橋を渡り、築地場外市場を脇に見やり、歌舞伎座、夜の銀座を抜けて、定刻通り21時に出発地の東京駅丸の内南口に戻った。乗車時間は1時間半ほどだったが、開放感あふれるオープンバスの座席から眺める夜景に乗客はみな満足げだった。
筆者の隣には四国から上京したという30代の女性が一人で参加していた。「高校の修学旅行以来です」と、再訪を楽しみにしていた東京タワーから戻ってくると、「ホントにすばらしい夜景でした」と興奮気味に感想をもらしていた。
外国人客は皆無でも、この日のバスは満席に近い状態だった。はとバス人気を支えているのは、インバウンドではなく日本人であることを実感した。とりわけ女性パワーだ。
「2016年度は赤坂離宮迎賓館の一般公開や国立西洋美術館の世界文化遺産登録、ギンザシックスの開業などで東京への関心が高まり、国内の旅行者が増えました。話題スポットを盛り込んだコースをご用意させていただいたことも、利用客増につながったと思います。また、全体的に女性のお客様が多いのは事実です。男性に比べ女性はグループでの行動が多いですし、家族連れのお客さまの場合、旅先での行動を決めるのは女性というケースが多いのではないかとみています」(前出・はとバス広報担当者)
手ごろな価格で東京を再発見できるバスの周遊ツアー。東京五輪に向け、さらに人気が高まるかもしれない。
(文=山田稔/ジャーナリスト)
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