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東芝は10日の有価証券報告書提出期限までに監査意見を得る方針だ Photo:REUTERS/AFLO
東芝に迫る上場廃止の危機、新旧監査法人の対立全内幕
http://diamond.jp/articles/-/137570
2017.8.4 週刊ダイヤモンド編集部
東芝の2017年3月期決算に対し、監査を担当するPwCあらた監査法人が“NO”を突き付けようとしている。8月10日までに判断が下されそうで、上場廃止の危機が、いよいよ現実味を帯びている。(週刊ダイヤモンド編集部 千本木啓文、本誌委嘱記者 村井令二)
「昨年の決算に間違いは絶対ない」。7月26日、東京・芝浦の東芝本社で開かれた取締役評議会に、異例の出席者の姿があった。東芝の監査を2016年3月期まで担当した新日本監査法人の辻幸一理事長と、米原子力子会社、ウエスチングハウス(WH)を監査したアーンスト&ヤング日本法人のスコット・ハリデー代表だ。
辻理事長らが語気を強めたのは、16年3月期の監査の正当性。現在、東芝の監査を担当するPwCあらた監査法人が、その決算の「間違い」を示唆しているため、強い反発を示したのだった。
東芝は6月23日、同月末が期限だった17年3月期の有価証券報告書の提出を8月10日まで延期した。
だが、8月に入っても監査の承認が得られるめどが立っていない。東芝とPwCあらたの間で、昨年12月末に公表したWHの巨額損失の計上時期について意見が分かれているためで、「WHの巨額損失をいつ知ったのか」という時期をめぐって見解が対立し、監査の手続きは遅れに遅れている。
両者の対立は、昨年12月末の東芝の巨額損失公表を受けて、PwCあらたが「損失発生を早期に知りながら隠していたのではないか」と不正の疑いを強めて調査を要求したのが発端だ。
東芝は4月まで3ヵ月以上にわたって、合計60万通以上のメール、数十人に及ぶ個別面談を実施したが、結果として、不正の証拠は見つからなかった。
だが、PwCあらたは、東芝の監査を事実上拒否。16年4〜12月期の決算で、監査意見を「不表明」とし、4〜6月期、7〜9月期の「適正意見」も取り消した。
以後、監査の対象は17年3月期決算に移行しており、東芝は6月末にWHの損失認識をめぐる一連の調査を完了。だが、ここでも不正の証拠は見つかっていない。
それでもPwCあらたは監査の承認を拒否し続けているが、7月以降、東芝を追及する姿勢にわずかな変化がある。それまでは「不正会計」を疑っていたが、突如、「会計上の誤謬」を示唆するようになったのだ。
具体的には、WHが算出した米原子力発電所建設の追加コスト61億ドルについて、東芝が17年3月期に損失計上したのは「間違い」だとし、WHが巨額損失を抱えた米原発建設会社を買収した16年3月期に損失計上するべきだった、との主張を強めている。
この主張の根拠として、東芝が原発建設会社の買収を決議した15年10月の段階で、売却元のCB&Iから原発建設の追加コストは60億ドル程度になるとの試算を受け取っていたことを挙げている。
だが、東芝はこれに反発。もともと、このコスト試算を圧縮する前提で原発建設会社の買収を決めたため、結果としてコストの圧縮はできなかったものの、16年3月期に損失を計上する必要はなかったと反論している。
7月以降、新日本監査法人も、東芝・PwCあらたとの協議に加わっているが、16年3月期決算の「間違い」を全否定。「仮に東芝が16年3月期の決算を修正したいと言ったとしても、監査法人として認めない」との姿勢で、PwCあらたとは真っ向から対立している状態だ。
結果的に「PwCあらたvs東芝」の対立は、新旧監査法人の直接対決に発展。このままでは、17年3月期決算の監査の意見が「不表明」か、最悪の場合、「不適正」になるのは確実な情勢だ。
東芝幹部は本誌の取材に対し、「もはや調査も終えて主張も出し尽くした。これ以上、期限延長をする理由はなくなった」として、10日までに監査意見を求めるしかない現状を明かしている。
半導体売却の条件交渉のさなか
再建計画崩壊も
「(東芝の上場廃止は)影響が大きいので何とか避けたいが、不適正意見が付くようなことになれば簡単ではないだろう」。主力取引銀行の首脳も危機感を募らせる。
東京証券取引所の上場基準では、有報に監査の「適正意見」が付かない場合でも、それだけを理由に上場廃止になるわけではないが、東芝は15年に発覚した不正会計問題で同年9月から特設注意市場銘柄に指定されており、上場維持について審査中。ここで、監査意見の「不表明」や「不適正」が付けば、審査に不利な影響を与えるのは必至だ。
東芝は、18年3月末の2期連続の債務超過を解消して上場廃止を回避する狙いで、半導体子会社、東芝メモリの売却交渉を進めており、優先交渉権を与えた「日米韓連合」との条件交渉を急いでいる。
だが、PwCあらたの監査判断によっては、この交渉の前提が崩壊する恐れがある。東芝を再び危機のどん底に陥れる監査法人の判断は、刻一刻と迫っている。
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