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来年にかけての経済
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52980667.html
2017年08月05日 在野のアナリスト
米7月雇用統計が非農業部門雇用者数で20.9万人増となり、失業率も0.1pt改善。良好な結果となり、利上げを意識されて金利が上昇、円安になって帰ってきました。しかし賃金上昇率は前年同月比2.5%増と、金融危機前にとどかず、インフレに加速感はない。それでも利上げせざるを得ないのは、過熱感の方が強まってきたからです。
世界の不動産市場は、日本のバブル期並みの上昇を示し、個人債務も拡大。お金を借りて投資をする、という状況が世界で蔓延しており、新規に資金が流入するため市場が上がる。上がるから資金が流入する。その循環で押し上げられてきた。株式市場は国のGDPを大きく越える時価総額となり、正当化できる範囲を超えている。ネットの個人取引など、国が関与しない部分もあるため、株式市場でも必ずしもGDPを目安にする必要はないかもしれませんが、世界全体の株式市場が上昇する、といった異常な状況が今ですから、これが問題ない状態です、などという理屈は相当程度、懐疑的な目を向けておいた方がよいでしょう。
問題は、来年の市場に警戒信号がともる点です。米欧の中銀で、引き締めが今年中には開始される見込みです。ECBの利上げと、FRBによる資産縮小。恐らく後者の方が資金の流れに与える影響が大きく、米国債に金利上昇圧力がかかる。と同時に、少しでも利回りの高い債券を求める動きから、米国債は変われ、金利はそれほど上下しないかもしれない。しかし不動産市場に流れ込んでいた資金の一部が、米国債へと向かうことになります。
日本のバブルがはじけた後の住宅市場を例にだすまでもなく、世界各国で深刻な消費低迷と、金融不安を引き起こすことでしょう。これはバブルを深化させつづければ、さらに弾けさせたときのダメージが大きくなるので、いつかは通らなければいけない道です。しかしそれが起こりそうなのが来年、というのが問題でもあるのでしょう。
政治的混乱も年末から来年にかけて、大きくなりそうです。米国ではトランプJr.への大陪審が決まりそうです。米共和党としても、トランプ政権で中間選挙を戦えないことは自明。仮に年末までトランプ政権が続いても、来年には共和党内から引きずり下ろす動きが出てくるでしょう。露国との共謀を根拠とした弾劾の可能性があります。
日本も改造はほとんど失敗。支持率もすぐに危険水域に落ちるでしょう。欧州では選挙イヤーでしたが、何とか極右の台頭を防げそう、との認識も広がります。しかし誕生した政権の支持率は低く、欧州でも経済が堅調なので、デモなども鎮静化していますが、不動産市場がコケると一気に政治不信が広がる公算も高い。日本ではほとんど不動産価格が上昇していないので気づきにくいのですが、今や不動産市場の行方が世界経済、ひいては世界の政治情勢すら揺るがしかねない、とも言える事態にまでなっているのです。
これまではオイルマネーの変調、中国経済の不安、などがあっても資金の流れが変化しなかったのは、中央銀行が緩和をつづけてきたからです。それが今年の末にかけて止まる、変化する。まだ緩和の手段、規模も分からないので、影響については推し量れませんが、とにかく来年、変化を示すサインがいくつも出ていることは間違いありません。
日本の問題は、世界経済が変調したとき、緩和の手段も、政府による景気対策の手段も限られる、という点です。安倍ノミクスで5年間、無為無策のまま緩和だけをつづけ、余裕を失っている上、引き締めにも出遅れている。来年はあらゆる意味で試される一年、となるのかもしれません。まだ今年、5ヶ月も残していて来年の話をすると鬼に笑われそうですが、鬼も裸足で逃げだす、そんな経済情勢が近づいていることだけは間違いないのでしょうね。
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