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木内前日銀委員:国債買い入れは「来年中ごろに限界に達する可能性」 米雇用統計:7月は予想上回る 米雇用増えても賃金伸びず
http://www.asyura2.com/17/hasan122/msg/862.html
投稿者 酢 日時 2017 年 8 月 05 日 14:28:19: JVuupfBNpkXsE kHw
 

木内前日銀委員:国債買い入れは「来年中ごろに限界に達する可能性」
日高正裕、藤岡徹
2017年8月4日 14:45 JST

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長期金利に上昇圧力加われば、限界はもっと早くなるかもしれない
2%物価目標の位置付けをより柔軟な方向に修正し、政策の正常化を


日本銀行審議委員を5年間務めた木内登英氏は先月の退任後、初めてインタビューに応じ、日銀が現在のペースで長期国債を買い続けた場合、来年中ごろに限界に達する可能性がある、との見方を示した。
  野村総合研究所のエグゼクティブ・エコノミストに就任した木内氏は4日、ブルームバーグテレビジョンに出演し、「日銀は永久に長期国債を買い続けることはできない」と指摘。国債保有残高の増加ペースは約20兆円縮小したが、この程度では「不十分」だとし、「来年中ごろに限界に達する可能性がある」と述べた。
  木内氏の任期中最後となった7月20日の金融政策決定会合で、日銀は長期国債買い入れのめど(保有残高の年間増加額)「約80兆円」を維持した。しかし、黒田東彦総裁は5月の国会答弁で60兆円前後になっていることを明らかにしていた。
  日銀が買い入れを続けるには民間金融機関が保有長期国債を売らなければならないが、「全て放出するとは考えにくいため、買い入れの限界が近づいている」と述べ、日銀は買い入れ額をさらに減額せざるを得なくなるとみる。仮に長期金利に上昇圧力が加われば、目標の0%を維持するため買い入れ額を増やさなければならなくなり、「限界は来年中ごろより早くなるかもしれない」と語った。
  先月の決定会合後に公表した展望リポートでは、2%物価目標の達成時期を「2018年度ごろ」から「19年度ごろ」に先送りした。達成時期の先送りは13年4月の異次元緩和導入から6度目となる。
  木内氏は2%の物価目標を「近い将来、達成するのは不可能だ」と指摘。物価の基調は主に潜在成長率によって決まると考えられるが、これを引き上げる構造改革がにわかに実現するとは考えにくいため、目標としても「適切ではない」と述べた。
  過激な金融緩和策によって為替が円安となり、物価が上昇したとしても、「実質所得が減少して消費を冷やし、生活の質は低下する」と指摘。日銀は物価目標の位置付けを柔軟な方向に修正すべきで、「そうすることが異次元の金融緩和の正常化につながる」との見方を示した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-04/OU56G96JTSE901

米雇用統計:7月は20.9万人増、予想上回る−娯楽や製造業で伸び
Michelle Jamrisko
2017年8月4日 23:40 JST

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米国の労働市場では7月に市場予想を上回る雇用者の増加がみられた。失業率は16年ぶり低水準に並び、賃金の伸びも予想を上回った。

  米労働省の4日発表によると、非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比20万9000人増加。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は18万人増だった。
  家計調査に基づく7月の失業率は4.3%で、エコノミスト予想に一致した。

  平均時給は前月比で0.3%増で、市場予想に一致。前年同月比では2.5%増と、予想の2.4%を上回った。週労働平均時間は34.5時間で、市場予想に一致した。
  7月は広範にわたり雇用増が見られたが、特に娯楽・ホスピタリティ関連が2015年9月以来で最も雇用者が増加した。製造業や教育、ヘルスケア関連も5カ月ぶりの高い伸びとなった。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/isBYZ3weJDu0/v2/-1x-1.png

  ジェフリーズのチーフ金融エコノミスト、ウォード・マッカーシー氏(ニューヨーク在勤)は「労働市場は引き続き非常に良好だ。見通しも極めて明るい」と述べ、「民間部門では今も多くの求人があり、あらゆるスキルレベルにおいてほぼ完全雇用に近づいている」と指摘した。
  労働参加率は62.9%と、前月の62.8%から上昇した。フルタイムでの職を望みながらもパートタイム就労を余儀なくされている労働者や、職探しをあきらめた人などを含む広義の失業率は8.6%で前月と変わらず。正社員を希望しながらもパートタイムで働く労働者は4万4000人減少して528万人だった。
  民間部門の雇用者は20万5000人増。市場予想の18万人増を上回った。前月は19万4000人増。政府職員は4000人の増加となった。
  製造業の雇用は1万6000人増、小売りは900人増、娯楽・ホスピタリティ関連は6万2000人の増加だった。
原題:Payroll Gain of 209,000, Wage Pickup Show U.S. Labor Strength(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-04/OU5YEGSYF01S01

エラリアン氏:「ますます心配になる」、米雇用増えても賃金伸びず
Natasha Rausch、Katherine Chiglinsky、Jonathan Ferro
2017年8月5日 02:00 JST

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FRBにできることではない、政府と議会の仕事だ−エラリアン氏
トランプ氏がツイート、7月の雇用統計は「素晴らしい」と自賛

独アリアンツの主任経済顧問を務めるモハメド・エラリアン氏は、米国では雇用が増加しているものの賃金の伸びは依然としてあまりにも低いと指摘。議会や政府が行動を取るべき緊急性は高まっていると述べた。
  エラリアン氏は4日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「歴史を振り返れば今はまだ見限るべきではないが、予想に届かない経済指標が続いている。米経済はソフトパッチ(軟調局面)に入っており、しかもこのソフトパッチは長期化しそうだ」と発言。「従って、個人的にはますます心配になっている」と語った。
  米労働省が4日発表した雇用統計によると、7月の平均時給は前月比0.3%増、前年同月比で2.5%増。年間の賃金上昇率は過去2年、ほとんど変わっていない。エラリアン氏とのインタビューは、この統計の発表前に行われた。
  同氏はまた、米政策金利が引き続き過去最低付近にあるため、イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長が将来の金融安定を脅かさずに労働市場を活性化できる余地はほとんどないと指摘。インフラ投資の増額や税制改革、個人債務の過剰な負担を軽減する措置が必要だとして、「これはFRBにできることではない。議会や政権に可能な行動であり、実行するべきだ」と主張した。
  7月雇用統計では非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)が前月比20万9000人増加し、市場予想を上回った。トランプ大統領は統計の発表後、「素晴らしい雇用者数が発表された。それに私は就任してまだ間もない」とツイッターに投稿した。
  
原題:El-Erian ‘More and More Worried’ About Wages, Even as Jobs Gain(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-04/OU64OP6KLVR401


FX Forum | 2017年 08月 5日 08:59 JST 関連トピックス: トップニュース
米雇用統計:識者はこうみる

[4日 ロイター] - 7月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が20万9000人増と、市場予想の18万3000人増を上回る伸びとなった。賃金も5カ月ぶりの大幅増となり、労働市場の引き締まりを示唆した。

市場関係者のコメントは以下の通り。

●FRBは9月にバランスシート縮小着手

<キャンター・フィッツジェラルドの金利ストラテジスト、ジャスティン・レデラー氏>

広範にわたり堅調な結果となった。時間当たり賃金は予想に沿ったものだった。

今回の結果は米連邦準備理事会(FRB)が9月にバランスシートの縮小に着手する方針を変えるものではなかった。次回利上げはその先の12月になる。

●バランスシート縮小・年内あと1回の利上げ軌道から外れず

<ウエルス・ファーゴ・ファンズ・マネジメントのシニア投資ストラテジスト、ブライアン・ジェイコブセン氏>

7月の雇用者数が予想を上回っただけでなく、これまで月の分も差し引きで上方修正された。

時間当たりの平均賃金前年比での伸びは2.5%増と前月から横ばいとなったが、少なくとも伸びは縮小はしなかった。

米連邦準備理事会(FRB)はバランスシート縮小に着手し、年内にあと1回の利上げを実施すると見られているが、今回の堅調な雇用統計とドル安が相まってこうした方針が変更される理由は見当たらない。

●賃金の理想は3.5%増、12月利上げ見込む

<ダン&ブラッドストリートのエコノミスト、ボディ・ガングリ氏>

足元雇用は拡大していることがうかがえ、統計は底堅く基調的な内容といえる。時間当たり賃金は前年比の伸びが2.5%だった。理想は賃金がさらに伸び、米連邦準備理事会(FRB)が快適とみなす3.5%に近づくことだが、だからといってFRBは今回の内容を過度に弱いなどとは判断しないはずだ。物価には間違いなく一定の上方圧力がかかっており、統計は金融政策の正常化の流れを阻害するほど弱いものではない。したがってわれわれは依然12月の利上げを予想する。

●低賃金の雇用増が平均賃金下押し

<シュワブ金融調査センター(ニューヨーク)の首席債券ストラテジスト、キャシー・ジョーンズ氏>

賃金が7月に伸びたのはよかったが、依然として中途半端な伸びにとどまっている。労働参加率はやや上昇した。統計は非常に底堅かったとはいえ、利上げ回数が年内あと1回との市場の予想は変わらないだろう。賃金に関しては、低賃金の雇用が増えることで、平均賃金を下押ししている点が問題といえる。

●賃金増鈍さ謎、引き締め継続にリスクも

<ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズの首席投資ストラテジスト、マイケル・アローン氏>

非農業部門雇用者数、民間部門雇用者数ともに力強い数字で、雇用増の裾野も幅広い。

だが労働市場がここまで引き締まっているにもかかわらず、賃金増のペースが前年比で2%台で低迷している謎は解消されていない。

イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は労働専門のエコノミストで、フィッシャー副議長も議長とそう遠くはない。正副議長ともにフィリップ曲線の理論を、献身的にとは言わないまでも、尊重している。この理論に従えば、失業率が4.3%まで下がれば、賃金は上昇すると考えられる。議長らは賃金増の鈍さに当惑しつつも、この理論が金融政策の引き締めを続ける自信にもなっている。学んできた知識に照らし合わせると、雇用がここまで改善すれば、ある時点で賃金増ペースが加速すると示唆されているからだ。

FRBがこのまま引き締めを継続し、インフレが想定通りに加速しなければ興味深い。そのリスクが向かう先は市場となるかもしれない。

*写真を追加します。

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NY市場サマリー(7日)
ドル全面高、強い雇用統計で米追加利上げ観測高まる=NY外為
http://jp.reuters.com/article/us-econ-job-idJPKBN1AK1WS
 

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コメント
 
1. 2017年8月05日 17:13:28 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[4067]

>木内前日銀委員:国債買い入れは「来年中ごろに限界 
>「日銀は永久に長期国債を買い続けることはできない」と指摘

これは完全な間違い

国内生産力、内外需給次第で、インフレ率が一定に抑制できる場合

また名目GDP比で一定以下になるまでは

当然、永遠に拡大し続けることも可能


>日銀が買い入れを続けるには民間金融機関が保有長期国債を売らなければならないが、「全て放出するとは考えにくいため、買い入れの限界が近づいている」と述べ、日銀は買い入れ額をさらに減額せざるを得なくなるとみる。

>仮に長期金利に上昇圧力が加われば、目標の0%を維持するため買い入れ額を増やさなければならなくなり、「限界は来年中ごろより早くなるかもしれない」と語った。

ここも上と下で、言っていることが完全に矛盾している

上のケースのように、投資先が不足して民間が国債を売らず、買い入れを減額せざるえないのであれば、

政府が、さらに赤字国債を増発して、保育・教育投資や都市インフラ投資を行えばいいし

下のケースのように長期金利が上昇して買い入れ額を増やすのは、まさに限界とは真逆で、さらに緩和が可能な状況ということだ


こいつは、かなり知能が低いとしか言いようが無いな


何度も言うように、本質的に重要なのは、日銀の金融政策などではなく

いかに政府が、民間の生産性を上昇させる投資を引き出せるか

そしてムダな地方や社会保障へのバラマキを効率化できるかなのだが

この手の愚民たちには、永久に理解できないのかもしれないな


2. 2017年8月05日 17:44:09 : zU3bOA6eeQ : D1Ln9H3teEc[900]
>>1

日銀総裁と平成デンデン総理にアドバイスしたまえ。

 黒田氏とデンデン安倍氏が泣いて喜ぶこと請け合いだ。

 デンデン氏と黒田氏の任期中がそのチャンスだぞ。

 場合によっては「日銀審議委員」に抜擢されるぞ。

 運が良ければ「日銀総裁」の座が転がり込む事だって有り得るぞ。

 せいぜい頑張り給え。

 阿修羅で「アホか・低能か・・・とか散々喚いても出世の目は無いぞよ。

 

 


3. 2017年8月05日 19:30:39 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[4073]


いや、今の日銀委員の多くは、この程度であれば、大体理解できているだろう

そもそも別に出世には興味は無いよw


4. 2017年8月09日 12:35:40 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[723]
結局は生産回帰なんてしないのか

目覚めよサプライチェーン

消費者は自国製にそこまでこだわらない
2017年8月9日(水)
坂口 孝則

(写真=AP/アフロ)
 かつて私は自動車メーカーで勤務していた。自動車は為替によって利益が左右されるといわれる。部品調達だけではなく、完成車の生産も為替によって検討しなければならない。また、実際に頻繁に、国ごとに生産する台数が変化していた。いわば、生産変動が当たり前の世界にいた。

 その後、私は調達業務のコンサルタントになったが、「生産回帰」という言葉の使われ方に違和感を抱いた。というのも、生産回帰というくらいなら、普通は生産の大半が日本に戻ってきているイメージだ。しかし、“一部”の機種の“一部”の生産が、日本に戻ってきているという。その程度なら、自動車では日常茶飯事だ。別に生産回帰として騒ぐほどでもない。

 さらに、“一部”の機種の“一部”の生産は日本に戻っても、全体的な傾向としては、海外生産は拡大しているという。それはほんとうに生産回帰と呼ぶべきものなのか、私は不思議に感じている。

 たとえば「2016 年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」を見てみよう。49ページでは、確かに日本にたくさん生産が戻ってきている、と思いきや、51ページを見ると日本に戻ってきているのはその一部にすぎず、むしろ大半は中国など海外に流出しているのがわかる。トータルでは生産は回帰していないと断ずるほうが適切ではないか。もちろん、全体の傾向は不変でも、少しでも日本に戻ったらよしとする見方もあるかもしれないが。

ウォルマートの製造業回帰宣言

 ウォルマートは「製造業刷新のためのロードマップ(Walmart Outlines Policy Roadmap to Renew U.S. Manufacturing)」を発表した。詳細はポリシーをご覧いただくとして、ワッペンまで作成して掲げている「Walmart INVESTING IN AMERICAN JOBS(ウォルマートは米国の製造業に投資する)」という標語が印象的だ。政府や議会にも協力してほしいところと、小売業界で努力せねばならないところをあげて、米国の製造業全体を底上げするのが狙いだ。

 目標は3000億ドル分の生産を増やすことと、雇用もおなじく150万人分を増やすことだ(なお、これは関連業種の雇用も含めてのもので、製造業のみでは25万人ほどの雇用増を目指すとしている)。なおこれは2013年から開始されたプログラムで、開始当初より、目標値を上積みしたかっこうだ。

トランプ大統領の賞賛はすごいが

 トランプ大統領は、米国製を露骨なまでに賞賛し、ホワイトハウスのブログにも掲載している。米国全州の商品と会社名をあげ、下のメッセージ欄には「トランプ大統領は大統領就任の初日から、アメリカの労働者と家族のために闘ってきました(President Trump has been fighting on behalf of American workers and families since the first day of his Presidency)」とある。その他、自画自賛を含めた檄文が並んでいる。

 冒頭で私は、生産回帰の「件数」として、本当に日本へ回帰しているのかと疑問を呈した。そして、ウォルマートは何より雇用を目指している。ところで、そもそも米国に戻ってくる必要があるのだろうか。少なくとも、全業界を総じて語ってもいいのだろうか。

 その点について、面白いことに次のような指摘がある。これはPew Research Centerの情報だが、米国では製造業の雇用は大幅に減って、しかし、生産量は大幅に増えているのだ。1987年から2017年までの推移を見よう。たとえば、雇用は1750万人から1240万人に減少している。確かに事実だ。ただ生産量は倍になっているのだ。この記事では、アンケートに答えたひとのほとんどが、米国製造業の雇用が減少しているのは知っているものの、生産量が増えているとは知らなかったとしている。

 この記事では、もちろん衣料などの商品によっては海外に流れているのは事実としながらも、コンピューターや電気製品等は生産量をむしろ増やしていると指摘している。だから、一般的に生産が海外に移管する、といっても、全業界をまとめて議論するのは危険であり、そもそも全体の生産量が増加している事実を失念してはいけない、というのだ。

ウォルマートは二重離反に陥っているか

 さらに、前述のウォルマートについて、いくつかの疑念が提示されている。ロイターによると、ウォルマートは激しい競争のなかで、オンライン販売では、結局米国製ではなく他国製品のラインナップを増やしていると指摘した。

 中国やイギリス、カナダなどの各企業にオンライン販売を加速するために協力を呼びかけているという。周知の通り、ネット通販では、ライバルのアマゾンが商品ラインナップでは先を行く。ウォルマートは追いつこうと、5000万アイテムを用意する。しかし、アマゾンは3億アイテムを用意しているのだ。もちろん敵はアマゾンだけではない。これからも無数に登場してウォルマートに戦いを挑んでくるだろう。

 これからウォルマートはネット上での闘いを本格化させようとしているが、やはり幅広い品揃えと、なんといっても価格優位性がカギとなる。もちろん、多くを販売することで、(製造業者という意味ではなく)店舗や倉庫管理などで雇用が生まれ、結果として多くの米国人を雇う結果になるかもしれない。ここには、雇用も大切だけれど、競争に勝たなきゃ、そもそも従業員を雇えない、というリアルがある。

 前述の記事にもあるとおり、トランプ大統領の発言とうらはらに、さほど多くの米国人は米国製にこだわりをもっていない。米国製が良い、とは共通した意見だが、多くのお金を払うほどではないと答えている。ウォルマートは、米国製造業者の刷新プログラム、オンライン戦争、米国人消費者の本音、という三者のなかでジレンマを抱えている。

 ところで、私たちは、ふたたび自問する季節に行き着いたのではないかと思う。このコラムで生産回帰について疑問を呈したのは数年も前のことになる。自問とは、すなわち、生産回帰はそもそも必要なのだろうか――と。


このコラムについて

目覚めよサプライチェーン
自動車業界では、トヨタ自動車、本田技研工業、日産自動車。電機メーカーでは、ソニー、パナソニック、シャープ、東芝、三菱電機、日立製作所。これら企業が「The 日系企業」であり、「The ものづくり」の代表だった。それが、現在では、アップルやサムスン、フォックスコンなどが、ネオ製造業として台頭している。また、P&G、ウォルマート、ジョンソン・アンド・ジョンソンが製造業以上にすぐれたサプライチェーンを構築したり、IBM、ヒューレット・パッカードがBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を開始したりと、これまでのパラダイムを外れた事象が次々と出てきている。海外での先端の、「ものづくり」、「サプライチェーン」、そして製造業の将来はどう報じられているのか。本コラムでは、海外のニュースを紹介する。そして、著者が主領域とする調達・購買・サプライチェーン領域の知識も織り込みながら、日本メーカーへのヒントをお渡しする。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/258308/080800093/


 


悩む大手銀行、クオンツ投資家のデータ要求とコンプライアンスの間で

Dani Burger
2017年8月9日 06:48 JST

ほかでは得られない市場データを求める飽くことなき需要が、銀行を難しい立場に立たせている。

  取引を黄金に変身させるシグナルが欲しくてしかたがないクオンツ投資家は、取引先の金融機関が持つ情報へのアクセスを求めて圧力をかける。公開情報は瞬時に解析され、それに基づいて投資家が行動する世界で、投資での優位は一瞬で消滅する。クオンツの言葉で言えば、裁定が働いてアルファが消える。

  このため、一部の投資家は衛星画像やクレジットカード取引記録など変わった情報源の活用を試している。一方、まだ利用されていないウォール街のリソースに目を付ける投資家もいる。以前から存在するが容易には入手できない、例えば調査リポートの読者数のようなデータだ。

  こうした価値ある情報を求める声が強まるにつれて、銀行はバランスを取ろうと苦労する。機密をもらすことなく、役に立つ情報を与えるにはどうしたらいいのか。

  運用会社に助言サービスを提供するアルファ・セオリーでポートフォリオコンサルティング部門プレジデントを務めるベンジャミン・ダン氏は、「バイサイドはずっと前からこのデータを欲しがっていたが、何でもすぐに裁定が働く今はその要求が業界全体でさらに強くなっている」とした上で、セルサイドの銀行では、「調査部門はデータを提供したいと考えるが、コンプライアンスと法務上の責務がこれを阻止している」と話した。

原題:Quants Clamor for Data Causing Soul Searching at Large Banks (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-08/OUDHCF6VDKHU01

 


空売りで知られるオディ氏の欧州株ヘッジファンド、7月に約10%損失
Suzy Waite、Nishant Kumar
2017年8月8日 15:55 JST

空売りで知られるヘッジファンド運用者、クリスピン・オディ氏の欧州株ロング・ショート戦略ファンドが7月に約10%の損失を出した。ブルームバーグ・ニュースが入手した文書で分かった。
  文書によると、オディ氏自身がロンドンから運用するオディ欧州ファンドの7月成績はマイナス9.8%。1−7月ではマイナス12.2%となった。
  7月の成績について米紙ウォールストリート・ジャーナルが先に報じていた。オディ・アセット・マネジメントの広報担当者はコメントを控えた。
  投資家宛ての書簡によれば、7月のパフォーマンスは2016年3月のマイナス22.4%以来で最悪だった。オディ氏は昨年、英国株は欧州連合(EU)離脱決定を受けたリセッション(景気後退)とインフレ加速によって80%下落する可能性があると警告していた。
原題:Crispin Odey’s European Hedge Fund Loses Almost 10% in July(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-08/OUCTI26TTDS201


ドイツ銀とクレディ・スイス、ウェルスマネジメントのランキング低下
Patrick Winters
2017年8月8日 06:18 JST

スコルピオ・パートナーシップがまとめたウェルスマネジメント事業の調査によると、ドイツ銀行とクレディ・スイス・グループは2016年に同事業での運用資産で順位を落とした。
  クレディ・スイスの富裕層事業の運用資産は2016年にドル建てで4.7%増えたが、17%資産を増やしたロイヤル・バンク・オブ・カナダに抜かれて順位は1つ後退し6位となった。
  ドイツ銀は運用資産が28%減り、順位は5段階下の16位となった。上位4位はUBSグループとバンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレー、ウェルズ・ファーゴが維持。スコルピオは200社余りのウェルスマネジメント会社からの公開情報をまとめた。  
  調査によると業界全体では運用資産が4%近く増えたにもかかわらず、収入は横ばいだった。
原題:Deutsche Bank, Credit Suisse Fall in Wealth Management Ranking(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-07/OUBN70SYF01T01


ゴールドマン、デリバティブで資本要件が上昇へ−減らすなら半年以内
Dakin Campbell
2017年8月8日 16:26 JST

米ゴールドマン・サックス・グループは4日の届け出資料で、リスク加重資産に対して保持を義務づけられる資本の最低要件が3%に上昇する見込みだと明らかにした。6月末の資産に基づいて見積もった。
  ゴールドマンは、その主因は「短期デリバティブ(金融派生商品)の想定額」の増加だと説明した。このために、資本の最低要件は現行のリスク加重資産の2.5%から上昇することになる。システム上重要な銀行の資本最低要件はそれぞれの銀行の規模と複雑さによって決まる。
  JPモルガン・チェースはこの比率を下げようと、2015年中に資産を2200億ドル(約24兆3300億円)余り減らした。当局は年末に、2019年1月から適用する資本比率を決定する。ゴールドマンは資産を減らすか高い資本要件を受け入れるかを、年末までに決めなければならない。
原題:Goldman’s Derivative Growth Made It More Systemically Important(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-08/OUCV0Y6JIJUO01

ガンドラック氏、手遅れになるまでしがみつくな−今を犠牲にしても
Erik Schatzker
2017年8月8日 15:43 JST

米ダブルライン・キャピタルの共同創業者で最高経営責任者(CEO)のジェフリー・ガンドラック氏は、金融市場も自身の業界も、「いいことずくめ」であり過ぎると考え、そんな世界から距離を置こうとしている。
  ジャンク債や新興市場債などのリスク資産は過大評価されていると考える同氏は、これらの資産のポジションを縮小、高品質で金利上昇からの影響が小さいクレジット商品への投資を増やしている。それによって当面のパフォーマンスを幾分犠牲にすることは承知の上だ。
  ガンドラック氏(57)はどんな出来事や展開が投資家センチメントを転換させるかは予言できないが、今は慎重になる方が、手遅れになるまでしがみついているより良いと考えている。
  「きっかけが現れるのを待っていれば、安い値段で売ることになる。今は『リスクを心配せずに何を買っても大丈夫』な時期ではない。それをするなら1年半前にすべきだった」と7日の電話インタビューで話した。
  同氏はダブルラインの大きさについても慎重だ。うまく運用できる金額には限度があるとし、運用資産が1500億ドル(約16兆5900億円)に達したら募集をやめようと考えている。現在の規模は1100億ドル。「機関投資家向け事業では実際、投資を断っている。5000億ドルを運用したくない。2000億ドルでも運用したくない」と語った。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iXfOpBL.dMSQ/v5/1200x-1.png
原題:Gundlach, Wary of Pricey Market, Sets Cap on DoubleLine’s Growth(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-08/OUCR9G6JIJUQ01



米カード債務残高、金融危機直前に記録した過去最多を更新
Jenny Surane
2017年8月8日 12:26 JST

米消費者クレジットカード債務残高は今年6月、2008年の金融危機直前に記録した過去最多を更新した。

  米連邦準備制度のデータによれば、カード債務残高は6月に1兆200億ドル(約113兆円)に到達した。シティグループやJPモルガン・チェースなどの銀行は、低金利が長引く中で比較的利幅が大きいことから、残高を繰り越す可能性があるカード保有者との契約で競争を繰り広げている。
  金融危機時と違って、今回はそれほど悪い結果につながらない見通しだ。08年には住宅の値下がりが世界的な金融メルトダウンへの負の連鎖を引き起こし、失業率が10%へと急上昇する中で銀行は2年間でカード債務1000億ドル強を償却した。
  投資家はカード債務残高が2月に1兆ドルを超えて以降、デフォルト(債務不履行)率が上昇するのではないかと神経質になっている。カード発行会社のキャピタル・ワン・ファイナンシャルとシンクロニー・ファイナンシャル、ディスカバー・ファイナンシャル・サービシズの3社は4−6月(第2四半期)の償却率が前四半期から上昇したと明らかにしていた。
原題:U.S. Credit-Card Debt Surpasses Record Set at Brink of Crisis(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-08/OUCIUE6TTDS201

 


1〜3月期の対米経常黒字、前年比8%減 財務省調べ
2017/8/8 17:56

 財務省が8日発表した2017年1〜3月期の地域別国際収支状況によると、米国との間でのモノやサービスなどの取引状況を表す経常収支は3兆6422億円の黒字だった。前年同期から8%減った。知的財産権等使用料の受け取りが減少し、サービス収支の赤字が拡大した。企業が海外子会社から受け取る配当金などを示す第1次所得収支も減少した。

 財務省が同日発表した17年1〜6月の国際収支統計速報では、全世界との間での経常収支は10兆5101億円の黒字だった。上半期としては2年連続で10兆円を超え、リーマン・ショック前の07年以来10年ぶりの高水準となった。

 対アジアの経常黒字額は1〜3月期に2兆6778億円で、前年同期に比べて91%増えた。輸出が好調で貿易収支が黒字転換した影響が大きかった。国・地域別にみると対中国の経常赤字が縮小。香港や台湾、韓国などとの間でも経常黒字が拡大した。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS08H3F_Y7A800C1EE8000/


18年春の大卒内定率、7月末で約8割 マイナビ調べ
2017/8/8 17:03

 就職情報大手のマイナビ(東京・千代田)が8日発表した2018年春卒業予定の大学生・大学院生の7月末時点の内定率(内々定を含む)は78.9%だった。昨年の8月末時点の内定率(77.5%)を既に1.4ポイント上回った。学生優位の「売り手市場」で人材の獲得競争は激しくなっており、採用活動の早期化が進んでいる。

 今年6月末と比較すると5.6ポイント上昇した。5月末から6月末の内定率が20ポイント増加したのに比べると緩やかな上昇にとどまり、企業が内々定を出すピークが今年は6月だったことがうかがえる。今後も就職活動を継続する学生(未内定者も含む)は36.0%だった。

 売り手市場が強まるなか、学生が内定を辞退するケースも増えている。入社予定の企業から、保護者が入社を承諾しているか確認されたことがある学生は30.5%に上った。「親から反対された」という理由で内定を辞退する学生が多く、企業が内定者に「親にも確認したか」を問う「オヤカク」という言葉も定着してきている。

 調査は同社が運営する就活サイトに登録している学生を対象に実施した。内定率については7月24〜31日にインターネットで調査した。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ08H9D_Y7A800C1000000/


4〜6月の長期失業者68万人、19年ぶり低水準に
2017/8/8 20:41日本経済新聞 電子版

 1年以上にわたって仕事を探す「長期失業者」が減っている。総務省が8日発表した4〜6月の労働力調査(詳細集計)によると、長期失業者は68万人とデフレ経済に入った直後の1998年以来、約19年ぶりの少なさだった。景気の回復で人手不足が強まり、失業者が仕事を見つけやすくなった。失業期間が短ければ働くスキルを保ちやすく、労働生産性の向上につながる。

 雇用環境をみると、2017年6月は正社員の有効求人倍率が初めて1倍を超え、求人が求職を上回る状況にある。過去に例のない売り手市場のもとで、企業が失業者の希望に沿う採用を進め、求人と求職の条件が合わない「雇用のミスマッチ」が減っている。

 17年4〜6月期の長期失業者は前年同期より10万人減った。男女の減少幅はほぼ同数だった。35〜44歳の女性が3万人減と、減少幅が最も大きかった。子育てに一区切りがついて職に就いた女性が増えている。

 前職を離れてから1年未満の短期失業者は125万人で、前年同期より5万人減った。短期失業者はすでにバブル経済直後の1992年以来の水準まで下がっており、減少幅も小さくなりつつある。今年4〜6月は1〜3月に続き、長期失業者の方が短期失業者より減少幅が大きかった。

 戦後3番目の長さとなった今の景気回復局面で、企業は前職の経験が残る短期失業者の採用を優先する動きが多かった。失業期間が長くなった人はスキル向上の機会に恵まれず、労働市場で取り残されやすい。ただ人手不足感が強まり、企業は長期失業者にも採用を広げざるを得ない状況だ。

 長期失業者が再び働き始めれば、企業内教育を通じてスキルを高められる。第一生命経済研究所の星野卓也副主任エコノミストは「人手不足の企業は省力化の投資と並んで、社員の教育に力を入れる。巡り巡って企業の稼ぐ力を高める」と語る。

 専業主婦や引退した高齢者層などの職探しをしていない非労働力人口も減少している。4〜6月時点で4350万人おり、このうち372万人が就業を希望している。ただ「職探しを諦めていた」が「すぐにでも働ける」という即戦力は35万人と、5年間で半分近くに減った。

 長期失業者や非労働力人口が減り続け、企業による人材確保の余地は一段と狭まっている。運輸や小売りでは人材をつなぎとめるための賃上げも広がる。クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミストは「収益増に先行した賃上げは、企業の利益のうち労働者の取り分を示す労働分配率を高めているだけで、持続的とは言えない」と指摘する。そのうえで「労働生産性を高めることが、賃金上昇の好循環に欠かせない」と見る。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS08H75_Y7A800C1EE8000/



7月の街角景気、人手不足でマイナスに 内閣府調べ
2017/8/8 17:33

 内閣府が8日発表した7月の景気ウオッチャー調査によると、街角景気の現状を示す指数(季節調整値)は前月より0.3ポイント低下し、49.7となった。企業の景気判断が落ち込んだ影響で、4カ月ぶりに悪化した。建設業やサービス業で広がる人手不足が、企業の業容拡大の足かせとなり、景況感の改善を鈍らせている。

 景気ウオッチャー調査の項目は、家計動向、企業動向、雇用の大きく3つに分けられる。7月は企業動向が落ち込んだ。「人手不足で売り上げ増加に結びつかない」(南関東の警備業)など、人手不足をマイナス要因に挙げる声が広がっている。内閣府は「受注が悪いわけではない。サービスなどでは人手不足による供給側の制約が影響している」と分析する。

 家計動向は横ばいだった。内訳では小売り・飲食が前月から低下した。東北の百貨店で「夏のセールに積極的な購買姿勢がみられない」との声があった。小売り関係でプラスとみられた猛暑は、テーマパークの客足を鈍らせるといったマイナスの側面もあった。

 地域別では豪雨の被害を受けた九州の指数が3.7ポイント悪化した。

 全国の先行き指数は前月比0.2ポイント低下の50.3となった。「価格を安くしないと売れない。個人消費が改善しているとは楽観的に見れない」(北陸のホテル)など、慎重な見方がある。一方、「11月にかけて例年以上の予約数がある」(南関東のゴルフ場)との声もあった。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS08H2T_Y7A800C1EE8000/

街角景気、4カ月ぶり悪化=人手不足が足かせ−7月

 内閣府が8日発表した7月の景気ウオッチャー調査によると、3カ月前と比べた街角の景況感を示す現状判断指数(季節調整値)は前月比0.3ポイント低下の49.7と4カ月ぶりに悪化した。人手不足が企業活動の足かせとなる懸念が広がった。
 ただ、内閣府は「一部に足踏み感はあるが、全体的に指数は高水準にある」と分析。基調判断は「持ち直しが続いている」に据え置いた。
 指数は企業と雇用関連が悪化し、家計は横ばい。サービス業からは「人手不足で(需要があっても)売り上げ増に結び付かない」(南関東の警備会社)といった指摘が出た。消費をめぐってはエアコンや自動車の販売が好調。その半面、住宅販売は「商談客は減少気味」(九州の販売会社)と業種間でばらつきがある。
 2〜3カ月先の見通しを示す先行き判断指数は0.2ポイント低下の50.3。「価格を安くしないと売れない」(北陸のホテル)と個人消費の先行きを懸念する声が出ている。(2017/08/08-17:07) 

関連ニュース
街角景気、2カ月連続改善=基調判断を上方修正−5月 (17/06/08)
街角景気、3カ月連続改善=新車販売など好調−6月 (17/07/10)
消費者心理、2カ月ぶり改善=基調判断据え置き−7月 (17/08/02)
5月機械受注、3.6%減=基調判断、8カ月ぶり下方修正 (17/07/10)
4月機械受注、3.1%減=非製造業が不振−内閣府 (17/06/12)

景況感、1年ぶりマイナス=自動車など低迷−4〜6月期の大企業(2017/06/13-11:22)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017080800890&g=eco


7月の現状判断DI(季節調整値)は、前月差 0.3 ポイント低下の 49.7 とな
った。
家計動向関連DIは、住宅関連等が低下したものの、サービス関連が上昇した
ことから横ばいとなった。企業動向関連DIは、製造業等が低下したことから低
下した。雇用関連DIについては、低下した。
7月の先行き判断DI(季節調整値)は、前月差 0.2 ポイント低下の 50.3 と
なった。
雇用関連DI は上昇したものの、家計動向関連DI及び企業動向関連DIは低
下した。
なお、原数値でみると、現状判断DIは前月差 1.1 ポイント上昇の 51.0 とな
り、先行き判断DIは前月差 0.9 ポイント低下の 50.6 となった。
今回の調査結果に示された景気ウォッチャーの見方は、「持ち直しが続いてい
る。先行きについては、人手不足に対する懸念もある一方、引き続き設備投資等
への期待がみられる」とまとめられる。


I.全国の動向
1.景気の現状判断DI(季節調整値)
3か月前と比較しての景気の現状に対する判断DIは、49.7 となった。家計動向関連の
DIは変わらなかったものの、企業動向関連、雇用関連のDIが低下したことから、前月
を 0.3 ポイント下回り、4か月ぶりの低下となった。


2.景気の先行き判断DI(季節調整値)
2〜3か月先の景気の先行きに対する判断DIは、50.3 となった。雇用関連のDIが上
昇したものの、家計動向関連、企業動向関連のDIが低下したことから、前月を 0.2 ポイ
ント下回った

II.各地域の動向
1.景気の現状判断DI(季節調整値)
前月と比較しての現状判断DI(各分野計)は、全国 11 地域中、6地域で上昇、4地
域で低下、1地域で横ばいであった。最も上昇幅が大きかったのは東北(3.7 ポイント上
昇)で、最も低下幅が大きかったのは九州(3.7 ポイント低下)であった。
図表9 景気の現状判断DI(各分野計)(季節調整値)

2.景気の先行き判断DI(季節調整値)
前月と比較しての先行き判断DI(各分野計)は、全国 11 地域中、6地域で上昇、5
地域で低下した。最も上昇幅が大きかったのは沖縄(9.1 ポイント上昇)で、最も低下幅
が大きかったのは北関東(4.0 ポイント低下)であった。
図表 10 景気の先行き判断DI(各分野計)(季節調整値)


III.景気判断理由の概要
全国
(◎良、○やや良、□不変、▲やや悪、×悪)
分野 判断 特徴的な判断理由
現状
家計
動向
関連
◎ ・気温の上昇に伴い、エアコンを中心とした季節商材の販売が伸びている。また、高付加
価値商品の販売に注力することで利益も確保されている(近畿=家電量販店)。

・大手携帯電話会社の新料金プランの発表によって、金額的にも魅力ある端末が増えて客
は買いやすくなっている。店頭においてもプラス提案がしやすくなったため、販売台数
が増えた(北陸=通信会社)。
・宿泊に関しては、インバウンドは引き続き好調である。中国からの団体客は、個人旅行
に変化しており、欧米からの個人客も好調に推移している。ただし、国内の個人旅行は
相変わらず元気がない。一方、レストラン売上や宴会売上は、このところ順調である(近
畿=都市型ホテル)。

・気温の高い日が続いているが、夏物のクリアランスセールに対して、積極的な購買姿勢
はみられていない。低単価商品と比較しながらの慎重な購入スタイルは依然として顕著
である(東北=百貨店)。
▲ ・展示場の来場者数が減少している。また商談の客も全体的に減少気味である(九州=住
宅販売会社)。
企業
動向
関連
○ ・居住環境に対する設備投資の考え方が以前よりも前向きになっており、学校や特別養護
老人ホームに環境改善機器の納入が増えている(南関東=電気機械器具製造業)。
□ ・人手不足で売上増加に結び付かない(南関東=その他サービス業[警備])。
雇用
関連 □ ・求職者そのものは減ってはいないが、ミスマッチが多い状況が続いている(東北=人材
派遣会社)。
先行き
家計
動向
関連

・メディアで取り上げられた商品は即時完売や問い合わせが相次いだりするので、客の消
費意欲は落ちておらず、天候や流行など何かのきっかけがあれば景気が上向く気配はあ
る(中国=スーパー)。
・11 月にかけて例年以上の予約数があり、すでにスタート枠の 70%を確保できている(南
関東=ゴルフ場)。

・売上の内容をみると、価格を安くしないと売れないことがわかる。全体の売上高はやや
良くなっているが、個人消費が改善しているとは楽観的に見れない(北陸=都市型ホテ
ル)。

・とてつもない猛暑である。夏は暑く冬は寒いというのが家電が売れる条件である。金利
政策や海外の状況があるが、やはり今夏は暑くエアコンが非常に売れている。前年の倍
近く売上が上がっている。ただこれも続かないので今後はやや悪くなる(九州=家電量
販店)。
企業
動向
関連

・製品単価の値上げや工法によるコストアップ、人件費の高騰などによって、工事の見積
額は上昇傾向にある。消費者の所得がそれに追い付くまでは、購入をためらうことにな
る(近畿=建設業)。
・建物建築の関連業者では人手不足の影響で対応できる仕事が少なくなってきている(北
海道=司法書士)。
雇用
関連 ○ ・年末に向けての受注が増え、求職者も増える傾向にある。東京に関してはオリンピック
関連の受注もますます増加し、安定してきている(近畿=民間職業紹介機関)。

7.近畿
(◎良、○やや良、□不変、▲やや悪、×悪)
分野 判断 判断の理由
現状
家計
動向
関連

・客の普段の買物には、大きな変化はみられない。ただし、季節の催事といったイベント
の打ち出しを強化すると、来客数が増えて、活発に買物をするなど、消費意欲は底堅い
(スーパー)。

・宿泊に関しては、インバウンドは引き続き好調である。中国からの団体客は、個人旅行
に変化しており、欧米からの個人客も好調に推移している。ただし、国内の個人旅行は
相変わらず元気がない。一方、レストラン売上や宴会売上は、このところ順調である(都
市型ホテル)。

・食料品の店頭売上は、前年比 2.0%減で推移している。土用の丑の日も、2,000 円を超え
る商品の動きが悪く、1,500 円前後が売れ筋となり、単価のダウンを招いている。常備
商品も同様で、高級志向の商材の動きが悪い(百貨店)。
企業
動向
関連

・国内の動きに大きな変動はなく、自動車業界からの引き合いが多い。海外からの受注は、
現地調達の会社が増加しつつあり、中小企業による獲得が難しくなっているため、今後
の対策を検討する必要がある(輸送用機械器具製造業)。
▲ ・ここ3か月の受注量が極端に減ってきている。毎年、夏の需要は減る傾向にあるが、想
定以上に減少している。周囲からも良い声は聞こえてこない(出版・印刷・同関連産業)。
○ ・建築関係の出荷量が増えてきている(金属製品製造業)。
雇用
関連

・直近では、これまで横ばいで推移していたIT技術者の正社員求人が多く出ている。企
業の間では、生産性向上や省力化につながるシステム開発の需要が増えている(職業安
定所)。
□ ・人手不足の状況が月を追うごとに深刻化し、派遣事務で働く若年層は枯渇している(人
材派遣会社)。
その他の特徴
コメント
◎:気温の上昇に伴い、エアコンを中心とした季節商材の販売が伸びている。また、高付
加価値商品の販売に注力することで利益も確保されている(家電量販店)。
▲:夏に向けた予約の動きが遅い(観光型旅館)。
先行き
分野 判断 判断の理由
家計
動向
関連
□ ・状況に変化はない。インバウンド客次第のところがあり、今後どうなるかが不安である
(観光名所)。
▲ ・分譲マンションの完成在庫が増加しており、契約数は変わらないものの、実態は値引き
の幅が大きくなってきている(住宅販売会社)。
企業
動向
関連
□ ・8月は稼働日が少ないため、出荷量が減少しているものの、9〜10 月は好調な状態を維
持できる(化学工業)。

・製品単価の値上げや工法によるコストアップ、人件費の高騰などによって、工事の見積
額は上昇傾向にある。消費者の所得がそれに追い付くまでは、購入をためらうことにな
る(建設業)。
雇用
関連 □ ・夏休みなどでパートの人数は増えたものの、パート期間が終われば、また常勤のパート
不足となる。求人の募集をかけても応募はない(アウトソーシング企業)。
その他の特徴
コメント
◎:販売量と供給量のバランスが以前よりも改善され、売上、利益共に、より効果的に増
加する(木材木製品製造業)。
○:年末に向けての受注が増え、求職者も増える傾向にある。東京に関してはオリンピッ
ク関連の受注もますます増加し、安定してきている(民間職業紹介機関)。
http://www5.cao.go.jp/keizai3/2017/0808watcher/watcher1.pdf


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