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中国鉄路総公司は27日、「今年9月、京滬(北京-上海)高速鉄道のダイヤ改正が実施された後、『復興号』の時速350キロ運転が正式に行われる」と発表した。試運転で曲阜駅を通過するG350727号「復興号」(撮影:王玉建)
「350キロ時代」に全面突入した中国高速鉄道―中国メディア
http://www.recordchina.co.jp/b185891-s10-c30.html
2017年7月29日(土) 23時0分
中国鉄路総公司は27日、「今年9月、京滬(北京-上海)高速鉄道のダイヤ改正が実施された後、『復興号』の時速350キロ運転が正式に行われる。その際、同高速鉄道の全行程所要時間は現在より約30分短くなり、最短で約4時間半に短縮される」と発表した。人民日報が伝えた。
27日、記者がG350727号車に乗り、「復興号」試運転の乗車体験をした。
〇「和諧号」より改善された安全性、快適性、経済性
27日午前8時38分、高速鉄道列車G350727号「復興号」が北京南駅を出発した。最初は緩やかにスピードを上げていき、10分後には時速289キロに、午前8時50分には時速350キロに達した。列車はその後もずっと時速350キロで安定した走行を続けた。午前10時51分、列車は予定通り徐州駅に到着した。この間に、「復興号」の最高時速は352キロをマークした。
中国鉄路総公司の総経理で特別技術顧問を務める中国工程院の何華武・院士は、「『復興号』は、安全性・快適性いずれにおいても、極めて優れている。京滬高速鉄道は設計時速350キロでの運行という要求を満たした」と話した。
〇時速300キロから350キロへの引き上げ、コストパフォーマンスは?
何院士は続けた。
「京滬高速鉄道は、速度上昇に関する実行可能性調査がすでに行われている。時速300キロから350キロまで引き上げることで、エネルギー消費は20%から30%ほど増加するが、走行時間が短縮されることから、走行効率は高まる。また、乗客の増加も見込める。総合的に計算すれば、全体的なコストパフォーマンスはそう悪くはない」。
〇「和諧号」に比べ、「復興号」が優れている点は?
まず、安全性が良好な点が挙げられる。時速350キロの状況で、「復興号」の脱線係数は0.2から0.3の間で、国際基準は0.8。中国工学院院士で西南交通大学の翟婉明教授は、「脱線係数は、低ければ低いほど良い。これは、京滬高速鉄道の動態安全性に何の問題もないことを裏づけている」と指摘した。
次に、快適性も素晴らしい。時速350キロの状況で、「復興号」の安定性指標は約2.0。翟婉明教授によると、国際基準では2.5以下なら「優」の部類に入るという。「復興号」の指標は、サスペンション設計の素晴らしさを反映しており、「和諧号」を上回っている。このほか、「復興号」の運転室とデッキの騒音は「和諧号」より4デシベル低く、トンネル通過中の快適性がより高まっている。
コストパフォーマンスもより優れている。時速350キロの状況で、「復興号」の総使用電力量は「和諧号」より10%少ない。中国鉄道科学研究院(鉄科院)機車車両所の張波・研究員は、「北京-上海間を1往復する場合、『復興号』の電力使用量は『和諧号』より約5千キロワット少なくて済む」と話した。
中国鉄路総公司の陸東福・総経理は、「『復興号』が京滬高速鉄道上で時速350キロ走行を実現することは、党十八大(中国共産党第十八回全国代表大会)以降の中国高速鉄道事業発展における重要な成果であり、中国の高速鉄道発展の新たな1ページが開かれたことを意味する。『復興号』は中国基準であり、中国が自主開発した知的財産権であり、中国が時速350キロの高速列車を開発・製造する能力を備えている上、安全走行を実現できることを証明している」と話した。
〇9月のダイヤ改正で速度アップ、値上げなし
中国が運営する2万2千キロメートルに及ぶ高速鉄道ネットワークのうち、約3分の1は350キロの設計時速に基づき建設されている。だが、いずれも時速300キロ以下で運営しているのが現状だ。
京滬高速鉄道で真っ先に時速アップが行われる理由は何か?中国工程院の杜彦良・院士は、以下の見方を示した。
「京滬高速鉄道は、中国でこれまで建設されてきた中でも、距離が最も長く、技術水準が最高の高速鉄道だ。6年におよぶ営業実績から、線路の安定性、列車の快適性などすべてがもとの設計基準に達していることが証明されている。国家による検査を経てスピードアップが行われるのは当然のことだ。同高速鉄道の設計時速は350キロだった。営業時速が設計時速基準に達することで、技術面で最良のバランスが満たされるだけではなく、経済社会の発展需要も満たされる」。
何華武・院士は、「今年9月に京滬高速鉄道のダイヤ改正が実施された後、7本の『復興号』が時速350キロで走行する予定で、北京-上海区間を結ぶ列車が中心となる。だが、北京と上海を直通で結ぶ列車は全体の20%もない。『復興号』の投入が増えるにつれて、今後は時速350キロで走行する列車の本数は増えるだろう」と指摘した。
〇「速度はアップするが、値上げはしない」
中国中車の孫永才・執行董事は、「『復興号』の製造周期は8カ月から10カ月で、弊社は1年間に約400本の『復興号』を製造する能力を備えており、速度アップのための技術的保障を提供できる」と話した。
〇時速200キロから350キロを網羅する一連の製品
専門家は、「京滬高速鉄道が時速350キロで一定期間運行したのち、京広(北京-広州)や鄭西(鄭州-西安)など時速350キロメートルで設計されている高速鉄道も、段階的に営業時速を設計時速に近づけることで、沿線の経済社会発展を牽引すると期待される」との見方を示した。
では、中国の高速鉄道は、「時速350キロ時代」に全面的に突入できるのだろうか?
中国鉄路総公司の担当者は、次の通り説明した。
「時速350キロの高速鉄道製品は、中国高速鉄道で開発されている中でも最高レベルの製品に限られ、一連の高速鉄道製品の一つにすぎず、それが全てではない。未発達地区では、住民は乗車券代金に非常に敏感な反面、時間がかかることはそれほど気にしない。そのような地域では、時速250キロ前後の高速鉄道製品が主流となる。一方、発達したエリアでは、旅客数が膨大な数にのぼり、時間と引き換えに乗車券に高額を払う人々が多い。このようなエリアでは、高速鉄道は時速350キロの製品を中心に提供する。今後、中国は、時速200キロから350キロを網羅する一連の高速鉄道製品を揃えていく。これは、サプライサイド構造改革の重要な構成要素でもある」。
京滬高速鉄道が時速350キロまでスピードアップすることは、海外から注目を集めた。中国中車の孫永才・執行董事は、以下のとおりコメントした。
「『復興号』 の研究・開発は、高性能の製品を開発したにとどまらない。より重要なことは、中国基準の技術体系を構築し、完全自主的な知的財産権を備えたサプライチェーンシステムを構築し、国際競争における核心的な競争力を形成した点だ。中国高速鉄道ネットワークでは、毎日2693両の高速列車が運行している。この実績によって、我々は豊富な高速鉄道ビッグデータを蓄積することができた。また、世界で唯一無二の競争資源でもある。
「『復興号』が時速350キロで走行することで、中国技術体系と営業経験の『海外進出』のために、貴重な経験が提供される。また、中国基準の高速車両はさらなる影響力を備えることになるだろう」。(提供/人民網日本語版・編集KM)
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