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仕送りが激減。バイトと奨学金が頼りに(写真はイメージ)
大学生の貧困問題 仕送り額激減でバイトと奨学金が頼り
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170726-00000001-moneypost-bus_all
マネーポストWEB 7/26(水) 6:30配信
「子どもの貧困率は主要国で最悪レベル」――と聞くと、いったいどこの国かと思ってしまうが、この国の話である。 厚生労働省が6月27日に発表した国民生活基礎調査で、2015年の「子どもの貧困率」(世帯の可処分所得などから子どもを含む国民一人ひとりの所得を並べ、真ん中の人の額の半分に満たない人の割合)は13.9%。過去最悪だった前回の2012年調査からは改善したものの、未だOECD(経済協力開発機構)平均よりも高い。なかでもひとり親世帯の貧困率は50.8%にも上り、主要国で最悪レベルとなっているのだ。
国全体で7人に1人、ひとり親世帯では実に2人に1人の子どもが貧困に喘いでいるとはにわかに信じ難いかもしれないが、その深刻さはこんなデータからも見て取れる。
独立行政法人日本学生支援機構が2016年3月に発表した「平成26年度学生生活調査」によると、大学生(昼間部)の「奨学金受給状況」(全学生のうち奨学金を受給している者の割合)は2014年度で51.3%に上る。
しかも、これまでの推移を見ると、1996年度までは20%台前半と5人に1人だった受給率は年々増加の一途を辿り、2002年度には30%台、2004年度には40%台へと跳ね上がり、2010年度には50%を突破。今や大学生の2人に1人以上は奨学金なしでは大学に通えない状況に置かれているのだ。貧困から抜け出すための大学進学だが、高額な授業料を支払うために奨学金を借りれば、卒業後に奨学金の返済が重くのしかかる。
「厳しい状況は親からの『仕送り』の減少にも表われています」と指摘するのは、ファイナンシャルプランナーの藤川太氏(家計の見直し相談センター)。
全国大学生活協同組合連合会がまとめた「学生生活実態調査」では、下宿生の親からの仕送りは7万610円(2016年)。1990〜2000年にかけて月10万円以上の仕送りを受けていた学生が6割を超えていたが、その割合は年々減り、今や29.2%と半減。代わって月5万〜10万円の仕送りが38.8%と最も多い割合となっている。サラリーマンの平均給与が1997年をピークに減少するなか、仕送りを削らざるを得ない家庭がそれだけ増えているのである。
その一方で、下宿生の生活費は平均12万円弱でほぼ変わっていないことを考えると、今や奨学金やバイトで賄わなければ生活できない大学生が過半を占めているといえるだろう。
「かつてバブル期に学生だった(いまの40代後半〜50代)世代からすれば、まさに隔世の感があると思います。当時は学生ですらバブルの恩恵を受け、ろくにバイトをしないで遊ぶこともできたし、大学は“レジャーランド”と呼ばれていました。
それも今や昔の話。現在、アベノミクスによる景気拡大局面はあのバブル期を超えたといわれていますが、その裏では奨学金をもらってバイトに励んでようやく大学に通えている学生が少なくない。子どもの貧困問題は相当深刻といえるでしょう」(藤川氏)
振り返れば、小泉政権下の2002〜2008年にかけて、あの高度経済成長期の「いざなぎ景気」を超える戦後最長の景気拡大局面になったといわれるが、あの時も「実感なき景気回復」といわれた。今回の景気拡大はバブル期を超えて戦後3番目の長さとされるが、こと子どもを取り巻く環境を考えれば、過去の景気拡大局面とは比べものにならぬほど冷え込んでいるとしかいいようがない。
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