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アマゾンジャパン社長・ジャスパー・チャン(Jasper Cheung)さん/1964年、香港生まれ。86年に香港大学を卒業後、キャセイパシフィック航空などをへて、2000年にアマゾンジャパンに入社。01年4月に社長就任(撮影/植田真紗美)
アマゾンジャパン ジャスパー・チャン社長単独インタビュー 「秘密主義ではありません」〈AERA〉
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170719-00000097-sasahi-sci
AERA 2017年7月24日号
2000年に本のECサイトとして日本に上陸したアマゾン。いまやあらゆるものを扱い、他の追随を許さない巨大ECサイトに成長した。一方で、アエラが行ったアンケートでは、回答した137人のうち「アマゾンを使っている」と答えた人が96%。同時に、「できれば使いたくない」と答えた人が44%もいた。拡大の原動力は。便利なのに不安にさせるものの正体は。AERA 2017年7月24日号では「アマゾン」を大特集。
アマゾンが日本でサービスを始めたのは2000年。翌01年から社長を務めるジャスパー・チャンさん。インタビューには英語で応じたが、何かを思い出そうとしたとき、口から出たのは「なんだっけ?」。相当な日本通だ。
──アマゾンの日本進出から17年目。世界の中で、日本はどんな市場ですか。
一貫して重要な市場です。アメリカ、ドイツに次いで世界で3番目に大きく、ポテンシャルも高い。日本には14の物流拠点(フルフィルメントセンター、以下FC)と六つのプライムナウ専用拠点を置き、4400人の社員を抱えていますが、このこと自体、日本がわれわれにとって重要な投資地域であることを示しています。
日本はモバイルショッピングの分野では最も先行する市場で、アマゾンジャパンは世界のどこよりも早く、モバイルビジネスユニットという部門を作りました。これによって、他の国々でやるべきこと、やってはいけないことを考えることができています。
日本独自の文化がイノベーションのきっかけになったこともあります。日本では、電子書籍リーダーでのマンガの消費方法が文学作品などと異なります。それに対応することが、ページめくりのスピードやストレージのイノベーションにもつながった。「Kindle Paperwhiteマンガモデル」は日本のお客さまのために開発されました。
●ブレないミッション
──意思決定はどう行われますか。グローバル戦略の中で米国が決めるのか、チャン社長が決断・実行するのか。
どちらの場合もあります。それ以外のこともあります。グローバル企業ですから、どこかの国でいいアイデアやテクノロジーが生まれれば、それを他でも活用しようと考えます。日本のチームは日本のお客さまのためによりよいソリューションを考え、他国のチームも同じように考えて、より高いアイデアがやりとりされる。これをグローバルな形で行っています。
世界の国を横断的に見ているチームも多くあります。私だけでなく、アマゾンでは何千人もの人が日本を見ている。そこからイノベーション、ソリューションが生まれます。
──米国と日本で意見が食い違うことはないのですか。
われわれは世界中で同じミッションを遂行しています。世界一顧客志向であること、世界で求められるあらゆるものを品ぞろえすることです。ここは一貫していて、ブレることはありません。
お客さまが求めるのは、たいていの場合は基本的なことで、それは品ぞろえや価格、利便性ですから。14のリーダーシップ・プリンシプルも、すべての国、部門、カテゴリーで共有されています。
──日本国内のライバルへの対抗策など、ローカルな戦略の場合はどうでしょう。
カスタマーエクスペリエンス(CX)の構築をするときには、いろいろな方法を考えます。競合他社に関することは一つの情報ではありますが、あくまでも一つのインプットにすぎません。われわれがすべきことは、競合ではなくCXに注力すること。いろいろなインプットを得てソリューションを提供することが重要です。
●会員数よりプログラム
──「世界一の顧客志向」がミッションだそうですが、どうやって顧客の志向をつかむのですか。
われわれはお客さまとのやりとりが多い企業です。たくさんの方がウェブで価格をチェックしてくれて、レビューを見たり、書いたりしてくださいます。それらを通じて、お客さまが何に不満を持ち、何をしてほしくないのか、逆に、何を欲しているのかがわかります。
カスタマーサービスでも、数多くの電話を受けたり、チャットメッセージをやりとりしたり、電子メールの問い合わせを受けたりしています。もっとパフォーマンスを高めてくれ、もっと品ぞろえを増やしてくれ……。こうしたコメントは、お客さまからの価値あるプレゼントです。私自身もお客さまからメールをいただくことがありますが、時間をかけて読んで、改善すべき点のヒントにしています。
──一方で、アマゾンを「秘密主義」だと感じる消費者も少なくありません。サービスはどこか一方的、機械的な感じで「顔」が見えない、と。
われわれは秘密主義ではありません。お客さま、パートナーのみなさまに正しく、有益な情報を提供することを重視しています。逆に無用な情報で邪魔をしたり影響を与えたりはしたくない。選択的に動いています。
利便性、信頼性向上のために、われわれは本当にがんばって価格情報や他社さまの情報も出しています。加盟店の業績、配送状況、返品方法などは詳細にウェブサイトに掲載して、誰でも確認できる。購入の経験が透明性のあるものになるように担保しています。
新しい商品、サービスを事前に発表しないのは、準備が整ってからお客さまに伝えるというスタンスだからです。実際にやらないかもしれないことをすべて伝えると、無用な情報になってしまいます。
──日本ではプライムの会員数も非公表です。これも無用な情報ということになりますか。
注目していただくほど重要な情報ではないと思います。それより、年に3900円、月に400円で何ができるのか、というプログラムの中身をお伝えするほうが重要でしょう。私自身、他に会員が何人いるかより、プログラムのことを知りたいと思っています。
●便利が時間を生んだ
──アマゾンのおかげで、いろんなことが便利になりました。便利すぎる世の中になることに対する、不安や恐れはありませんか。
私自身、10年前より確実に買い物がしやすくなり、エンターテインメントコンテンツが消費しやすくなりました。それによって、いままでできなかったことも、できるようになりました。新しい趣味を始められたり、家族との時間が多く取れるようになったり。これは感謝すべきことです。
われわれがやるべきことは、お客さまのしたいことがやりやすい環境をつくること。それで、新たな時間も生まれます。今後も、そのような機会を提供したいと思っています。
(構成/編集部・作田裕史)
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