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収穫前のコシヒカリの稲穂(「Wikipedia」より/Siriusplot)
1強・コシヒカリを脅かす「つや姫」「ゆめぴりか」台頭…全国新ブランド米戦争勃発
http://biz-journal.jp/2017/07/post_19841.html
2017.07.19 打倒コシヒカリ…ブランド米戦争勃発 文=長井雄一朗/ライター Business Journal
今、ブランド米の戦国時代が到来している。そして、それは「コシヒカリ」1強時代の終焉なのかもしれない――。
コメといえば「コシヒカリ」だ。生産量・消費量がもっとも多く、全国生産量の約36%を占める。“コシヒカリの子ども”ともいえる「あきたこまち」「ヒノヒカリ」「ひとめぼれ」を含めると、生産量は全体の60%以上を占める。
しかし、“コメの王者”ともいえる「コシヒカリ」の地位が揺らいでいる。茨城県、千葉県、栃木県だけではなく、魚沼産を除いた新潟県の「コシヒカリ」の価格が低下しており、秋田県の「あきたこまち」や宮城県の「ひとめぼれ」など既存の主力銘柄も同様だ。そして、東北地方や北陸地方などコメどころの各県は、今秋から次々と“ポストコシヒカリ”を狙って新品種をデビューさせる。
いわば、ブランド米戦国時代の到来か。コメの専門家であり、「お米マイスター」五ツ星の三代目小池精米店の店主・小池理雄氏に話を聞いた。
■先陣を切った「つや姫」と「ゆめぴりか」
「打倒コシヒカリ」は、コメどころであるJA全農山形の悲願だ。そのJA全農山形が1990年代前半にデビューさせたのが、「はえぬき」「どまんなか」。特に「はえぬき」はセブン-イレブンのおにぎりのコメにも採用され、「味は『魚沼産コシヒカリ』に負けていない」と自負していたとおり、食味の評価は全国トップレベルであった。
しかし、ブランド化には失敗した。今や、スーパーマーケットでは安値で売られている。そこで、山形県が2010年に満を持してデビューさせたのが「つや姫」だ。
「はえぬき」の失敗は、つくりすぎたことにある。そこで、「つや姫」では栽培を適地に絞り、栽培方法も厳格に定めた。そして、栽培基準を満たした農家が生産したコメだけに「つや姫」を名乗って流通させることを許した。つくりすぎた「はえぬき」の教訓に学び、徹底した管理手法によって生まれたのが「つや姫」なのである。
18年には、「つや姫」の弟分的存在であり、粘りと噛みごたえのある「新食感」が特徴的な「雪若丸」をデビューさせ、“姉弟”のブランド米で勝負をかける。これらに共通するのは、“主張するコメ”という点だ。小池氏は、「お寿司やおにぎりに向いているコメだと思います」と語る。
一方、北海道のホクレン農業協同組合連合会も負けてはいない。かつては「北海道のコメはおいしくない」とされてきたが、「きらら397」以降、品種改良に成功したことで生まれたのが「ゆめぴりか」である。北海道では、産地ごとに「ゆめぴりか」の味を審査し、道内でもっともおいしい「ゆめぴりか」を選出するコンテストも行われている。
ブランド米戦国時代において、山形と北海道が一歩リードといったところだろう。
「『つや姫』と『ゆめぴりか』は、ほかのコメと比べて図抜けたおいしさです。もっちりしていて、一つひとつの粒が主張している。抵抗感なく受け入れられました」(小池氏)
■巻き返しを図る北陸4県、新ブランドを続々投入
新潟県、富山県、石川県、福井県の北陸4県は、これまで「コシヒカリ」を主力品種としてつくってきた。しかし、既存銘柄の地位や価格の低下を受けて、近年は“ポストコシヒカリ”を模索している。その結果、17〜18年には各県で新品種のブランド米が誕生する。
新潟は17年に「新之助」、富山は18年に「富富富(ふふふ)」、石川は17年に「ひゃくまん穀」、福井は17年に「いちほまれ」を、それぞれ販売するのだ。
「『新之助』は『コシヒカリ』と収穫時期がずれるため、どうしても『コシヒカリ』の収穫時期に集中する作業量を軽減できるという点がメリットです。粒が大きく、ソフトな感触でもっちりしつつ甘みがあります。実は、私も予約しています。『富富富』『ひゃくまん穀』『いちほまれ』は、まだ食べたことがないのですが、新ブランドということで、おおいに期待しています」(同)
「富富富」という一風変わった名称を発表した石井隆一・富山県知事は、「コシヒカリを超えるおいしさです。おいしいコメを食べて、子どもが『ふふふ』と笑うという意味で『富富富』と名付けました」と発表している。
「ひゃくまん穀」について、JA全農いしかわは「しっかりとした粒感で食べごたえがある」と自信を持つ。「いちほまれ」の福井は、「そもそも『コシヒカリ』は、本県が60年前に誕生させたブランド米が発祥です。『魚沼産コシヒカリ』を超えた食感を『いちほまれ』でご堪能いただければ」とコメントしている。
山形の「つや姫」と北海道の「ゆめぴりか」が一歩リードするなか、北陸勢が攻勢をかけるという構図だ。「“ポストコシヒカリ”の地位は本県が担う」と自負する福井だが、それぞれの地域性や思惑もあり、どのコメが“ポストコシヒカリ”となるのかは、まだ見えてこない。
しかしながら、北陸4県の攻勢いかんでは、ブランド米戦国時代の勢力図は大きく変わる可能性があるだろう。
■青森、岩手、宮城もブランド米に注力
「実は、『お米マイスター』の人たちで、ごはんの新しい楽しみ方を提案すべく『東京都ごはん区』というグループを設立し、全国の産地からおいしいコメを探して、コメの品質を見極めて販売しています。実績として、すでに岩手県の『銀河のしずく』の販売がありますし、青森県の『青天の霹靂(へきれき)』などのPRをしてほしいとの依頼を受けています」(同)
15年にデビューした「青天の霹靂」は、誰もが驚くようなうまさを目指して青森が満を持して誕生させたコメだ。16年デビューの「銀河のしずく」は、岩手独特のしっかりもっちり系の極みとされる。「銀河のしずく」は並みいるブランド米を押しのけ、「日経トレンディ」主催の「米のヒット甲子園2016」では「大賞米」に選ばれた。
また、17年にデビューする岩手の「金色(こんじき)の風」は粘りとやわらかさ、甘みのバランスの良さが特徴的で、岩手では「ブランド米の本命」とされている。「作付けする場所は岩手の中でも分かれているので住み分け可能です」(同)という。18年デビューの宮城の「だて正夢」は、もっちりとした食感と粘りが特徴。このコメをブランド化するため、宮城は生産農家を登録制とするなど力を入れている。
■ブランド米は収入低下の農家を救うか?
農家の収入低下が叫ばれるなかで、コシヒカリに代わる勢力が現れ、各県が力を入れるコメの新銘柄。農家の収入アップにつなげる狙いのほか、海外への売り込みを図るという思惑もあるようだ。
「海外への売り込みについては、ブランド米だけでなく、おにぎりや和食文化などもセットで売り込む必要があります」(同)
一方、関東では茨城の「ふくまる」や栃木の「とちぎの星」など、味の面では遜色ないが、PR不足のために存在感の薄いブランド米も存在する。また、外食店には人気が高いが、一般の消費者にはまったく知名度がないというコメもある。青森の「まっしぐら」などは、その代表だ。
「コメの消費量が減少するなかでコメのおいしさを見直してもらうには、今がチャンスです」(同)
しかし、スーパーで廉売すればブランド化には失敗する。スーパーにとって、コメは目玉商品だ。そのため「なるべく安く売りたい」という考えが働くが、そのバランスをどう取るかが重要になる。また、「はえぬき」で失敗したように、過剰生産によって飽きられるという可能性もある。
「売る相手を考える必要があります。コメの専門店か百貨店に卸すのが王道です」(同)
当然ながら、ブランド米戦国時代には勝者と敗者が存在する。
「ブランド米は、今回紹介したほかにもさまざまな品種があります。無理に拡大路線を取れば、淘汰されるコメも出てくるでしょう。しかし、いずれにしても、このようにコメが話題になるのはいいことです。コメの消費量が減少しているなかで、話題に上ることが多くなり、『最近、コメがはやっているよね』という共通認識が生まれれば、市場拡大につながるからです」(同)
今年から来秋にかけて、次々とブランド米が誕生し、食卓に並ぶ。新銘柄と、それを迎え撃つ既存銘柄との対決は見ものだ。本格的に始まるブランド米戦国時代の勝者は、どのコメになるのか。
(文=長井雄一朗/ライター)
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