http://www.asyura2.com/17/hasan122/msg/389.html
Tweet |
欧州の金融政策と日銀
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52965493.html
2017年06月28日 在野のアナリスト
稲田防衛相の発言が、波紋を広げています。自衛隊法、公務員法、公職選挙法など、様々な違反がみとめられるのに、謝罪・撤回だけで済まそうとする。内閣改造を待って、ということなのでしょうが、法律も理解していない防衛相では危機対応も心もとない、というものです。基本的なことさえわかっていないのに、危機対応マニュアルを理解できているのか? この前のミサイル対応CMではありませんが、物陰に隠れて…などと言われても困ってしまいます。むしろ稲田氏が物陰に隠れたい気分かもしれません。
欧州では伊国による2つの金融機関の清算に、批判の声が上がります。伊政府は2行の優良資産を引き受けた金融機関に50億€を支払い、さらに120億€を保証するといいます。つまり国家による破綻処理ですが、EUでは金融の破綻処理は、政府ではなく投資家が負うべき、というルールを定めており、そのルールに伊政府の対応は抵触します。また金融機関を監督するECBとしては、いきなり寝耳に水でEUのルールを破られたばかりか、自分たちの対応が誤りだったと突き付けられた。それが波紋を広げているのです。
そんなECBドラギ総裁が、緩和をつづけて景気が回復することは、さらなる緩和をしているのと同じ、と述べて引き締めが意識され、ユーロ高となっています。今の緩和とて年内で終了して延長はしない、とみられていたので市場に引き締めの準備をさせよう、という意図もあるのでしょうが、絶好調とされる今の欧州経済でも、金融機関の不安はまだ払しょくされていません。スペインのサンタンデール銀行が、バンコ・ポピュラールを1€で買収したように破綻準備行とされる金融機関は、まだまだあるのです。そこに伊国の独断専行が起こったので、EU各国からも批判の声が上がるのです。
その影響は、EUで統一的に行おうとしていた預金保険制度に、伊国の銀行を含めないとする意見もあります。国家補償をつけるのだから、預金保険は要らないだろう、というのです。伊国の今回の判断は、伊国も反EUの動きをすすめるのか? という政治的不信と、金融機関に国家が関与することにより、政治主導で甘い査定が行われたり、投資家により安易な資金融通がすすむことにより、破綻すべき金融機関が生き残ったり、という弊害しかないという経済的な不信を招く、という意味でより深刻なのでしょう。
長期で低金利を維持することの弊害、が世界では懸念される。そんな中、未だにゼロ金利を継続して、出口を示しもしない日銀の特異性、リスクを意識される日もそう遠くはないのでしょう。日銀としては、少しずつ出口のヒントをだしているつもりなのでしょうが、インフレをターゲットにしているため、市場はまだ目標に達していない、としてどうせ引き締めなどできない、との油断が蔓延しています。いざ日銀が本気、という意識が急速に広がったとき、市場に大きな動きを引き起こしかねない状況でもあります。
株価もまったく値動きが小さくなり、配当分の再投資があっても商いも低調。市場としての油断と、官製相場による楽観が奇妙な相場をうみだしてしまった。しかし日銀の危機管理、出口戦略のマニュアル次第では、下方向にしか向かわない動きを誘発しやすくもするのです。四半期末の6月末、都議選も越して、黒田総裁の退任までに出口の道筋をつけるのなら、政治的イベントも少なくなるこの夏ごろから動き出さないと、間に合わない面もある。今年の夏は、海外と国内と、危機対応の考え方で右往左往する局面がでてくることも警戒しておくべきなのでしょうね。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民122掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。