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カップ麺、食べてはいけない可能性…国が注意喚起へ マスコミが報じない医療のはなし
http://biz-journal.jp/2017/06/post_19603.html
2017.06.28 文=新見正則/医学博士、医師 Business Journal
5月、国立研究開発法人の医薬基盤・健康・栄養研究所は、日本人が食塩を摂取する源となっている食品の1位は「カップ麺」だと発表し、「食塩の取りすぎが血圧の上昇と関連があることが明らかになっており、注意してほしい」と呼びかけた。今回はこの話題で盛り上がっています。
“常識君”の解説です。
「食塩の取りすぎが血圧の上昇と関連していることは明らかで、世界保健機構(WHO)は成人の食塩摂取量の目標値を1日当たり5グラム未満とすることを強く推奨しています。日本人の目標値は成人男性が8グラム未満、女性が7グラム未満となっています。そして厚生労働省の国民健康・栄養調査のデータを基にランキングを作成すると、1位がカップ麺で5.5グラム、2位がインスタントラーメンで5.4グラム、3位が梅干しで1.8グラム、4位が高菜の漬物で1.2グラム、5位がキュウリの漬物で1.2グラムだったそうです。」
“極論君”のコメントです。
「ではWHOの推奨基準からすると、カップ麺もインスタントラーメンも食べてはいけないことになりますね」
“非常識君”のコメントです。
「いくつかの新聞は、食べてはいけないということを堂々と紙面にしています。日本の新聞は基本的に非難することを嫌います。健康に悪いことはたくさんありそうですが、すべてタバコに悪役を押しつけているように思えます。カップ麺メーカーが困るような記事をよく載せたものだと感心しています。報じてないメディアは、知っていてわざと流さないのか、それとも知らないのか、むしろそんな視点からメディアの対応が僕は気になるのです」
常識君が質問します。
「つまり非常識君は、メディアが企業に都合の悪い情報はわざわざ出さないようにしていると言いたいのですか?」
非常識君の回答です。
「そんな証拠はまったくありません。でも、そんなこともあるのではと思っているのです。都合の良い情報はどんどんと発信されて、都合が悪い情報は発信されないのです。それは臨床研究でも当てはまります。それを出版バイアスと表現しています。ある薬が効いたという臨床研究は瞬く間に世界に広がります。そんな薬を開発した企業もニュースを流してもらいたいし、また、何より効く薬が登場したという情報は人々も喜ぶからです。
一方で同じような臨床研究をしても、それがうまくいかなかったという情報はあまり日の目をみません。企業としても封印したいでしょうし、見る側もあまり興味がないからです。日本で売られている抗インフルエンザ薬がアメリカでの臨床研究から撤退したといったニュースは、医師でも知らない人もいます」
極論君の意見です。
「僕はメディアを信じています。だからメディアが言ったことをそのまま鵜呑みにしていますよ。だってジャーナリストという専門家が発信した情報でしょうから、信憑性があります」
■読み手の責任
非常識君の意見です。
「では新聞には政府寄りの意見を並べる会社と、なんとなく反政府寄りの意見を並べる会社に分かれますね。最近は無料でネットサーフィンができますから、簡単に見比べることができます。ですから、常に正しい情報というものは存在しないようにも思えます。だからこそ、いろいろな意見を並べてもらって、そして読み手の責任で情報を選択したほうがフェアに思えます」
極論君の意見です。
「僕は新聞やメディアにお任せして、世論をリードしてもらって、それに乗っかっているほうが楽でよいです。それで不利益となれば、そんなメディアを信じたことを後悔すればいいだけですから」
常識君のコメントです。
「メディアからどんな情報を得るかは大切なことですね。特に健康に関する情報は新聞、テレビ、雑誌などがたくさん取り上げています。そしていろいろな情報が氾濫しています。メディアも自分が以前に発信したことはまるでなかったかのように、また新しい情報を発信したりもします。出版バイアスという現象が起こることを理解して、各人の判断でメディアを利用することが大切ですね」
メディアをあまり信じない非常識君と、メディアを盲信している極論君の意見交換でした。
(文=新見正則/医学博士、医師)
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