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市場が円高を警戒するなか、「ドル円レート」はどう動くか 株価を当てるのと同じくらい難しいが…(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/17/hasan122/msg/311.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 6 月 22 日 10:32:15: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


市場が円高を警戒するなか、「ドル円レート」はどう動くか 株価を当てるのと同じくらい難しいが…
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52081
2017.06.22 安達 誠司 エコノミスト 現代ビジネス


日米の金融政策と為替の動き

リーマンショック直後の2009年頃から、日本の株価指数(日経平均株価やTOPIX)と為替レート(ドル円レート)との相関性は極めて高い。

日銀による積極的なETF購入によって、従来と比較すると、株価指数の水準は現在の為替レート水準との比較ではやや高いところに位置しているようにみえるため、「真の株価水準が見えにくい」という批判もあるが、為替レートと株価の相関は現在も生きており、直近で日経平均株価が2万円を超えたのも、円安がきっかけであった。

ところで、将来の株価を当てるのも将来の為替レートを当てるのも同じくらい難しいが、為替レートの方が、マクロ経済の動向、特に経済政策の動向を反映する度合いが強いと思われるため、トップダウン・アプローチ(マクロ経済動向から将来の価格を予想する)を行う場合には、為替レートの将来予想の方がイメージがわきやすい。

この場合、マクロ経済動向の中でも特に為替レート(ドル円レート)の動きに強い影響を与えるのが、日米の金融政策である。

例えば、2012年終盤から2013年前半にかけての円安は、日本の政権交代とそれによる「リフレーション政策」遂行の気運が高まったためであったが、特に、日銀による「量的質的金融緩和政策」が大幅な円安をもたらしたことは記憶に新しい。

しかも、この「量的質的金融緩和政策」の続く中、短期の政策金利ばかりか、10年物国債利回りといった長期金利までもがゼロパーセント近傍で推移しているため、為替レートの変動に日本の金利が影響を与える余地はかなり小さくなっている。

例えば、よく、メディアでは、「日米2年物国債利回り格差が開いたので今後は円高になる可能性が高い」というようなコメントが出るが、日米の2年物国債がともにゼロパーセント近傍で推移している中、両者の金利差はほとんど「ミクロの世界」であり、その「ミクロ」の金利差をとるために為替レートが時にして2ケタ台の変動をするというのはあまりに滑稽である。

そこで、金利に代わってドル円レートに強い影響を及ぼしてきたのが、お金(日本で言えば「円」)の「量」、特に、日銀が供給する「マネタリーベース」と呼ばれるものである。

米国経済の好調を支えたもの

「お金の量が為替レートに影響を与えるなどおかしい(そもそもこの量が金融政策の指標ということ自体もおかしい)」という見方もあるが、実際には、日銀による「量的質的緩和」でマネタリーベースが急拡大したことが円安をもたらしたと考えるほうがわかりやすい。

仕事上、為替レートの動向を尋ねられることが多い筆者の見方はコンセンサスとは逆方向になることが多いが、それほど外れたという印象はない。もっとも、「当たった外れた」は印象論という側面が強いので、金利差とお金の量の格差のどちらが為替レートを考えるのに適しているかの判断は読者の自由である。

だが、日本の「マネタリーベース」も、最近は、その拡大ペースが鈍化しつつあるし、今後もさらに鈍化するのではないかと言われている。

理由は、既に市場で取引されうる新規発行の国債のほとんどを日銀が購入してしまっており、これ以上、日銀が国債の購入量を増加させることで「マネタリーベース」の供給量を拡大させていくことが困難になりつつあるためだ。

逆に、最近では、日銀が表明している「年間80兆円」ペースでのマネタリーベースの供給ができなくなり、日銀は、「事実上のテーパリング(量的緩和の段階的な規模の縮小)」を余儀なくされるのではないかとも言われている。

日本のマネタリーベースの供給が減少するということは、世の中に新たに供給される「円」の量が減少していくことを意味する。これは、為替市場からみれば、「円」が他国の通貨に比べ、希少になることを意味するため、円高要因となる。

しかも、為替市場は、実際に日本のマネタリーベースの供給量が減る前に、そうなる可能性が高いと市場参加者の多くが予想した段階で、円高になることが多い。

そのように考えると、年初、多くの市場参加者が円安ドル高を予想していたが(だいたい1ドル=125円程度の予想が多かった)、年央にさしかかった現時点で、1ドル=110円前後と、意外と円高水準で推移しているのは、日銀によるマネタリーベース供給が予想よりも少なくなることを市場参加者が懸念し始めているからかもしれない。

ところで、もう1つの円高ドル安要因は、米国FRBによる予想外のマネタリーベース供給増であった。FRBは、現在、「出口政策」を粛々と進めている最中だが、普通に考えれば、利上げと同時にマネタリーベースも減少させていくはずである。実際、昨年は少なくとも前半は、緩やかな利上げを実施しながら、マネタリーベースもピークから10%程度減少させてきた。

だが、昨年終盤に状況は一変した。株式市場は、予想外の「トランプ相場」の実現で活況を呈したが、それと同時に為替市場では、円安ドル高が実現した。この円安ドル高も「トランプ相場」の一環であるかもしれないが、実はその背後で、FRBはドルの供給量を増やしていた。

そして、このFRBによるドル供給の増加は今年に入ってからも継続し、米国のマネタリーベースの供給残高は、昨年初めの水準にまで回復した。

この昨年終盤から今年前半にかけての米国FRBによるマネタリーベースの供給拡大によって、対主要国通貨でみても、大統領選近辺から年末まで続いてきたドル高が止まった。そして、これが、米国の輸出を拡大させ、製造業の景況観の改善を通じて、米国経済は底堅く推移することになった。

以上を踏まえて、今後のドル円レートの動向をマネタリーベースの動向から考えてみたい。

リスクは円高方向にある?

日銀は、「イールドカーブコントロール」という新しい「金利政策」を採用して以来、「量(マネタリーベース)」の拡大には必ずしもこだわらない姿勢を明確にしている。現在の国債購入ペースを考えると、年間のマネタリーベース拡大は、目標の80兆円を下回り、50〜60兆円程度に減額される可能性が高まっている。これは、円高要因であり、年初に予想された1ドル=120年を超える円安の可能性を低下させるだろう。

一方、米国FRBの方も、いよいよマネタリーベースの本格的な縮小に乗り出す公算が強まっている。

FRBは、6月14日のFOMC後のプレスリリースで「Addendum to the Policy Normalization Principles and Plans」というものを発表した。これは、近い将来(具体的な時期については言及していない模様)に、FRBが過去の量的緩和政策で拡大させてきたFRBのバランスシート(もしくはマネタリーベース)をどのようなペースで縮小させていく計画であるかを示したものである。

FRBは、実際にマネタリーベースを減少させていくというプロセスを本格化させる前に、その減少ペースを事前にアナウンスすることによって、市場参加者の混乱を抑える目的があると思われる。

FRBによるマネタリーベースの減少は本来であれば、ドル高円安要因である。だが、これまでのところ、為替レートにそれほど大きな変化はみられていない。これは、実際にマネタリーベースの減額が実施される時期がまだ不確定であるためだろう。その意味では、まだ、FRBによる将来のマネタリーベース縮小は為替レートに織り込まれておらず、今後のFRBの金融政策は、為替レートを大きく動かしえる。

ひるがえってみれば、米国景気は次第にピークアウトの兆候を強めてきている。そのためか、これまた年初は3.5%程度まで上昇することが予想されていた米国の10年物国債利回りも2%台前半の低水準で推移している。さらに、予想インフレ率(ブレークイーブンインフレ率)も上昇の兆しがみえない(むしろ低下気味で推移している)。

今後、仮に米国の経済成長率が2%を下回り、減速を強めていく中、FRBが粛々とマネタリーベースの縮小を進めていくとすると、為替レートに対しては、ドル高、ドル安両方の要因が混在することになるので、「ボラティリティ(変動性)」が高くなっていくだろう。このとき、マネタリーベースの縮小が米国の株価の急落などにつながれば、マーケットは「リスクオフ」モードとなり、一転、円高リスクとなりうる。

マイナス金利政策採用時の顛末を考えると、次の円高局面で、日本の通貨当局が迅速かつ有効な手立てを打つとは考えにくい。そのため、普通に考えれば、リスクは円高方向にあるという結論になってしまう。

数少ない救いは、多くの為替アナリストが、将来の円高リスクに警戒的な発言を行っている点である。

筆者の経験では、実際の為替市場は為替アナリストのコンセンサス(というよりも、不思議なことに、圧倒的大多数の為替アナリストの意見は一致することが多い)とは逆に動くことが多い。そう考えると、円高局面は、来そうでなかなか来ないということになるのだろうが、円安進行シナリオが考えにくいのも現実である。


 

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コメント
 
1. taked4700[6285] dGFrZWQ0NzAw 2017年6月22日 17:52:45 : 3lvBpeKwok : unLLIM@0FoI[4]
比較的客観的な視点で書いている記事です。

その意味で好感が持てます。

しかし、大地震、それも首都直下とか関東大震災が近い将来発生するリスク、そして、日本の少子高齢化のリスクを考慮していません。

文章全体がせいぜい今後数か月程度の先を見通しているだけのように読めます。

10年程度で将来を考えると、日本だけではなく、アメリカもM9地震発生の可能性が高いのです。また、その場合、イエローストンの噴火もあり得ます。そして、地球規模での寒冷化もほぼ確実です。


2. 佐助[4419] jbKPlQ 2017年6月22日 19:16:44 : LFjXetT3pw : ow7HyjEVau8[153]
株の暴落や信用収縮と金融恐慌もドルの終焉も金融システムの構築と産業革命でなんとかなる。

国家(日銀・年金など)の操作と会社の業績(粉飾決算など)と外資,筋以外は,為替と株価の乱高下は安定させられる。世界的信用収縮恐慌と金融恐慌でも,乱高下は沈静化できる。

世界の基軸通貨が金とのリンクを維持すれば、世界の通貨交換(為替)は安定する。だが、金とのリンクを停止すると、世界の通貨交換は金の枠組みから自由となり、為替はフロートになる。すると、各国の通貨は膨脹しバブルとなる。そして破裂。パニックが発生し、通貨は再び金とリンクさせ、固定為替にもどす。この繰り返しです。

金は高騰すると、世界の基軸通貨額と金価格が1対1となり高値で安定するのです。そして人間は、金と1対1になった通貨を、紙切れでなく金と同じ価値をもつと連想。金を保有しない各国通貨もドルとリンクさせるので、為替は固定化できるのです。

だから、「発行する国債又は通貨発行高を保有する金とリンクさせる」とドルとユーロが約束すれば、為替の乱高下と、国債をデフォルトする危機は収束できると断言できるのです。

ところが,ドルは25%の金しか保有していないし基軸通貨ドルの終焉で、三年すると世界の通貨と信用は、再び不安定になります。基軸通貨の多極化と交代期に入る。

しかもユーロの国債デフオルトと金融震撼は避けられない,そして元は中国解体とバブル作裂と、シーラカンス銀行のデフォルトの三つの危機に直面している。

結局世界は,あらゆる経済指数(生産・販売・雇用・投資・貿易)が三分の一以下に激減する世界的金融大恐慌の影響から逃れることはできない。そのため、全人類は、2010年代を節目として、その人生を後世に語ることとなる。

第二次世界金融大恐慌や世界経済全体に波及するバブルの発生なんて、想像することができない! 確かに、バブル的匂いはするが、いずれの国も、前回のバブルの体験から、賢くなっているハズだ。万が一破裂しても、その影響は限定され、景気は軟着陸できるに違いない。そう、世界のエコノミストたちがそう考えるのも無理はない。

金融商品でも日常生活商品でも、この機会損失の心理が、上昇すれば永遠に上がり、下降すれば永遠に下がるという脅迫心理とペアになり、投機の底無し沼から脱出できない。そのため、破産が避けられなくなるのだ!

そして見かけだけの因果関係で、証券や銀行は相場を予測しているので、彼らが上がると言えば下がるし、下がると言えば上がるのは当然だ。

株取引も、基本的には、この不思議なポーカーゲームと似ている。おまけに、上場企業の粉飾の実態は、監査会社でさえもわからない。それにもかかわらず、ポーカーの親が破産するのは、かつての山一証券の経営者や運に見放された大相場師のように、強気(ブル)の信念を貫き通す人間が、常に3%は存在するからである。

取引額の75%を占めれば、相場は思いのまま操作できる。だが、ライブドアショックのように、買手が不在となって売手ばかりになれば、暴落を阻止することができない。1929年のニューョーク株式市場は、その取引額の75%を、モルガン商会が占めていた。

だが、買い支えがモルガン商会だけになると、自分が破産することを避けるために、買い支えを諦めざるをえなかった。

1929年、バブルの匂いに気がついていた人は多い。だが、経済のどの指標も好調であり、あのモルガン商会が株を暴落させるハズが無い、と誰もが信頼し切っていた。だが、10月25日、暗黒の木曜日を迎えた。

ソ連の世界景気予測研究所のヴァルガ博士さえ、米国はスグに株価も景気も回復すると断言した。だから、この日を運命の節目になるなどと予想した人はいない。

人間は「予期されない出来事」に遭遇すると思考が停止し、死を連想するため、逃走パニックを発生させるので、売り一色となるのだ。

長く、金融会社の倒産がなくなると、この教訓を、国家も企業も個人も忘れ、木を見ても森を見なくなり、すべての人間が、死を連想して思考を停止し、死から逃れるために、逃走パニックを発生させる。

中国は、世界で唯一、民間銀行が紙幣を発行している香港が、ドルと固くリンクしているため、ドルが暴落すると、一気にバブルが弾けることは避けられない。

日本の財務官僚は、明治の官僚と同様、キンと金融システム(半導体紙幣・コインなど)の役割を過小評価し、キン争奪競争や半導体紙幣やコインに遅れをとり、円が世界通貨の三極の一つにならない可能性もあるかもしれない。

世界のエコノミストの中に、紙幣とキンを交換する第一次金本位制を復活させるべきだと主張する人はゼロである。再び、国と国の貿易赤字の決済にキンを使うべきだと主張している人もゼロである。

ドル暴落は不可避となる。そこで、米国は「保有しているキンを尺度に通貨を発行する」キン返りや半導体紙幣・コインなどの金融システム政策を採用せざるをえない。

こうして、ニクソンのキン離れによる為替フロート制は終わる。そして、世界の為替システムは、まず、ドルとユーロ通貨に各国がリンクする固定レート時代へ移行する。次に、国家がキン買いの主役となるキン獲得競争の勝者が三極目&四極目の世界通貨となる。

そしてあぐらをかいた大企業の消失は避けられないが,産業革命と金融システムで,巨大な産業が出現し人類は繁栄するはずです。


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