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有効求人倍率はとうとうバブル期越え(写真=PIXTA)
有効求人倍率はとうとうバブル期越え
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170530-00000007-zuuonline-bus_all
ZUU online 5/30(火) 10:10配信
シンカー:失業率の2%台は、雇用・所得環境は同じ回復過程であってもこれまでとは別次元に突入したことを意味する。新年度入り後の雇用の確保に苦戦する企業が、特に非製造業や中小企業で見られ始めた。企業の雇用不足感が賃金の上昇や省力化・効率化への投資に一気につながるようになるとみられる。1980年代後半のバブル期も、失業率が1987年の3%からその後の2%に低下していく局面で内需が強く拡大した。4月の有効求人倍率は1.48倍と、3月の1.45倍から更に上昇し、1980年代後半のバブル期のピーク(1.46倍)をとうとう超えた。
4月の失業率は2.8%と2月から変化はなかった。
1月の3.0%から2月に2.8%に切り下がった以降、2%台が定着した感がある。
企業の強い雇用不足感を背景として、4月の新年度入りに向けた企業の積極的な採用活動の結果だろう。
新規に労働力市場に参加した労働者が増えたが、就業者の増加がしっかりと受け皿になる良好な形であった。
失業率の2%台は、雇用・所得環境は同じ回復過程であってもこれまでとは別次元に突入したことを意味する。
新年度入り後の雇用の確保に苦戦する企業が、特に非製造業や中小企業で見られ始めた。
今年の春闘の賃金伸び率は、中小企業が大企業を上回ったと見られることは、雇用不足感がとうとう賃金を押し上げ始めた証拠と考えられる。
企業の雇用不足感が賃金の上昇や省力化・効率化への投資に一気につながるようになるとみられる。
日経新聞の調査では、2017年度の大企業の国内向け設備投資計画は前年比+13.7%と過去最高の伸び率になった。
1980年代後半のバブル期も、失業率が1987年の3%からその後の2%に低下していく局面で内需が強く拡大した。
4月の有効求人倍率は1.48倍と、3月の1.45倍から更に上昇し、1980年代後半のバブル期のピーク(1.46倍)をとうとう超えた。
政府の働き方改革の推進もあり、企業は賃金の引き上げや待遇の改善に取り組むとみられ、既に職を持っている労働者の動きも活発にするだろう。
その結果、転職の期間の摩擦的な失業などにより、失業率が2.5%に低下するにはまだ時間がかかるかもしれない。
しかし、失業率が2%台に定着している状況が続く中で、賃金上昇がパートから正社員に明確に波及し、賃金上昇が加速する局面に入り、消費者の生活防衛意識が緩み、デフレマインドからインフレマインドに変化していくだろう。
そして、内需の回復が物価を押し上げる形になっていくと考えられる。
ただ、2018年には1%台の物価上昇率は見られるだろうが、日銀の目標である2%にはまだ距離があり、日銀は、デフレ完全脱却の動きを確かにするため、国債買いオペを増額してでも、長期金利を誘導目標である0%に辛抱強く誘導し続ける決意をもっているとみられる。
政府も、財政を拡大してでも、2019年10月の次の消費税率引き上げまでにデフレ完全脱却を成し遂げる決意を持っているとみられる。
景気回復がしっかりしてきても政策の手を緩めない政策当局の意志を過小評価してはいけないと考える。
景気回復は加速していくと考える。
ソシエテ・ジェネラル証券株式会社 調査部
会田卓司
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