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100円投資の有効なやり方とは?(写真:kai/PIXTA)
100円で買える投信の有効な投資法とは?
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170527-00173583-shikiho-bus_all
会社四季報オンライン 5/27(土) 16:01配信
投資信託の最低購入金額を引き下げる動きが広がっている。従来、投資信託といえば「1万円」が最低購入金額だったが、インターネット証券会社、インターネット銀行を中心に1000円からの積立が可能になり、この5月からは楽天証券、SBI証券が100円から購入できるようにした。しかも積立買付だけでなく通常買付も対象になる。
楽天証券の取扱予定銘柄数は約2200本で5月27日からサービス開始。SBI証券の取扱予定銘柄数は約2400本で5月25日から通常買付が、7月初旬から積立買付が可能になる。従来1万円だった最低購入金額が100円まで下がれば、投資信託に対するハードルは大きく下がる。
投資信託の最低購入金額が100円以上1円単位にまで引き下げられたことで、どんなことができるようになるのだろうか。まさか、毎月100円ずつ積み立てることで資産形成しようなどと考える人は、いないだろう。
毎月100円を30年間積み立て、年平均5%リターンで運用できたとしても、最終積立金額は8万3226円にしかならない。つまり、毎月100円ずつ積み立てるというのは、一種のセールスプロモーション的な物言いであり、現実的にはほとんど無意味、ということになる。
「いやいや、100円しか積み立てないのではなく、毎月1000円で10銘柄に分散投資するんだ」という意見もあるだろう。そこで仮に毎月の積立金額を1000円にして、30年間、年平均5%リターンで積立投資を続けたとしても30年後の最終積立金額は83万2259円だ。100円積立よりはましだが、それでも資産形成といえるような額ではない。それに、「100円ずつ10本のファンドに分散させる」ことが、どこまで可能なのかという点に疑問が残る。
10本のファンドに分散させるということは、分散投資効果を得るのが目的のはず。しかし、1000円である程度の分散投資効果が得られるようなポートフォリオを組むことは可能なのか。おそらく、毎月1000円ずつ投資信託の積立投資をするような人は、投資信託はおろか投資そのものの初心者だろう。そのような人が、10本のファンドで分散投資効果が得られるポートフォリオをきちんと構築するのはかなり大変な作業といってもよい。
そもそも投資信託を10本も保有したからといって、本当に分散投資効果が得られるのか、それ自体が疑問だ。それなら最初から複数国の株式や債券に分散投資したグローバルバランス型のファンドを1本購入すれば済む話である。
このように、資産形成に寄与するかどうかという点では、いささか疑問が残る100円投信だが、あえて使い道を考えるとしたら、次のようなやり方だろうか。
まず、株式の配当や債券の利子で生じた端数のお金を再投資に回すやり方だ。たとえば株式の配当金が1万900円だった場合、その配当金をさらに運用するため投資信託を買うにしても、1万円までは買付資金に回せるが、端数である900円については投資信託の購入資金に回せないため、証券総合口座でMRFの買付に回される。
MRFは投資信託とはいえ元本割れリスクが極めて低い、安全性の高い投資信託だが、ご存じのようにこの低金利下ではほとんど収益が得られない。でも、100円以上1円単位で投資信託の購入に回せるのであれば、900円の端数分も、より高いリターンが期待できるMRF以外の投資信託に再投資できるようになる。「配当金はお小遣い」と考える投資家は別として、「配当金も1円残らずきちんと運用したい」という投資家には朗報だ。
あるいは、全くの投資初心者でとにかく損をするのが怖いという人にとっては、絶対的な損失額が小さくなるので、最初の肩慣らし段階で100円投信を利用する意味はあるかもしれない。1万円で買った投資信託が半分になると損失額は5000円だが、100円で買った投資信託なら半分になったとしても損失額は50円で済む。
ただし、積立投資を継続していくにしても、どこかの段階で100円積立から脱する必要はある。20〜30年という長期にわたって毎月100円ずつ積み立てたとしても、最終積立金額はたかが知れているからだ。いくら購入金額が100円になったとしても、「これで投資信託を100円で買うことができる」などとは考えない方が良い。
ちなみに、30年間で2000万円を作ろうとした場合、5%の平均リターンで運用したとしても、月々の積立金額は2万4031円になる。この事実からも分かるように、100円の積立による資産形成はそもそも不可能なので、投資のリスクに対する恐怖心が和らいだら、積立金額を引き上げることだ。
すずき・まさみつ●岡三証券の支店営業、公社債新聞社の記者などを経て独立。JOynt代表を務める。金融ジャーナリストとして雑誌、書籍の執筆など多数。
※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。
鈴木 雅光
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