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市場激変、「SNS広告」爆伸び必至で儲かる会社は?(会社四季報オンライン)
http://www.asyura2.com/17/hasan121/msg/765.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 5 月 24 日 22:45:30: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

          発売当初の森下仁丹の看板と自動販売機(同社HPより)


市場激変、「SNS広告」爆伸び必至で儲かる会社は? 
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170524-00173003-shikiho-bus_all
会社四季報オンライン 5/24(水) 21:11配信


 「広告費、ネット初の首位、21年間頂点のTVと逆転」

 これは2017年4月7日付の日本経済新聞朝刊に掲載された記事の見出しだ。ネットが拡大する今の世の中では当たり前と感じる一方で、冷静に考えると広告業界で大激変が起こっていることを気付かせてくれる見出しとなっている。そこで今回のコラムは、「広告市場に異変あり! 今後期待されるSNSマーケティング」をテーマにお伝えしていきたい。

 念のためSNSとは何かだが、総務省ホームページでは「ソーシャルネットワーキングサービス(Social Networking Service)の略で、登録された利用者同士が交流できるWebサイトの会員制サービスのこと」と定義されている。フェイスブック、ツイッター、ライン、インスタグラムのほか、中国のウィーチャットなどが有名である。

 まずは記事のポイントだが、英国ゼニスオプティメディアの調査によると、2017年の世界の広告市場予測では、21年間頂点にいたテレビがついに首位の座から陥落し、ネットが初の首位になるという。具体的には、世界のネット広告費は2050億ドル(※110円換算で22.6兆円、前年比13%増)に達する一方で、テレビ広告は1920億ドル(同21.1兆円、1%増)にとどまりネットに逆転される。またネット広告のシェアは、2016年の34%から17年は36.9%に増加、19年には41.7%まで拡大する見通しだ。

 なかでも成長が著しいのはスマホやタブレットなどに配信するモバイル広告で、19年まで年平均26%で成長、さらにSNS向け広告も16年の320億ドル(同3.5兆円)から、19年には550億ドル(同6.1兆円)まで拡大する見通しである。

 ネット広告が拡大する背景は、ユーチューブやネットフリックスなどの動画共有・配信サービスの普及で、若者中心にテレビ離れが進んだためで、広告予算をテレビからネットに移す企業が増えているようだ。

 記事には世界の広告市場全体の規模は書かれていないが、上記の数字を使って計算すると2016年と2017年の市場規模はそれぞれ5336億ドル(同58.7兆円)、5556億ドル(同61.1兆円)である。

■ 先駆けは東証2部のあの会社だった

 ここまではややこしい数字の話ばかりをしてきたが、私が何に注目しているかをお伝えすると、SNS向け広告のシェアが未だ6%と小さいことである。裏を返せばSNS向け広告は、これから十数倍になってもおかしくなく、拡大余地が極めて大きいということだ。

 しかもSNSの凄まじい爆発力と可能性については、SNSを中心に「PPAP」で世界的に大ヒットした「ピコ太郎」の事例があり、日本人なら誰もが目の当たりにしている。

 こう言ってはご本人に失礼だが、無名の日本人芸人が、ここまで世界的な大ヒットとなったのは、ツイッターで9500万人のフォロワーを持つ世界的なミュージシャン、ジャスティン・ビーバーが「お気に入り動画だ」と推薦したことがきっかけになったとされている。ビーバーの発信力も凄いが、それ以上にSNSの宣伝力が凄すぎるのである。

 ピコ太郎の動画は世界で数億人に視聴され、さらに「Billboard Hot 100にランクインした最も短い曲」としてギネス世界記録にも認定された。ここでSNSが果たした宣伝効果は計り知れず、企業もこれからSNS広告に、本格的に力を入れてくることが予想される。

 さてここからは日本の広告市場について、歴史や現状について確認していく。

 日本の広告は古くからあったとされるが、明治維新後、早い段階から広告を取り入れたのは「仁丹」で有名な森下仁丹 <東証2部、4524> である。同社ホームページによると、同社は1893(明治26)年、「森下南陽堂」として大阪で誕生した。当時25歳の創業者・森下博は事業の基本方針として次の3か条を掲げた。

 「(1) 原料の精選を生命とし、優良品の製造販売、(2) 進みては外貨の獲得を実現し、(3)広告による薫化益世を使命とする」

 この時すでに同社は、基本方針に「広告」を入れており、その先見性を感じることができるが、その後事業は必ずしも順風満帆ではなかったようだ。しかし1900(明治33)年に発売された梅毒の新薬である「毒滅」で、森下は私財をなげうって広告費につぎ込み、日刊紙各紙に全面広告を打ち出し、全国の街角の掲示板にポスターを張り出すなど、大々的な宣伝を行った。そこから業績は軌道に乗り始め、1905(明治38)年、現在の「仁丹」の前身にあたる「赤大粒仁丹」を発売する。

 この仁丹の販売でも、全国の薬店に突き出し屋根看板や幟、自動販売機などを設置し、新聞の全面広告を連続して出すなど、積極的な広告戦略を実践した。その結果、仁丹のトレードマークの「大礼服マーク」は全国津々浦々まで浸透し、仁丹は発売わずか2年で売薬の中での売上高第1位を達成したそうである。

 時代は変わって戦後になると、戦前に規制されていた広告は、新聞、雑誌広告から復活した。1951(昭和26)年に、新しいマスメディアとして商業放送である民間ラジオ局が開局し、その2年後には初の民間テレビ局が開局した。そこからは電波メディアは主力広告メディアとしての地位を確立していく。

 1964(昭和39)年の東京オリンピックを契機に、テレビ普及率は90%を超え、ラジオ、新聞、雑誌とともに4大マスメディアの時代が到来した。そして現在の日本の広告市場は以下のグラフのとおりだ。

 全体を見てわかることは、インターネットは急成長、全体の市場規模自体とテレビは横ばい、新聞・雑誌は20年でシェアが半分以下になる凋落である。電通の調べによると、昨年の国内広告市場は6兆2880億円(前年比1.9%増)だったが、その中でインターネット広告費は1兆3100億円(同13%増)、構成比は20.8%と初めて2割を突破する成長を続けている。リスティング広告など運用型広告費といわれるものが継続して伸びているが、スマホのインフィード型広告やSNS内の広告といった新しい成長領域が市場を後押ししているのも大きい。

 ではどれだけの企業がSNSを活用しているのか。それを知るには、昨年4月に経済産業省が公表した「ソーシャルメディア活用に関する調査報告書」が参考になる。同報告書によると、平成26年度のSNS利用率は全年代で62.3%だった。ただし若い世代になると20代で95%、30代で82%とほとんどの人が利用している。またSNSの閲覧や投稿に費やす時間は、平日一日平均で、20代が91分、10代が117分とかなりの時間を割いている。

 しかしながら調査対象の企業がSNSを活用していると答えた割合は18%とかなり低い。その理由として、(1)活用できる人材の不足、(2)適切な手法が分からない、(3)ソーシャルメディアに対する心理的なハードルの高さ、などが挙げられた。つまりSNS広告を本業とする企業は、これらの企業のニーズをくみ取り、今後大きく成長する可能性が高いということである。

 最後にSNSマーケティングに関連する企業をまとめてみたので参考にして欲しい。

 渡部 清二(わたなべ・せいじ):大手証券会社に23年間在籍。中堅企業、個人投資家向けの資産コンサルティング、世界の運用会社向けの日本株セールスに携わる。2014年四季リサーチ設立、2016年「複眼経済観測所」設立、所長。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

渡部 清二
 

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