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米株の堅調さ
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52963424.html
2017年05月20日 在野のアナリスト
米株は予想通りというか、トランプリスクでもふたたび騰勢を強めてきました。今は世界的な低金利もあって、どこも運用難であり、少しでも上昇しやすい市場に資金をおいておきたい、とのニーズがあります。特に株は相場が天井に近いと思っても、下がらないなら配当というインカムゲインもある。下がらない相場にしたい、という意識が機関投資家を中心に広がっているのが、奇妙な相場の底堅さにつながっています。
原油相場がWTIで、ふたたび50$をつけてきたように、OPEC減産延長の思惑ともされますが、減産分はすでにシェールオイルの増産などで埋められつつあり、OPECの方針に関わらず需給は極めて緩んでいる状態です。それでも相場は上げる。米国で原油在庫が増えていても上げる。上にいきたい、いきたいというのが、あらゆる市場で共通した意識です。
しかし米株の上昇には、最近弱含んできた製造業指数の改善も、好感された面があります。ただし製造業の指数が悪くても、新規失業保険申請件数が下がるように、雇用市場は堅調であり、米国はますますモノづくりからサービス業中心の形態へと変化しているようです。ただそうなると、トランプ氏が選挙戦で語っていたラストベルトの雇用が改善したのか? 疑問ものこるところです。他の雇用が改善したのだからよいではないか? というのは日本の見方で、米国では自動車の組立工が、いきなりショップの店員になったりはしないので、ラストベルトの雇用者は相変わらず日の目をみない、ということが起こるのです。
トランプ氏の根強い支持、というのもこのラストベルトに職の改善を約束したからです。つまり新たな業種に転職することもできない人々にとって、やっと自分たちの職を増やす、という大統領が現れた。これまで見向きもされなかった人々の気持ちを、やっと代弁してくれる人が現れた、だから少々の失言や、醜聞でも態度を変えることがありません。しかしそろそろ政権発足から半年、結果が出ないと不支持に回る人も増えるでしょう。
トランプ氏のロシアゲート事件は、かなり根深い問題をはらむようです。ラブロフ外相との会談で、トランプ氏が「重圧を除いた」と発言したことが報じられる。これは大統領と外相との会談内容まで、リークの対象になっているということ。こうなるともうトランプ氏の疑心暗鬼は頂点に達するでしょう。かといった通訳や記録員を置かなければ、会談もできません。諜報機関と敵対して生き残った者はいない、と言われるように、トランプ氏は外と内から徹底的な攻撃にさらされることになるのかもしれません。
しかし市場では、トランプ氏が退陣してもらった方が都合いい、との見方もあります。ペンス副大統領が代行してくれれば、税制改革も早くすすむ。政治的混乱も起きない。そんな裏の裏は表、みたいな発想で、好材料ととらえているのです。しかしペンス氏になったとて財源不足が解消されるわけでもなく製造業の雇用が増えるわけでもない。むしろ米経済の停滞を、より顕在化するとの懸念もただようのです。減税がなければ、すでに正当化できない水準の株価。ダウ20000$をラストベルトだと考えていると、意外なトランプリスクに直面したとき、戸惑うケースも増えることになるのでしょうね。
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