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1−3月期GDPについて
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52963326.html
2017年05月18日 在野のアナリスト
1-3月期GDP速報値が出てきました。11年ぶり5期連続で上昇、などと報じられますが、11年前には研究開発などをGDPに参入していないのであり、比較対象がおかしい。実質で前期比0.5%増、年率で2.2%増。名目で0.0%減、年率で0.1%減。石原経済再生担当相は「雇用と所得環境の改善で消費がもち直し」などと述べ、個人消費も0.4%増にはなっていますが、賃金は下がっており、何をかいわんやです。
名目がマイナスになったように、これは輸入物価の上昇によって実質が押し上げられた、という形であり、ではどうして物価が上昇したのか? それは米大統領選以後、一気に円安となり、1-3月期は平均すると114円台で推移した。10-12月期の前半は100円台の前半であり、それが寄与した形です。
これは金額ベースで輸出を押し上げ、輸入を押し下げる。輸出は2.1%増、輸入は1.4%増。輸出から輸入を差し引いた外需寄与度はわずかにプラスですが、実は円安がなければマイナスだったかもしれない。そして個人消費0.4%増も、円安で外国人旅行客が割安な日本で買い物をした、というに過ぎません。テレビの買い替え需要、などともされますが、4K、8Kの本放送となったら新たにチューナーを買わないとみられない、今のテレビを買わざるを得ないほどエコポイント特需のときの液晶テレビが脆かったなら、それも問題でしょう。
問題は設備投資0.2%増です。機械受注に低下傾向がみられるように、先行きはマイナスが予想される。実は今、世界経済を支えるのは企業間取引です。設備投資と企業広告、好調とされる企業のほとんどがこれで稼いでおり、個人消費で潤うのはAppleやAmazonなど、これらは他社からパイを奪うことで堅調なだけで、世界全体に消費が盛り上がる傾向もない。ネット関連企業はほとんどが広告で稼ぐ媒体です。また消費は低迷しても、設備投資だけは堅調だった。それはIoTなどがすすみ、古い設備での製造が難しくなり、新たな設備への投資も必要だったことから、そうなってきたのです。
しかしここにきて、政府による官製インフレが個人消費を停滞させ、大量生産しにくくなってきた。価格を上げたために一品当たりの利益率は改善するものの、量が捌けなくなり、工場の生産ラインも停滞。日本で労働時間の減少が起こっているのはまさにそれで、企業はモノを作らない、だから賃金も上がらない、消費は弱い、という悪循環が起こり始めているのです。さらに外需、外国人旅行客に頼りたいところですが、ここにきて円高もすすんでいる。かつて有事の円高、などともされましたが、それは外国人投資家が日本株を買うとき、ヘッジで円売りを入れるためであり、ここ数週間の円安傾向も、まさに外国人投資家の株買いと軌を一にして起こってきたものです。つまり有事の円買いではなく、有事の円売りの巻き戻し、が正しい見方になります。
原油安によるオイルマネーショックが起こってから、市場は悪材料に目をつぶる、という傾向も強まった。すべての市場が下落を始めると、負の連鎖が起こることを学習したからです。そして日本では、20000円手前で上値が重い、などとされますが、相場が上昇するときは日系が株買いを行うと同時に、先物売りのヘッジをかける。ノックアウトなども盛んに語られますが、実は相場が下落するときはこの先物売りの反対売買により「底堅い」などとされる状況が一旦は創出されますが、手もちの先物売りを使い果たすと、一気に下落が早まることも度々経験してきました。
さらにここにきて、世界全体で政治が一気に弱体化するリスクも高まってきました。壊れる直前の世界経済、そこに力のない政治が重なるリスク、GDPがGovernment Disturb Politics(政府が政治を乱す)に読み替えるべき日が近づきつつあることもまた、リスクとカウントする必要がでてきたといえるのでしょうね。
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