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ヤマト運輸の料金、サービス改定の意味するもの
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投稿者 一言主 日時 2017 年 5 月 08 日 17:19:33: AlXu/i8.H/.Es iOqMvo7l
 

0、黒猫ヤマトの料金、サービス改定の意味するもの。

消費税8%下で、これ以上シェア(市場占有率)を伸ばすと、付加価値が減少し、経営が危うくなることが分かったからであろう。

日本の低価格競争や過剰サービス競争は、既に限界にきており、これ以上シェアを広げ仕事を増やすことは、経営状態を危うくするものになっている。

日本はバブルの崩壊後、市場から資金が減少し、生産量より、消費が少ないデフレ市場になり、そこで激烈な販売競争が生じ、低価格競争や、過剰サービス競争が常態となっている。

そこでさらに仕事を取るために、より低価格で、あるいはより過剰サービスを提供すると、もらえる運賃以上の労働コストがかかる状態なのである。

過剰サービスの再配達が、残業で行われている場合、サービス残業では採算が取れても、残業代を確実に支払うと大幅な赤字になる。

これがヤマトが今、価格の見直し、過剰サービスの見直しをする理由である。

通販業界にこれ以上参入し続けても、さらに過剰サービスをしてシェアを広げても、経営上ほとんど徳が無い。

デフレ下で、競争のために低価格で過剰なサービスを提供することは、付加価値を減少させ、赤字を増やし人員を疲弊させるだけである。

ヤマトは、運送競争による、シェア競争(市場占有率競争)より採算を選択したのである。
これはその前の佐川急便のアマゾン撤退も同じ構図である。

運送業界の有力企業が一部の通販業務から撤退することは、デフレ下の販売競争がどのようなものであればよいかをしっかりと示した素晴らしいものである。

デフレ下では、シェア(市場占有率)より、付加価値を取るのが正しい経済活動であるからである。

なぜなら消費税が5%、さらには8%に引き上げられる状況では、シェア競争に勝ち抜くための低価格運賃や、過剰サービスが、シェア争いに勝ち抜くほど、付加価値が減じ、経営が圧迫されるからである。

恐らく黒猫幹部は、通販のシェアを伸ばしても、なんら利益が上がらず、赤字が増えることに、恐れおののいていたのであろう。

現在の日本の市場は、デフレ下の生産額より消費額が少ない縮小循環の上に、消費税が8%になり、市場から資金がどんどん減少している、デフレスパイラルの渦中にある。(消費額が、消費税を8%に引き上げ後、ずっと下がりぱなしだ。)

その上、まだ政府は、復興支援だけでなく、オリンピックなどの余計なインフラのために、大規模な公共投資を行い、仕事を作り、仕事場を増やし、市場の資金の大半を生産につぎ込み、消費に回るお金を減少させているのである。

このような状況下で、少なくなった消費額を巡って、過剰サービスや、低価格でシェア伸ばそうとすれば、市場占有率が伸びても、コストが上がり、付加価値が減少するだけで、赤字が増えることになる。

日本政府のように闇雲に不要な仕事を作り、完全雇用体制を維持することが、デフレ下では間違った政策なのである。

余計な国の公共投資は、多くの生産資源、労働資源をを国のインフラに使うため、日本の労働状態を、完全雇用状態に陥らせ、民間の労働力を削いでいる。それが、東京圏以外の地域の縮小を招いている。

日本がデフレ状態から抜けられないのは、東京への投資がそれ以外の地域の投資を食ってしまうからである。

デフレ下の完全雇用は、悪であり、経済にとってはマイナス事項である。その理由は、雇用を希望する人達の大半が、生活の維持のため、生活水準の維持のために働く必要があるからである。

それは労働を強いられているということだ。

経済に余力をもたらすのは、生活の向上のためや、貯蓄をするために余計に働く場合であり、それは民主的に決定される。

インフレ下や通常の経済市場では、労働者の多くが、本来の付加価値以上の賃金を得られるため、自発的に仕事に就くことになる。

しかしデフレ下では労働者の得られる賃金が本来の付加価値以下に抑えられるが、それでも働く必要があるため強いられる形になる。

日本政府や、その経済責任者は何が今市場で起こっているかをよく分析し、政策を変更しなければならない時に来ている。もはや手遅れに近いかもしれないが。

デフレ下の完全雇用の状態でさらなる仕事の増大は、民の疲弊を招くだけであり、借金が増えるばかりである。本来の付加価値が手に入れられるよう、消費者の負担を減らし、資金が生産の方に流れず、消費者に回るように、仕事を闇雲に増やさないようにしなければならない。

日本の多くの企業は、1990年前から利益より、販路優先主義であり、利益を押さえて、シェアの拡大を
優先してきた。それはバブルの崩壊後も、続き企業は同じ行動を取ったのである。

バブル以前のそのような企業行動は、称賛できなくとも、十分理解でき、日本の消費者にも大いに還元されるものでもあった。

しかしバブルが崩壊し、市場がデフレに陥ると、今までのシェア拡大競争が、企業自身の首を締めることになった。

例えば、スーパーのダイエーとイトーヨーカドーが上げられよう。

ダイエーは、バブル崩壊後も低価格による売上拡大方式を貫いた結果、もろくも崩壊してしまった。
イトーヨーカドーは、今少し、付加価値を重視する方針だったため、なんとかまだ残っている。

日本の多くの企業が、デフレ下の販売不振を、低価格で売上を拡大する方針で望んだため、かえって、経営自体が悪くなってしまい、淘汰されたり借金づけの会社になってしまっている。

もはや薄利多売や、薄利の過剰競争は、デフレ下では成り立たないものである事が当たり前になっている。。しかしそれをしなければならないことが大きな問題なのである。

薄利多売をしないでも利益が上げられる市場が成立することが、デフレ解消の条件で有る。

余裕のある企業や産業は、薄利多売から脱却し、シェア競争より、利益額競争に走るべき時なのである。

政府や政策担当者は、デフレの生産量増強競争が、不毛な低価格や、過剰サービスを生み、日本の産業を消滅させていることを、はっきりと認識し、これを助長する、低金利政策や、公共投資、生産刺激策などを止め、消費税の引き下げや、国民負担の引き下げにより、消費を拡大する方向に舵を切らなければならない。

(日本の場合、何も考えないため、あるいは暗記主義のため、行き着くところまで行ってしまっている所に問題がある。マイナス金利、国債の引き受け、上場企業の株式購入、おまけにNISAなども作ってしまう。外の国ならここまでくるまでに違う方法を取ることだろう。)

一言主
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/


 

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