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10年以内に確実に年収1年分の貯金をつくる最強の方法…なぜか「貯金の意欲がわく」テクニック
http://biz-journal.jp/2017/04/post_18914.html
2017.04.30 文=中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー Business Journal
■「貯める」は大切、なぜ?
本連載の前回記事では、老後貧困を避けるためには借金をしないことが大切だということを解説した。不用意にカードローンを借りる、クレジットカードをリボ払いにする、住宅ローンを借りすぎると、真面目に働いても給料は返済に消えてしまい、貯金ができない。貯金できないとつい借金(クレジットカード、カードローン、消費者金融)に頼り、借金がどんどん膨れ上がって、身動きできなくなってしまうこともある。よって、次を心に留めていただきたい。
・借金はしない
・借金があったらすぐに返す
・借金が年収の10%以上になったら黄信号、すぐ専門家に相談する
借金を解消すれば、次は貯金だが、そもそも貯金とは何か。
貯金は「将来の自分」へのプレゼントだ。半年後に海外旅行に行くため、3年後に車を買うため、5年後に結婚式を挙げるため、10年後に会社から独立するため、15年後にマンションを買うため、といった具合だ。退職後の備えを考えるのは、45歳を過ぎてからにしよう。
お金上手の基本は、いまの自分と将来の自分のために、手元のお金をバランスよく配分することだ。今の自分も10年後の自分も、大切だから。
将来の自分へのプレゼントを「貯金」という。自分を愛しているから貯金する。自分のためだから、今買いたいもの、食べたいものもぐっと我慢できる。これが、お金を貯める秘訣だ。
■貯金上手になるには、まず目的
だから自分を愛せないと、貯金がうまくできないことがある。思い当たる節があったら、カウンセラーなどに相談してみることをおすすめする。これは心の問題が関わっていてテクニックだけでは解決できないから。
将来何をしたいかを思い浮かべることができれば、貯金の意欲がわく。その計画を立てて貯め始めることができるはず。結婚していて子どもがいると、「したいこと」だけではなく、「しなくてはいけないこと」も加わってくる。子どもが大学に進むための貯金などだ。しかし、大切なのはまず、自分がしたいことを見つけることだ。
5分だけ時間をとって、手帳やスマートフォンのメモ帳などに以下を書き出してみよう。
・1年後までに実現したいこと
・3年後までに実現したいこと
・5年後までに実現したいこと
・10年後までに実現したいこと
特に20〜30代は「したいこと」を探して見つけることがとても大切だ。40歳までにお金はたっぷり貯めたが、20〜30代で何もしなかった、したいことがなかった、というのでは、お金を貯めても意味がないと私は思う。
■貯金上手になるには、シンプルな算数がものをいう
次のステップは、あなたのやりたいことを実現するために、いくらのお金が必要かを見積もることだ。これは急がないで、おいおいやっていけばいい。現実的な路線を見つけることも大切だからだ。
現実的な路線というのは、前述した「今の生活を楽しみながら、将来の自分にもプレゼントを贈る」というバランスだ。
私が提案している貯金の割合は、手取り収入の15%。月の手取り収入が20万円の人は毎月3万円。ボーナスの手取りが40万円ならそこから6万円。これなら、無理なくできそうではないだろうか。
入社1年目〜数年目で収入がまだ少ない時期、特に親と同居ではなく、ひとり暮らしや寮暮らしの人は「そんなにできない」と悲鳴をあげたくなるかもしれない。
でも、あきらめないで工夫してほしい。15%が無理なら、10%からでも5%からでも、月5000円からでもいい。これは最低5年は手をつけないお金として、貯めていく。
するとどうなるか。
22歳で就職。最初の1年目は貯金ゼロ、2年はがんばってやっと10%。でも、24歳から6年間、収入の15%を貯めたら、30歳では1年分の年収が貯まる! 年収250万円なら250万円の貯金、300万円なら300万円だ。たとえ15%が無理だとしても、10%で続けいけば、30代の前半には同様になる。
「特に将来したいことは何もない…」「いくら貯めたらいいかわからない…」とぐずぐず何もしないと、30歳になっても貯金はゼロ。借金があるかもしれない。
30歳で年収分の貯金が手元にあれば、いろいろことができる。たとえば結婚も怖くない(結婚式にお金を使いすぎるのは愚かだと思うけれど)。休職してワーキングホリデーを取得したり、留学や起業、独立してフリーランスになるという選択肢もみえてくる。一方、30歳過ぎて貯金ゼロだと、将来に夢を持つことは難しいかもしれない。
お金で夢は買えないが、お金があると夢がふくらみ、夢を実現するパワーが出てくる
■貯金の極意
もうひとつ大切なことは、貯金はすぐに始めることだ。借金にしても貯金にしても、ぐずぐず先延ばしにするのが一番よくない。借金はどんどん膨れ上がり、貯金は増えないまま年だけとってしまう。
貯金といっても、給料を数万円使わずにそのまま普通預金口座に残し、貯めたつもりになっていてはだめ。貯金分は、給料をもらってすぐさま別の口座に移すべし。そうしないと、少し貯まっても、何かの拍子でつい使ってしまい、なかなか増えないままになりがちだ。お金を使う理由と誘惑は千も万もある。
別の口座は、銀行の「積立定期預金」が手軽で便利。普通預金口座から、毎月決めた日に決めた額を定期預金に振り替えてくれる。手数料もかからない。これなら毎月3万円を確実に貯められる。
勤務先に「財形貯蓄制度」がある人は、これを利用するのも手だ。銀行預金より引き出しにくい点がいい。ただし、申し込み手続きは会社によって年に1〜2回など限られているところもある。たいていの会社は新入社員が入って間もなくの5〜6月に申し込み手続きがあるから、確認してみよう。
ということで、「15%預金」をまだ実践していない人は、この春こそ、今週こそ、始めるときです。
(文=中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー)
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