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金融政策決定会合後、記者会見する日銀の黒田東彦総裁=27日午後、東京都中央区の日銀本店(写真:フジサンケイビジネスアイ)
異次元緩和の「出口」見えず 日銀総裁に求められる説明責任
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170427-00000003-fsi-bus_all
SankeiBiz 4/28(金) 8:15配信
日銀の黒田東彦総裁は27日の会見で、物価上昇率について「2%に達するのは2018年度ごろになる可能性が高いが、安定的に(2%を)超える時期はそれよりも後になる可能性が高い」と述べた。「異次元の金融緩和」の開始から5年目を迎えるが依然、緩和の「出口」(縮小)の道筋は見えていない。国債購入の限界論も意識される中、出口段階のリスクを喚起すべきだとの声も出てきた。
「具体的なイメージを持って話すのは『時期尚早』だ」。黒田総裁はこれまでと同様に出口の議論の封印を繰り返した。議論開始の時期も「2%目標の達成が始まり」と話すにとどめた。「アベノミクス」の第1の矢として評価されてきた大規模金融緩和だが、与党からも出口の説明を求める声が出始めるなど風向きは変わりつつある。
19日に公表された自民党行政改革推進本部の提言は大規模な金融緩和が当面継続されるとしつつも「リスクを喚起し、適切な対応を日銀や関係府省庁に求める」と指摘。また、出口の段階で「毎年数兆円規模の損失が発生すると指摘されている」と警告し、「出口戦略に伴うリスクの分析に関し、市場との対話をより一層円滑に行うことを求める」と日銀に注文をつけた。
出口への関心が高まっているのは、大規模緩和に限界が見え始めているためだ。日銀は年間80兆円をめどに国債の買い入れを行っており、3月20日時点で保有する国債は423兆円に達した。この1年間で約2割増加し、国債発行残高に占める保有比率も4割を超えている。現行の金融緩和を続けると市中に出回る国債を買い尽くし、近い将来国債を買い入れることができなくなるとの見方は根強い。
今回の展望リポートで示された19年度の物価上昇率見通しは消費税増税の影響を除き1.9%。18年度ごろとしている目標達成時期には不透明感が漂う。
「米連邦準備制度理事会(FRB)も出口戦略をかなり前に語ったが、現在行っている政策とは違うものだ」。黒田総裁は緩和縮小を進めるFRBを例に、現段階での出口戦略の議論を封印する考えも見せた。
BNPパリバ証券の河野龍太郎氏は「超金融緩和の継続で日銀は継続的な債務超過も避けられない状況に陥るリスクが高まっている」と指摘する。黒田総裁には次期総裁への引き継ぎを視野に、緩和の出口について説明責任を果たすことが求められる。(永田岳彦)
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