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消費増税へのゴリ押しか?財務省が「大物」を財政審会長に据えたワケ 人事に透ける焦りと危機感
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51503
2017.04.23 ドクターZ 週刊現代 :現代ビジネス
大蔵省解体の屈辱
経団連の榊原定征会長が、財務相の諮問機関である財政審(財政制度等審議会)の会長に就任した。経団連の会長が財政審会長に就くのは、2001年1月から2年間務めた今井敬氏以来、実に16年ぶりのことである。
予算編成に大きな影響を与える財政審だが、財務省のこの人事にはどのような思惑があるのか。
まず、今井氏が就任した'01年当時を振り返る。財務省(旧大蔵省)は、'90年代後半に次々と明るみに出た官僚の接待スキャンダルで、世間から猛烈な批判を浴びていた。そのなかで、旧大蔵省は、中央省庁等改革基本法により金融庁と財務省に解体され、'01年1月に「財務省」へ名称が変更になった。
ちなみに、この名称変更は旧大蔵官僚には最大の「屈辱」。省庁の前に掛かる看板は、当時の大臣が揮毫するのが通例だが、大蔵官僚出身で「最後の大蔵大臣」となる宮沢喜一氏はそれを拒み、コンピュータの楷書体になったといわれているほどだ。
財政審会長に就任した榊原定征氏
そんな財務省の誕生とともに、経済財政諮問会議が設置された。'01年4月に発足した小泉政権では、竹中平蔵氏が経済財政担当相に就任した。このとき官邸には、竹中氏管轄の経済財政諮問会議を軸に、財務省から予算編成方針を奪い取るという思惑があった。
一方、財務省はこうした新しい動きに対抗。財界で圧倒的に顔がきき、ある意味で竹中氏よりも「上手」といえる経団連会長を財政審のリーダーに据えた―というのが当時の顛末であった。
財務省の焦り
だがこの財務省の思惑は小泉政権にねじ伏せられる。
竹中氏は、小泉首相の強い支援を受け、新しい経済財政諮問会議を舞台に「骨太の方針」を打ち出し、事実上予算編成方針を財務省から奪い取ることに成功した。その結果、小泉政権下では、財務省の「悲願」である消費増税をうかがう機会は一切封じられてしまったのである。
ようやく財務省が本格的に消費増税を進めはじめたのは、民主党へと政権交代した'09年以降だ。民主党政権発足当初から財務副大臣、財務大臣を歴任し、「財務省色」に染まり切った野田佳彦氏が総理になると、'12年3月に消費増税法案の提出にこぎ着けた。
こうした歴史を振り返ると、今回経団連会長という「大物」を据えるところには、財務省の「危機感」が見え隠れする。というのも、安倍政権が長期化して、さらなる消費増税の機運が遠のいているからだ。
安倍政権下で'14年4月から消費税率を8%へと引き上げると、それまで復調の兆しを見せていた経済は腰折れしてしまった。その結果増税への否定的な世論が高まり、再増税は'19年10月まで延長されているのが現状である。
こうした世間の変化に、財務省は危機感を持ち、消費増税の際に頼りになる経団連の力を持ち出してきた。経団連は自民党に政治献金を行うなど、「蜜月」関係を保っている。
一方で財務省と経団連は、法人税を減税する代わりに、消費増税路線に同調すると融通していてもおかしくない関係にある。つまり、安倍政権にとって、経団連の存在はひとつの「圧力」になるのだ。
これから安倍政権は消費増税路線で財務省に押し切られてしまうのかどうか、見物である。
『週刊現代』2017年4月29日号より
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