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日米経済対話が始まる
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/
2017年04月18日 在野のアナリスト
昨日、中国の2017年第1四半期GDPが発表され、前年同期比6.9%増と市場予想を上回ってきました。鉱工業生産も小売りも強かったですが、何より固定資産投資も伸びている。1-3月期でふたたび上昇する住宅価格、抑制しすぎると景気を冷やし、緩めると急上昇する。中国にとっては非常に厄介な対応がつづく。金融機関に溜まる負債など、成長しているのに一向に中国経済の中身が改善しない、といった状況です。
そんな中国で、一帯一路構想に基づく首脳会議への出席者が発表されましたが、28ヵ国のうち先進国からの参加は伊国のみ。元々、シルクロード経済圏という名が示すように、これはアジアから欧州を結ぶ地域の話であり、日米などは関係ないことですが、AIIBの創設メンバー57ヵ国と比べても、大分規模が下がった印象は否めない。それは中国経済の多くの課題をみるにつけ、世界がより慎重になってきたことと無縁ではないのでしょう。
日米経済対話の初会合が開かれました。麻生財務相は3本柱、として「貿易投資のルールと課題に関する共通戦略」「経済及び構造政策分野」「分野別協力」を掲げ、これをアジア太平洋地域に広げる、つまりTPPへの米国の復帰を企図する、と鮮明にします。しかし3が好きな安倍政権ですが、この3本柱にほとんど意味がありません。3項目をパッとみても、どこで何が話し合われるのか分からないように、経済は密接であり、別けて考えるのはナンセンス。これは階層という意味で、簡単に言えばまずはルール作りを行い、互いの政策などのずれを修正、そして分野ごとの協議に移る、ということなのでしょう。
しかし明らかに米国は二国間FTAを目指し、これを共通戦略にする気はない。相手国に合わせて圧力をかける方が、大国としては有利なわけで、そこが変わることはありません。グローバリズムを否定するトランプ氏が、多国間交渉に応ずる積極的な動機がない。さらに日本の動機が見え透いているため、それを逆用される可能性が高いといえるのでしょう。つまり米国の要求を100%飲むなら復帰してやる、などです。
しかし金融政策や、為替に関する言及がなかったのは、米国による中国への対応と酷似する点が気がかりです。今は北朝鮮への対応で、日米韓が連携するタイミング。ただ米韓FTAの見直しにも言及するなど、米国としては少しずつトランプ色を強めていこうとする過程であり、偶々日米はこれから話し合い、というに過ぎない。そして偶々、北朝鮮問題があって日米連携が崩れている、との印象を対外的に与えるのを嫌った。そんな事情から、両国ともウィンウィンの話し合いになる、とのアピールに終始したとも言えます。もしそんな両国にとって都合のいい話し合いなら、次回会合の時期について「年内に双方の都合いい時期」などとしないはずですから。
ペンス副大統領は経済に疎い。麻生財務相も経済に疎い。数日前、麻生氏が個人資産の活用について「投信の拡充」を指摘しましたが、はっきり言えば、投信は金融機関が手数料を稼ぐためだけの仕組みで、よほど投資に知識がない、投資をしている時間もないけれど遊んでいてなくなってもよいお金がある、という人間以外で、購入してはいけないものです。こういう点をみても、麻生氏が経済、金融について無知だと分かります。
しかも麻生-ペンス会談より注目されたのが、世耕経産相-ロス商務長官の会談です。具体的な話し合いの中身は分かりませんが、麻生-ペンス会談が時間を余らせて終わったのに対し、世耕-ロス会談は時間を延長しました。より厳しい話し合いが行われたのでしょう。
米国の高速鉄道への日本の参画、を安倍政権では画策していますが、運営権の入札に日本は参加しませんでした。つまりハード面でのみ、日本は参加するという形になりますが、そんな都合よく受注できるか? 当然、運営権をにぎる企業がやり易い形でハード面をつくることにもなるでしょう。つまりこの時点で、日本の戦略的ミスも目立ってきたことになります。中国が一帯一路なら、日米経済対話は一体何路? というぐらい話し合いの経路が広がってしまった。むしろ米国の術中にはまってしまった印象であり、日米経済対話が安倍外交の失敗案件として、また一つ加わるのなら、新幹線の輸出という一路でさえ受注できない、ということにすらなりかねないのでしょうね。
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