http://www.asyura2.com/17/hasan121/msg/207.html
Tweet |
東芝マンの「転職活動」4カ月間の日記(写真はイメージ)
30代「東芝」社員の転職日記 “就職時は勝ち組中の勝ち組だった”“感覚は完全に麻痺している”
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170418-00520044-shincho-bus_all
「週刊新潮」2017年4月13日号
■「東芝」30代社員のトホホな「転職活動日記」(下)
30代、本社企画部の東芝マンの日記である。つぎつぎと上司や同僚が退職してゆく会社生活、合コンにも呼ばれず実家の親に心配されるプライベート……。意を決して登録した転職サイトからも音沙汰はない。
***
〈1月24日・火曜日 今朝の朝日新聞に“東芝データ捏造”という衝撃的な記事が掲載された。技術職の同期に電話で聞くと、“朝日の記事は先週発売の週刊誌の後追いだが、事実だ”と、涙声。イケ好かない奴だが、彼も“技術の東芝”に誇りを持っていたし、それは自分も同じだったからショックだ。会社は“組織的ではない”と否定してみせたが、そんなはずがないだろうと突っ込みを入れたくなる。経営陣が腐っているのは知っていたが、技術部門で問題が発覚、しかもデータ捏造とは。会社全体が腐り始めているのか。自分は大丈夫なのか。〉
――昨年、東芝京浜事業所品質保証部の社員が、水力発電機器の安全検査データを捏造し、納入先の企業の指摘で露呈。東芝はそれを隠蔽し続けていたが、本誌(「週刊新潮」)が報じて発覚した。
〈1月27日・金曜日 今日の午後、綱川社長が記者会見で米国の原発子会社ウェスチングハウス(WH)の損失額が数千億円規模に上ると発表。同時に、半導体事業を分社化し、その株式の20%を売却するという。社内では“原発がダメで、半導体を手放したらどうやって生きて行くのか”との声が大半。昨年末から、毎週金曜日は送別会ばかりが続く。会の最後、退職する同僚の多くが“東芝を愛しているが……、本当に申し訳ない”と涙を流して挨拶する。ブルーになり、すぐに帰宅する気持ちになれず、1人でバーに立ち寄り痛飲。〉
〈2月2日・木曜日 2月14日に今年度第3四半期決算が発表される。WHの特別損失がなければ、決算発表後はV字回復の前祝をしていたはず……。転職のオファーは未だに来ない。管理、企画部門の人間などは代わりはいくらでもいるということか。転職セミナーに行くと決断。平日は、仕事で厳しいため2月11日土曜日参加の申込み。〉
〈2月10日・金曜日 来週の決算発表に向けて、関係部門は深夜まで残業し、土日を返上している。自分は無関係だと思っていたら、上司から休日出勤を命じられる。転職セミナーへの参加は厳しい。目の前が暗くなる。これまで馬鹿にしていた同業他社への転職を本気で考えねばならない時が来たのかも。3階のコンビニでカップラーメンを購入して、職場で1人ですする。そんな自分が情けない。〉
■転職サイトからメールが
――東芝は2月14日に予定していた2016年度第3四半期決算の発表を延期した。WHの幹部が、米国で建設中の原発4基を巡り、部下へ建設費用を圧縮するように指示した“不適切な圧力”が判明したからだ。この責任を取り、原子力事業を統括する志賀重範会長と、社内カンパニーのエネルギー部門トップ、ダニエル・ロデリック社長が“退任”している。
〈2月15日・水曜日 技術職の同期から転送されたメールを見て、危うく職場でキレそうになる。メールの差出人は、“戦犯”のダニー。“短い間でしたが、みなさんと一緒に仕事ができて幸せでした”と。ふざけるな。お前と志賀会長が“チャレンジ”と称して、部下に圧力をかけたんだろ。同僚の話では、ダニーの給与は億単位だとか。この泥棒猫! あんたのせいで、決算が発表できず、転職セミナーへも行けなかったんだぞ。〉
〈2月22日・水曜日 帰宅後、十数年前に日立製作所や三菱電機に行かず、なぜ東芝を選んだのかを思い起こす。当時は勝ち組中の勝ち組だったし、旧財閥色も薄い自由な社風だと感じた。“公家集団”と揶揄されてはいたが、OB訪問で会った先輩方もみんないい人ばかりだった。あの時の判断は、間違っていなかった。そう信じたいが……。
転職サイトからメールが来る。同業他社からの個別面談オファー。これ、これを待ち望んでいたんだ! 3日後の土曜日午後にアポ成立。だが、どこかで“この裏切り者”という声が。格下の同業他社へ転職しても、年収は減る。果たして。キャリアアップに繋がるのか。心の中で“自分の価値を知るためだ。正式に決まったわけじゃないから、裏切りにはならないよ”と。〉
■面談で撃沈
――東芝の有価証券報告書によれば、昨年3月末時点の平均年収は約827万円。サラリーマンのそれが420万円だと考えれば、ボーナスカットで年収が100万円近く減ったとはいえ、未だに“勝ち組”だ。
〈2月25日・土曜日 惨敗。己の無力を感じる。この十数年間、自分は何をしてきたのか。紳士的なリクルーターは見た目と違って、矢継ぎ早に厳しい質問を投げかけて来る。“具体的にどんな形で貢献できるのか”、“どんな資格を持っているのか”、“これまで築いた人脈は”。相手が納得するような返答をできず。撃沈される。恐らく、あのリクルーターと二度と会うことはないし、あの会社から転職のオファーが来ることもないだろう。自分も、東芝という“大樹”に寄りかかっていただけではないのか。職場で“窓際族”と揶揄されている先輩社員と、自分は何も違わないのでは……。〉
〈3月3日・金曜日 後輩とランチをした時、気になることを聞く。格下だと馬鹿にしていたパナソニックなどが、転職仲介会社を通してうちの社員をリクルートしているのだという。しかも、技術職だけでなく“文系社員”も対象。初耳だ。なぜ、自分の耳に入らなかったのだろうか。自分も早めに手を打たねば。〉
――東芝は3月14日、1カ月間延期していた16年度第3四半期決算の発表を再び延期した。先に延期の原因になったWH幹部の“不適切な圧力”について、監査法人が“対応が不十分”と判断して、決算を承認しなかったからだ。東芝社内では2月14日を“血のバレンタインデー”、この日を“崩壊のホワイトデー”と呼んでいるとか。
〈3月24日・金曜日 決算発表の再延期を聞いても、冷静だった。もう、大抵のことでは驚かないが、これにはビックリした。旧村上ファンドの残党が、うちの筆頭株主になるというのだ。上司の説明では、“純投資なので株価が上がれば、売るから大丈夫だ”と。確かに株価が上がれば、ありがたい。自分が持っている自社株も、買った時の半額ほどになっている。だけど、彼らは“ハゲタカ”のようなもの。そんな会社が筆頭株主になって、“大丈夫だ”といわれてもね。〉
〈3月30日・木曜日 綱川社長が3月29日に記者会見を開きWHの破産法申請と同時に、その処理で赤字が最大1兆100億円になると発表。2年前だったらビックリしたかもしれないが、これまで数々の問題が起きて数千億円単位の損失などが明らかになったからだろう。危急存亡のときに立たされても、もはや驚愕しなくなった自分の感覚は、完全に麻痺している。
臨時株主総会が本日開催。大荒れだったという。株主たちの逆鱗に触れたのは原発事業の責任者だった志賀前会長の“病欠”。株主の怒りは当然だ。不祥事が発覚すると、会長や社長が急病になるのはなぜだろうか。無責任のひと言に尽きる。
転職活動は必ずしも順調とはいえないが、一筋の光明も。同業他社から面談のオファー。履歴書の“職歴”をイチから見直し修正した成果が出た。前回の“惨敗”を教訓にリクルーターとの想定問答を練りに練る。キツイ質問にも笑顔を絶やさず、ハキハキ答えることを心がけよう。面談日は決まった。後は、“チャレンジ”するだけだ。〉
特集「『合コンにも呼ばれない……』『見合い写真も来なくなった』 『東芝』30代社員のトホホな『転職活動日記』」より
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民121掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。