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酒や家電の「値上げ」が夏以降に相次ぎそうな理由(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/17/hasan120/msg/873.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 4 月 13 日 09:20:20: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


酒や家電の「値上げ」が夏以降に相次ぎそうな理由
http://diamond.jp/articles/-/124648
2017.4.13 森山真二:流通ジャーナリスト ダイヤモンド・オンライン


あなたはこれから知らぬ間に高いものを買っていくことになるかもしれない――。人手不足や、紙製品など原燃料価格の上昇を理由にした製品価格の値上げ宣言が相次ぐ。加えて夏以降には酒類が確実に値上がりしそうで、さらには、家電までが値上げになりそうな雰囲気だ。果たして、その理由とは。(流通ジャーナリスト 森山真二)

マスコミ各社は「値上げの春」と報道
中でも不透明なのが「官製値上げ」


 このところ、マスコミ各社から「値上げの春」というような報道が増えている。重油や石炭といった原燃料の値上がりを理由にした、家庭紙や印刷情報用紙など紙製品の値上げである。また、円安のあおりを受けた輸入原料の値上がりや、国際市況の高騰を受けたオリーブオイルの値上げなどと、食品や日用品などいくつかの商品分野で価格改定の動きが活発化している。

 ただし、メーカーから値上げが打ち出されても、流通側がそれをすんなりと受け入れるかどうかは、消費者の節約志向が強まるなかで微妙な情勢だ。

 というのも、紙製品などはこれまでも、何度となくメーカーから原燃料の値上げを理由にした値上げが公表されている。だが、その都度、流通側の競争原理によって、すんなりと値上げが浸透したということがあまりないのが実態だからだ。そのため、幾度となく、「値上げの公表」だけが繰り返される格好となっているのだ。

 そもそも値上げは、消費者からはあまり好意的には受け入れられないものだ。とはいえ、メーカーから打ち出される場合はそれなりの理由があってのことであり、仕方ないこともある。国際市場価格などに基づいた価格転嫁などがその一例だろう。しかし、きちんとした根拠や理由がなければ、すんなりとは受け入れられない。その典型的な事例が、知らず知らずのうちに価格統制で誘導されていく「官製の値上げ」であり、今後、いくつかの官製値上げが続きそうな気配なのである。

今年6月から
酒類は過度な安売りを規制


 その代表例が今年6月からの酒類の過度な安売り規制だ。これは国税庁の酒類小売店保護という大義名分の下、実施されるものだ。「仕入れ原価と販管費の合計額」を下回って安売りした場合や、周辺の酒類販売事業者(主に酒販店)の売り上げが減少した場合に、罰金刑、免許取り消しなどが適用される。仕入れ(製造)原価は、「銘柄や品目ごとに算定する」としており、例えばディスカウントストアなどが安売りをした場合の販管費は、酒類事業に関わる人件費などを勘案するとしている。

「違反」と認定された場合は罰金や免許の取り消しという厳罰が課せられることから、大手のディスカウント店やスーパーも今度ばかりは安売りに慎重になり始めているという。酒税とたばこ税は、合わせて国税収入のうち約4%を占める貴重な税源だ。国税庁としても「末端価格に乱れ」が生じる事態は、避けたいのが真相なのだろう。

 酒類の安売り規制は昨年5月に議員立法により成立した。市中の酒販店は政治家にとって票田である。議員の先生方は「酒類小売店がディスカウント店などによる酒類の安売りにより淘汰されてしまったら大変」とばかりに今回の規制となったと言ったら、言い過ぎだろうか。

 大手スーパーやディスカウントストアの攻勢を受けながらも酒販店が存続してきたのも、かつて出店の距離制限などがあり法的に守られてきたからだ。しかし、その距離制限など酒販店保護政策が段階的に撤廃されてきており、今度は「価格規制」で保護という感じなのである。

 しかし、そもそも安売りを規制したからといって、街の酒屋さんが今後も存続できるかどうかは疑問である。むしろ、安売りを規制し、「酒離れ」が起きたら元も子もないからだ。

 同じような業種店で現在も存続しているのは薬局だ。こちらも薬事法、薬価で守られている。しかし、こういっては申し訳ないが、薬局にしても酒販店しても現在では大手チェーンに押されて競争力はないに等しいのが実態だ。薬局は午前10時に店を開けて、午後6時や7時には閉めてしまうパパママ薬局が実に多い。これではせっかく法で保護しても、競争力の強化にはつながらない。

化粧品の「転売禁止」制度を
家電業界にも拡大へ


 官製の値上げでは、公正取引委員会が現在、「流通・取引慣行のガイドライン」を約25年ぶりに改正する方向だ。なかでも大きく動きそうなのが、「選択的流通」だ。

 これは「品質の保持」「適切な使用の確保」「消費者の利益」などの合理的な理由があれば、メーカーは一定の基準を満たした流通業者のみに自社商品の取り扱いを認めて、他業者への転売を禁止できるという制度だ。

 この選択的流通は現在、化粧品メーカーに認められている。化粧品は直接皮膚に触れるものということから、メーカーは十分な品質の保持ができ、適切な使用方法を相談しながら販売できる店舗のみに売ることが許されている。

 化粧品メーカーは現在、専門店専用ブランドや、百貨店専用ブランド、ドラッグストア主体のブランドなどと販売チャネルを分けて商品を開発、各販路に同じ商品を流すことなく商品を出荷している。これにより、価格の干渉、つまり「価格の下落」を防いでいるのが実情だ。

 この選択的流通の適用範囲を広げてほしいと要望しているのが家電業界だ。特に、美容家電などはこの制度の適用範囲にあたると主張している模様だ。

 電子技術産業協会では、薄型テレビなど音響・映像製品価格が下落している現状について、「ネット通販業者が価格下落のスピードを速めている」などとして公取委などに選択的流通を認めるように理解を求めている。確かに、シャープが外資メーカーの傘下に入った背景として、価格下落の速さの影響は否定できないだろう。

家電の価格下落はメーカー側にも原因
消費者は値上げに甘くない


 ただし、ネット通販で安売りする業者も元をたどれば、大手の家電量販店の横流し商品を販売しているところが多い。過去、メーカーは家電量販店大手に対し、リベートを大量につけて数量を購入させるシェア競争を繰り広げてきた。結果的には、その過剰出荷分がネット通販業者に流れ、価格を歪める温床になったことは否めない。

 かつて家電の販売チャネルは街の家電店が販売の主流だった。しかし、現在はヤマダ電機やケーズホールディングスに代表される家電量販店が台頭し、急激にチャネルが変わったことで混乱に拍車かけた。今後はネット通販業者が拡大することが予想されているだけに「家電メーカーとしても、選択的流通によって流通をコントロールしたいのだろう」と家電流通業界では推測している。

 しかし、仮に家電などにもこの選択流通が適用されれば、酒類に続いて家電についても価格が上がることは間違いない。確実に我々の財布を直撃する。

 ユニクロは14〜15年と2年続けて製品価格を引き上げ、「ユニクロは安くない」という見方が広がって、客離れを招いた。価格の上昇は、メーカーなどにとっては願ったり叶ったりとなるが、消費者はそれほど甘くはない。製品の品質が変わらない状態で価格だけが上がるのでは納得しない。そもそも需要自体が落ち込んでしまえば、元も子もないことになってしまう。

 家計の消費支出から飲食費の割合を示す「エンゲル係数」がここ数年で急速に上昇している。年金暮らしの中高年層が増え、しかも外食や中食で惣菜などを購入する世帯が増えているからだ。実態として、知らず知らずのうちに支出が少しずつ増えている。「インフレの芽」は、もはや芽ではなく、花が咲き満ち溢れようとしているのではないか。


 

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コメント
 
1. 2017年4月13日 21:15:18 : Ns2JBRgFnI : oIDT3yHl9HY[110]
値上げする 官の煽りに 音を上げて

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