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借金まみれのアジア諸国、米国の利上げでリスク高まる
Bloomberg News
2017年4月11日 12:27 JST
アジアの金融危機から20年が過ぎ、世界的な信用収縮から10年たった今、アジア諸国は借金まみれに陥っている。
多額の負債は企業や銀行、政府、家計に広がっており、上海の鉄筋価格からシドニーの不動産価格に至るまであらゆる物価のバブルを膨張させつつある。こうした中での米連邦準備制度の利上げを受け、債務問題が再び懸念要因に浮上している。
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中国の景気減速や商品相場の変動、為替相場のボラティリティーはリスクの一部にすぎない。S&Pグローバル・レーティングの推計によると、同社の格付け対象で2021年までに満期を迎えるアジアの社債1兆ドル(約110兆円)近くのうち、ドル建ては63%、ユーロ建ては7%となっている。
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政府が外貨準備を積み増し、リスクヘッジも改善しており、国内債券市場の充実が新たな資金調達手段になっているため、かなりのバッファーはある。また、米国の金融引き締めでも、欧州や日本の当局が続ける大規模な金融緩和策が影響を相殺する。金利は依然として歴史的低水準にあり、リフレ政策が金利負担を押し下げている。
それでも、借り入れペースは涙が出るほどだ。アジアは世界経済に最大の貢献をしているだけに、債務問題の後遺症は重大だ。国際通貨基金(IMF)によると、アジアの2017年と18年の成長率は5%を超え、世界成長率の約3.5%を上回る見通し。
中国の債務総額は昨年、国内総生産(GDP)比で約258%に達した可能性が高く、2005年の158%を大きく上回る。借り入れの大部分は企業レベルのもので、ゾンビ企業と呼ばれる負債過多の国有企業が引き続き中心だ。IMFは中国に企業債務問題に緊急に対処するよう警告している。
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韓国は数年にわたる低金利と不動産ブームに支えられた後、後遺症に見舞われている。家計債務は1344兆3000億ウォン(約130兆円)という記録的水準に達し、返済負担で消費が悪化している。韓国当局は米金融引き締めが国内の貸出金利に影響し、低所得世帯が債務不履行に陥ると懸念している。
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韓国も経済協力開発機構(OECD)加盟国で高債務国の一角で、家計の可処分所得に対する債務の比率は2015年時点で169%と、平均の129%を上回る。
日本は世界屈指の高債務国で、政府債務総額はGDPの2.5倍強に上る。2020年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化させる目標について、政府自身も実現できる見通しを描けていない。ただ、日本は多額の海外投資と国内資産を持つためネットベースでの債務負担は軽減される。また、社債の大部分と全ての国債が円建てで、国債の大部分は国内で保有されているため、資本の海外流出リスクは比較的低い。
原題:Fed Rate Hikes Raise Risks for Asian Nations Swimming in Debt(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-04-11/OO84136JIJV501
PIMCO:ドルへの強気な見方後退−アジア新興市場債投資を縮小
Netty Ismail、Liau Y-Sing
2017年4月11日 10:33 JST
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• 市場の展開を見守るのに良い時期−スパジック氏
• オバマケア代替、「すでに4月だが何も米議会を通過していない」
米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)が、アジアの新興市場通貨との取引でドルに対する強気を後退させている。同社は今、比較的割高だとしてアジア債券投資を縮小していることを明らかにした。
PIMCOの新興アジア担当ポートフォリオマネジメント責任者ルーク・スパジック氏(シンガポール在勤)は先週のインタビューで、「引き続きドルのロングとなる緩やかなバイアスで、一部のアジア通貨をアンダーウエートとしている。ただ、これまでは強い確信だったが、今はそれほど強い見方ではなく、主要で中核的な強い見方ではなくなった」と述べた。
「金利や通貨、株式のバリュエーションを踏まえると、リスクの一部を抑えるとともに、一部を現金化して各市場がどのようにして展開していくのか見守るのに全く良い時期だ」とも指摘した。
インドやインドネシアを含む新興アジア市場の債券は先週、値下がり。1−3月(第1四半期)の資金流入がここ2年余りで最大となったことで、値上がりし過ぎたとの懸念が広がった。トランプ米政権が公約としていた医療保険制度改革法(オバマケア)撤廃・代替に向けた法整備が進まず、リフレトレードを巡る思惑も後退した。
スパジック氏は「すでに4月だが何も米議会を通過していない。意味のある法改正の多くが2018年に影響を及ぼすことになるのかもしれない」と話した。
https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/it9SUy95O__0/v3/-1x-1.png
原題:Pimco Tempers Bullish Dollar View, Says Asia Bonds Losing Luster(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-04-11/OO7ZLY6S972A01
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フラッシュクラッシュ、一斉避難で為替新参組には千載一遇のチャンス
Lananh Nguyen
2017年4月11日 13:21 JST
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Signage for Toshiba Corp. is displayed atop the company's headquarters in Tokyo, Japan, on Tuesday, March 28, 2017. Toshiba Corp. projected its annual loss could more than double to a record 1.01 trillion yen ($9.1 billion) as its U.S. nuclear unitWestinghouse Electric filed for Chapter 11 bankruptcy in New York court. Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
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相場が極端に動くときの情報蓄積が長い目でプラスに
アイザック・リーバーマン氏にとって「フラッシュクラッシュ」と呼ばれる相場急変は大チャンスだ。
著しい相場急変が起きると、為替ディーラーの多くは立ち往生するものだが、リーバーマン氏は逆にその瞬間を捉えて利益を得ようと、軍事やテクノロジーの専門家らを集めてアストン・キャピタル・マネジメントを設立した。他社がブレーキを踏んで止まる時にギアを高速にする会社だ。
リーバーマン氏はニューヨークの高層ビル85階にあるアストンのオフィスでインタビューに応じ、「なかなか得難いデータを得られるフラッシュクラッシュ的イベントについては非常に興奮する」と語り、「そのような事態はシミュレーションできない」と述べた。
1日当たり5兆1000億ドル(約565兆円)が取引される外国為替市場では近年、荒々しい値動きがよく見られるようになった。2014年設立のアストンは、電子取引で為替のマーケットメークを手掛ける企業として新規参入。超が付くほど激しい相場変動の中でも顧客に値を提示し、平常時に戻る際に利益を得られると期待する。アストンの専門家らは価格パターンを分析し、相場を先読みする戦略をコンピューターで作成。大変動時のパフォーマンスを検証し、アルゴリズムを調整する。
アストン以外にも、XTXマーケッツやシタデル・セキュリティーズ、バーチュ・ファイナンシャルなどが、08年の金融危機後の規制強化を受けた為替ディーリング会社の撤退・縮小によって市場に開いた穴を埋めている。
大変動の新たな時代は15年に幕を開けた。同年1月、スイス・フランはスイス国立銀行(中央銀行)が上限を突然撤廃したことで、20分で約41%も値上がりした。直近の例では、昨年12月にユーロがアジア取引時間中に数分で1.6%上昇。同年10月には、ほんの数秒で英ポンドが約9%下落した。南ア・ランドやニュージーランド・ドルも同様に乱高下した。リーバーマン氏によれば、アストンはこのポンド急落時に90秒間で5億ドル相当取引した。
トレーダーは相場急変にうまく対応できなければ大やけどする。JPモルガン・チェースをやめて自己資金でアストンを設立したときのリーバーマン氏の課題は、リスクテーク意欲のあるチームをつくることだった。ニューヨークではエンジニアや数学者の獲得競争が厳しく、同氏はユダヤ教会を通じて、テクノロジーに詳しくイスラエル国防軍の情報組織8200部隊で陸軍少佐を務めた経歴を持つ人物の助けを得ると、テルアビブでチームを採用した。軍事やテクノロジーに詳しくても、金融市場の知識をほとんど持たない社員にはホワイトボードを使って為替売買について教育しながら、相場急変時に利益を得るためのソフトウエアを作り始めた。
フラッシュクラッシュ時に「理解したいのは、どれが最も見つけにくいが最も時宜を得たトレーディングになるかだ」とリーバーマン氏は話し、「どこかの時点で、フラッシュクラッシュは止まり、価格は適正値に向けて戻り始める」と付け加えた。
アストンは1日当たり平均して10億−20億ドルを取引する。昨年は11月末まででリターンがプラス22%超だったと、パフォーマンス報告書で明らかにしている。
市場参加者の多くにとって、フラッシュクラッシュが起きるときは安全策を講じるときだ。ヘッジファンドのファースト・クアドラントのパートナー、ドリ・レバノニ氏はポートフォリオ運用者やトレーダーらは市場の状況が好転するまでは売り買いの注文を出さずに立ち止まると話す。
だが、リーバーマン氏にとって、その同じ瞬間が行動への時となる。「全体を理解できるように、何が起きたかの断片を集めてストーリーにしようとしている」と同氏は話した。
原題:Flash-Crash Trader Jumps Into Currency Market When Others Flee(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-04-11/OO87DA6JIJUQ01
日本などアジア企業の株主リターン、統治改善で向上へ−ゴールドマン
Kyunghee Park
2017年4月11日 16:46 JST
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日本では企業統治改革後に株主リターン76%上昇
中国、韓国、日本株が最も改革の恩恵大きい
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コーポレートガバナンス(企業統治)の改善によってアジア企業の株主リターンは大きく高まる可能性がある。特に中国、日本、韓国企業に向上余地が大きいと、ゴールドマン・サックス・グループが指摘した。
企業統治の改革が進めば高成長のアジアへの投資でリスクが低下すると、ガブリエル・ウィルソンオットー氏らゴールドマンのアナリストが11日のリポートで分析した。改革によって価値を高めることができる企業として、日本の三井住友フィナンシャルグループ、韓国の現代自動車とサムスン電子、中国の宝山鋼鉄を挙げた。
2007年以降に明らかになった環境問題や社会的、あるいは企業統治の不祥事14件についてゴールドマンが分析したところ、スキャンダルに見舞われた企業は問題発覚後の2週間に平均で、セクター全体のパフォーマンスを25%下回った。取締役会を多様化する日本の取り組みや中国の国有企業改革の動きは改革の必要性が認識されていることを示すが、一段の行動が必要だとしている。
アナリストらは「こうしたトレンドの継続はアジアでの企業統治絡みの『テールリスク』事件による価値破壊の危険性を低下させることにつながり得る」とし、改革は「企業の再編やより効率的な資本構造を通じて、閉じ込められている株主価値を解き放つ可能性がある」と記述した。
日本では14、15年のスチュワードシップ・コードとコーポレートガバナンス・コードの導入が、株主リターンの76%向上につながったとゴールドマンは指摘している。
原題:Goldman Sees Potential Stock Boost From Company Reform in Asia(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-04-11/OO8H9I6JTSEG01
日本株は3日ぶり反落、地政学リスクと円高警戒−景気敏感や金融に売り
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東京株式相場は3営業日ぶりに反落。地政学リスクへの警戒が根強い中、為替のドル安・円高推移が嫌気され、電機や機械など輸出株の一角、石油や鉱業、海運株など景気敏感セクター中心に安い。米長期金利の上昇力の鈍さを背景に銀行株も軟調。
TOPIXの終値は4.55ポイント(0.3%)安の1495.10、日経平均株価は50円1銭(0.3%)安の1万8747円87銭。
アセットマネジメントOne・調査グループの清水毅ストラテジストは「トランプ米政権はオバマ政権と違って明らかに対外的に強い姿勢を見せており、シリア・北朝鮮問題で不確実性やテールリスクを感じている」と言う。日米経済対話や米為替報告書、仏大統領選など「当面控えるイベントでサプライズがあれば、円高リスクにつながる」とし、「為替からデカップリングできるほど日本株のセンチメントは強くない」との見方を示した。
東証1部33業種は海運、石油・石炭製品、機械、電機、金属製品、証券・商品先物取引、鉱業、銀行、その他金融など23業種が下落。不動産や保険、陸運、小売、食料品など10業種は上昇。銀行など金融セクターの一角は米金利の低下、10日の米S&P500種株価指数の業種別11指数で金融が下落率2位だった影響を受けた。
売買代金上位では3回目の決算発表期限をきょう迎えた東芝、ゴールドマン・サックス証券が投資判断を下げたGMOペイメントゲートウェイ、今期の営業利益計画が市場予想を下回ったJ.フロントリテイリングが安い。JR九州やリクルートホールディングス、ミネベアミツミ、スタートトゥデイも売られた。半面、石川製作所や三井不動産、ケネディクスは高い。
東証1部の売買高は16億9117万株、売買代金は1兆8635億円、代金は3月15日以来、ほぼ1カ月ぶりの低水準
値上がり銘柄数は504、値下がりは1384
●長期金利3カ月ぶり低水準、地政学リスクで買い−物価連動入札は順調
債券相場は上昇。長期金利は約3カ月ぶり低水準を付けた。米国のシリア攻撃を発端とした地政学的リスクが高まる中、安全資産としての国債に買い圧力がかかった。
長期国債先物市場で中心限月6月物は前日比8銭高の150円64銭で取引を開始。午後には一時150円70銭と、中心限月ベースで3月8日以来の水準まで上昇。結局は12銭高の150円68銭で引けた。
現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の346回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値から0.5ベーシスポイント(bp)低下の0.04%と、1月18日以来の水準まで買われた。20年物160回債利回りは1bp低下の0.61%と、新発債として1月以来の低水準。新発30年物54回債利回りは1.5bp低い0.83%まで下げた。
岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは「海外の状況は緊張がやや高まっている感があり、安全資産需要という意味では国債は買われて当然」と指摘。一方で「どんどん積極的に買うような利回り水準でもないので、投資家の動きは鈍い。内外で不透明要因が多過ぎて、市場全体が膠着(こうちゃく)している」と言う。
財務省が実施した10年物価連動国債入札の結果は、最低落札価格が105円00銭と、市場予想の104円80銭を上回った。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.64倍と、前回の2.61倍から上昇した。
●円が上昇、シリアや北朝鮮めぐる地政学リスク警戒
東京外国為替市場では円が上昇。米国によるシリアや北朝鮮への対応をめぐる地政学リスクへの警戒感から円買い優勢の展開が続いた。
円は主要16通貨に対して全面高となり、対ユーロでは一時116円88銭と昨年11月以来の水準まで円高が進んでいる。ドル・円相場も1ドル=110円台後半から一時110円46銭と2営業日ぶりの水準までドル売り・円買いが進行した。午後4時20分現在は110円54銭前後で取引されている。
三井住友信託銀行マーケット金融ビジネスユニット為替セールスチームの西田朋広主任調査役は、北朝鮮やシリア情勢、仏大統領選といった不透明感から消去法的に円が買われやすいと説明。ドル・円については「基本的に押し目買いスタンスの人も、110円割れリスクには注意が必要」と話した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-04-11/OO8IJP6S972A01
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