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JR北海道をつぶすの誰だ 会社もグループもみんな逃げた〈AERA〉
http://www.asyura2.com/17/hasan120/msg/758.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 4 月 07 日 20:39:30: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

2016年3月のダイヤ改定で1日1本しか列車が来なくなり、「日本一終電の早い駅」になった札沼線新十津川駅の時刻表(撮影/編集部・福井洋平)


JR北海道をつぶすの誰だ 会社もグループもみんな逃げた〈AERA〉
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170405-00000077-sasahi-bus_all
dot. 4/7(金)


 国鉄が解体し、7社のJRが発足して30年。株式上場を機に、脱テツドウにシフトする会社があれば、お先真っ暗な未来にアタマを抱える会社あり。現在のリストラなど働く人たちの労働環境悪化は、国鉄解体に原点があるとの指摘も。「電車の進化」などさまざまな切り口で30年を検証していく。AERA4月10日号では「国鉄とJR」を大特集。

 半分の路線を「維持困難」と投げ出そうとしているJR北海道。会社もJRグループも国も自治体も、誰も責任を取らない。十分予測できた暗い未来を直視しなかった。

*  *  *
 3月中旬、北海道日高町にある日高門別駅を訪ねた。立派な待合室のある駅舎に2本の線路。だが、いつまでもそこに列車は来ない。ここ2年ほど、JR北海道の大動脈の一つ、日高線(苫小牧─様似(さまに)、146.5キロ)が、116キロにわたって運休しているからだ。

 きっかけは2015年1月の高波被害で、線路下の盛り土や橋が流されたこと。JR北は、「復旧に86億円、運行再開しても年間13億円かかる」と沿線自治体に負担を求めた。人口減少に悩む自治体にとても負担はできない。運休区間の廃止を通告してきたのは昨年12月。沿線自治体の一つ、日高町の三輪茂町長は困惑を隠さない。

「地図から鉄道路線が消えたら、首都圏から人が来なくなる。年間予算100億円程度の町の規模ではJR北海道が求める(1町あたり年2億円程度の)負担は到底できません」

 15年12月から、沿線自治体とJR北が復旧に向け議論する沿線自治体協議会が始まった。

「復旧に際し国に補助金を要請するには(運行を)持続させる仕組みをセットで構築することが不可欠です」(JR北海道)

 だが三輪町長によれば、JR北に、路線再開に向けた熱意を感じることはできなかった。沿線7町は様似から札幌までの優等直通列車導入や新駅設置などの利用促進案を出したが、JR北は年間3億円程度の赤字が出るとの試算を出して難色。鵡川(むかわ)駅から、日高門別駅までの約20キロは路線の損傷はないが、運行再開には折り返し施設新設などで6千万円に加えて、毎年の運行コストなど3億2千万円の負担が必要と町に要求したという。

「二言目には『赤字なので』という話ばかり。災害をいいことに、路線を廃止したいとしか思えません」(三輪町長)

 JR北はいま、国鉄から受け継いできた「全国あまねく」(ユニバーサルサービス)の看板を下ろしつつある。昨年11月に全路線の半分にあたる10路線13区間を「自社だけでは存続できない」、うち3路線(のちに日高線運休区間を含め4路線)の一部区間のバス転換を沿線自治体に提案した。

 札幌から車で約1時間半、北海道の農村地帯にある札沼線の終点、新十津川駅(新十津川町)。昨年3月のダイヤ改定で列車が3本から1本に減らされ、午前9時40分に「日本一早い終電」が発車する駅に。ここから北海道医療大学駅までが廃止3線区のうちの一つだ。14年に駅前に休憩所「寺子屋」を開き、グッズなどを販売している後木幸里(うしろぎゆきさと)さん(86)は嘆く。

「温暖化が進めば雪も減り、北海道は移住先や別荘地として魅力的な存在になる。そうすれば鉄道の役割も増えると思います。JR北海道は真剣に努力をしてきたのか、と言いたいですね」

●発足10年は頑張った

 国鉄の分割民営化時、すでに将来の経営難が予想されたのは九州、四国、北海道のいわゆる「3島会社」。だが、昨年上場を果たした九州と比べてもJR北の惨状は際立つ。直接の原因は、11年の石勝線トンネル内特急火災など頻発した事故。安全対策のため特急列車の減速減便などコストカットを余儀なくされ、鉄道の魅力はさらに失われた。

 工学院大学の曽根悟特任教授は、JR北は発足から10年くらいは「非常に頑張っていた」と言う。雪が降ったら「運転が怖い人が鉄道に乗ってくれる」と「雪ダイヤ」を組んで積極的な運行に努め、90年の札幌─旭川間130キロ運転や94年の札幌─函館間2時間59分運転など、札幌と各地を結ぶ特急の高速化も実現した。

 当時在籍していた60代のOB社員は、こう当時を振り返る。

「スキーブームもあって本州からどんどん客を呼ぼうという意識が高かった。東京駅に営業所もつくるなど頑張っていました」

 だが、その頑張りも十分ではなかった。OB社員は言う。

「各自治体との連携や、地元の観光需要を掘り起こす動きが全社的にならなかった」

 足元の安全確保や需要喚起といった動きが鈍いまま、低金利時代が襲ってきた。もともと経営難が予測されてきた3島会社は分割民営化時に国から「経営安定基金」(JR北は6822億円)を与えられ、その運用益で赤字を埋める仕組みだった。だが、低金利時代に突入して運用益は目減り。当初の金利水準に比べ、トータルで約4千億円減少したと推測されている。かといって、取り崩しもできない。

 曽根氏は、同じ苦境に立たされた四国と北海道の違いがここで表れたと言う。四国は苦しい状況でも路盤改修に積極的に投資し、枕木をコンクリート製に切り替えて結果的に保守費を切り下げることに成功した。JR北は、その動きができなかった。

「四国、九州と違い鉄道システム全体が見通せる技術者が会社のトップにつかなかったため、技術革新の姿勢が次第に失われたのです」(曽根氏)

●国の支援体制が不十分

 この苦境を招いたことをJR北だけの責任にするのは間違いだ。鉄道ジャーナリストの梅原淳さんは、「国がJR北海道を支援する仕組みが整っていないのが最大の問題」と指摘する。

 JR北は民営化当時に比べて赤字線区を切り、利用客も増えている。だが運賃値上げをしたくても、国の指針により他のJR旅客会社とコストを比較して運賃を決める「ヤードスティック方式」を採用しているため自由に運賃が値上げできない。そのため正社員数を発足当時の1万3千人から7千人(16年)まで減らすなど、コストカットを強力に進めざるを得なかった。一連の事故もその流れの中にあると梅原さんは指摘する。

 北海道内を走るJR貨物から十分な収益を得られなかったことも、JR北にはダメージだった。JR貨物も経営環境が厳しく、貨物列車が走ることによるレール摩耗分などの上乗せ経費分だけの「アボイダブルコスト」のみを払う仕組みになっている。北海道大学の石井吉春特任教授(社会政策)は、「北海道内では旅客に対する貨物の割合が極めて高く、本来JR貨物が払うべき費用負担をJR北が肩代わりしているため赤字解消が進まない」と分析する。石井特任教授は、JR北海道が貨物から得られていない線路使用料は年150億〜200億円程度と推測する。経営安定基金の運用益の大半を食いつぶす計算だ。

 JR貨物は17年3月期に鉄道事業が初めて黒字化する見通し。好調ぶりについて、同社は、

「国内総貨物量は減少しているが、トラックドライバー不足や環境問題を背景に、鉄道による貨物輸送量は増えている」

 と分析する。黒字化でアボイダブルコストのあり方も今後問われることになるだろう。

●無料道路との競争に

 北海道の苦境は国の交通政策に遠因があると語るのは、関西大学の宇都宮浄人教授だ。JR発足後も次々と高規格道路を開業させ、特にJR留萌線と並行する深川留萌自動車道、JR日高線と並行する日高自動車道(それぞれ一部)など国交省北海道開発局が開発する高規格道路は無料開放されている。

「これはイコールフッティング(平等な競争条件)ではない。道路と鉄道にかける予算の配分の適正化を国や自治体は考えるべきです」(宇都宮教授)

 高規格道路はそもそも、道内の自治体が求めてきた構図があると石井特任教授は指摘する。

「その結果、鉄道が苦境に陥った。今回維持困難とされた線区の地元自治体の首長は、自分たちがどう公共交通を維持していくか考えないといけません」

 日高線沿線にある新ひだか町の酒井芳秀町長は、レール上も道路も走れるバス「DMV」を日高線に導入すべきだと主張する。だが、「日高の公共交通を考える有志の会」を主宰する新ひだか町の高橋幸二さん(50)は、「DMVはメリットを感じられないし、鉄道にこだわっていては理想の公共交通は生まれない。そもそもの原因は鉄道による街づくりを行政が怠ってきたことだ」と厳しく批判する。国もJRグループも自治体も、問題をなあなあで先送りし、JR北の苦境をつくってきたのだ。

●インフラは国が責任を

 打開策はあり得るのか。観光情報サイト「タビリス」の鎌倉淳さんは、北海道にはポテンシャルの高さがあると言う。

「インバウンド客が集まっており、しかも団体客から個人客にシフトしつつあるため列車移動の需要は高い。今年2月に乗車した富良野線は外国人観光客でいっぱいで、高い運賃を設定するといいのではないでしょうか」

 

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コメント
 
1. 2017年4月07日 22:24:29 : BrD3U4nArU : iH1hTOj5NMI[63]
同じ列車で人も荷物も運べばよい。
特に、カートレインにすればニーズはあるはず。

2. 2017年4月07日 23:20:06 : rXdsMFQkZM : b8vrQPgmHgU[188]
カートレインは日本では定着しませんでした。当方、国鉄末期からJR初期にかけての鉄道マンでしたが、鉄路を会社ごとに分断しすぎたのが仇となりましたね。下の解説をお読みください。

カートレイン
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%B3

(一部、転載します。)

運行側の事情もあった。国鉄分割民営化時点の取り決めで、複数会社にまたがって運行されるカートレインは、自動車の積み降ろし作業の手数料として両端の会社がまず2割ずつ運賃・料金の分配を受け、残りを運行される区間の営業キロに比例して各社に分配することになっていた。

しかし「カートレイン九州」は、九州に入ってすぐの東小倉駅までの運転であり、九州旅客鉄道(JR九州)は営業キロに比例して受け取る分の運賃・料金が極端に少なくなっていた。このためJR九州が運転を継続する意欲が無かったとされる。

(転載終了)

●国鉄をあれだけ分割解体したのは、国労を再起不能にするのが目的でした。国労は総評を支える一大勢力であり、社会党の有力支持基盤でしたが、敵対している自民党イルミナティ・ナカソネは、国鉄を分割解体することにより「国労の弱体化」を推進したのです。本人が言っているのだから、間違いない。

自民党は国労の弱体化に成功し、これが社会党の衰退につながり、自民党のやりたい放題の国になってしまった。何しろ敵がいないのですから。結局のところ、自民党には長期的な交通政策と言うものがない。どうでもいいのです、目先さえよければ。だからこそ、日本中に地方空港を乱造した。ゼネコンを儲けさせるためです。その結果が、便数の少ない空港ばかりの現実です。その次はリニアなのです。

話が横道に逸れてしまいましたが、長距離列車の代名詞だったブルートレインも、通過する鉄路の利益配分で揉めて衰退した。機関車、客車の老朽化が進み、誰が新製の費用を負担するかで紛糾した。結局、廃止することで落ち着いたのです。

●当方は鉄道を辞めましたが、過労で健康を害したのと、将来を悲観したのが理由です。今月号の「選択」には、当方が懸念していたことが書かれているようです。冒頭だけ紹介します。

三万人のための情報誌 選択
https://www.sentaku.co.jp/

《企業研究》JR東日本
赤字路線と事故だらけの老朽鉄道
2017年4月号
https://www.sentaku.co.jp/articles/view/16758

●あの民営化JRの優等生とされるJR東日本ですら、実態はお寒いものです。高収益は、保線費用の大幅削減が原因でした。だからレールが次々と割れるのです。しかしダマスゴミは報道しませんね。

当方、やめてからも守秘義務があるので言わなかったけど、まさか外国まで捕まえに来ないだろ。

鉄道の維持費がどれくらいかかるか、政治家は何も知らないようですね。枕木一本でも結構高いよ。


3. 2017年4月08日 11:53:26 : BrD3U4nArU : iH1hTOj5NMI[64]
JR貨物とJR北海道・四国・九州を一体運用し、基本的には貨物列車に人も貨物も載せるようにすればよい。
特に、本州を走る貨物に人も車も載せるようにすれば、時間はかかっても安価に安全に移動したいというニーズを満たせると思う。
おそらくJR東海が大反対するだろうが、その場合はJR東海にJR北海道の面倒を見てもらうようにしよう。

4. 2017年4月10日 00:05:42 : WQDq8SpMYU : xjlMxOmvjLc[4]
まあ地方は車社会で道路優先だからねえ。
あと北海道って空港いくつある?

まあ、交通体系って全然考えていない。
北海道だけじゃないけど。


5. 2017年7月28日 18:18:21 : LY52bYZiZQ : i3tnm@WgHAM[-4914]
2017年7月28日(金)
JR北海道の路線維持へ 国が抜本的支援を
畠山・紙両氏ら 共産党が政府交渉

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-07-28/2017072804_04_1.jpg
(写真)政府交渉で発言する畠山氏(前列右から5人目)と紙氏(その左)ら=27日、国会内

 日本共産党の畠山和也衆院議員、紙智子参院議員と党北海道議団ら道内の地方議員、衆院小選挙区予定候補は27日、JR北海道の路線維持・存続をはじめ、道内の各分野の問題について政府交渉を国会内で行いました。

 JR北海道が維持困難と発表している路線の問題では、国土交通省に対して、「維持・存続のために抜本的な財政支援などを国が果たすこと」を要求。自然災害による線路崩壊が起きた日高本線(鵡川―様似)、根室本線(東鹿越―新得)を国の責任でただちに復旧することや、バリアフリー法の基準に適合している駅でのエレベーター設置などの促進を図ることなども求めました。

 廃線について、おぎう和敏衆院北海道6区候補は、自治体首長から困惑と怒りの声があがり、「国が手を差し伸べるべきだ」などの要求があると紹介。国交省側が「国も一緒になって考えていく」と答えたのに対し、能登谷繁旭川市議は「世論調査でも8割が、国が責任をもって対策をするべきだとしている。まず国が再建策を示すべきだ」と強調。さらに、JR北海道が観光客などを含めた利用実態をつかんでいないこと、高校生の通学でバス転換ができない実態もあると指摘しました。

 被災路線の復旧について、真下紀子道議は「道路の場合、災害で壊れればすぐ復旧される。なぜ鉄道はそうならないのか。道民に移動の自由は保障されないのか」と国に責任を果たすよう求めました。

 小選挙区予定候補らが、まちづくりや物流、地域の雇用・暮らしの維持・発展のためにも鉄路の維持は不可欠だと発言。畠山氏は「いずれも切実な要望だ。しっかり受け止めてほしい」と求めました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-07-28/2017072804_04_1.html


6. 2017年10月29日 21:02:32 : LY52bYZiZQ : i3tnm@WgHAM[-3864]
2017年10月29日(日)
北海道の鉄道再生を
研究者、市民ら「連絡会」結成

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-10-29/2017102913_01_1.jpg
(写真)あいさつする唐渡氏=28日、札幌市

 鉄道を愛し、存続を求める研究者らが呼びかけた「北海道の鉄道の再生と地域の発展をめざす全道連絡会」設立総会が28日、札幌市で開かれました。

 JR北海道が狙う路線廃止対象の沿線自治体などから首長、市民ら85人が参加。総会は、▽国は鉄道の再生のために抜本的な財政支援を行う▽道は各自治体の要求をまとめ国と積極的に交渉する▽JR北に情報公開を求める―を確認しました。

 唐渡興宣北海道大学名誉教授は「国民の交通権の確立が求められる。鉄道の維持、再生へ『オール北海道』で運動を進めよう」とあいさつしました。

 一昨年から不通となっている日高本線沿線の新ひだか町の酒井芳秀町長は「早期復旧へ国の抜本的な支援を求めたい。鉄道は地域にとって重要な移動手段であり、弱者の立場に立つことこそ政治の役割だ」と述べました。

 武田泉北海道教育大学准教授、宮田和保北海道教育大学名誉教授はJR北の現状、経営状況を報告。各地域で活動している団体代表らが発言しました。

 「苫小牧の会」の男性(74)は「住民の存続の思いは強い。日高本線の復旧と、路線を守る『オール北海道』の運動を広げたい」といいます。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-10-29/2017102913_01_1.html


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