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第4次産業革命の勝者は?(大前研一氏)
第4次産業革命が進行中 「突出した個人」が巨富を生む
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170403-00010002-moneypost-bus_all
週刊ポスト2017年4月14日号
21世紀の成功の方程式とは、何か。経営コンサルタントの大前研一氏が、過去の産業革命によって変遷を繰り返した成功の方程式を振り返り、巨富を生むのはどんな人たちなのかについて解説する。
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第4次産業革命(インダストリー4.0)が進行中だ。第1次産業革命(18世紀後半)では蒸気機関による「機械化」、第2次産業革命(20世紀初頭)では電力・石油による「重工業化」と「大量生産」、第3次産業革命(1970年代〜21世紀初頭)ではコンピューターによる「自動化」が起きた。そして第4次産業革命(2010年以降)ではAI(人工知能)やビッグデータ、IoT(モノのインターネット)による「自律化」が推進していく産業構造の大転換が始まっているのだ。
実は、第4次産業革命下における21世紀の「成功の方程式」は、第2次産業革命の時代と似ている。突出した「個人」が新しい事業を興して革命を牽引し、莫大な富を創出するという点が共通しているのだ。
たとえば第2次産業革命の牽引役はスタンダード・オイルを創業した「石油王」ジョン・ロックフェラーやカーネギー鉄鋼会社を創業した「鋼鉄王」アンドリュー・カーネギー、フォード・モーターを創業した「自動車王」ヘンリー・フォード、GEの始祖トーマス・エジソンといった人たちだった。
それと同様に、今の第4次産業革命では、グーグル共同設立者のセルゲイ・ブリンとラリー・ペイジ、フェイスブックを創設したマーク・ザッカーバーグ、ペイパルやスペースX共同設立者のイーロン・マスクらが革命をリードし、富を創出しているのだ。
この状況は、19世紀後半のアメリカの西部開拓時代とも似ている。西部開拓時代はボストンやニューヨークなどの東部の都市に安住しないで危険な西部に向かい、金鉱を発見したり、荒野を切り開いて牧場や農場を作ったりしたパイオニアが大きな富を手に入れた。つまり「リスクを取って先に動いた人」だけが莫大な利益を得たのである。
いま、かつての西部に匹敵するのは、パケット通信網が世界を覆ったことによって出現した「見えない新大陸(THE INVISIBLE CON-TINENT)」だ。私は2001年に上梓した『新・資本論』(東洋経済新報社)の中で、21世紀の富は「実体経済」「ボーダレス経済」「サイバー経済」「マルチプル経済」という四つの経済空間で構成される見えない新大陸で創出されると予測した。そして、この新大陸を制するのは、西部開拓と同じく先に動いて四つの経済大陸に杭を打った人たちだ、と述べた。
実際、現在の第4次産業革命では、リスクを取って先に動いた人たちがAIやビッグデータ、IoTを駆使して見えない新大陸を懸命に開拓している。日本企業は第2次産業革命と同じく、まだ「太平の眠り」を貪っている状況だが、注目企業もいくつか現われ始めている。
たとえば、いま世界でフィンテック(※)が最も進んでいるのは、欧米でもアジアでもなくアフリカである。
【※フィンテック/スマートフォンを使った決済や資産運用、AIやビッグデータなどを駆使した金融サービス】
電気や水道、電話などのインフラが整備されていないため、かえってスマホ中心の経済が一気に広がったのだが、そのアフリカで急成長している日本企業が、2004年創業のビィ・フォアード(山川博功社長)だ。同社は日本の中古車や中古の自動車部品をEC(電子商取引)サイトでアフリカなどの新興国に輸出・販売し、15年度の売上高は428億円、中古車輸出台数は11万6000台に達している。サイトへのアクセス数がアフリカではトップ10に入るというのが特徴だ。
21世紀の見えない新大陸を開拓していくのは従来のエスタブリッシュメント層(大企業)の外側にいる突出した個人だ。彼らは、アイデア一つで世界を変える。一方、衰退著しい百貨店業界を見てもわかるように、今までの秩序に従順な人間はリスクを取って新しい世界に飛び込もうとしないから、そもそも新大陸に杭は打てないのだ。
にもかかわらず「働き方改革」で同一労働同一賃金などと“鎖国”のような内向きの政策を続けている日本政府や経団連は完全に時代遅れだ。彼らは、黒船を見て「たった4杯で夜も眠れず」となった江戸時代の人間と同じように、第4次産業革命を目の当たりにして眠れなくなるだろう。
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