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<働き方改革>育児から逃げる「偽残業男」とは 
http://www.asyura2.com/17/hasan120/msg/612.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 4 月 01 日 20:24:25: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

       生後7カ月、うまく前に進めません=東京都中央区で関口純撮影(毎日新聞)


<働き方改革>育児から逃げる「偽残業男」とは
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170401-00000011-mai-bus_all
毎日新聞 4/1(土) 9:30配信


 長時間労働や働き方改革のニュースが増えています。男性中心のメディアを眺めると、「男性の育児参加が進まないのは長時間労働のせいだ」という論調がみられますが、男性は本当に育児をする暇もないほど忙しいのでしょうか。藤田結子・明治大教授(社会学)が家事・育児に対する男性の深層意識を探ります。【毎日新聞経済プレミア】

 ◇「家庭はしんどくて会社はくつろげる」逆転現象

 「ごめん。今日は仕事で遅くなるから、先に寝ていて」。世の男性は、本当は家に帰って子供の面倒をみたいのだけれど、仕事のせいで早く帰れないと言います。よく耳にするこの言葉、みなさんは信じていますか。本当に長時間労働だけが理由でしょうか?

 もちろん、「早く帰って家事や育児を分担したい」のに、長時間労働を強いられて帰れない男性もいます。彼らは早く帰宅できれば子供の世話をするでしょう。

 しかし一部の男性は、実は多少の努力によって時間を調整できるのに、本音では育児よりも仕事の方がいいからと、職場に居続けているのではないか、と私は疑っています。「仕事の方がいいから」という理由の中には、「仕事の方が楽だから」「仕事の方がやりがいがあるから」など、いろいろなパターンがあるでしょう。

 米カリフォルニア州立大バークリー校のホックシールド名誉教授(社会学)が著し、日本では2012年に発売された「タイム・バインド」という有名な研究書があります。

 アメリカの某大企業の社員たちが「家庭第一」と言いながら、現実にはすすんで長時間働く様子を明らかにしました。家に帰って家事や育児で疲れ、分担をめぐって言い争いをするよりも、会社にいる方が楽しく過ごせるからです。共働き世帯では、「家庭はしんどくて会社はくつろげる」という、「家庭と会社の逆転現象」が起きていたのです。

 ◇仕事を終えてもなお職場に居続ける夫の心理

 日本でも似たような状況が見られます。たとえば、会社員の山口恵美さん、夫の淳さん(30代仮名)のケースです。

 淳さんは赤ちゃんが生まれたころから、「やる気」だけは見せますが、実際には育児を分担しようとしません。2人は職場結婚で、同じ会社に勤めています。彼は平日午前7時には家を出て会社に向かい、夜10時ごろ家に帰ってきます。土日も仕事に出ることが多く、不在がちです。

 恵美さんは淳さんについてこう言います。「夫に仕事のペースを変えてほしいと頼んだけれど、『本当に休みがない』って言われて。でもうちの会社は、土日に働くなら、本当は平日に早く帰れたり、休めたりするんですよ」

 恵美さんは、夫はもっと時間を調整できるはずなのに、必要以上に職場にいるとにらんでいます。同じ職場だけに見透かされています。

 一部の男性は、仕事を言い訳にして子供の世話をしたがりません。子供はとてもかわいいのに、なぜ育児をしたくないのでしょうか。ちなみに、仕事と家庭の逆転現象が起きているアメリカでは、父親は1日3時間程度、家事・育児をしているというデータがあります。一方、日本では共働き世帯でも、7割の父親が日常的に育児や家事をほとんどしません。謎は深まります。

 ◇妻を「ママ」と呼ぶ男性たちの意識は

 研究から、男性が育児をしない理由がいくつか分かっています。長時間労働のほかに、祖父母のサポートがあるかないか、稼ぎの多さ少なさ、男性の「仕事第一」規範−−などです。「家事・育児は女性の役割」という分業意識も指摘されています。ですが、私は特に、男性が妻に“母親”の役割を求めてしまうことも理由の一つではないか、と思っています。

 たとえば昨年、4人の子育て経験があるモデルの中林美和さんが、家事・育児分担をめぐって、夫でラッパーのZeebra(ジブラ)さんに対する不満をツイッターで連投したときのこと。美和さんはこうつぶやきました。

 「(夫は)子供好きって言ってても結局は子供の事見れないんだよね。何か問題あると私に当たる。でもお母さんは毎日問題だらけで、夫に今いてくれたらって思うこともいっぱいあるのに言えなくて、一人で頑張ってるのにね」

 美和さんに同情が集まり、ネットで炎上し始めたそのとき、Zeebraさんは妻の美和さんに対して、こうツイートしたのです。

 「ママー! ツイッターめんどくさいー!w 何とかしてー!」

 2人の関係を物語っているのではないでしょうか。母親に怒られる息子のようです。Zeebraさんに限らず、日本では多くの男性が、妻を「ママ」「お母さん」と呼んでいます。

 ◇夫は「夫」でも「父親」でもなく「大きな長男」

 日本人女性が憧れるフランスでは、結婚後も女性は「女として生涯現役」で、夫と2人の時間を持つのが当然だといわれます。一方、日本では、かつてタモリさんが「家庭に仕事とセックスは持ち込まない」と言ったように、夫婦の5割がセックスレス状態という調査結果があります。夫婦の関係はかなり違います。

 日本の一部の男性は、意識的にか無意識的にか、妻に自分の「お母さん」の役割を求めています。お母さんだからご飯を作ってくれて当然だし、ちょっとお手伝いすれば褒めてくれるはず、という感覚です。

 そんな男性はもはや「夫」でも「父親」ではなく、大きな子供です。母親に対して「長男」のごとく振る舞います。妻がご飯を作らないと、「なぜ僕に無償の愛を注いでくれないの?」とすねるのです。

 これまで多くの母親が、そうなるように息子を育ててきたのでしょう。妻の側が「しようがないわねえ」と、女性の役割を信じてせっせと世話を焼く場合もあるでしょう。

 ◇家に早く帰れたら男は育児をするのか

 働き方改革による長時間労働解消は大変重要です。が、それで男性の家事・育児分担が一気に進むかというと、私にはそうは思えません。

 一部の男性は仕事が終わっても職場に居続け、その後飲みに行き、家に帰る時間をだらだらと引き延ばすのではないでしょうか。たとえ帰宅しても、きちんと子供の世話をすることはないでしょう。

 実際、長時間労働でなくても、妻と収入が変わらなくても、仕事にさほど熱意がなくても、家事・育児をまったくしない男性のケースを見聞きします。

 そのような夫たちが「ごめん、今日は仕事で遅いから」と言うとき、言葉の裏に「子どもの世話はお母さんの役目」という意識が潜んでいることを、多くの女性はうすうす気づいていることでしょう。
 

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コメント
 
1. 2017年4月03日 09:35:54 : LY52bYZiZQ : i3tnm@WgHAM[-5400]
2017年4月2日(日)

主張
政府の「実行計画」
これでは「働き方」の改悪だ

 政府の「働き方改革実現会議」が3月28日に「実行計画」を決定しました。安倍晋三首相は「労働法制史上の大改革」と自賛しますが、その実態は労働者と国民の願いに背く「働き方」改悪です。

長時間労働に「お墨付き」
 いま長時間労働が働く人の心身の健康を傷つけ、子育てや地域社会など日本社会の発展を妨げている下で、この是正は切実な国民的要求であり、日本経済と社会の健全な発展にとっても急務です。

 ところが政府の「実行計画」は、時間外労働について罰則付きの上限を新設しているものの、繁忙期の上限は「月100時間未満」という驚くべき内容です。休日労働を含めれば「年960時間、毎月80時間」まで働かせることが可能であり、すでに製造大企業などの職場で横行している異常な実態に「お墨付き」を与えるものです。

 過労自殺した電通社員の高橋まつりさんの母・幸美さんが、「過労死をさせよ!ということを認める法案でしょうか」と指摘したとおり、「過労死ライン」超の長時間労働を容認する基準では、労働者の命と健康を守る歯止めには到底なりません。

 「同一労働同一賃金」では、基本給・一時金について企業の判断による「違いに応じた支給」をすればよいとし、非正規労働者・女性労働者への差別と格差が固定化されています。

 最低賃金は時給1000円をめざすとしつつも、達成まで数年かかる「年率3%程度」という従来の速度を変えず、地域格差是正の立場はありません。

 「非雇用型テレワーク」など、労働法の保護や雇用保険・社会保険の枠外に労働者を追いやる、「雇用関係によらない」使い捨ての低賃金・不安定就労の拡大も企てています。

 これらは財界の利益を代弁した雇用破壊に他ならず、改革の名に値しません。政府は関連法案の国会提出・成立を狙っています。特に財界の要求の強い「残業代ゼロ」法案の早期成立に執念を燃やしています。安倍「働き方改革」の偽りを暴き、真に労働者の立場での根本的改革こそ必要です。

 同時に、「看板」のみであっても、政府に時間外労働の上限規制や「同一労働同一賃金」などを掲げさせた背景には、労働者・国民のたたかいと世論があります。安倍政権がこの課題に本気で取り組むというなら、まず「残業代ゼロ」法案をただちに撤回し、すでに国会に対案として提出されている4野党共同法案の審議に応じるべきです。

 企業にとっても、働く人をつぶすやり方に未来はありません。企業の目先の利益を最優先するのでなく、国民生活を大切にする経済政策への転換が不可欠です。

人間らしく働ける社会へ
 日本共産党が訴えている「8時間働けばふつうに暮らせる社会」に多くの共感が寄せられています。長時間労働の解消・過労死根絶のための緊急提案(3月3日発表)では、残業時間の上限は「週15時間、月45時間、年360時間」とし、最低11時間の勤務間インターバル規制導入、残業代の割増率強化などを求めています。

 過労死を増やす安倍「働き方改革」を許さず、人間らしく働けるルールの確立、経済と社会のまっとうな発展のため、職場・地域から国民的運動を広げましょう。


http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-04-02/2017040201_05_1.html


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