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生後7カ月、うまく前に進めません=東京都中央区で関口純撮影(毎日新聞)
<働き方改革>育児から逃げる「偽残業男」とは
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170401-00000011-mai-bus_all
毎日新聞 4/1(土) 9:30配信
長時間労働や働き方改革のニュースが増えています。男性中心のメディアを眺めると、「男性の育児参加が進まないのは長時間労働のせいだ」という論調がみられますが、男性は本当に育児をする暇もないほど忙しいのでしょうか。藤田結子・明治大教授(社会学)が家事・育児に対する男性の深層意識を探ります。【毎日新聞経済プレミア】
◇「家庭はしんどくて会社はくつろげる」逆転現象
「ごめん。今日は仕事で遅くなるから、先に寝ていて」。世の男性は、本当は家に帰って子供の面倒をみたいのだけれど、仕事のせいで早く帰れないと言います。よく耳にするこの言葉、みなさんは信じていますか。本当に長時間労働だけが理由でしょうか?
もちろん、「早く帰って家事や育児を分担したい」のに、長時間労働を強いられて帰れない男性もいます。彼らは早く帰宅できれば子供の世話をするでしょう。
しかし一部の男性は、実は多少の努力によって時間を調整できるのに、本音では育児よりも仕事の方がいいからと、職場に居続けているのではないか、と私は疑っています。「仕事の方がいいから」という理由の中には、「仕事の方が楽だから」「仕事の方がやりがいがあるから」など、いろいろなパターンがあるでしょう。
米カリフォルニア州立大バークリー校のホックシールド名誉教授(社会学)が著し、日本では2012年に発売された「タイム・バインド」という有名な研究書があります。
アメリカの某大企業の社員たちが「家庭第一」と言いながら、現実にはすすんで長時間働く様子を明らかにしました。家に帰って家事や育児で疲れ、分担をめぐって言い争いをするよりも、会社にいる方が楽しく過ごせるからです。共働き世帯では、「家庭はしんどくて会社はくつろげる」という、「家庭と会社の逆転現象」が起きていたのです。
◇仕事を終えてもなお職場に居続ける夫の心理
日本でも似たような状況が見られます。たとえば、会社員の山口恵美さん、夫の淳さん(30代仮名)のケースです。
淳さんは赤ちゃんが生まれたころから、「やる気」だけは見せますが、実際には育児を分担しようとしません。2人は職場結婚で、同じ会社に勤めています。彼は平日午前7時には家を出て会社に向かい、夜10時ごろ家に帰ってきます。土日も仕事に出ることが多く、不在がちです。
恵美さんは淳さんについてこう言います。「夫に仕事のペースを変えてほしいと頼んだけれど、『本当に休みがない』って言われて。でもうちの会社は、土日に働くなら、本当は平日に早く帰れたり、休めたりするんですよ」
恵美さんは、夫はもっと時間を調整できるはずなのに、必要以上に職場にいるとにらんでいます。同じ職場だけに見透かされています。
一部の男性は、仕事を言い訳にして子供の世話をしたがりません。子供はとてもかわいいのに、なぜ育児をしたくないのでしょうか。ちなみに、仕事と家庭の逆転現象が起きているアメリカでは、父親は1日3時間程度、家事・育児をしているというデータがあります。一方、日本では共働き世帯でも、7割の父親が日常的に育児や家事をほとんどしません。謎は深まります。
◇妻を「ママ」と呼ぶ男性たちの意識は
研究から、男性が育児をしない理由がいくつか分かっています。長時間労働のほかに、祖父母のサポートがあるかないか、稼ぎの多さ少なさ、男性の「仕事第一」規範−−などです。「家事・育児は女性の役割」という分業意識も指摘されています。ですが、私は特に、男性が妻に“母親”の役割を求めてしまうことも理由の一つではないか、と思っています。
たとえば昨年、4人の子育て経験があるモデルの中林美和さんが、家事・育児分担をめぐって、夫でラッパーのZeebra(ジブラ)さんに対する不満をツイッターで連投したときのこと。美和さんはこうつぶやきました。
「(夫は)子供好きって言ってても結局は子供の事見れないんだよね。何か問題あると私に当たる。でもお母さんは毎日問題だらけで、夫に今いてくれたらって思うこともいっぱいあるのに言えなくて、一人で頑張ってるのにね」
美和さんに同情が集まり、ネットで炎上し始めたそのとき、Zeebraさんは妻の美和さんに対して、こうツイートしたのです。
「ママー! ツイッターめんどくさいー!w 何とかしてー!」
2人の関係を物語っているのではないでしょうか。母親に怒られる息子のようです。Zeebraさんに限らず、日本では多くの男性が、妻を「ママ」「お母さん」と呼んでいます。
◇夫は「夫」でも「父親」でもなく「大きな長男」
日本人女性が憧れるフランスでは、結婚後も女性は「女として生涯現役」で、夫と2人の時間を持つのが当然だといわれます。一方、日本では、かつてタモリさんが「家庭に仕事とセックスは持ち込まない」と言ったように、夫婦の5割がセックスレス状態という調査結果があります。夫婦の関係はかなり違います。
日本の一部の男性は、意識的にか無意識的にか、妻に自分の「お母さん」の役割を求めています。お母さんだからご飯を作ってくれて当然だし、ちょっとお手伝いすれば褒めてくれるはず、という感覚です。
そんな男性はもはや「夫」でも「父親」ではなく、大きな子供です。母親に対して「長男」のごとく振る舞います。妻がご飯を作らないと、「なぜ僕に無償の愛を注いでくれないの?」とすねるのです。
これまで多くの母親が、そうなるように息子を育ててきたのでしょう。妻の側が「しようがないわねえ」と、女性の役割を信じてせっせと世話を焼く場合もあるでしょう。
◇家に早く帰れたら男は育児をするのか
働き方改革による長時間労働解消は大変重要です。が、それで男性の家事・育児分担が一気に進むかというと、私にはそうは思えません。
一部の男性は仕事が終わっても職場に居続け、その後飲みに行き、家に帰る時間をだらだらと引き延ばすのではないでしょうか。たとえ帰宅しても、きちんと子供の世話をすることはないでしょう。
実際、長時間労働でなくても、妻と収入が変わらなくても、仕事にさほど熱意がなくても、家事・育児をまったくしない男性のケースを見聞きします。
そのような夫たちが「ごめん、今日は仕事で遅いから」と言うとき、言葉の裏に「子どもの世話はお母さんの役目」という意識が潜んでいることを、多くの女性はうすうす気づいていることでしょう。
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