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ビール低迷、安値販売規制が追い打ち ただし、あの業界は「漁夫の利」を得る(ビジネス+IT)
http://www.asyura2.com/17/hasan120/msg/519.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 3 月 28 日 14:49:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

          「とりあえずビールで乾杯」が当たり前ではなくなった(イラスト=いらすとや)


ビール低迷、安値販売規制が追い打ち ただし、あの業界は「漁夫の利」を得る
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170328-00033436-biz_plus-bus_all
ビジネス+IT 3/28(火) 6:10配信

 2016年におけるビール大手5社の出荷量が前年を大きく下回った。市場縮小に加え、今年からは法改正によって安値販売の原資となっていた販売奨励金が制限される。ビールの価格はジワジワと上昇しており、今後はその傾向に拍車がかかりそうだ。ビール業界は税制の一本化に期待を寄せているが、当面は厳しい展開を余儀なくされそうだ。


【詳細な図や写真】図1 主要各社における2016年のビール類出荷量

●ビール各社は厳しい戦いを強いられている

 ビール大手5社によるビール・発泡酒、新ジャンルを合計したビール類の出荷数量(課税済出荷数量)は前年比マイナス2.4%と低迷した。このうちビールは2.0%のマイナス、発泡酒はマイナス6.8%、新ジャンルはマイナス1.2%とすべての分野でマイナスを記録したが、これは新ジャンルが登場して以来、初めてのことである。

 最大手のアサヒは、新ジャンルの「クリアアサヒ」が前年比11.7%増、発泡酒の「スタイルフリー」が横ばいと健闘したが、ビールの「スーパードライ」は3.7%減となり、全体ではほぼ横ばいという結果に終わった。

 一方、キリンは発泡酒の「淡麗」が6.1%減、新ジャンルの「のどごし」が7.1%減とすべての分野で前年割れとなっている。特に新ジャンルの落ち込みが顕著だったことから全体の販売数量が5%以上も落ちてしまった。サッポロはほぼ横ばい、サントリーは約3%のマイナスだった(図1)。


 ビールの売り上げ不振は最近に始まったことではなく、大手5社のビール類の出荷数量はここ12年連続でマイナスを記録している。

 売り上げ不振の原因としてよく耳にするのが若者のビール離れだ。宴会などで「とりあえずビール」という光景を目にするケースが少なくなるなど、無条件でビールを飲むという習慣は消滅しつつある。ビールを好まない若者が増えているという話はウソではないだろう。だが、若者がビールを飲まないことが市場縮小の主な理由なのかというと実はそうではない。

 ビールに限らず酒類全体の市場はやはり長期にわたって縮小が続いており、若者の嗜好の変化だけが売り上げ低迷の理由にはならない。そこにはもっと構造的な要因がありそうだ。

●ビール不振は構造的な要因?

 国内における酒類全体の販売数量は、1990年代はほぼ横ばいで推移していたが、2003年頃から減少傾向が顕著となっている(図2)。


 この時期は日本経済の大きな転換点であり、不良債権問題の深刻化によって金融危機の発生も懸念されていた。いわゆる大手30社問題(破たん寸前にある大手企業30社のリストが社会問題となった)が取り沙汰されていたが、この頃を境に、多くの企業が人件費の削減を進め、非正規社員の割合を増加させている。

 近年、実質賃金のマイナス傾向が顕著だが、労働者の所得減少はこのころから長期にわたって継続してきたとみてよい。消費者の購買力そのものが低下しているので、嗜好品である酒類の売り上げにはどうしてもマイナス要素となる。

 こうした状況を受けてビール各社が力を入れてきたのが、発泡酒とその後に登場した新ジャンルである。酒税法上、新ジャンルは「リキュール」もしくは「その他醸造酒」というカテゴリーに分類される。2006年の段階では大手5社の出荷数量のうち55%がビール、25%が発泡酒、20%が新ジャンルという割合だったが、2015年はビールが約50%、発泡酒が15%、新ジャンルが35%となっている。

 全体の数量が減少する中、より価格の安い新ジャンルの割合を増加させることで、何とか全体の出荷量を維持してきたというのが現実だ。

 酒類全体の市場を見た場合、特にリキュール類の割合の増加が顕著となっている。リキュール類には甘いお酒も多いので、その点については若者の嗜好の変化を見て取れるものの、最大の要因はやはり購買力の低下と考えるべきだろう。

 各社は近年、クラフトビールなど単価の高い商品に力を入れているが、思ったような成果は得られていない。消費者の購買力が低下しているという状況では、高品質な商品の伸びは限定的にならざるを得ない。

●政府による安値販売規制が追い打ちをかける

 日本の場合には、税制の関係上、ビール類そのものの値段が諸外国に比べて高いという事情もある。ビール類の市場を拡大させるためには税制の改正が必要だが、酒税による税収は約1兆3600億円ほどあり、財政難の日本政府としては貴重な財源になっている。酒税を減額することはそう容易ではない。

 ビールについては、昨年末に出された2017年度税制改正大綱に減税が盛り込まれた。現在、350ミリリットル缶あたりの税額はビールが77円、発泡酒が47円、新ジャンルが28円となっているが、2020年からはビールが段階的に減税される。

 ではビールが安くなって消費者は大喜びなのかというと、そうもいかないようだ。ビールは減税でも、より価格の安い発泡酒と新ジャンルについては逆に増税となる。最終的に2026年にはすべての税率が約55円に一本化される予定だが、これが市場にどのような影響を与えるのは現時点では読みにくい。

 これに加えてビール類の市場にはさらに強い逆風が吹いている。それは政府による安値販売の規制である。実は、今年に入ってビール類の店頭価格がジワジワと上昇している。その原因は昨年5月に改正された「酒税法」と「酒類業組合法」といわれている。

 酒類販売業界には、メーカー側が小売店に対して「リベート」と呼ばれる多額の販売奨励金を支払う慣行がある。リベートが存在していることで販売店は大幅な値引きが可能となっていたのだが、改正法では安値販売が事実上禁止されたほか、リベートの支払いについても基準が厳格化された。

 改正法が適用になるのは今年の6月からで、メーカー側は改正法の適用後を見越して、すでにリベートの条件を厳しくしている。このため安値販売を控える販売店が増加し、店頭価格が徐々に上昇しているのだ。

●恩恵を受けるのはコンビニという皮肉

 特に大きな影響を受けているのが、大量の安値販売を行っている量販店といわれる。量販店では、目玉商品として激安のビールを全面に出すことが多く、これで顧客を呼び寄せ、他の商品の販売につなげている。目玉商品を打ち出せなくなると他の商品の販売不振につながる恐れがあり、さらに消費を停滞させる可能性が指摘されている。

 ちなみに今回の法改正は、小規模な酒屋などで構成される業界団体が政府に強く実現を求めたともいわれる。確かに小規模な販売店は大量の安値販売を行う量販店に押され、苦しい経営を続けてきた。だがビール類の販売不振は構造的な要因が大きく、安値を規制すれば客足が戻るというほど単純な状況ではない。

 一部の業界関係者は今回の法改正は、皮肉にもコンビニにとって追い風になると見ている。日本のコンビニは大型店舗の出店を規制する大規模小売店舗立地法(いわゆる大店法)の抜け穴として編み出された業態である。地域の小規模小売店は大型スーパーの進出を過度に警戒し、大店法の施行を政府に働きかけたが、逆にコンビニに顧客を奪われて衰退してしまった。

 コンビニは大型スーパーや量販店に比べて1店舗あたりの効率が悪く、安値販売ができない体質であり、酒類の販売価格も高めだ。量販店による安値販売が難しくなると、消費者の多くは地域の販売店ではなくコンビニに流れる可能性が高い。今回の法改正は、場合によっては大店法の時と同じように、コンビニだけを利する結果となるかもしれない。

 いずれにせよ値上げによって消費者はますますビールを買いにくくなってしまう。中長期的にはビール減税の恩恵を受けられる可能性もあるが、短期的には晩酌を控える人が増えてくるかもしれない。

経済評論家 加谷珪一


 

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コメント
 
1. 2017年3月28日 17:38:30 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[3826]

どんどん減っていく理由としては消費者が賢くなった可能性もある

酒はタバコほどではないが、アル中など依存症者になると、かなり有害

そして酔っ払いが、いろいろトラブルを起こしたり、急性中毒による若年者の

死亡や健康障害を考えれば、もっと高率な税を課すのが妥当だろう


あと自販機を撲滅し、コンビニでの年齢認証をもっと厳しくするべきだな


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