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対立と抗争の時代を予感させるG20の「保護主義」容認 日本経済一歩先の真相
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/202019
2017年3月24日 日刊ゲンダイ
トランプ大統領(C)AP
戦後の国際貿易の場で一貫して守られてきたコンセンサスを大きく揺るがす事態だ。ドイツで開かれたG20では、最大の焦点だった「保護主義に対抗する」との文言が共同声明から削除されてしまった。代わりに加わったのは「行き過ぎた世界的な不均衡の是正」である。輸入超過で真っ赤になっている貿易収支を改善するため、米国第一の保護主義貿易を掲げるトランプ政権の強硬姿勢が際立った格好だ。
■不均衡の是正で正当化
他国が米国に輸出するなら、同じくらい米国のモノを購入しろ。そんな狭量な保護主義を、G20は「不均衡の是正」という文言で正当化したわけだ。この動きは、戦後の国際社会が大切に順守してきた自由貿易のルールを根底から覆すことになりかねない。
公正で開放的で自由な貿易を守って、経済を発展させていく。それが戦後の国際社会の基本的な考えだった。日本経済も、自由貿易の恩恵を享受し、市場の拡大に牽引されながら発展してきたのだ。
貿易の均衡を保つため、米国に輸出したいなら米国製品を買わなければダメだとゴリ押しするのは、明らかに自由貿易の趣旨に反する。自由貿易を原動力にして世界一の輸出大国となった中国は当然、これに猛反発。米国第一の保護主義に断固として対抗する構えだ。
「自由の国」の米国が保護貿易に固執し、「共産党独裁」の中国が自由貿易に固執するとは何とも皮肉だが、このイデオロギー度外視の“ねじれ”現象こそ国境なきグローバル時代の置き土産だ。今やアメリカ人のための工場と化した中国だって、自国の発展のためには保護主義をやすやすと受け入れ、その結果として巨大なマーケットを失うワケにはいくまい。
恐らく近い将来、かつての東西冷戦とは異なる新しい次元で、かなり厳しい対立構造が顕在化することになるだろう。トランプ政権の米国第一主義は、他の国々の第一主義も招いていく。それぞれの国が自国の経済発展の足場を確保するため、市場の奪い合いを演じていく。今回のG20がそんな不穏なムードを予感させる中、欧州では極右政党が台頭し、ナショナリズムが世界的に蔓延しつつあるのだ。
貿易を巡る対立が、国家主義の意識を呼び覚まし、互いに密接に関わり合って、さらなる抗争に飛び火していく。国境なきグローバル時代が終わった途端に、国境を常に意識する時代が到来するのである。安倍首相は先の3連休中もロシアに接近し、欧州を駆け足で歴訪して、自由貿易連盟を築き上げようと動き回っている。だが、新たな時代は、米国、中国、ロシアという大国の意向に左右されるのは間違いない。心配なのは中ロ両国とも市場経済の歴史が浅いことだ。
いずれにせよ、世界は対立と抗争の厳しい時代に、また一歩踏み込んだと思わざるを得ない。
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