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世界市場を覆うトランプ発の「モヤモヤ」こう着長期化も EU分裂危機、蘭仏より伊が心配 PIMCO米利上あと2回 貿易黒字
http://www.asyura2.com/17/hasan120/msg/387.html
投稿者 軽毛 日時 2017 年 3 月 22 日 17:46:05: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

Column | 2017年 03月 22日 09:02 JST
コラム:世界市場を覆うトランプ発の「モヤモヤ」こう着長期化も

田巻 一彦

[東京 21日 ロイター] - 20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の共同声明から、「反保護主義」の文言が削除された。貿易不均衡の是正を掲げるトランプ米政権の強い意向を反映した結果とみられるが、同大統領が米議会に示した予算案の概要は、「公正な貿易」を実現する「国境税」などに全く言及せず、インフラ投資の具体策も明示されていない。世界の市場にはトランプ政権発の「モヤモヤ」が覆い、こう着相場が長期化する兆しが見える。

<G20声明から反保護主義脱落、米の意図反映>

今回のG20声明について、ムニューシン米財務長官は「過去の声明は、私の立場からみて必ずしも適切ではない。大統領の望みや政策を理解しており、私はここでそれを協議した」と述べ、反保護主義の表現削除に米国の意向が反映していることを認めた。

自由貿易の原則は、第2次世界大戦の引き金の1つになったブロック経済の形成による大国のパワー激突を回避するため、世界貿易機関(WTO)の前身の関税貿易一般協定(GATT)の設立とともに打ち出した「金看板」だ。

それを推進した米国が、G20の場で取り下げを主張したのは、象徴的な出来事と言える。  

しかし、世界の市場は過剰反応しなかった。短期的に大きな反作用をもたらすリスクのあったG20声明の中の為替の文言を維持したことが大きかった。為替は現状維持を認め、中長期的課題の反保護主義は削除を要求したムニューシン戦術が、とりあえず奏功したとも言えるだろう。

私は、市場の背後にあるトランプ政策への期待が、クラッシュを防いでいると指摘したい。巨額のインフラ投資、企業や家計への大幅な減税などは、どれも米経済にとって「プラス」と市場は織り込んでいる。

その部分の期待が継続している以上、米株売り、ドル売りを加速させる理由はない。

<米政策の切り札、予算案概要に盛り込まれず>

だが、トランプ大統領が16日に公表した2018会計年度(17年10月─18年9月)の予算案概要は、多くの市場関係者を失望させた。国防費を540億ドル増やし、国境対策を含む国土安全保障省の予算を前年比6.8%増やすものの、1兆ドルとトランプ大統領が打ち出したインフラ整備関連費用には全く言及せず、貿易不均衡解消の切り札的存在として大統領選の期間中から訴えてきた国境税に関連する言及も全くなかった。

G20で「反保護主義」の文言削除を強く主張しながら、現実の政策展開では、具体策の提示が遅れている。

ある国内金融機関の関係者は「米利上げ、G20と大きなイベントを通過したが、相場の方向性はますます見えなくなってしまった」と嘆く。

この現象は、トランプ大統領発の「モヤモヤ」が世界経済を覆っているためではないかと考える。民放テレビ番組のネーミングをもじって表現すれば、「モヤモヤトランプ(略称:モヤトラ)」状況は、かなり長期化するのではないか。

<「モヤトラ」現象、長期化の構図>

なぜなら、経済協力開発機構(OECD)の景気先行指数などをみれば、世界経済の基調は緩やかな拡大傾向を示している。グローバルな市場が大きなショックを受けるリスクは小さい。

しかし、これまで指摘したように、リスクマネーが流入してきた米株市場などは、すでにトランプ政策への期待を「目一杯」織り込んできた。ここから先は、減税や国境税、インフラ投資などで具体策が必要になるが、先に示された予算案概要には、与党共和党からも異論が出ている。

ホワイトハウスと米議会の調整結果を見極めるとなると、かなりの時間がかかるのは必至だ。実際、ムニューシン財務長官は就任直後、税制改革に関する結論が見えるのは、議会が夏休みに入る直前の今年8月ごろではないかとの見通しを示した時がある。

価格変動が発生することで市場の流動性が増し、市場の活性化で収益を上げる金融・資本市場関係者にとって、もし、「モヤトラ」現象が長期化し、こう着相場が継続するようなら、想定外の減収・減益要因になりかねないのではないか。

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News | 2017年 03月 22日 17:12 JST 関連トピックス: トップニュース

日米株価が大幅安、米政権の政策実現性を懸念:識者はこうみる


 3月22日、前日の米国株式市場は、市場が期待する規制緩和や減税をトランプ大統領が公約通り実現できないのではないかとの懸念が広がり、金融株を中心に急落した。これを受け、22日の東京株式市場でも、1ドル111円台まで円高が進行するなか、日経平均の終値は2月9日以来、約1カ月半ぶりの安値水準となった。21日にNYSEで撮影(2017年 ロイター/Lucas Jackson)

[22日 ロイター] - 世界的な株安と円高が進んでいる。トランプ米大統領が掲げる政策の実現に時間がかかりそうだとの見方が広がっているのが一因だ。大型減税などの政策期待がはく落したわけではなく、調整の範囲内とみられているが、世界協調体制の「ほころび」を警戒する声も出ている。

米経済など景気自体は悪くないものの、株価が高値圏にあっただけに、調整幅が大きくなる可能性もある。市場関係者の見方は以下の通り。

●短期的な需給調整、先行きはトランプ政策次第

<東海東京証券 機関投資家営業部部長 静間康禎氏>

主力株はすでに1月ごろから上値が重く、買い上がりにくい状態だった。ポートフォリオの中で株式のウエートが大きくなり過ぎたためだ。きょうは前日の米株安をきっかけに海外投資家を中心にウエート調整の売りが出たとみられる。期待先行で上昇したトランプ相場の反動とも言えるが、今のところ需給調整の範囲内だ。ここから本格的なリスクオフに入るかどうかはトランプ政策次第であり、今後の動向を見極めるまで積極的な買いは入れにくい。日経平均は当面1万8500円が下値めどになると見ている。

●米政策期待は継続、日本株の高値更新には時間

<三菱UFJ国際投信 チーフストラテジスト 石金淳氏>

トランプ氏が米大統領に当選して11月以降、米国株は12月から1月にかけて横ばいとなった局面もあるが、3カ月以上にわたり上昇を続けてきた。調整局面に入るのはある意味当然だ。高値警戒感が出ており、バリュエーション的に見ても割高な水準にあった。

問題は今回の急落が米国株の上昇トレンドの終焉(しゅうえん)なのかどうかだが、そこはまだ判断できない。数日前まで米国に出張していたが、すでに現地では景気刺激策の具体化が遅れるのは当たり前との見方が広がっていた。

米国への政策期待についてはこの先、盛り上がったり、萎んだりを繰り返すこととなるだろう。ただ減税やインフラ投資関連は、基本的には「やらざるを得ない」政策の部類に入る。米国民の多数から支持も受けやすく、時間がかかっても実行されていくとみている。

一方、国境税については、非現実との空気がワシントンでも広がっている。国境税が撤回された場合、その分減税幅が抑えられる可能性もあるが、撤回自体はマイナスの話ではなく、大きな失望を生み出すことは考えにくい。

(米上院銀行委員会幹部が大幅修正への不支持を表明した)ドッド・フランク法も、基本的には緩和の方向に向かうだろう。ただし作業量が膨大となるとされており、相当な時間が必要とみられている。

米国の政策は中長期的には期待が維持されるものとみている。だが円安基調と、しっかりとした米国株の両方が揃わない限り、日本株のさらなる上昇は厳しい。

もっとも国内企業業績自体は着実に改善しており、国内外の実体経済もそれなりに良好だ。日本株が高値を取るには時間がかかるだろう。反対に、下値も限定されるとみており、日経平均が1万9000円を割れたところは押し目買いが入りやすい。

●赤字削減に拘泥する米国、行き過ぎれば株安をトリガー

<マーケット・ストラテジィ・インスティチュート 代表 亀井幸一郎氏>

前週末の20カ国(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、予想通りでサプライズなし、との受け止めが金融市場では多かったようだ。

しかし、個人的には、トランプ政権の貿易赤字削減に向けた強い意志を最終確認したという点で大いに意味があると捉えている。

米政権は、貿易相手国との関係で、赤字が大きいケースを「不均衡」と捉え、その背景には「不公正」な取引慣行があり、その是正に2国間交渉で臨むというスタンスだ。

赤字の偏りとなっている理由を深く検証せずに、赤字=害悪と直線的なトランプ大統領の解釈を元にした行動を修正せずに国家を挙げて取り組み始めたのは驚きに値する。

こうした米国の取り組みは、世界経済にも金融市場にも良い話ではなく、米貿易赤字を基盤にしたドルの自動還流システムを阻害する試みであり、行き過ぎれば、高値圏にあるニューヨーク株は持たないのではないかとみている。

S&P総合500種とダウ工業株30種は21日、いずれも1%超下落し、昨年11月の米大統領選以降で最大の値下がりとなった。

大幅安の後には、押し目買いという考え方をする人も出てくる。

だが、米政策の実施が遅れることへの懸念が強まり、コアの支持層もトランプ離れするようになれば、本格的に期待先行相場のほころびが出てきて、債券は買い戻し、株は売り戻しとなるだろう。

為替市場では、欧州大陸でポピュリズムの広がりがあったとしても、ユーロ圏経済に深刻なダメージを与えないとの見方や、欧州中央銀行の出口戦略など、ユーロ買い材料に新鮮味がある。このため1.1ドル以下のユーロは売られ過ぎであるとみている。ドル/円は米政治リスクから4―5月に110円を割り込む可能性があると予想する。

●トランプラリーの調整、米経済は順調

<日興アセットマネジメント チーフ・ストラテジスト 神山 直樹氏>

トランプラリーの調整局面が到来したようだ。これまで株式市場は、トランプノミクスのポジティブな面ばかり織り込み、ネガティブな面を織り込んでこなかった。政策期待がはく落したわけではないが、政策の実現までには時間がかかりそうだという認識が広がってきたことが株安の背景となっている。

ただ、米経済はそうした政策を抜きにしても順調だ。政策の具体化が見込める今秋ぐらいまでは、相場はモタモタするかもしれないが、それ以降は景気拡大とともに、株高基調が戻ってくるとみている。

日本株はアベノミクスの追加策への期待が後退していることもあり、アンダーパフォームしているが、日本企業の業績に最も影響するのは世界景気だ。米国を中心として世界景気が拡大していけば、日本株も上向くだろう。日経平均.N225がいずれ2万円を超えていくというシナリオは維持している。

●トランプ相場の半値戻しドル109円台目指す可能性

<FXプライムbyGMO 常務取締役 上田眞理人氏>

ドル高が失速した背景にはいくつかの要因がある。第1に、トランプ政策について、その具体策も期日も見えず、市場参加者が政策の実現可能性に「危うさ」を感じ始めたことだ。オバマケアを廃止するのはいいが、その後どのような仕組みを考えているのか、大型減税の財源をどうするのかなど、米上下院で共和党が多数を占めている現状で、施行に向けて鋭意協議を進めていくかと思いきや、肩透かしをくらっている。

第2に、欧州の政治リスクが若干後退していることで、ユーロに買い戻しが入っていることだ。万が一、欧州で政治リスクが高まったとしても、弱いドルの地合いに鑑みて、リスクオフのドル買いとはならず、円買いが際立つことになるだろう。

第3に、原油価格の下落により、これまでは資源国・新興国通貨が売られ、その代わりにドルが買われていたが、現状ではドルへの資金還流はみられない。

第4に、米連邦準備理事会(FRB)は先の利上げを通過した後、ハト派的になってきていると感じられ、利上げ期待からドル買いという連想が働かないことだ。

以上から、ドルの上値が相当重くなっていることは確かで、大崩れはしないと思うが、テクニカルにはトランプラリーのピークから38.2%戻しを通過してしまった。ドルにポジティブな大きな材料がない限り、次に目指すのは50%戻しの109.92円になる。ドルに不安も期待もない状況で、期待で先行した部分が剥落していると言えるだろう。

●米政権の政策実行に対する不安の表れ

<アリアンツの首席経済アドバイザー、モハメド・エルエリアン氏>

金融株と製造業株主導での株価の見切り売りは、トランプ政権の成長支援策の発表がすぐに政策実行に結びつくことに投資家が自信を失ってきていることを示唆している。

金利やドル相場もこうした懸念を共有しているようだ。

●税制改革や規制緩和の後退織り込む

<スチュワート・フランケルの社長、アンドリュー・フランケル氏>

政治が主役で、市場を動かしている。トランプ政権の成長支援策を期待して上昇していたなら、疑問が生じたときにある程度返上するのはやむ得ない。

あちらこちらで小規模な見切り売りが見られ、見切り売りのモメンタムが強まっている。

48時間後には医療保険制度改革(オバマケア)改廃法案の行方が定まる。賭けをするには頃合いではないか。

きょうはライアン下院議長の発言があった。皆、議長の言葉の裏を読み取ろうとしたと思うが、私には、医療保険制度改革についてやや後退したように聞こえた。

市場は、税制改革や規制緩和にどのような後退が見られるかを織り込もうとしている。

●材料出尽くし、議会が要因に

<テミス・トレーディングのマネジングディレクター、マーク・ケプナー氏>

市場はちょうど材料探しの期間にある。株価が高値にあるとき、ささいな要因で相場は動きやすい。原油安も材料になりつつある。

先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、連邦準備理事会(FRB)が一部で期待されていたほどタカ派に傾かなかったことも銀行株の重しとなった。

企業決算やFOMC、雇用統計など材料が出尽くしたところで、市場は議会の動きに注目しだした格好だ。医療保険制度改革(オバマケア)代替案が成立しない場合、政府は税制改革に着手できず、市場が期待していた改革が棚上げされるとの見方が広がっている。手掛かりなしに、株価がさらに上昇するのは難しい。

●株売り債券買いの資産配分

<ジョーンズトレーディングの首席市場ストラテジスト、マイケル・オルーク氏>

金融株は債券市場の上昇を受けて売られている。債券市場は米連邦公開市場委員会(FOMC)以降、上昇基調にある。

けさから、株式を売って米国債を買うという、ある種の資産配分モデルが始まったようだ。

これが下げのきっかけになった。昨年10月以来、(S&P総合500種指数が)1%下落した日がないということもある。

それに加え、23日には医療保険制度改革(オバマケア)改廃法案(の採決)があり、うまく行かなければ大統領の税制計画がとん挫するのは明らかだ。

そのため市場参加者は、少しディフェンシブになって利益確定を出すにはちょうどいいタイミングだと言っているにすぎない。

*情報を更新しました。

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FX Forum | 2017年 03月 22日 12:01 JST 関連トピックス: トップニュース

コラム:EU分裂危機、蘭仏よりイタリアが心配な訳=田中理氏

田中理第一生命経済研究所 主席エコノミスト
[東京 22日] - 筆者は先週、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、オーストリアを訪問する機会を得た。いずれも政治リスクを抱える国で、今年もしくは来年中に重要な選挙を控えている。

出張中の15日に投開票が行われたオランダ下院選挙は、反イスラム、反エリート、反グローバルを掲げる急進右派政党である自由党(PVV)が第1党の座を逃し、世界中に広がるポピュリズムの波を押しとどめることに成功した。

選挙直後に意見交換したオランダの投資家や元議員らはPVVの勢力拡大が限定的だったことに安堵の表情を浮かべたが、オランダの選挙結果が、4月下旬から5月初旬にかけて実施されるフランス大統領選でのポピュリズム政党の勢力減退を意味するわけではないとの見方で一致した。

ウィルダース党首が率いるPVVが選挙戦終盤で失速した背景には、主に次の3つの要因が指摘できよう。

1)移民の社会統合促進や学校での国歌斉唱の義務付けなど、主要政党がそろって政策を右傾化し、PVVとの政策距離が縮まったこと

2)トランプ米大統領による移民入国制限などが世界的な波紋を呼び、オランダ国民の間で極端な政策メニューを掲げるPVVへの警戒が広がったこと

3)オランダ在住のトルコ系住民に対し、大統領権限を強化する国民投票への参加を呼び掛けようとしたトルコ閣僚のオランダ入国を毅然とした態度で拒否した与党・自由民主党(VVD)の姿勢が有権者に好意的に受け止められたこと

このうち、特に投開票直前に3番目の要因が浮上しなければ、VVDがここまで議席を伸ばすことはなかったとの論調が、現地有識者の間では多かった。

事前観測では、多党乱立で連立協議が暗礁に乗り上げ、PVVを連立相手から除外することが難しくなることも不安視されたが、33議席を獲得したVVDと各19議席を獲得し第3党となった中道右派・キリスト教民主勢力と中道・民主66の合計獲得議席は71議席。定数150の下院の過半数(76議席)確保まで5議席に迫った。中小政党の支持を得て政権を発足することは十分に可能で、PVVの政権入りの芽はなくなったと見てよい。

<「ルペン大統領」でもフレグジットは杞憂か>

筆者が面会した欧州の識者は一様に、欧州連合(EU)の将来を左右する重要イベントとして、フランス大統領選に注目していた。欧州統合の推進役であるフランスで欧州懐疑派の大統領が誕生すれば、EUは崩壊を余儀なくされる。他方、改革志向で親欧州派の大統領が誕生すれば、EUは新たな求心力と推進力を得るとの期待がさまざまな場面で聞かれた。

興味深かったのは、面会者の誰1人として、国民戦線・ルペン候補の勝利やフランスのEU離脱(フレグジット)を現実的なリスクとして見ていないにもかかわらず、その不安を拭い去れずにいることだ。

やはり、英国がEU離脱を選択した国民投票、米大統領選でのトランプ氏の勝利など、世論調査の結果を覆す「まさか」の結果が相次いだことが心理的な重しとなっているのだろう。

ただ、隠れ極右支持の存在については、識者の間で見解が分かれた。かつてはフランス国民の間で国民戦線への支持を表明することに臆する人が多かったが、最近では支持表明に抵抗がなくなってきており、以前に比べて世論調査に沿った結果になる可能性があるとのことだ。

また、多くの世論調査は対象サンプルの階層的な偏りを統計的に調整しており、国民戦線の実際の獲得票と世論調査の差は過去に比べて縮まっているはずとの指摘もあった。

今回のフランス大統領選では、共和党・社会党の二大政党が予備選を通じて候補者を一本化したが、いずれも事前の世論調査で本命候補が破れ、ダークホースが予備選を制した。形勢逆転のきっかけとなったのはテレビ討論会だったため、大統領選本選に向けてもテレビ討論会の成否が浮動票の行方を左右しそうだ。

今後、毎週のように討論会が予定されているが、20日に行われた初回のテレビ討論会では、中道系の独立候補マクロン氏に説得力があったとの見方が多い。マクロン氏は社会党のオランド政権下で経済・産業・デジタル相を務めた以外に政治経験がなく、39歳の若さから指導力不足を不安視する声もあるが、今回筆者が面会した識者の多くは、年齢がマイナス要素として受け止められることはなく、むしろ変革を期待する有権者への大きなアピールになっていると評価していた。

万が一、ルペン大統領が誕生した場合も、フレグジットが難しいとの見方は共通認識となっている。フランスのEU参加は憲法で規定されているため、フレグジットには憲法改正が必要となる。憲法改正の国民投票は、上下両院の賛成多数で可決される必要があるが、大統領選後に行われる議会選で国民戦線が両院の過半数を確保することは事実上不可能だ。

過去には議会投票を必要としない別の国民投票制度を用いて、憲法改正を強行した例(大統領の直接公選制の導入是非を問う1962年の国民投票)もあるが、その後の法改正でこうした抜け道を利用するのは難しくなったと言われている。

<イタリア政局不安「第2波」の現実味>

これは筆者も同感だが、フランス以上にリスクが高い国として多くの識者が言及したのがイタリアだ。昨年12月の憲法改正の国民投票が大差で否決された同国では、野党勢を中心に早期の解散・総選挙を求める声も浮上していたが、最大与党・民主党の分裂と選挙制度改正議論の難航から、年内の前倒し選挙の可能性は遠のいた。

来年春の議会任期満了を待って総選挙が行われるとの見方が支配的だ。欧州の選挙イヤーに新たな不安要素が加わる事態はどうやら回避されそうだが、次期総選挙後の安定政権の樹立は困難な状態だ。

レンツィ体制に反旗を翻して党内の最左派が民主党を離脱したことで、反体制派のポピュリズム政党・五つ星運動が次期総選挙で最大勢力となる可能性が高まっている。憲法裁判所が現在の下院選挙制度に違憲判決を下したことで、次期総選挙がどのような選挙制度の下で行われるのかは定かでない。

五つ星運動は他党との連立に否定的で、政権入りは難しいとの見方が一般的だが、同党はこれまでも公約の修正・撤回を繰り返してきた。政権奪取に向けて他のEU懐疑主義政党との連立に傾いたとしても不思議でない。

各種の世論調査によれば、五つ星運動以外にも、北部同盟やイタリアの同胞といった右派ポピュリズム政党の支持票を集めれば、次期総選挙後の議会の45%程度を反EU政党が占めることになる。五つ星運動の政権入りが回避されたとしても、次期政権の議会基盤は極めて脆弱なものとなり、改革を推進する政治的な資源に乏しい。

イタリアは単一通貨ユーロ導入後の平均成長率がユーロ圏諸国で最低圏のゼロ近傍にとどまり、長期の経済停滞や高失業、長年の高債務が経済の足を引っ張っている。次期政権に改革の遂行能力がなければ、国民の不満が一段と高まり、いずれはEU懐疑主義政党が議会の多数派を占める恐れがある。

EU分裂の危機は、オランダでもフランスでもギリシャでもなく、イタリアにある。フランス大統領選での極右大統領の誕生回避に浮かれていると、イタリア政局不安の第2波に巻き込まれかねない。

*田中理氏は第一生命経済研究所の主席エコノミスト。1997年慶應義塾大学卒。日本総合研究所、モルガン・スタンレー証券(現在はモルガン・スタンレーMUFG証券)などで日米欧のマクロ経済調査業務に従事。2009年11月より現職。欧米経済担当。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。(こちら)

*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。


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http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-osamu-tanaka-idJPKBN16T067


 


PIMCO:17年の世界成長率予想を上方修正−米利上げ年内あと2回
Charles Stein
2017年16:48 2017/03/223月22日 10:38 JST
成長率2.75−3.25%と想定、昨年12月時点では2.5−3%
疲弊している各中銀、超緩和的金融政策からの出口に近づくだろう

世界経済が3カ月前に比べ力強くなっているように見えることから、米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)は成長率予想を引き上げ、超低金利時代が終わりに近づいているとの認識を示した。
  PIMCOは21日公表した最新見通しで、2017年の世界成長率が2.75−3.25%になると想定。昨年12月時点での2.5ー3%から予想レンジを上方修正した。ユーロ圏と英国、新興市場は12月の見込みより成長ペースが加速するとしている。
  「成長・インフレ見通し改善で、疲弊している各中央銀行は超緩和的金融政策からの出口に近づく可能性が高い」とPIMCOは指摘。「音楽が鳴りやんだときに、高水準のレバレッジを効かせている世界中の官民の借り手が踊り続けることができるかどうかは定かではない」と記した。
  PIMCOによれば、米連邦公開市場委員会(FOMC)は今年、恐らくあと2回の政策金利引き上げを行う見込み。欧州中央銀行(ECB)が年央ごろにフォワードガイダンスを変更し、18年の早い時期に資産購入のさらなる縮小を開始する可能性があるとの見方も示した。
原題:Pimco Boosts Outlook for Global Growth as Europe Picks Up Speed(抜粋)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-03-22/ON6Z236S972801

 

 

Business | 2017年 03月 22日 09:45 JST 関連トピックス: ビジネス, トップニュース

貿易収支、2月は黒字8134億円 春節明けで2カ月ぶり黒字

[東京 22日 ロイター] - 財務省が22日発表した2月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は8134億円の黒字だった。黒字は2カ月ぶり。中華圏の春節明けの反動で中国向け自動車部品の輸出などが伸びた。貿易収支のうち、対中国は1118億円の黒字と2012年2月以来、60カ月ぶりの黒字だった。

輸出額は前年同月比11.3%増の6兆3465億円と、3カ月連続で増えた。春節期間が前年から前倒しとなった影響で、中国向けに自動車部品のギアボックスなどの輸出が増えた。一方、輸入額は同1.2%増の5兆5331億円と、2カ月連続の増加だった。

地域別の収支差は、対米国が前年同月比1.5%増の6113億円の黒字、アジアが同468.2%増の9958億円の黒字だった。対欧州は411億円と5カ月ぶりの黒字に転じた。

為替レートは113.40円で、前年同月比3.4%の円高。

*内容を追加します。

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貿易収支、7月は5135億円の黒字 円高で輸出09年以来の減少幅
7月実質輸出は前月比-3.2%、実質輸入は-1.1%=日銀
http://jp.reuters.com/article/feb-trade-blance-idJPKBN16T003

 
Business | 2017年 03月 22日 10:11 JST 関連トピックス: ビジネス, トップニュース

第4四半期の米経常赤字3.1%減、1年半ぶりの低水準

[ワシントン 21日 ロイター] - 米商務省が21日発表した昨年第4・四半期の経常収支の赤字額(季節調整済み)は、前期比3.1%減の1123億8200万ドルで、2015年の第2・四半期以来の1年半ぶりの低い水準となった。市場予想は1282億ドルだった。大豆を中心に輸出が減少したものの、海外投資から発生する配当や従業員報酬などを示す第1次所得が増えて、全体の赤字額の圧縮につながった。

経常収支は外国とのモノとサービス、投資の流れを示す。

昨年第3・四半期の赤字額は当初発表の1129億5800万ドルから1160億0700万ドルに改定された。

第4・四半期の経常赤字の実質国内総生産(GDP)に占める比率は2.4%と、第3・四半期の2.5%から低下した。

16年通年の経常赤字は前年比3・9%増の4812億600万ドルだった。GDPに占める比率は前年比横ばいの2.6%だった。

第4・四半期の経常収支の内訳は、モノの輸出が34億2100万ドル減の3717億2500万ドルだった。大豆を中心に食品の輸出が84億1200万ドル減り、全体水準を押し下げた。ドルが第4・四半期に米国の主要な貿易相手国の通貨に対して5%以上値上がりしたことも輸出の重しとなった。

第1次所得は44億3600万ドル増の2079億1400万ドルだった。第1次所得の受け取りから支払いを差し引いた収支の黒字幅は前期と比べて198億7200万ドル増えた。

政府補助金や年金、罰金・違約金、海外就業者からの送金を示す第2次所得収支の赤字額は415億1900万ドルと、前期の413億6100万ドルから増えた。

経常赤字は05年第4・四半期に過去最高に達し、GDPの6.3%を占めた。それ以降、国内の石油生産の増加や世界的な石油価格の下落を背景に経常赤字は減少傾向にある。

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http://jp.reuters.com/article/q4us-currentbalance-idJPKBN16T04F


 

 

Business | 2017年 03月 22日 07:48 JST 関連トピックス: ビジネス, トップニュース

年内のバランスシート政策変更に不安ない=米クリーブランド連銀総裁

[リッチモンド(米バージニア州) 21日 ロイター] - メスター米クリーブランド地区連銀総裁は21日、経済指標が底堅ければ、米連邦準備理事会(FRB)が年内にバランスシートの縮小に着手することを支持するとの考えを示した。

総裁は講演の準備原稿で「経済状況が想定通りの展開となれば、FRBの(債券)再投資の政策を年内に変更することに不安はない」と表明した。

その上で、そうした措置は、金利正常化が軌道に乗った段階でバランスシートの縮小を検討するとしているFRBの方針に合致していると指摘した。

金利政策については、毎回の連邦公開市場委員会(FOMC)で引き上げられるとは想定していないが、経済が引き続き堅調に推移した場合、過去2年のような年に1度の利上げよりも速いペースで行う必要があると言明。

「フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標引き上げを通じた一段の緩和解除が必要であり、そうした上向きの政策の道筋は景気拡大を抑制するのではなく、一段と持続可能にする一助となる」と述べた。

さらに、経済の状況を踏まえると、インフレ率は今後1年で持続的にFRBの対称的目標である2%に回帰するとの見通しを示した。

メスター総裁は昨年、2度のFOMCで金利据え置きに反対票を投じ、利上げを主張した。今年は投票権を持たない。

*内容を追加します。

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http://jp.reuters.com/article/fed-mester-idJPKBN16S2WI

 


布野日銀委員:企業の賃金設定行動は慎重なものにとどまるリスク
日高正裕
2017年3月22日 11:33 JST 更新日時 2017年3月22日 15:25 JST

モメンタムは力強さに欠け物価目標の実現への道筋は道半ば
強力な金融緩和をしっかりと推進していくことが重要

日本銀行の布野幸利審議委員は22日午前、静岡市内で講演し、物価上昇の鍵となる企業の賃金設定スタンスについて「慎重なものにとどまるリスク」があり、特に今春の賃金改定交渉に向けた動きに注目していると述べた。同委員はトヨタ自動車出身。
  布野委員は講演で、足元の物価動向は2%の目標に向けたモメンタムは維持されていると説明。消費者物価の前年比は今後2%に向けて上昇率を高めていくとしながらも、「モメンタムはなお力強さに欠け、物価目標の実現への道筋はいまだ道半ばにある」と語った。
  また海外金利が上昇していることを受け、日銀が近い将来、長期金利操作目標の引き上げを検討するとの見方も市場の一部にあるようだとした上で、現在の経済・物価・金融情勢を踏まえると長短金利操作付き量的・質的金融緩和の下で、「強力な金融緩和をしっかりと推進していくことが重要である」と述べた。
  講演後に行った記者会見では、今年の春闘で、基本給の水準を底上げするベースアップが前年を下回りそうな情勢にあることについて見解を問われ、4年連続のベアが実現したことは「非常に前向きにとらえてよいのではないか」と述べた。金融政策については「金融政策を転換する、例えば長期金利を調整する状況にはない」と述べた。
  日銀は16日に開いた金融政策決定会合で、長短金利操作の下で長期金利、短期金利の誘導目標をいずれも据え置いた。同日会見した黒田東彦総裁は、経済や物価の先行きについて「上振れリスクよりも下振れリスクが依然として大きいという状況にあるという認識であり、あまり大きく下振れリスクが減少したとも、必ずしも言えないのではないか」と述べた。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-03-22/ON71E96JIJV401

Business | 2017年 03月 22日 12:25 JST 関連トピックス: ビジネス, トップニュース

布野日銀委員、長期金利目標の引き上げに否定的 構造改革の加速を

[静岡市 22日 ロイター] - 日銀の布野幸利審議委員は22日、静岡市内で講演し、物価2%目標に向けたモメンタムは維持されているが、力強さに欠けるとし、強力な金融緩和を推進していくことが重要と指摘。現在「ゼロ%程度」としている長期金利操作目標の早期引き上げに否定的な考えを示した。潜在成長率の引き上げに向け、構造改革の加速が必要と訴えた。

布野委員は金融政策運営について、目標とする物価2%が安定的に持続するまで現行の「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続すると表明した。

物価2%目標に向けたモメンタムは「維持されている」としながらも、「なお力強さに欠ける」と指摘。物価目標実現への道筋は「なお道半ば」と語った。

そのうえで「市場の一部には、海外金利が上昇していることを受けて日本銀行が近い将来、長期金利操作目標の引き上げを検討するとの見方もある」とし、「現在の経済・物価・金融情勢を踏まえると、強力な金融緩和をしっかりと推進していくことが重要」と市場の観測をけん制した。

日本経済は緩やかな回復基調を続けているが、米国の経済動向や金融政策運営が市場に及ぼす影響や、中国など新興国・資源国の動向など「先行きリスクは多岐にわたっており、幅広い視点から注視していく必要がある」と指摘。

物価については、基調的な動きを構成する需給ギャップや中長期的な予想物価上昇率が先行き改善していくとの認識を示し、「下振れリスクにも注視が必要なものの、2018年度頃にはプラス2%程度に達する可能性が高い」との見通しを示した。

布野委員は長期的な日本の課題として、潜在成長率引き上げの重要性を主張。そのためには「金融と財政に構造改革を加えた総合的アプローチが必要」とし、構造改革の「一層の加速が求められる」と語った。

「この際、日本経済は必要な需要の確保を国内外の双方にバランスよく求めるべき」とも述べ、内外経済や為替動向に左右されにくい差別化された商品を開発・提供する体制の構築と「これを促すイノベーションの一層の加速が求められる」と指摘した。

(伊藤純夫)

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http://jp.reuters.com/article/boj-funo-idJPKBN16T0AC

 


Business | 2017年 03月 22日 09:53 JST 関連トピックス: ビジネス, トップニュース

日銀1月会合、委員から慎重な買い入れ減額提案=議事要旨

[東京 22日 ロイター] - 日銀が22日に公表した議事要旨によると、1月30━31日に開かれた金融政策決定会合では、ある委員が慎重な国債買い入れの減額を提唱していたことがわかった。

ある委員は「理論的には、国債買い入れの進捗とともにストック(累積)効果から金利低下圧力がかかる」とし、「市場の反応を慎重に探りつつ、減額を模索していけばよい」との認識を示した。また「短期国債買い入れは一段の減額を模索すべき」とも指摘した。

対外講演の内容と照らし合わせると、これらは佐藤健裕委員からの発言である可能性がある。佐藤委員は2014年10月の追加緩和以来、一貫して執行部の政策運営に反対してきたが、同委員が提唱してきた量的緩和から金利政策への転換が、結果的に昨年9月の政策転換を先取りした内容であったため、同氏の発言は一部市場関係者から注目されている。

また、1月の会合では何人かの委員が「欧州主要国における国政選挙や英国の欧州連合(EU)離脱交渉、欧州系銀行の不良債権問題の展開には引き続き注意が必要」との認識を示した。

物価については「消費者物価指数が一進一退の動きとなっており、これまでの個人消費のもたつきや為替円高の影響がラグを伴って現れている」、「エネルギー価格が物価に対して押し上げ寄与に転じていくことや円安の影響もあって、物価上昇率は高まっていく」との声が出た。

<長期金利目標引き上げ憶測をけん制>

米長期金利の上昇を受けて日銀が長期金利目標を現在のゼロ%から引き上げるとの憶測については、何人かの委員が「金融政策はあくまで2%の物価目標実現の観点から決定されるべき」と述べ、慎重な見解を示した。

ある委員は「グローバルな市場の不透明性が高いもとで金利のボラティリティーが高まる可能性を踏まえると、執行部に一定の裁量を持たせ、きめ細かな調節運営を行なうことが重要」と指摘した。

(竹本能文 編集:田中志保)

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