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ふるさと納税、東京23区200億円減収の衝撃 高所得者優遇も問題だ(ビジネス+IT)
http://www.asyura2.com/17/hasan120/msg/371.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 3 月 22 日 08:48:15: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

          ふるさと納税が東京にもたらした「減収」を考える(© maroke - Fotolia)
  

ふるさと納税、東京23区200億円減収の衝撃 高所得者優遇も問題だ
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170322-00033399-biz_plus-bus_all
ビジネス+IT 3/22(水) 6:15配信


 ふるさと納税制度適用による税控除の影響で、東京23区が2017年度、200億円以上の税収減を見込んでいることが分かった。2016年度の寄付総額が前年度の約2倍に当たる3,000億円程度まで増える見通しとなったためだ。逆に地方で返礼品や特典競争が過熱し、総務省から釘を刺されるところが相次ぐ一方、高額所得者に有利な不公平税制という批判も出ている。近畿大短期大学部の鈴木善充准教授(財政学)は「ふるさと納税は寄付金税制。本来の姿に立ち返るべきだ」と指摘する。急激に膨れ上がるふるさと納税から大きな課題が浮かんできた。

●世田谷区、港区、渋谷区などでは10億円以上の減収見込み

 東京23区長でつくる特別区長会(会長・西川太一郎荒川区長)は2016年度の減収額を計129億円と試算しているが、各区の推計をまとめると、2017年度の減少見込み額は少なくとも200億円を超す見通し。2016年度のざっと1.6倍に達する。

 減収額の大きい順にみると、トップは世田谷区の30億円。以下、港区の23.4億円、渋谷区14.6億円、江東区12億円、杉並、大田区各11億円、練馬区9.3億円、新宿区9.2億円、文京、目黒区各9億円と続く。2016年度に減収額が10億円を上回ったのは、世田谷、港の2区だけだったが、2017年度は6区に増える見込みだ。

 2016年度と比べた減収幅は、影響額5.5億円の荒川区が3.4倍、7.2億円の中野区、4億円の墨田区が各2倍、渋谷区が1.9倍、世田谷区が1.8倍、港区や目黒区もそれぞれ1.5倍以上に膨れている。

 減収額の最大75%を国から自治体へ交付税で穴埋めする制度があるが、東京23区は交付対象でないため、各区の財政上ではそのまま減収になる。東京23区は人口増加が続いているとはいえ、額は決して小さくない。

 23区で最大の減収見通しとなった世田谷区は、減収額が区立学校1校分の改築費に当たるとして対応に苦慮している。2番目の減少額となる港区税務課は「減収額の拡大には頭が痛い。制度自体に問題がある」と訴えた。

●「ふるさと納税」では地方に勝てない23区

 23区は返礼品や特典に消極的なところが多かったが、導入に乗り出す区も出てきた。中野区は2016年10月からおやつの詰め合わせや連携自治体の地酒などを提供している。1月末までに1,650万円分の申し込みがあったが、2017年度の減収見込み額には遠く及ばない。中野区政策室は「名産品の多い地方と張り合うのは厳しい」と苦い口調だ。

 横浜市、大阪市という大都市も減収に頭が痛い。2017年度は横浜市が48億円、大阪市が29億円の減収となる見込み。大阪市は既に返礼品を導入しているが、横浜市も2017年度から返礼品を贈ることを決めた。

 特別区長会はこれまで、「ふるさと納税を格差是正に利用すべきでない」との見解を示してきたが、減収額が大きくなっている現状を踏まえ、4月に予定されている区長会税財政部会で対応を検討する。

 特別区長会は「地方税の原則は行政サービスの恩恵を受けた者が税負担する応益負担。ここまで減収が広がれば原則無視といわざるを得ない」としている。

●急激に拡大を続ける全国の受入総額

 ふるさと納税は納税者が居住地以外の自治体に寄付する制度で、都市と地方の税収格差是正を目指し、2008年度に導入された。寄付額のうち自己負担の2,000円を超える部分が翌年の住民税などから控除される。この額が東京23区など都会の自治体の減収だ。

 総務省市町村税課によると、スタートの2008年度は全国で受入額81億円にすぎなかったが、自治体が高級肉、水産物など豪華な返礼品を出すようになったことから、受入額が年々増え、2014年度は389億円に達した。

 2015年度からは5つの自治体までなら控除に必要な確定申告が不要になったほか、特例控除額の上限も約2倍に拡充された。このため、2015年度の受入額は前年度の約4倍の1,653億円まで増加している。

 菅義偉官房長官は2月末の記者会見で「ふるさと納税で多くの地域が活性化した」と評価した。しかし、地方ではふるさと納税の寄付金を財源に新規事業を打ち出す自治体が出る一方で、返礼品や特典競争の過熱が問題になっている。

●子育て支援、街づくりを支えるふるさと納税

 2015年度の寄付金受入額が42.3億円を数え、全国トップとなった宮崎県都城市。自主財源比率が4割を超え、2017年度当初予算には子育て支援や街づくり分野で新規事業が並ぶ。好調なふるさと納税が市の財政を後押しした格好だ。

 返礼品は市の特産品である肉と焼酎を中心とした320種。中でも宮崎牛を求めて首都圏から寄付が殺到している。都城市総合政策課は「知名度のアップで寄付が増えてきた。地域経済への波及効果も大きい」と喜んでいる。

 これに対し、高級肉や水産物などの特産品を持たない地方では、返礼品に頭を悩ませてきた。中には金券や電子マネーを返礼品にして取り扱い中止に追い込まれる自治体が出ている。

 千葉県勝浦市は2016年度から導入した返礼品の「かつうら七福感謝券」を2月いっぱいで廃止した。1万円の寄付をすると7,000円分の感謝券がもらえ、市内の飲食店や宿泊施設で使える仕組みだ。

 しかし、インターネット上で転売されていることが明らかになり、総務省や千葉県から「趣旨にそぐわない」と指摘されていた。勝浦市企画課は「他の自治体に対抗できる特産品がない。券面に転売禁止と明記していただけに、非常に残念だ」と肩を落としている。

 総務省市町村税課は「通知で金券やパソコンなど趣旨にそぐわない返礼品の例を挙げてきた。各自治体はそれを踏まえ、適正に運用してほしい」としているが、返礼品、特典競争の過熱が趣旨を逸脱する自治体を生み出しているのが実態だ。

●高額所得者ほど有利な特例控除の是正も必要

 さらに問題はもう1つある。高額所得者ほど寄付金額の上限が高く、軽減される税額も大きくなることだ。総務省によると、共働きで子供のいない年間給与収入300万円の世帯の場合、全額控除されるふるさと納税額の年間上限が2万8,000円なのに対し、2,500万円の世帯だと84万円以上になる。

 鈴木准教授は「特例控除の段階的廃止を検討すべきだ。そうすれば高額の寄付に一定の自己負担を伴うようになり、高額所得者の有利さを軽減することにもつながる」とみている。

 ふるさと納税は自治体の担当者にマーケット感覚を植えつけ、努力した自治体が報われる形になっている。この点は評価すべきだろうが、現状では応益負担の原則に反し、いたずらに過剰な競争をあおっている点も否めない。

 鈴木准教授は「現状は都会が返礼品競争に加わっていないため、減収幅が広がっている。名古屋市や大阪市のように城に関連するプレミアムで多くの寄付を集めた例もある。行き過ぎにならない範囲で魅力的な返礼品を見つけ、都会が地域間競争に乗り出す必要があるのではないか」としている。

 税収の少ない地方へ財源を移すことはこれからも必要だが、税の原則を逸脱しすぎるのも見過ごせない。正すべき課題の解決に着手する時期に来ているのかもしれない。

政治ジャーナリスト 高田 泰(たかだ たい)
 

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コメント
 
1. 2017年3月22日 11:41:38 : IHwoCb3BWs : W5Y6UzS7x_8[15]
笑わせんな!
微々たる金じゃねぇか。
タバコをドンドン吸わせろ!
お釣りがくるはd=(^o^)=。

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