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このほどドイツで行われたG20財務相・中央銀行総裁会議で話し合われた内容は、この後のサミットの重点を指し示していることは明らかで、目下の国際社会が注視するホットポイントにもなっている。資料写真。
日米関係、為替相場と貿易の「食い違い」は大きい―中国紙
http://www.recordchina.co.jp/b172835-s10-c20.html
2017年3月21日(火) 23時10分
今年7月にドイツ・ハンブルクで行われるG20(主要20カ国・地域)サミットの風向きを占うバロメーターとして、このほどドイツで行われたG20財務相・中央銀行総裁会議で話し合われた内容は、この後のサミットの重点を指し示していることは明らかで、目下の国際社会が注視するホットポイントにもなっている。オバマ政権の時期とは異なり、米国でトランプ大統領が就任すると、日本が大きな期待を寄せていた環太平洋経済連携協定(TPP)は発効が不可能になり、米国はさらに日本を為替操作国のリストに加えようとしている。こうした動きはこれまで親密だった日米関係にとって一種の皮肉であることは間違いない。国際商報が伝えた。
▽食い違いは大きい
今回のG20財務相・中央銀行総裁会議について、中国現代国際関係研究院日本研究所の劉雲副研究員は、「為替相場と貿易問題が日米の二国間協議の重点であると認められる。為替相場についていえば、トランプ政権が日本を為替操作国と認定しようとしていることは、日本の金融政策にとって大きな圧力となる。ここからわかることは、財政金融政策において、日米間には食い違いが生じたということだ。これまでの先進7カ国(G7)やG20のサミットで、日米は量的緩和政策で一致してきたが、最近は変化が生じ、特に3月16日に中央銀行に相当する米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを発表したことは、強いドルがもたらした結果と考えることができる」との見方を示した。
劉副研究員は、「今回のFRBの利上げが米ドル指数の低下をもたらしたことは意外だったが、過去の経験に照らせば、FRBが利上げするとドルが値上がりし円が値下がりすることになる。これはつまり日本は量的緩和の縮小やその他の方法でレートを引き下げなければならないということだ。当然だが、ここには為替操作国と認定すること自体に存在する矛盾も示されている。日本の財政金融政策はFRBの政策に反応して行われるものだ。昨年と同様、今回のG20財務相・中央銀行総裁会議の開催期間中、日本の麻生太郎財務相は米国のムニューシン財務長官と為替相場について会談し、日本の為替相場政策は日本国内市場をにらんだもので米ドルが対象ではないとして、理解を求めた。この点は注視される」と強調した。
中国社会科学院アジア太平洋・グローバル戦略研究員大国関係研究室の鐘飛騰室長も、「為替相場問題で、日本はFRBの利上げは悪いことではないと理解を示したが、日本はマイナス金利政策を実施しており、金融政策の調整の余地には限界があり、FRBの利上げは日本の輸出にさらなる打撃を与える可能性がある」との見方を示した。
別の注視される食い違いには非関税障壁があり、データの上でも非常にはっきりしている。米商務省が2月に発表した16年の商品貿易収支データをみると、米国の対日赤字は689億3800万ドル(1ドルは約112.5円)に上り、日本は米国にとって2番目の貿易赤字国だ。このうち自動車の赤字が大きく、米国の日本からの輸入額が392億6100万ドルにあるのに対し、米国から日本への輸出額は5億1800万ドルにとどまる。
劉副研究員は、「世界貿易機関(WTO)が日本について審議を行った際、米国が提出した意見には日本が農産品、自動車などの市場で非関税障壁を実施しているとあった」と指摘。新任のロス米商務長官も、「米日間の貿易赤字については、交渉によって日本が非関税障壁を撤廃するようにし、これと同時に為替相場を通じて調整を行うしかない」と公開の場で述べた。
▽矛盾はコントロールできる
鐘室長は、「日米間のさまざまなトラブルをみると、両国が昔のような親密な状態に戻ることはもはや難しいとみられる。自由主義的な国際秩序が日本の第二次世界大戦後の国造りの土台で、米国が自由貿易を認めなければ、日本にとって大きな打撃となる。オバマ政権の時代と異なり、日米間の親密度はかなり下がっており、ピークの時期を過ぎたことは明らかだ」と述べた。
だが劉副研究員は、「見るべき点は、日米間の衝突や矛盾はこれまでずっと存在していたということで、日米の貿易摩擦はすでに1950〜60年代から存在していた。だからこそ、日米間のハイレベル対話メカニズムが役割を発揮できたのであり、衝突や矛盾を一定の範囲に収めておくことができたのだ」と指摘した。
また別の角度からみると、米国は農業市場や自動車市場の開放を要求するが、日本がこれによって受ける圧力はそれほど大きくない。劉副研究員は、「日本はこの点についてすでに準備をしており、さきのTPP交渉の際、農業の補助金や改革といった措置を打ち出していた。また日本の農業人口は減少を続けている。つまり、日本がより多く妥協するかどうかは交渉のテクニックだということだ。米国の自動車製造業が心配すべきは、自分たちが日本市場で十分な競争力をもつのかという点だ」と注意を促した。
また劉副研究員は、「日米間の貿易に体現される核心は、国際発展情勢に対する両者の態度だ。トランプ政権に代表される米国内の保守主義勢力の声は孤立主義に帰れというもので、日本は第二次大戦後は資本が外部に向かう国際主義路線を選択してきたのであり、海外貿易こそ日本企業の命綱だ。こうした状況の中、日米関係に違いが生じるのは当然のことだ。日本は『友達の輪』を広げるとともに、トランプ大統領の説得も続けており、米国が日本と同じ道に戻るようにと願っている。たとえばトランプ大統領を何らかの形でTPPの枠組みに引き戻すことなどを考えている」と指摘した。
鐘室長は、「現在、貿易で協力する必要はあるが、米国は経済面で日本に圧力をけており、日本はより多くの譲歩を求められている。協力については、安全保障面での協力がより多く求められている。これは日米がその他の分野で交渉を行う場合、たとえばネットワークセキュリティ、中東問題、海洋問題などで交渉を行う場合のツールでもある」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集KS)
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