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外国人や日本人の東京での人気観光スポットといえば、銀座、秋葉原、浅草が定番だったが、下町情緒を楽しむ人たちが増えている。特に戦前からの木造建物が点在している千駄木、根津、谷中一帯は「谷根千」の愛称で親しまれ、賑わっている。写真は「谷根千」風景。
海外や地方からの観光客、東京下町『谷根千』に殺到「ホッとする空間が魅力」―宿泊施設不足で「民泊特区」に期待
http://www.recordchina.co.jp/b171013-s0-c30.html
2017年3月20日(月) 9時20分
外国人や日本人の東京での人気観光スポットといえば、銀座、秋葉原、浅草が定番だったが、下町情緒を楽しむ人たちが増えている。特に戦前からの木造建物が点在している千駄木、根津、谷中一帯は「谷根千(やねせん)」の愛称で親しまれ、賑わっている。
東京メトロ千代田線千駄木駅やJR日暮里駅から歩いて5分の谷中銀座商店街。下町情緒があふれ、古き良き時代の懐かしい世界が広がっている。昔ながらの個人商店を中心に、様々な業種の約70店舗が全長170メートルほどの通りに並ぶ。ドラマやバラエティー番組などでたびたび取り上げられ人気のスポットに。最近では中国、台湾、韓国、米国、欧州からの外国人観光客も多く、国際色豊かなエリアに変貌している。
谷中銀座商店街は第2次大戦後に自然発生的に生まれ、近隣型の商店街として発展してきたが、老舗商店主によると、「発展するまでには近隣への大型スーパーの進出、コンビニエンスストアーの相次ぐ開店など大きな危機があった。危機が訪れる度に商店街が一丸となり、特別セールや商店街夏まつり創設、スタンプによるディナー招待など、アイデアと工夫で乗り越えてきた」という。
1996年に、NHKのテレビ小説「ひまわり」の舞台となったことで、全国的な人気スポットとして脚光を浴びた。その後、商店街の外観整備、ホームページ開設、日よけの統一や袖看板の設置などを次々に行い、商店街の観光や散策の地としての魅力を高めてきた。2014年の調査によると、一日当たり来訪者は、平日に約7千人、土日祭日には約1万4千人が訪れる。25年前の調査では平日、土日祭日とも約8千人だったので、この間に平日以外は2倍近くに増えた計算だ。
観光客向けの店が増える一方で、昔ながらの洋装店や鮮魚店、肉店など地元向けの商店が減少、カフェや土産物、スイーツ等の新店舗が開店している。谷中銀座商店街では開放的な商店街を目指し地域との連携や広域への対応に意欲的に取り組んでいる。プロの音楽家イベントでの地域小学生の共演、スタンプを集めた客のディナー会招待、ソーシャルメディアを使った情報発信、遠くからの来訪者向けの「谷中マップ」作りなど、地元、観光両方の客に満足してもらえる様々な取組みも推進している。
谷中には、可愛らしい猫が多いため、「猫のまち」をアピール。谷中銀座商店街に七福神ならぬ「七福猫」7匹を設置。ユーモラスな本物そっくりな木彫りの猫たちで、記念撮影の被写体となっている。
静岡県から来たという中年女性グループの一人は「ホッとする空間がたまらない。上野公園の博物館や美術館、音楽ホールにも近く、芸術文化も楽しめる」と楽しそうだった。ドイツ人グループの一人は「この通りをそぞろ歩くと日本の情緒と生活の両方を楽しめる」と言葉を弾ませた。中国・上海から来たという中国人女性は「日本の良さがこの狭い通りには詰まっており、ホッとする空間がある。店もとても小ぎれい」と感心することしきりだった。
こうした中、「谷根千」界隈で、不足しているのが宿泊施設。ところが大半の地域が住居地域に指定されているため大きなホテルや旅館がほとんどない。政府は、住宅に旅行者を有料で泊める民泊を全国で解禁する住宅宿泊事業法案(民泊新法案)をこのほど閣議決定、今国会での成立をめざしている。「谷根千」には空き家やマンションが多く「民泊特区」指定への期待が高まっている。また周囲の風情に溶け込む写真撮影施設へのニーズも高い。3階建て住居を改装した「谷中スタジオ」(台東区谷中)はその一つだ。(八牧浩行)
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