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東芝は3月14日、2016年4〜12月期決算発表を再延期。記者会見に登壇する綱川智社長 Photo:Bloomberg/gettyimages
東芝、全ての命運を他者に握られた究極の経営不在
http://diamond.jp/articles/-/121590
2017.3.17 週刊ダイヤモンド編集部
「破産法は選択肢」。東芝の綱川智社長は3月14日の記者会見で、米原子力子会社ウエスチングハウス(WH)のリスク遮断のため、米連邦破産法11条(チャプター11)の適用申請を検討していることを認めた。会見当日に配られた資料に記載はなかったが、記者の質問に追い込まれて回答した。
苦渋の表情の背景には、主力取引銀行の「早く申請した方がいい。状況はどんどん悪化する」(幹部)との意向がある。
2013年に建設を開始した米国の原発プロジェクト4基の工事の進捗率は30%程度で、現時点で19〜20年としている運転開始時期はさらに遅れる可能性が高い。電力会社と結んだ「固定価格契約」により、工事の遅れはそのままWHの追加損失に直結する構造だ。
このほかWHは中国でも原発4基を建設中で、当初運転開始予定の14〜15年はとうに過ぎており、すでに3年遅れている。複数の東芝関係者によると、この中国のプロジェクトも建設当初から収益性は悪化している。
チャプター11を申請すれば、裁判所によって債権回収や訴訟が停止されるため、現時点のWHの損失額である7125億円がさらに膨らむリスクを切り離すことができる。
一方で、東芝はWHに対して7934億円の親会社保証を行っており、米原発4基の建設の債務を負うことになるが、すでに東芝内部では「リスク遮断」を求める主力行に追い込まれるように、チャプター11の適用を支持する声が強まっている。
だが、「米国で雇用重視を訴えるトランプ大統領がWHの破産法をどう考えるか全く読み切れない」(東芝幹部)。さらに米政府は原発2基を対象に83億ドルの債務保証を行っているためチャプター11適用で米国民の負担が発生する恐れもあり、東芝は自らの意思だけで判断できない。
■米会計士にも翻弄
WHのリスク遮断に答えが見えないまま迎えた会見当日、東芝は16年4〜12月決算の発表を再度延期した。
WH幹部による内部統制上の問題の疑いが続いているためだが、関係者によると、今回の7125億円の損失額がゆがめられた事実はなかった。だが、WHの監査を担当する米プライス ウォーターハウスクーパースが調査範囲の拡大を強く主張し、再度の決算延期に追い込まれた。
「米国の会計士は慎重になり過ぎている」(東芝幹部)との声も漏れるが、東京証券取引所は3月15日付で東芝を上場廃止の恐れがある監理銘柄に指定した。
もはやWH問題だけでなく、その損失をカバーするための半導体の売却も銀行の監視下にある。「全てが他人に命運を握られている。東芝に意思決定できる力はない」。ある東芝幹部が漏らした本音が東芝の窮状を表す。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 村井令二)
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