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「財政政策シフト」が新トレンドを読み解くキーワード おつかれさま禁止 高齢者人材のキャリア通期利益上振−1億総活躍も追風
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投稿者 軽毛 日時 2017 年 3 月 13 日 11:44:50: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

【第15回】 2017年3月13日
「財政政策シフト」が新トレンドを読み解くキーワード

村上尚己
トランポノミクスや新生アベノミクスが向かおうとしている方向性は、かなり似通ってきている。これを読み解くキーワードは「財政政策シフト」だ。「トランプ相場」の到来を的中させた外資系金融マーケット・ストラテジストの村上尚己氏の最新刊『日本経済はなぜ最高の時代を迎えるのか?』から一部をご紹介しよう。
「財政政策シフト」がはじまった!
トランポノミクスは、レーガノミクスよりはむしろアベノミクスとの共通点が多いことを前回に指摘した。どちらも長引く不況からの脱却を目指し、従来の金融政策に加えて財政政策による後押しを重視している。この政策によって日米がともに結果を出していけば、世界各国のポリシーメーカーたちにも大きな影響を与え、経済政策のスタンスが大きく変わっていく可能性がある。

いま振り返れば、世界各国が抑制的な財政政策をとるようになったきっかけは、2010年にはじまった欧州債務危機である。発端は、ギリシャ政府が財政赤字の数字を過小に公表していたことが判明し、同国財政に対する懸念が浮上したことだった。これ以来、他の欧州諸国の財政状況についても市場の疑念が高まり、深刻な不況が連鎖した。
この危機の原因は、各国の放漫財政にあったかのように言われているが、根本的にはユーロという通貨システムそれ自体に内在する構造問題があったことを、メディアは十分に強調していない。いずれにしろ、ユーロ通貨圏の各国は大幅な需給ギャップを抱えていたため、徹底した金融緩和と財政政策による成長押し上げが必要な局面であったことはたしかだ。
しかし、2011年に入ってからイタリアやスペインなどの南欧諸国で大幅な金利上昇が起こると、世界各国の財政当局を中心に「拡張的な財政政策は持続不可能だ。愚策である」との論調が強まっていった。


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イタリアとスペインの国債金利


欧州債務危機ではじまった
「緊縮病」の猛威

米国では議会を制する共和党の意向で均衡財政主義が重視されてきたし、英国ではキャメロン政権が増税を断行した(なお、2016年に「EU離脱の国民投票」を仕掛けたキャメロンが敗北を喫した遠因は、こうした緊縮財政の採用にある)。ユーロ圏では、ドイツが主導するかたちで、強烈な歳出抑制が南欧諸国に課された。
国際政治経済学者のマーク・ブライスは、財政健全化などを至上命題に掲げる経済思想を緊縮病と命名し、その害悪の歴史を振り返り論じている。

この緊縮病の猛威は日本にまで及んだ。2009年に政権を奪取した民主党政権は、当初は「子ども手当」や「高校授業料無償化」などの財政支出を一時的に増やしていたが、欧州債務危機がはじまると、菅直人首相は選挙公約に反する格好で、消費増税などの緊縮財政政策へと急速に方向転換したのである。

ところが、緊縮的な財政政策をとっても、そもそもの問題である欧州債務危機はまったく収まる気配を見せなかった。繰り返しになるが、問題の本質が財政ではない以上、当然と言えば当然である。南欧諸国の国債金利が上昇した本当の理由は、各国の財政状況にはない。各国に「ユーロからの離脱を余儀なくされるのではないか」という懸念があったからだ。
ユーロ圏の財政当局はなんら解決策を示せないままに、いたずらに時間だけが過ぎていった。最終的には2012年半ば、ECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁が「あらゆる手段をとる」と発言し、ECBが南欧諸国の国債を買い支えたことで、欧州債務危機によって跳ね上がったイタリア・スペインの国債金利もようやく落ち着きを見せたのである。
「緊縮財政の弊害」が明らかになってきた

こうした一連の流れのなかで、IMF(国際通貨基金)などでも「南欧諸国に緊縮的な財政政策を課したことは誤りだったのではないか」といったことが議論されるようになり、少しずつこれまでの過ちが認識されていった。
財政改善を目的として2010年に増税を先行させた英国では、成長率が落ち込んで税収が伸び悩んだ結果、かえって財政収支の改善に時間がかかった。米国でもオバマ政権による増税策がとられていたが、日銀やECBよりもはるかに強力な金融緩和をFRBが主導していたため、税収が著しく増えて財政収支は大きく改善した。ただし、その米国にあっても、経済成長率が十分に高まることはなかった。

この結果、「低成長下での抑制的な財政政策をとるのは誤りだ」という認識がかなり浸透し、拡張的な財政政策への再評価がはじまることになったのである。たとえば、米国財務長官やハーバード大学学長を務めた経済学者ローレンス・サマーズが2013年のIMF年次会議で語った「先進諸国が長期停滞(Secular Stagnation)に陥っている」という言葉も、そうした文脈のなかで理解する必要があるだろう。

一方、日本の経済メディアは、経済学の世界的権威によるこの発言に飛びつき、日本経済の低迷状態に「お墨付き」を得たかのような報道をしていた。挙げ句の果てには、さらに、「こうした閉塞状況は世界的なトレンドであり、『日本化現象』である」などの解説も見られる。ただ、20年以上もデフレが続いているのは日本だけであり、その異常さを軽視したこうした評価に、私は首をかしげざるを得ない。

サマーズが長期停滞論を唱えていたのは事実だが、一方で彼が同時に論じていたのは、「その仮説が正しいとすれば、この状況を放置せず、必要な政策を行うべきだ」ということにほかならない。つまり、サマーズの長期停滞論は、単なる現状追認などではないのである。

「金融政策+財政政策」が
世界的なトレンドに

実際、サマーズは「実質均衡金利(労働市場などの経済資源が十分使われるような経済の均衡状態をもたらす金利水準)が大幅なマイナスとなっているなら、金融緩和だけでは景気刺激効果は限られる以上、総需要を直接増やす財政政策などが必要になる」という具体的な政策提言をしていた。
これ以来、従来の金融緩和策に拡張的な財政政策を組み合わせる必要性が、欧米で盛んに議論されるようになったのは事実である。ポール・クルーグマンやジョセフ・スティグリッツといったノーベル賞経済学者も、財政政策による景気拡大を訴えていたし、英金融サービス機構(FSA)の元長官であるアデア・ターナーに至っては、中央銀行が保有する国債を永久債化(償還期限の定めがない債券に変更すること)するヘリコプターマネー政策の提言にまで踏み込んでいる。
こうした政策トレンドのなかで、2016年に日本では、消費増税を見送った安倍政権が拡張的な財政政策を打ち出し、米国では、大型減税や公共投資を掲げるトランプ大統領が誕生した。世界的な経済停滞をもたらした緊縮病を日米両国がいち早く克服し、財政政策の世界的な新潮流をつくっていく日はすぐそこまで来ているのではないだろうか?そのなかでトランポノミクスと新生アベノミクスは、大きな役割を果たしていくことになるだろう。

[通説]「欧州債務危機での教訓。放漫財政は経済崩壊への道」
【真相】否。さらば「緊縮病」。日米主導の財政政策シフト。

村上尚己(むらかみ・なおき)

アライアンス・バーンスタイン株式会社 マーケット・ストラテジスト。1971年生まれ、仙台市で育つ。1994年、東京大学経済学部を卒業後、第一生命保険に入社。その後、日本経済研究センターに出向し、エコノミストとしてのキャリアを歩みはじめる。第一生命経済研究所、BNPパリバ証券を経て、2003年よりゴールドマン・サックス証券シニア・エコノミスト。2008年よりマネックス証券チーフ・エコノミストとして活躍したのち、2014年より現職。独自の計量モデルを駆使した経済予測分析に基づき、投資家の視点で財政金融政策・金融市場の分析を行っている。
著書に『日本人はなぜ貧乏になったか?』(KADOKAWA)、『「円安大転換」後の日本経済』(光文社新書)などがあるほか、共著に『アベノミクスは進化する―金融岩石理論を問う』(中央経済社)がある。
DIAMOND,Inc. All Rights Reserved.

http://diamond.jp/articles/-/116555

 
高齢者人材のキャリア:通期利益上振れへ−「1億総活躍」も追い風
鷺池秀樹、Yuko Takeo
2017年3月13日 08:40 JST

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ゾンビ企業がデフレ脱却の足かせに、ロードマップなきアベノミクス

高齢者向け人材ビジネスなどを手掛けるキャリアの業績が好調だ。政府が掲げた「1億総活躍」などが追い風となり、売り上げの6割超を占める看護師や介護士などを派遣するシニアケア事業の収益が期初計画を上回って推移、また高齢者人材の派遣などを行うシニアワーク事業も順調に拡大している。
  溝部正太社長は7日、都内の本社でのインタビューで、今期は増収率20%と見込んでいたシニアケア事業が2月までの「5カ月間は24%伸びた」と説明。2017年9月期営業利益は計画を上回る公算が大きい。期初発表の通期計画では、単独売上高を前期比24%増の92億700万円、営業利益を同30%増の5億4200万円と最高益更新を見込んでいた。


キャリアの溝部正太社長 Source: Career Co. Ltd.
  介護現場での慢性的な人手不足を背景に求人は高止まっており、スタッフ登録があればすぐに派遣先が見つかる状態だ。同社は有資格でありながら現在無職の元介護士などを現場に戻すことに注力、今期は地方を中心に想定以上のスタッフ登録があったもよう。いままでは就職誌などを通じた応募が多かったが、最近は「口コミで弊社が提案する新たな働き方」を知り、ネットを通じた応募が増えたという。
  もう1つの収益の柱であるシニアワーク事業では、従来の主力であるコールセンターのバックアップ業務などはもとより、建設現場への有資格者の紹介など技術職系も実績を積み上げている。溝部社長によると、安倍晋三首相の「1億総活躍」という政策目標の提示などで事業環境は大きく改善。企業トップの間ではシニアの活用が大きなテーマになっており、「当社に対する期待値は想像以上に高い」と熱を込める。
  エース経済研究所の石飛益徳アナリストは、シニアケア事業では「派遣先へのコンサルティングでスタッフが働きやすい環境」を作れる点が長所と分析。またシニアワーク事業については、「高齢者が請け負える業務を発見して、高齢の求職者と企業をマッチングしていくところが同社の強み。若い人向けの派遣や短期雇用だけをやってきた人材業者ではキャッチアップしにくく、この先行者メリットは当分の間享受できるだろう」とみている。通期業績計画については上期決算時に上方修正するだろうと予想した。
  矢野経済研究所が16年11月にまとめた日本の15年度人材派遣業市場は前年度比5%増の4兆1020億円だった。キャリアでは人口高齢化で今後はシニア比率が高まり、成長余地は大きいとみている。立花証券の入沢健アナリストによると、リクルートホールディングスなどの人材ビジネス大手もシニア人材の派遣に取り組んでいるものの、目立つほどの成果は上げていないという。「高齢者の活用は難しく、キャリアのような企業は独特」と評価する。
  キャリアは2009年、民主党政権下で創業した。当時は派遣ビジネスそのものへの風当たりが強かったうえ、特に「シニア雇用に対して非常にネガティブだった」と溝部社長は振り返る。最近では事業環境は大きく変わり、大企業からシニア層の雇用を創造し、消費などを通じて地域を再生しようと共同プロジェクトの打診を受けることも多い。溝部氏はこうした提携により、単純な人材派遣業ではなく、「シニアサービスの会社」になっていく可能性が高いとの将来ビジョンを語った。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-03-12/OMHDRR6JTSE901

 

 
【第3回】 2017年3月13日 新 将命
「おつかれさま」禁止令で
職場のムードを変えよ

経営者が会社の「空気」をつくり、社員の質を高める
勝ち残る企業を創る鍵は「黄金のループ」にある。黄金のループとは、(1)「経営者品質」、(2)「社員品質」、(3)「商品・サービス品質」、(4)「顧客・社会満足品質」、(5)「業績品質」、(6)「株主満足品質」であり、この6つの要素がステップを踏んで循環しているという。その起点となる「経営者」がよくなれば、黄金のループの2番目、社員の質は必然的に高まる。

ダイヤモンドはダイヤモンドにより磨かれ、
人は人により磨かれる

 人間力(マインド)形成は、余人から強い影響を受ける。硬度の高いダイヤモンドは、さらに硬度の高いダイヤモンドでしか磨けない。人は自分を磨こうと思ったら、自分より優れた人との触れ合いが決定的な効果をもたらす。社員がダイヤモンドの原石であれば、社員は、経営者という硬度の高い一級品のダイヤモンドによってしか磨けないのだ。

 社員は、経営者とのわずかな触れ合いからでも大きな影響を受ける。触れ合いは、広義の教育機会と言い換えてもよい。薫陶を受ける場である。経営者の社員に対する教育機会とは、一つきわめて端的な例を挙げるならばあいさつである。

 経営者が、ひと言短い言葉をかけるだけでも、職場のムードをがらりと変えることができる。私は、現役の経営者時代、社内で交わされる「おつかれさま」というあいさつをご法度にして「お元気さま」に変えたことがある。

 同じ会社の人間が昼に会ったとき、「おつかれさま」をあいさつにしている会社は多い。また、社員どうしのメールのやりとりの際、冒頭のあいさつは「おつかれさまです」とせよと指南するビジネスマナー本もある。これはバカな話だ。会うたび、メールを交わすたびに「おつかれさま」では、疲れてもいない自分たちを、疲れたと暗示にかけてしまう。これでは溌剌とした職場にならない。

 そこで私は「おつかれさま」を社長命令(?)で「お元気さま」に改め、率先して「お元気さま」と声をかけ続けたのである。言霊というが、言葉には霊がこもっている。おつかれさまで意気消沈気味になっていた社員は、自らお元気さまと声を出すことで自然に活気づいてきた。あいさつによって、社員品質(マインド)にひと磨きをかけたのである。

 ミーティングも教育機会として大いに活用した。私は、何社かで社長を務めたが、社長に就任したときには、必ず「何でも話そう会」を開催した。「話そう会」とは、社員全員がいくつかのチームに分かれ、毎月定期的に時間を決めて行うフリートーキングの会である。目的はスピークアウト(率直に物をいう)の習慣づくりであった。

 率直に物がいえる場というのは、同時に、だれの発言であっても、積極的に耳を傾ける場でもある。つまり、お互いがお互いの意見の違いを認め合うための訓練の場でもある。

 当然、経営者である私も、たとえ相手が新入社員であっても、社員の話に耳を傾ける積極的傾聴を心がけた。これらは経営者による「教えない教え方」である。

「モノとコトを叱って人を叱らず」

「教えない教え方」に対し、直接、社員に働きかける教育機会がある。それは、叱る、ほめるである。叱りの名人といえば、やはり松下電器(現パナソニック)の創業者、松下幸之助氏だろう。旧松下電器の幹部たちは、全員、幸之助氏に叱られることで成長していったといわれているし、本人たちからもそういう声を聞く。

 叱り方の極意は「叱られた人が、叱られる前よりもやる気が出てくる(マインドが上がる)叱り方」だ。叱られた人が、「然りごもっとも」と納得して意欲が出てくる叱り方が王道の叱り方である。叱り方の原則は、「モノとコトを叱って人を叱らず」だ。

「だからお前はダメなんだ!」、「何度言ったらわかるんだ。もう辞めてしまえ!」と人格を否定されては、叱られたほうは立つ瀬がない。救いがなく、意欲も自信も喪失させ、部下のやる気を奪う邪道の叱り方といえる。

 モノとコトを叱るとはやったコトや、やり方を叱る、決してやった人を叱るのではない。さらに一歩進んだ叱り方は、叱る前にまずよかった点を見つけてほめる、その後、コトを叱り、最後にひとつフォローを加える。これが王道の叱り方である。

 望ましい順番をつけると「注意する」「叱る」「怒る」「罵る」となる。「注意する」と「叱る」には、その基盤に愛情がある。対するに「怒る」「罵る」の根底にあるのは感情である。

 ほめるときには、部下の自信につながるほめかたを心がける。単に「よくやった」だけではなく、この点がよかったと具体的にどこがどうよかったのか明らかにすることで、成功が偶然でなく必然であったと実感させるほめ方も、自信を促す上で効果的である。
http://diamond.jp/articles/-/120738  

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