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GDP改定値と景気ウォッチャー調査
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52918501.html
2017年03月08日 在野のアナリスト
内閣府発表の10-12月期GDP改定値が、年率1.0%増から1.2%増に上方修正されました。設備投資が0.9%増から2.0%増へ、個人消費が微減から微増となり、内需の寄与度がプラス転換したことが大きい。一方で、市場予想は1.6%増だったため、市場はこの数字に落胆しています。個人消費の伸びが思ったほどでないこと、及び公共投資の落ち込みも大きい。外需の支えがないと、経済成長すら覚束ない中で、消費も公共投資も先行きは暗いものでしかなく、日本の独自要因で成長はまったく見通せません。
2月の景気ウォッチャー調査がでてきました。現状判断DIが前月比1.2pt減と、大幅なおちこみです。1月に大きく下がったサービス関連が持ち直しましたが、項目別にみても大幅な下落で、日本の景気が悪化している状況がうかがえます。それはトランプラリーが一巡した年明けから顕著であり、正月休みをすぎて我に返った、ということかもしれません。
先行き判断DIは、逆に前月比1.2pt増と、大幅な増加を見こむ。「何とか今の景気よりも3ヵ月後はよくなるように…」とのアンケートの回答にもあるように、今が悪いから雪が解ける頃には良くなっているはず、と信じたいのかもしれません。しかし中々そうした展望を抱けないような経済指標も散見されますし、市場の動きも鈍くなっています。
1月の経常収支は655億円の黒字ですが、前年同月比では89%も減少しています。貿易収支が前年同月と比べて2倍近い8534億円も赤字となり、経常収支を圧迫しました。しかしこれは原油高と円安が直撃した結果であり、安倍政権は二つの要因でインフレになった、と喜んでいるかもしれませんが、日本全体としてみれば悪材料でしかありません。
しかもこれは、最近の円の重さにもつながります。貿易赤字では、実需の円は外に向かい易い。つまり円高を志向しやすい。経常収支が辛うじて黒字なので、最終的には円安になるのですが、為替アナリストらは「円安になる」との予想を多く立てますが、貿易赤字が膨らめば、結局のところ円安への動きを抑えることになります。
そして株式も同様ですが、3月末は需給要因で株高、がこれまでのアノマリーです。しかし外国人投資家はすでにトランプラリーで3兆円以上の買い越しとなっており、これ以上は持分の比率からも買い難いのであって、需給要因としての買いは国内しかありません。しかし年金にしろ、この水準であれば昨年度末よりも2000円以上高く、昨年末と同水準、あえて買い上げるような要因は見当たりません。つまりアノマリーが今年おきる、その材料には極めて乏しい状況です。それでも短期スジなどが狙うかもしれませんが、よい売り場を与える公算も強いので、月末の最後の週ぐらいしか期待できないところです。
その理由は、米MMFの通貨取り組みをみても、対円で外国人投資家は売りも買いも減らしている。いくら米国で3月利上げの見方が大勢になっても、円安にすすまないのは、これ以上の円売りを仕掛けるだけの、インセンティブがないためです。もうトランプラリーで、ドルを買ってしまった、株も買ってしまった、現実が後追いしてきても、だからさらに買い増す、ということはしにくいのであり、これが上値を重くする要因なのです。
以前から指摘しているように、さらに日本は内需がボロボロなので、独自要因で上げる材料がない。海外経済の動向が業績にも大きく影響するなら、歴史的水準の高値で、上値の重い外国株と歩調を合わせてしまう。いくら日本は史上最高値はまだまだ先、といってもこれは仕方ありません。ドルベースでみると、安倍ノミクス始まって以来の高値水準にある日本株を、今以上に買う要素はないのです。
しかも安倍-黒田ラインはインフレにご執心で、それが日本経済にとって良いことか、という観点もなく、ただインフレになればいい、という姿勢ですから、政策も期待できなくなっています。そんな日本の状況を、インフレエンザと呼ぶ人もいる。インフレという熱病に冒され、体力を落としていく。何とかにつける薬がないように、安倍-黒田ラインにはつける薬もないので、日本が瀕死の状態になるまで適切な処置をされる見込みもない。そんな国には、誰も投資しようとは思えないのが現状なのでしょうね。
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