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日本の技能実習生が過酷な労働環境におかれる原因は?
人民網日本語版 2017年02月23日16:31
日本のテレビ東京は最近、日本にいる多くの中国人技能実習生が劣悪な労働環境に置かれ、きつい仕事をさせられ、最低賃金以下の報酬しかもらえないなど不当な扱いを受けており、耐えられずに逃げるケースが続発しているとする特集番組を放送した。同番組の放送により、日本の外国人技能実習制度に再び注目が集まり、技能実習生を雇っているブラック企業に対して、日本人からも批判の声が次々に寄せられている。多くの日本人は、「これは外国人に対する人権侵害で、日本のイメージが大きく崩れる」としている。(文:冀勇。法制晩報掲載)
日本の厚生労働省が1月27日に発表した統計によると、2016年10月の時点で、日本国内で働く外国人労働者が108万3769人となり、うち、外国人技能実習生が21万1108人となった。研修生のうち、最も多いのはベトナム人で、中国人は2番目。前年同期比25.4%の増加となった。労働者不足の問題に対応するべく、経済団体の要求を受けて、日本政府は16年11月に、外国人技能実習制度を大幅に拡充し、研修生制度の実行を規範化する「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」を公布し、さらに、「出入国管理及び難民認定法」の一部を改正して、実習期間が最長3年から5年に延長された。そのため、日本の技能実習生の数は今後も増加の一途をたどると予測される。しかし、外国人技能実習制度そのものに欠陥が存在し、技能実習生に対する不当な扱いは今後一層悪化するのではないかと懸念されている。
なぜ、上記のような悪質なケースが見られるようになってしまっているのだろう?その根本的な原因は、外国人技能実習制度は主に日本社会の労働人口不足を補うためのものになってしまっており、同制度制定当初の「発展途上国から来た技能実習生へ技能などの移転を図り、国際協力・国際貢献を行う」という趣旨とはかけ離れていることにある。
日本の現行の外国人技能実習制度は1993年から実施され、その前身である「技能研修制度」と共に、その主な目的は、諸外国の青壮年労働者に産業上の技能などを修得し、帰国後の能力発揮により、発展途上国に技術の移転を行い、国際貢献することとなっている。
同制度では、技能実習生は一定期間研修を受けた後、企業と契約を交わし、働きながら技能を学ぶことができるとしている。同制度が実施され始めた90年代は、確かに発展途上国の経済発展の担い手となる人材の育成をサポートしていた。しかし、21世紀に入った今日、同制度では、技能実習生を受け入れる業界が未だに農業関係、建設関係、繊維・衣服関係、機械・金属関係など、日本人が好まない労働密集型のきつい職業74職種に限定されているため、技能実習生は高い技能を学べないどころか、事実上、日本の労働者不足を補う人件費の安い労働者と化している。このように、同制度は当初の目的とはかけ離れ、技能実習生関連の保障制度や監督・管理のメカニズムも不健全な状態だ。
上記の問題が存在しているため、不当な扱いを受けたり、非常にきつい仕事をさせられたりして、技能実習生が逃げてしまうケースまで発生し、そのようなニュースが日本のテレビや新聞で頻繁に報道されている。厚生労働省が昨年8月に発表した調査データによると、調査対象となった技能実習生を雇っている日本の企業5173社のうち、7割に労働基準法や労働安全衛生法の違反があった。
日本メディアの報道を総合的に見ると、技能実習生が日本で受けている主な不当な扱いは、高額な仕事の紹介料を取られる、パスポートなどの身分証明証を没収されて自由を奪われる、強制的にきつい仕事に長時間従事させられる、仕事の環境が劣悪、ちゃんと給料がもらえない、医療保険などの保障がないなどだ。日本では15年だけで、技能実習生5803人が失踪し、そのほとんどが不当な扱いを受けたことが原因という。その人数は12年と比べて3倍も増えている。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年2月23日
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