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マッキンゼーが予測する未来
【第4回】 2017年2月21日 マッキンゼー・グローバル・インスティテュート,リチャード・ドッブス,ジェームズ・マニーカ,ジョナサン・ウーツェル,吉良直人
世界の人口成長率はすでにピークを過ぎた?
日本では、一足先に人口減少が実際のものとなっているが、世界の人々にとって、人口問題はまだ現実的な課題とは言えない。この未来の問題を長期的視点で世界一のコンサルティング・ファーム、マッキンゼーはどう見ているのか。マッキンゼー・アンド・カンパニーの経営および世界経済の研究所所属メンバーが発表する刺激的な超長期トレンド予測が詰まった書籍『マッキンゼーが予測する未来――近未来のビジネスは、4つの力に支配されている』のさまざまな分析テーマを抜粋して掲載する。
日本の最大の問題は
ロボットが解決してくれる?
?ロボットが床を掃除してくれることは、珍しいことではなくなった。日本では、ロボットが執事の仕事をこなし、介護を助け、心を癒す友人へと急速に進化している。WAM(腕全体のマニピュレーター)として知られるロボット技術のハードウエアを使い、コンピュータ知能と腕を組み合わせ、日本の奈良先端科学技術大学院大学とバレット・テクノロジー社の共同開発チームの研究者たちは、人間が上着、シャツ、パジャマなどを着たり、脱いだりするのを手伝ってくれるロボットを開発した。
?京都のATRクリエイティブ社と大阪のヴイストン社が設計・開発した(ロボビーR3)という人型ロボットは、まるで「スターウォーズ」の映画に出てくるR2−D2というロボットに命が吹き込まれたようだ。ロボビーR3は、ショッピングモールの中を最大時速1.5マイルで買い物客の横についてまわり、高齢客の手を引いて混雑した店内を案内してくれ、おまけに買い物かごを持ってくれる。しかも、くたびれたからお茶を飲んで休みたい、などとはけっして言わないのだ。
?東京を初めて訪れた外国人が、この国の首都は未来都市みたいだと口にするのは、別に珍しくない。豊田市でプリウスを生産する高効率の自動車工場と同様に、日本の工場ではロボット機器が、人間による労働力をすでに長年にわたり置き換えてきた。しかし、ロボビーR3などのロボット製品は、製造といった産業用途以外の目的で設計されている。具体的には、人口の年齢の中央値が46歳で、65歳以上人口が24%を占める、世界で最も高齢化の進んだ日本という国ならではの、今現実にある人間のニーズを満たすための設計なのだ。
?高齢化に加えて、移民の流入はきわめて少なく、低水準の出生率(女性が一生のうちに産む平均的な子供の数は1.4名)の結果、増加する日本の高齢人口の世話をする人の数が足りない現状があるからだ。
?豊田市の市長がある会合で記者団に、日本はこの人口問題にどう取り組んでいけばよいのでしょうか、と尋ねられたことがある。その答えは、「たぶん、ロボットが解決してくれるのではないでしょうか」という、少しがっかりさせるものであった。
?世界経済の分析家は、とかく成長期の若者の世界を描くことを好み、成人に育つのをただ待ちたがる。世界中のかなりの部分では、まさにそれが現実だ。パキスタンでは国民の年齢の中央値は22.6歳であり、人口の55%近くが25歳以下である。また、サハラ砂漠以南のアフリカでは人口の40%が15歳以下である。
?だから、あらゆる消費財メーカーやサービス業界の大企業も、今後増加する若い消費者の多い市場をどう攻略しようかと考えている。
?しかし、このことがコインの片面だとしたら、実はもう一つの面が存在し、それは今日世界中で明らかなことなのに、最も見過ごされているトレンドだ。第2次大戦後の何年かは、世界中の平均年齢が若くなるように見え、富める国も貧しい国も、ほぼどの国でも人口が増加した。予防接種の改善、幼児死亡率の低下、そして世界戦争による膨大な破壊の終息により好循環が生み出された。
?世界人口が増加し続けるにつれ、労働可能年齢層は歩調を合わせて増加し、経済成長を助長した。この人口統計学上の余剰は、大きな配当となって返ってきた。人が増えたことは、製品やサービス、住宅、学校の需要の増加につながり、それが雇用の増大と税収の増加を生み出した。しかも、技術進歩がこうした効果の増幅装置となり、増えた人口はそれまでより高い生産性で働くことができた。
?ところが今は、簡単に言ってしまえば、世界中の人口が老齢化している。こうした展開になることはかなり前からわかってはいたのだが、長期予測がまさに現実のものとなろうとしている。
?多くの大規模高度先進経済諸国、そして世界最大の新興国経済である中国でも、国民の寿命は長くなる一方で、人口1人当たりの子供の数は少なくなっている。ベビーブーム世代は高齢層に加わろうとしており、徐々に引退生活に入っている。その一方で出生率は急激に低下している。
?こうした複数のトレンドが組み合わさった結果、世界人口はもうすぐ転換点を迎えようとしている。今後何十年かのうちのどこかで、アフリカを唯一の例外として、世界中の大多数の国の人口カーブが、近代史の流れにおいて初めて横ばいになる。
?世界中で幅広い年齢帯は高齢人口となり、労働人口も高齢化し、政府の社会保障費用が膨らんでいくのである。この人口動態予測の点で、人口がすでに減り始めている日本は、今後変わっていく世界の姿を、先行して実際に見せてくれると言えるだろう。
?こうした数々の変化の方向を理解すれば、私たちがこれまで経験から導いてきた直観をリセットしなければならないことがわかるだろう。とくに老人について持っている考え方を変えなければならない。
?だが老人を、消費者として、顧客として、社員として、そして今後の世界の利害関係者であるステークホルダーとして、どう考えるべきなのだろう。
世界人口の成長率は
急速に低下する
?世界各国の歴史を振り返ると、国が豊かになるにつれ出生率が低下する傾向がうかがえる。経済が発展すると国民が出産制限をするようになる。女性には選択の幅が広がり、親たちも経済的な理由から子供を必要以上に産もうとしなくなり、幼児死亡率のリスクに対する備えとしていた過去のようには、大勢の子供を持とうとはしなくなる傾向がある。
?その結果、国が豊かであればあるほど、女性が一生のうちに産む子供の数は少なくなるのが普通だ。合計特殊出生率(全女性が出産可能年齢の終了まで生存すると仮定した場合の、女性が一生のうちに産む子供の平均数)は、たとえばドイツの場合1.4だが、ニジェール、ソマリア、マリなどの国では6を超える。
?最近の研究では、高所得の国であっても、特に移民の受け入れが多い国では、出生率低下のトレンドを限定的に逆転できることが示されている。たとえば、イギリスでは出生率は1.96ある。他の先進国でも、育児支援や育児期の親の継続勤務支援などの施策を実施すれば限定的な逆転は可能かもしれないが、出生率の低下という長期的トレンドを反転する可能性は少ない。
?30年前には出生率が当時の世代交代を保ち、人口維持に必要な出生率よりも著しく低い国はほんの数えるほどしかなく、そうした国の人口を合計しても、世界人口中わずかな比率にしかならなかった。当時の人口維持出産数は、先進国で女性1人当たり2.1人、発展途上国では2.5人であった。
?高い出生率で人口増加の大半をけん引したのは開発途上国であり、1970年の統計では女性1人当たりの出産数は、メキシコとサウジアラビアでは実に7人であり、それにインド、ブラジル、インドネシアが5人と続いていた。
?低い出生率を抱える多くの先進国では、移民の流入が人口増を生んでいた。1960年代から2012年の間に、総人口に占める移民の子弟の比率は、イギリスで4倍に増加し(3%から12%に)、アメリカでは倍以上に(6%から14%に)、そしてカナダとフランスでは1.5倍に増加した。
?しかしながら、世界的な繁栄の広がりのおかげで、出生率が人口維持水準を下まわる国々の総人口は、2014年までに世界人口のおよそ60%を占めるようになっていた。
?この中には大多数の先進経済諸国が含まれ、それと同時に中国(1.5)、ブラジル(1.8)、ロシア(1.6)、ベトナム(1.8)といった、いくつかの巨大開発途上国も含まれている。
?人口増加の要因である移住者ネット数(国内への流入移民数から国外への流出移民数を引いた数)も、経済規模順位の上位19カ国中、18の国で減少するものと考えられている(唯一の例外がメキシコである)
?2006年に公開された、アルフォンソ・キュアロン監督の反ユートピア的未来を描いた“Children of Men”という映画(邦題『トゥモロー・ワールド』)では、子供の出産は非常に稀な事件となり、奇跡とさえ呼ばれている。現状はそこまで行ってはいないが、ほとんどすべてのヨーロッパ諸国では、出生率は人口維持水準より低い。EU諸国全体を通じて、2040年まではなんとか現在よりも5%人口が増えはするものの、その後減少に転じると予想されている。
?EUの中でも人口増加率が目立って低かったドイツでは(2014年の出生率は1.4)、欧州委員会の予測では、2060年までに今よりも人口が19%減少すると信じられている。
?その結果、2010年には5400万人だったドイツの労働年齢人口は、3600万人になると予想される。
?ドイツはこれまで、ロシア、トルコ、アフリカなど国外からの移民を吸引することで、人口減を目立たなくしてきた。しかし、新たな移民を引き付けられるドイツのような強い経済力や文化的要素を、すべての国が持ち合わせているわけではない。
?出生率の低い多くのヨーロッパ諸国では、外国に成功の機会を求めようと考える若者が増え、大規模な頭脳流出に悩んでいる。ヨーロッパの中でも、バルト海および黒海周辺地域では、人口減少がすでに始まっており、今後何十年かの間にゴーストタウンの集合になりかねない。ブルガリアの人口は2060年までに27%減少すると予想されており、ラトビア、リトアニア、ルーマニアの人口も同程度減少する可能性がある。
?こうしたトレンドの例外がイギリスであり、2060年までにはドイツに追いつき、仮にEUを離脱していなければ、EUで最大の人口を持つ国となっているのかもしれない。これは、祖先がイギリスへの移民であった世帯の出生率が高いことと、今日の比較的高水準な移民の流入のおかげである。
?だが、これはヨーロッパ特有の現象ではない。世界中で人口増の期間が終わり、ピークはもう過ぎたと判断せざるをえなくなる可能性は、アフリカを除きどの大陸にもある。
?1964年から2012年の間の世界人口の年平均成長率は1.4%であったが、今後50年間には年平均0.25%に低下する可能性があり、このトレンドは世界経済と政治に深刻な影響をもたらすだろう。
『マッキンゼーが予測する未来』より
http://diamond.jp/articles/-/118581
経済は地理から学べ!
【第4回】 2017年2月21日 宮路秀作 [代々木ゼミナール・Y‐SAPIX東大館地理講師]
地球の人口は160億人まで増える!?教養としての「人口論」
「経済×地理」で、ニュースの“本質”が見えてくる!仕事に効く「教養としての地理」
地理とは、農業や工業、貿易、交通、人口、宗教、言語にいたるまで、現代世界の「ありとあらゆる分野」を学ぶ学問です。
地理なくして、経済を語ることはできません。
最新刊『経済は地理から学べ!』の著者、宮路秀作氏に語ってもらいます。
人口を決める「2つの要素」とは?
「可容(かよう)人口」という言葉を知っていますか?これは、地球上における収容可能な人口数のことです。転じて、「ある地域における収容可能な人口数」として使われることがあります。
?ドイツの地理学者、A・ペンクは「ペンクの公式」と呼ばれる計算式を考案し、地球上に収容可能な人口を約160億人と算出しました。こうした「想定」はいつの時代にもあるもので、その時代の最先端の研究を利用して未来を読むものです。
?ところで、「ある地域における収容可能な人口数」は、どういった要素で決まるのでしょうか?
?それは就業機会と食料供給量です。
?就業機会や食料供給量が多ければ、可容人口は多くなります。就業機会が多ければ、多くの人が仕事を求めてそこに定住しますし、仕事がなくなれば、別の地域に仕事を求めます。
食料供給量が人口を決めていた
?現代世界において、基本的に食料供給の心配をする必要はありません。しかし、人類の長い歴史を振り返ると、その99%は獲得経済期でした。
?獲得経済とは、食料を自然界から獲得して供給することです。当然、毎日安定して食料が手に入るわけではありません。増えゆく人口を支えるだけの食料供給量が得られず、人口はさほど増えませんでした。
?しかし、約1万年前の最終氷期の終了によって地球が温暖化し、メソポタミア地方を中心とした西アジアで小麦の生産が始まると、瞬く間に人口が増え始めました。
?西アジアは、モンスーンの通り道とはならないため、年降水量が極端に少ない乾燥アジアの一地域です。ティグリス川、ユーフラテス川といった外来河川(砂漠を貫流して海まで流れる、流量が豊富な河川)のおかげで、灌漑が可能となり、農耕も可能となりました。
?その結果、人口が増え、文字が生まれ、文化が形成されていったのです。
?メソポタミア文明は、一次的中心地でした。ここから二次的中心地が作られます。エジプト文明やインダス文明です。メソポタミア文明からの物理距離が小さいこと、外来河川の存在(エジプト文明はナイル川、インダス文明はインダス川)などが背景にあります。
?農業の始まりによって、世界の人口は徐々に増え始め、それまで500万人ほどしかいなかった地球上の人口は、西暦元年には2億5000万人に増加したといわれています。
http://diamond.jp/articles/-/118615
世界の平均寿命、2030年には90歳超えも=国際調査
[ロンドン 21日 ロイター] - 世界の多くの国で、2030年までに平均寿命が延びる見通しであることが分かった。一部には90歳を超える所もあり、国レベルの対策が必要になるとみられている。
英インペリアル・カレッジ・ロンドンの科学者らが主導し、世界保健機関(WHO)などと協力して実施した大規模な国際調査で明らかになった。
最も平均寿命が長くなるのは韓国で、2030年生まれの女性の平均寿命は90.8歳、男性は84.1歳となる見通し。調査は原因として、幼年期の栄養状態が良いこと、低い喫煙率、医療へのアクセスの良さ、新しい医療の知識と技術などを挙げた。
一方、高所得国中、米国の平均寿命は最も短く、男性が79.5歳、女性が83.3歳という。これは、クロアチアやメキシコなど中所得国と同水準。調査は原因として、米国では国民誰でもが受けられる医療がないことに加え、母子死亡率が比較的高いほか、殺人や肥満の発生率が高いことなどを挙げた。
欧州では、フランス人女性の平均寿命が88.6歳、スイス人男性が約84歳と、最も長いとみられている。
調査は、米国、カナダ、英国、ドイツ、オーストラリア、ポーランド、メキシコ、チェコなど開発国と途上国合わせて35カ国を対象に実施。結果は医学誌ランセットに掲載された。
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http://jp.reuters.com/article/expectancy-idJPKBN1610P0
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