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平等に貧しくなろう
社会学者・東京大名誉教授 上野千鶴子さん
日本は今、転機だと思います。最大の要因は人口構造の変化です。安倍(晋三)さんは人口一億人規模の維持、希望出生率一・八の実現を言いますが、社会学的にみるとあらゆるエビデンス(証拠)がそれは不可能と告げています。
上野千鶴子さん
写真
人口を維持する方法は二つあります。一つは自然増で、もう一つは社会増。自然増はもう見込めません。泣いてもわめいても子どもは増えません。人口を維持するには社会増しかない、つまり移民の受け入れです。
日本はこの先どうするのか。移民を入れて活力ある社会をつくる一方、社会的不公正と抑圧と治安悪化に苦しむ国にするのか、難民を含めて外国人に門戸を閉ざし、このままゆっくり衰退していくのか。どちらかを選ぶ分岐点に立たされています。
移民政策について言うと、私は客観的に無理、主観的にはやめた方がいいと思っています。
客観的には、日本は労働開国にかじを切ろうとしたさなかに世界的な排外主義の波にぶつかってしまった。大量の移民の受け入れなど不可能です。
主観的な観測としては、移民は日本にとってツケが大き過ぎる。トランプ米大統領は「アメリカ・ファースト」と言いましたが、日本は「ニッポン・オンリー」の国。単一民族神話が信じられてきた。日本人は多文化共生に耐えられないでしょう。
だとしたら、日本は人口減少と衰退を引き受けるべきです。平和に衰退していく社会のモデルになればいい。一億人維持とか、国内総生産(GDP)六百兆円とかの妄想は捨てて、現実に向き合う。ただ、上り坂より下り坂は難しい。どう犠牲者を出さずに軟着陸するか。日本の場合、みんな平等に、緩やかに貧しくなっていけばいい。国民負担率を増やし、再分配機能を強化する。つまり社会民主主義的な方向です。ところが、日本には本当の社会民主政党がない。
日本の希望はNPOなどの「協」セクターにあると思っています。NPOはさまざまな分野で問題解決の事業モデルをつくってきました。私は「制度を動かすのは人」が持論ですが、人材が育ってきています。
「国のかたち」を問う憲法改正論議についても、私はあまり心配していない。国会前のデモを通じて立憲主義の理解が広がりました。日本の市民社会はそれだけの厚みを持ってきています。
(聞き手・大森雅弥)
<うえの・ちづこ> 1948年、富山県生まれ。認定NPO法人「ウィメンズ アクション ネットワーク」理事長。『ケアの社会学』『おひとりさまの老後』など著書多数。近著は『時局発言!』(WAVE出版)。
http://www.chunichi.co.jp/article/feature/hiroba/list/CK2017021102000006.html
上野千鶴子「みんなで貧しく」が物議 「バブルを満喫してきた世代が何言ってるの?」
「みんな平等に、緩やかに貧しくなっていけばいい」――衰退する日本社会への対処法を語った上野千鶴子さん(68)の言葉が物議を醸している。
この発言が掲載されたのは、中日新聞の「この国のかたち 3人の論者に聞く」(2月11日)。 ダースレイダーさん(ラッパー)、デービッド・アトキンソンさん(小西美術工藝社社長)と並んで登場した上野さんは、人口が減少し続ける日本社会への処方箋を語った。
「泣いてもわめいても子どもは増えません」
上野さんは、日本はいま転機を迎えているという。人口の減少を止めることができないからだ。安倍晋三首相は、「人口一億人規模の維持」などを目標にしているが、上野さんは「泣いてもわめいても子どもは増えません」と一刀両断。
人口の自然増が望めない以上、人口を増やすためには移民を受け入れるしかない。そのため日本社会は「移民を入れて活力ある社会をつくる一方、社会的不公正と抑圧と治安悪化に苦しむ国にするのか、難民を含めて外国人に門戸を閉ざし、このままゆっくり衰退していくのか。どちらかを選ぶ分岐点に立たされている」という。
しかし上野さんは移民を受け入れることは無理だという。なぜなら「世界的な排外主義の波にぶつかった」からであり、「日本人は多文化共生に耐えられない」からだ。
「だとしたら、日本は人口減少と衰退を引き受けるべきです。平和に衰退していく社会のモデルになればいい。(中略)日本の場合、みんな平等に、緩やかに貧しくなっていけばいい。国民負担率を増やし、再分配機能を強化する。つまり社会民主主義的な方向です」
ただし、「日本には本当の社会民主政党がない」ため、「NPOなどの『協』セクター」にこそ希望があるという。
「こちらの世代は生まれてこのかたずっと貧しくなってんじゃい」
上野さんのこの発言に対しては、反論が相次いだ。編集者の中川淳一郎さんは、次のようなツイートを投稿した。
「上野千鶴子の『平等に貧しくなろう』(中日新聞・東京新聞)には大いに意義を呈したい。理由は、『平等に豊かになるべく努力しようぜ』だからだ。なんで全員揃って貧しくならなくちゃいけねぇんだよ。努力や工夫をして豊かになってもいいだろ、オラ、と昨日の東京新聞を読んで思った次第でございます」
「みんなで貧しくなっていけばいい」語っていた上野さんに対して、「平等に豊かになろう」というのが中川さんの主張だ。
「みんなで貧しく」と言いながらも、上野さん自身は、医者の娘で東大名誉教授。自分が恵まれているのに「みんなで貧しく」は矛盾ではないのかと感じる人も多かった。
さらに、今の中高年は、戦後日本が成長していく過程で豊かさを享受してきた世代でもある。1990年代以降に社会に出て安月給と長時間労働に苦しんできた世代からすると、そんな世代にどうこう言われたくないだろう。
「高度成長もバブルも満喫した世代が自己満足で『平等に貧しくなろう』とか言ってんじゃねーよ。こちらの世代は生まれてこのかたずっと貧しくなってんじゃい。寝言は寝て言え。」
移民に関する考え方についても批判が相次いだ。政治学者の五野井郁夫さんは、「下らねえこと言う前に川崎見て頭下げてこいよ」と強い口調で批判。上野さんは「日本人は多文化共生に耐えられない」というが、外国人が多いことで知られる川崎などではすでに多文化共生が進んでいるということが言いたいのだろう。
「みんな平等に、緩やかに貧しくなっていけばいい」と上野さんは言うが、日本全体が衰退していくとき、そのしわ寄せが貧困層に偏ってしまう恐れはないのだろうか。記事では「国民負担率を増やし、再分配機能を強化する」と語っていたが、そう簡単に実現できるわけではない。中川さんの言うように「平等に豊かに」なれれば一番よいのだが……
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水口洋介2017年02月13日 02:07平等に貧乏になる日本
上野千鶴子氏の中日新聞の意見に思う
上野千鶴子氏の意見が物議を醸しているようだ。
東京新聞でこの意見を読んだが、わたしの見方と半分は一致している。この上野千鶴子氏の事実としての予測(少子化・人口減少はもはやとめられないということ、移民を日本に大量に受けいれたときに社会的混乱が生じるということ)は現状での事実予測としては当然でしょう。
少子化は、もはやどうしても止めることはできない。仮に、今の30歳以下の女性が明日全員子供を産んでも、日本の人口減少はとめられないそうだ。その理由は、もはやその年代の女性の数が劇的に減少しているから。
ちなみに、結婚した夫婦は現在でも平均すれば、基本的に2人弱の子供を産んでいるそうです。少子化・人口減少の原因はマクロ的に見れば、結婚した夫婦が子供をつくらなくなっているのではなく、若い男女の晩婚化であり、もっといえば非婚化(法律婚であろうと、事実婚であろうと関係なく子供を産むというカップルにならない)という事実であることが、統計分析が教えるところだそうです。だから、保育園をつくっても少子化が解決するわけでないことも厳然とした事実だそうだ。
保育園は、少子化対策ではなく、女性の社会進出を図るための重要な施策です。人口減少社会では、女性が働くことは、女性の自己実現だけではなく、社会的にも必要不可欠なのですから。
結局、日本の少子化・人口減少は不可避で、その結果、近い将来、日本の国民経済、国家財政と社会保障システム(年金等)は破綻することが避けられない現実なのだそうです。(じゃあどうすれば良いか?・・・、私にはわかりません。)
このような日本経済が下降線をたどるときに、大量の移民を入れれば、外国人・移民と職をめぐって競争となり、そうなれば日本人お得意の「右ばね」が働き、日本社会での「人種差別」が横行し、欧州のような「右翼民族主義勢力」が台頭することは不可避でしょう。
もちろん、これとたたかうリベラル派や社会民主主義勢力も必ずいますが、これがけっして日本では多数派にならないことは、明治維新以後の現代までの歴史を見れば明らかです。
今後、今の若い日本人が、自由と平等、平和と民主主義を愛して、外国人に対する人種差別を憎み、右翼とたたかう自立した「市民」に変貌するなんてことはありえないでしょう。逆に右翼の先頭にたちそうだし。
このあたりまで、まったく上野千鶴子氏と同じ予想。違うのは、そのあとです。
「政府」と「経営者層」は、必ず、外国人移民を大量に日本にいれるでしょう。そうしなければ、国力と経済力を維持できないからです。国内に排外主義がはびこっても、国力(財政)と経済(儲け)を維持するために外国人や外資導入は必須です。そのため、右翼民族主義が発生しても、それを利用して政権を奪取し、維持しようとする政治勢力(政治家)が日本の主流となるでしょう。そして、治安維持のため警察権力を強化し(盗聴と共謀罪のセット)、大量の移民と外資導入を活用して国力と経済を維持するということに必ずなると思います。でもって、憲法改正という結果になりなねない。
みんなそろって政策的に平等に貧乏になるなんて、上野千鶴子氏の予測するような綺麗事では絶対すまないでしょう。「貧乏」になるときは、社会の混乱と人々の不幸せが大量に起こる時代なんだよね。
我ながら、絶望的だな。
上野千鶴子氏は、実は私と同じように絶望的に考えているんだけど、それでは救いがいないと思って、「平等に貧乏になる日本」って言っているだけなのかもしれない。
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きょうは、建国記念の日。二十世紀終盤、司馬遼太郎は著書『この国のかたち』で「日本、そして日本人とは何か」を問い続けた。
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いいんちょ2017年02月13日 08:53
上野千鶴子「平等に貧しくなろう」について
この国のかたち2017
上野千鶴子
「平等に貧しくなろう」
・人口増えない
・移民は無理
・日本は人口減少と衰退を受け入れるべき
・平和に衰退していく社会のモデルになればいい
こっわ
2017年2月11日 08:16
3,781 3,781件のリツイート 1,991 いいね1,991件
以前、上野さんが貧する現代の若者たちに対して「賃金が上がらないといっても、外食せずに家で鍋をつついて、100円レンタルのDVDを見て、ユニクロを着ていれば、十分に生きて行けるし、幸せでしょう?」とアツい助言をしていることについて書いたことがありますが、今度は、日本人は気質的に移民を受け入れるのはムリだから、労働人口が減っていく中で「平等に貧しくなろう」と主張されています。
これまで、「平等に◯◯しよう」の◯◯にはいろいろな言葉が入ってきましたが、ここに「貧乏」を代入しているのを見るのは極めて稀です。ここまでひん曲がってしまったのには、(元々だろというツッコミは置いておいて)なにか原因があるのではないか、と思わざるを得ない。
短いインタビューなので真意はわかりませんが、「平等に」というのはどういうことでしょう。
大前提として、もうすでに日本は「不平等に貧しい」。そして「犠牲者」は出ています。「同じ幅だけ貧しくなろう」というなら、もう底をついてる人にはどうすんだという話です。一方「同じ所得まで貧しくなろう」というなら上野さん、あとはあなた方高齢者が降りてくるだけですよ!待ってますね!!
だいたいこういう「清貧の思想」を説くのは焼きが回った団塊の世代ですが、彼らは日本が最も豊かな時代を謳歌したはずです。豊かになることに、何か負い目でもあるのでしょうか?
移民受け入れの部分についてもいただけない。「(日本では)単一民族神話が信じられてきた。日本人は多文化共生に耐えられないでしょう」とおっしゃる。
「日本人は◯◯」とくくって論じること自体、フェミニズムで商売してきた上野さんからしたら大した思想的な変節ですが、それをしかたないで片付けるのはどうしようもない。
何が汚いって、「私は間違っているとわかっているが、あんたらが変わらない」とでも言うかのような口ぶりです。それは理知的なようでいて、悪しき現状追認でしかありません。
それをどうにかして変えようと、もうちょいごちゃごちゃガチャガチャ足掻けよと。いちおうお前も知恵を持った人類だろと。「水の低きに就く如し」だったら、誰も何も主張しなくていいんですよ。「しかたないから平等に貧しくなろう」なんて対案でもなんでもない。社会に発信なんかしなくていいし、どうぞ老後を満喫してくださいとしか思えません。
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上野千鶴子氏の発言に想う。
上野千鶴子氏の発言が炎上しています。
既にご存知の方も多いかと思いますが、その発言の概要は以下の通り。
ーー 日本は移民を受け入れることはできない。だから、平等に貧しくなっていけばいい。その現状を受け入れるべきだ。
(全文はこちらから)
その発言に対していろいろな方が様々な角度から批判をし、あるいはコメントをしています。ここでご紹介するブログもその一つです(とても参考になります)。批判される方も多いですし、批判したくなる気持ちもわかります。
でも、今回の上野氏の発言を通じて、ひとつ進んだと肯定的に評価できるとすれば、それは現状を追認すること、イコール日本の衰退だということをリベラルの権威といっても良いこの方が正面から認めたことで日本の将来を議論するための出発点を共有できたこと、そしてその後の考え方の違いがはっきりしたことだと考えています。
上野氏は今後貧しくなっていく日本を受け入れるべきだと結論付けています。でも、全く持って賛同することはできないどころか、正直憤りしか感じません。
というのも、この上野氏の世代は、人生のほとんどを高度経済成長の中で過ごし、狂乱するバブル景気を享受したど真ん中の世代です。そういう、日本の歴史の中でも有数の恵まれた時間を過ごしてきた世代が、「これから日本は貧しくなっていくから現状を受け入れろ」というのはあまりにも無責任に過ぎると思いませんか。
僕も移民政策は日本がとるべきものだと思っていませんので、現状を追認するだけでは日本が貧しくなっていくだろうことは意見が一致しています。でも、だからこそ、自分は、今まで規制改革を訴え、産業構造の変化を訴え、そういった取り組みを通じて一人当たりの生産性を上げなければならないと訴えて参りました。
確かに産業構造を変革することは痛みを伴うかもしれないし、規制改革を進めることによって個々人が今まで通りの安穏とする生活は過ごせなくなるかもしれない。AIでもロボットでも何でもいいから活用することで、これから少なくなっていく現役世代の生産性を上げていくことでしか、今の豊かな生活を次の世代に引き継いでいくことはできません。
我々世代の責任は、次の世代に対してより過酷な将来を押し付けることにならないよう、努力をしていくことだと考えています。「平等に貧しく」などならないで済むためにも、自分は今後も政策提言を続けて参ります。
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三谷英弘
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前衆・無所属/知的財産権、個人情報等を専門とする弁護士
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日本の技術革新力 〜 日本がこれからも経済成長できる、その理由。
「アンブッシュマーケティング」と東京五輪。〜小池百合子新都知事に期待すること
「熊本地震」の現場へ。
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おときた駿(東京都議会議員/北区選出)2017年02月12日 23:57
「平等に貧しくなろう」は不可能。船は下から沈むし、人は希望があるから生きていける
こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
今週末は社会学者の上野千鶴子先生の「平等に貧しくなろう」なるインタビューコラムが物議を醸し出しておりまして、私も現役世代の政治家としてこれに対しては一言述べておきたいと思います。
上野千鶴子「日本人は多文化共生に耐えられないから移民を入れるのは無理。平等に貧しくなろう」
https://togetter.com/li/1080097
上野千鶴子先生と言えば、「家父長制と資本主義」は社会に一石を投じた名著で何度も読み直しましたし、社会学者として一時代を築いた方だと思います。
しかしながら、多くの方がすでに指摘している通り、この発言にはまったく首肯できません。内容を三行でざっくり言うと、
・これから人口を増やすことは不可能
・移民を受け入れることも不可能だし、やるべきではない
・日本は人口減少と衰退を受け入れ、平和に衰退していくモデルになろう
ということになりますが、移民についてはとりあえず置いておきます(これも大問題だと思うけど)。
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宇佐美典也 @usaminoriya
上野千鶴子女史の件だけど「高度成長もバブルも満喫した世代が自己満足で『平等に貧しくなろう』とか言ってんじゃねーよ。こちらの世代は生まれてこのかたずっと貧しくなってんじゃい。寝言は寝て言え。」としか言いようがない。
2017年2月12日 17:01
820 820件のリツイート 581 いいね581件
感情的に言えばまさにこの通りで、「自分たちは散々美味しい思いをしてきて満足したので、若い人たちはみんな我慢して苦労して生きてくださいね」ということを言っているわけで、到底看過できるものではないでしょう。
そして客観的・論理的にこの発言の問題点を指摘すると、まず平等に貧しくなることはできません。
こうした場合、船は必ず下から沈む=貧しい人から切り捨てられるので、真っ先に困るのは貧困層です。それはこうした言説を振りかざしている上野千鶴子氏自身が、貧しさに直面することなくケア付き住宅で、さしたる不自由なく「お一人様の老後」を過ごせることからも明らかでしょう。
加えて、貧しくなるのを受け入れるということは、すでに経済成長率を上回って伸びている社会保障費をガンガン削っていくことを意味しますが、そんな弱者切り捨てを許容することは現実的に極めて困難です。
言うまでもないことですが、「再分配」だけで貧困や社会問題を解決することはできず、その原資となる経済成長という果実があって初めて、再分配が意味を持ちます。貧困を解決できるのは、根本的には経済成長だけです。
そして後段で、日本にはこのような主張をする社会民主政党がないと述べていますが、これは半分正しく半分間違っています。
世界に存在する社会民主政党の多くは、いずれもイノベーティブであり経済成長をきちんと求めます。なんでも反対、経済成長反対、現状追認のみで対案のない日本のリベラル政党は、その意味では存在しないに等しいと言えるのかもしれません。
■
いずれにせよこうした言説を目にしてネットなどで若い世代が猛反発し、そして私自身もやや危機感を覚えるのは、こうした言説が上野千鶴子氏の世代を中心に受け入れられる素地があることを感じているからでしょう。
人間は、希望があるからこそ、いま仮に貧しくても前を向いて努力ができるのです。貧しくなるだけの世の中では、誰も努力をしなくなり、社会不安が増大し、やがては暴動などで社会秩序が乱れることになります。
「平和な衰退」という幻想を抱くのは個人の自由ですが、こうした恐ろしい思想が政治や政策に反映されることは防がなければなりません。
世代間対立に陥るのではなく、老若男女が力を合わせて豊かな社会を築いていけるよう、微力ながら政策提言を続けていきたいと思います。
それでは、また明日。
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1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、日本初のブロガー議員として活動中。
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