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債務超過のMRJ、納入予定7年過ぎ5度目の延期でゼロからやり直し…大量キャンセル懸念(Business Journal)
http://www.asyura2.com/17/hasan119/msg/160.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 2 月 14 日 03:05:10: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

              MRJ90 飛行試験一号機(「Wikipedia」より/CHIYODA I)


債務超過のMRJ、納入予定7年過ぎ5度目の延期でゼロからやり直し…大量キャンセル懸念
http://biz-journal.jp/2017/02/post_18014.html
2017.02.14 文=編集部 Business Journal


 三菱航空機は1月31日、国産初のジェット旅客機、三菱リージョナルジェット(MRJ)の開発状況をまとめた動画を公開した。3分41秒の動画では、初号機の北米へのフライトの様子などを紹介している。

 開発が順調に進んでいることをPRしたかったのだろうが、MRJは本当に離陸するのだろうか。5度の納入延期でMRJ事業が被るダメージは計り知れない。

 親会社の三菱重工業は1月23日、2018年半ばを目指していたMRJの航空会社への納入開始を、20年半ばに2年延期すると発表した。延期はこれで5度目で、当初の予定から7年遅れとなる。

 三菱重工の宮永俊一社長は開発が遅れる理由について、「最高水準の安全性能を国際的に説明できるようにするには、設計の変更が必要だと判断した」と会見で述べた。20年半ばに納入するには、逆算すると19年末までに型式証明を取得しなければならない。

 MRJは15年11月の初飛行以来、3機が米国で飛行試験を行っており、この1年程度で飛行時間は400時間を超えている。飛行試験は2500時間を予定していたが、今回の設計変更で、一からやり直さなければならなくなる。19年末までに型式証明を取得するには、日程はかなりタイトである。

■大量キャンセルの危機

 MRJは当初、13年に全日本空輸(ANA)に初号機を納入する計画だった。それが納入延期を繰り返し、今度は20年半ばとしたが、守れるのか疑問視する向きも多い。

 MRJは現在、447機を受注している。だが、これだけ納期が遅れるとキャンセルされる可能性も高まる。

 米航空専門誌「アビエーション・ウィーク」(16年7月25日号)は、MRJを200機(キャンセル可能の100機を含む)契約している米スカイウエスト航空が、カナダの小型航空機メーカー、ボンバルディア社と航空機整備の10年間の延長契約を結んだと報じた。

 同誌は、スカイウエストがパイロット労組と協定を結んでいる機体の重量制限をMRJが満たしていないため、ボンバルディア社に変更するための布石を打ったと伝えた。スカイウエストはMRJが納入されない場合に備えてボンバルディア社に保険を掛けたということだ。

 MRJは当初、米国の航空会社の仕様に合わせてきたが、その後に発生した開発上の問題を克服する過程で機体の重量超過が発生した。米国向けの条件を満たさなければ、米国市場で販売できない可能性がでてきた。

 米国のローカル航空会社向けの受注契約の内訳は、スカイウエストが200機、トランス・ステイツ航空が100機、イースタン航空が40機、航空機リース会社のエアロリースが20機となっている。つまり、米国の重量制限をクリアしなければ、受注している447機のうち、これら360機がキャンセルになる恐れがあるということだ。

 そのため、三菱重工が設計をやり直して、5度目の納入を延期した本当の理由は、米国のエアライン対策ではないかとの見方が強まっている。

■三菱航空機は債務超過に
 
 相次ぐ納入延期によって、MRJの開発費用は大きく膨らむ。宮永氏は会見で3000〜4000億円とみられていた開発コストについて、「3〜4割増える」との見通しを明らかにした。開発当初は1500〜1800億円と見積もっていたが、およそ3倍に膨らみ、5000億円を超える可能性すらあることを示唆した。

 三菱航空機の16年3月期の決算公告によると、資本金は500億円、資本剰余金は500億円である。これに対して利益剰余金は998億9600万円の赤字で16年7月に債務超過になったと公表した。64%を出資する三菱重工が、不足資金を毎月支給しているという。

 三菱航空機は設立以来、赤字経営が続き、当期純損失が毎年積み上がってきた。当期純損失は14年3月期が94億500万円、15年3月期に177億1500万円、16年3月期になると305億2200万円になった。

 受注した447機の引き渡し予定は、18年以降、順次やってくる。納期遅れによる違約金の支払いが発生するようになると、赤字は一段と膨れ上がる。

 三菱重工の16年4〜9月期の連結決算の最終損益は189億円の赤字(前年同期は433億円の黒字)だった。4〜9月期で最終赤字に転落するのは7年ぶりで、大型客船事業に関連した特別損失を計上したことが響いた。

 三菱重工は大型客船でも設計遅れや仕様変更を繰り返し巨額の赤字を計上したが、MRJも似たような経緯をたどっている。三菱重工が社運を賭けたMRJは大型客船同様、失敗に終わる懸念が少しずつ高まってきている。

■三菱航空機、5人目の社長交代

 三菱航空機は2月2日、次期社長に三菱重工から水谷久和・常務執行役員を迎える人事を発表した。発効は4月1日付で、森本浩通社長は3月31日付で退任する。人心を一新して、20年半ばのMRJの初号機納入に挑む。

 水谷氏は名古屋大学経済学部を卒業し、1975年に三菱重工に入社。総務や人事畑を歩き、航空宇宙事業本部の副事業本部長を経て、14年4月から防衛・宇宙ドメイン長に就任した。

 三菱重工が同日発表した16年4〜12月期の連結決算の売上高は前年同期比5%減の2兆6942億円、営業利益は63%減の684億円、最終損益は112億円の赤字(前年同期は533億円の黒字)だった。航空機関連が振るわず、採算が悪化した。

 交通・輸送部門の売上高は11%減の3605億円、営業利益は前年同期の445億円の黒字から283億円の赤字に転落した。航空機関連では、米ボーイングなどの減産に伴い売り上げが減少。MRJ関連の費用が100億円ほど膨らんだ。

 MRJは国産初のジェット旅客機という国家プロジェクトである。MRJの開発は16年11月、宮永氏直轄の体制に移行。航空機の開発経験を持つ外国人のエンジニアに権限を委譲するとともに、三菱重工グループが総力を挙げて取り組む姿勢を示した。

 三菱航空機の今回の人事はその一環で、社長は水谷氏で5人目だ。しかし、債務超過に陥った三菱航空機の資本増強策は発表されなかった。

(文=編集部)
 

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コメント
 
1. 2017年2月14日 07:35:42 : 9bZBOB6PPz : 8OpwX_QIBFo[85]

三菱重工は相川天皇直系だったので宜なるかな。三菱自動車もその血筋だった。

民間の組織はダイナミズムが命だから天皇が居ると碌な事にならない。

三菱重工は仏アレバに資金救済する話もあるが、第二の東芝か?



2. 2017年2月15日 00:12:54 : rXdsMFQkZM : b8vrQPgmHgU[56]
MU-300で懲りたのに、またやるもんだから、どんどん深みには嵌ってしまった。

MU-300
https://ja.wikipedia.org/wiki/MU-300

(一部、転載します。)

三菱の誤算

だが、FAAは全ての機体への審査基準を厳しくすると発表した。三菱にとっては大きな誤算だった。8月の耐空試験から9ヶ月も経って、ようやく飛行試験の許可を得たが、MU-300は基準改正後の試験対象第一号となり、航空業界から多大な注目を浴びることになってしまった。しかも、その試験自体がFAAも判断に迷う内容ばかりで、解釈をめぐってFAA内で延々と議論を続けたため、335時間、17ヶ月に及ぶ非常に膨大な時間を費やしてしまった。1980年(昭和55)9月には110機も仮受注していたが、手直しや設計変更がいたるところに発生し、型式証明を取得できたのは翌1981年(昭和56)に入ってからであった。

(中略)

そのうえ、FAA審査の手間取りでMU-300の信用が低下、納入の遅れによって契約のキャンセルが相次いだ。110機もの仮契約で自信を深めていた三菱の衝撃は大きかった。高額である飛行機の受注は半ば投機的なもので、見通しが狂えばキャンセルするのはこの業界の常識であったが、三菱はキャンセルに対する有効な手段を全く用意していなかった。

(転載終了)

●三菱重工のように、歴史のある名門企業は、むかしの栄光を追い求める傾向がある。かつてのゼロ戦、一式陸攻。

MITSUBISHI‐Japan G3M/G4M 1935 -1945 伝説の九六式・一式陸攻
https://www.youtube.com/watch?v=8s6LMIwRH8k

[日本軍] 九七式重爆撃機 WW2 Japanese Mitsubishi Ki-21"Sally"
https://www.youtube.com/watch?v=Z-tMEcbqgGU
●陸軍重爆隊の主力、九七重爆も三菱製でした。

ところが戦後。

「飛行機と言ったら三菱だったのに、全然ないじゃないか。どうしたんだ、三菱。」

こう言う声を聞いたものである。1980年代、当時の飯田庸太郎社長は、国産の戦闘機をつくると言っていた。「いくら赤字でもやる。三菱の責務だ。」と名言しておられた。かつてのゼロ戦神話が三菱にはある。

飯田社長が発現された時期は、MU-300で100億円の赤字を出し、売却した後の頃だったと記憶している。その戦闘機も、アメリカの介入でF-16の焼き直しになってしまった。

戦闘機で思うようにつくれなかったため、またまた旅客機に参入した。それもMU-300より大きいクラスである。それが、またまた失敗。やはり、日本にとっては、飛行機は「鬼門」かも知れない。


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