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2017年02月09日
本誌が重視している経済関係の指標・統計はいくつかありますが、その1つが日本フランチャイズチェーン協会(JFA)の発表する全国コンビニエンスストア統計調査月報です。毎月20日頃に前月分が発表される機動性も魅力です。
コンビニに関するいろいろな数字が含まれていますが、その中で既存店売上総額の対前年比増減を最も重視しています。
日本経済の最大の問題は消費が伸び悩んでいることですが、その中でコンビニは数少ない「勝ち組」の1つで他業態のシェアを奪いながらも成長を続けています。そのコンビニの売り上げが伸びないと日本全体の消費が伸びているはずがないからです。
その中でも既存店売上総額を重視する理由は、コンビニはまだ積極的に店舗数を拡大している(消費に限らず)日本で数少ない成長業種ですが、店舗数を拡大しながら既存店の売り上げが落ち込んでいるとコンビニの成長戦略そのものが行き詰まり始めた可能性があるからです。
さてコンビニ統計調査月報はもちろん毎月発表されますが、1月20日は2016年1〜12月分(通年分)も発表されていますので、そちらを使って解説します。
2016年通年の既存店売上総額は、前年比(2015年通年比)プラス0.5%でした。多いか少ないかはともかくとして2016年通年の全国コンビニ既存店売り上げは「わずかに伸びていた」ことになります。
ちなみに2015年通年は同プラス0.9%で、消費増税があった2014年通年は同マイナス0.8%でした。
ところがアベノミクスがスタートして少なくとも日本経済の見通しが明るくなっていたはずの2013年通年はマイナス1.1%で、民主党政権時の閉塞感があった2012年通年もマイナス0.3%、東日本大震災のあった2011年通年は逆にプラス6.1%でした。
この既存店の通年売り上げの前年比とは、少なくとも前年通年売り上げと比較可能な店舗だけの集計であるため、それほど結果が歪む要因は考えられません。つまり政府の掛け声に関わらず、まさにこの数字が日本の消費の実態に近いことになります。
2016年通年の統計をもう少し見てみると、コンビニ全店の売上総額は10兆5722億円で前年比プラス3.6%ですが、これはもちろん店舗数が増えているので既存店売り上げの増加より大きくなります。
その店舗数は(もちろん国内店舗だけです)2016年12月末現在で54501店舗、前年同時点比1497店舗増(2.8%増)となっています。
この統計は会社毎の数字をカバーしていませんが、大手コンビニ各社の決算短信から2016年11月末の店舗数を拾い上げると、セブン・イレブンが19166店舗、2016年9月に経営統合したファミリーマートが18140店舗、ローソンが12312店舗、大手3社合計で49618店舗となります。
2016年11月末現在の全国コンビニ店舗数は54359店舗なので、実に全国コンビニ店舗数の91.27%が大手3社の店舗となり、全国的にはすでに寡占状態が出来上がっています。
2016年のコンビニ全店の来店者数は172億785万人(前年比プラス2.7%)ですが、既存店に限ると159億715万人(同マイナス0.5%)となります。
つまり2016年通年でみるとコンビニ既存店の売り上げは前年比微増(プラス0.5%)ではあるものの、来店者数は前年比微減(マイナス0.5%)となっており、消費関連でほとんど唯一の「勝ち組」であるはずのコンビニでも「拡大していた」とは言えません。
ここからはコンビニ統計調査月報の解説ではありませんが、業界トップのセブン・イレブンの持ち株会社であるセブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文CEOは昨年春に引退に追い込まれており、ローソンは三菱商事の子会社となることが決まっています。
また経営統合したユニー・ファミリーマートホールディングスも、その統合をリードした上田準二社長が先日突然降板し、大株主の伊藤忠商事副社長・高柳浩二氏と交代すると発表されています。
コンビニはまだまだ成長途中であるため、まだまだカリスマ経営者が引っ張る必要があり、まだまだサラリーマン経営者や商社など大株主が経営をリードするには時期が早すぎると感じます。
少し前から気になっていますが、最近コンビニ店舗におけるサービスが低下しています。セブン・イレブンでも以前は絶対になかった欠品が最近は頻繁に見られます。
最近のコンビニ業界は、日本の消費が依然として低迷していることと、コンビニ大手各社の経営も以前の勢いがなくなっているという2つの大きな構造問題を抱えており、「曲がり角」が近づいているような気がしてなりません。
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2017年02月10日
コンビニエンスストアの現状分析から感じること その2
昨日付け「同題記事」は本誌の感覚で書いたもので、あまり賛同されないと思っていました。ところが意外にも同じ感覚のコメントをいただきましたので、つい「調子に乗って」続編です。
日本のコンビニはすでに大手3社の寡占状態となっていますが、そもそも日本の消費がなかなか伸びず小売りは過当競争となっていることに加え、その中で「急成長」してきた大手3社コンビニの経営が急激に「凡庸化」しているように思え、近い将来にいろいろな問題が噴出しそうな気がしています。
その最大の理由は大手3社とも、カリスマ経営者が去り(セブン・イレブンとファミリーマート)、あるいは大株主の支配力が強化され(ローソンは三菱商事をはじめとする三菱グループ、ファミリーマートは伊藤忠商事)、突き詰めればサラリーマンが「凡庸な経営」を続けることになってしまうからです。
さて昨日は引用しなかった日本フランチャイズチェーン協会の調査統計月報のなかで、もう1つ本誌が注目している数字があります。それは来店客の1回当たりの平均客単価で、2016年通年は全店ベースで614円でした。
実はこの数字は長年それほど変わっておらず、5年前の2011年は604円、10年前の2006年でも574円でした。
つまりコンビニとは昔も今も、少し価格が高いことはわかっていても店舗数や品揃えが多く24時間営業なので、必要なものが出てくるたびに「つい便利なので買いに行ってしまうところ」であり、そこで「つい他のものまで買ってしまうところ」となります。
だからコンビニ(便利な)と呼ぶわけで、間違ってもコンビニで「まとめ買い」をする人はいません。しかしその都度コンビニに買いに行くと結局は価格が高いまま「まとめ買い」していることと同じになります。
それが昔から変わらないコンビニのビジネスモデルであり、コンビニはそのまま大きくなってきたわけです。
だからコンビニは大手3社を中心に全国に54,501店舗(2016年12月末現在)もあり、年間172億人も来店客がありながら、いまだにハイペースの出店を続けて来店客を増加させる必要があるわけです。
さらに来店客数を上げるために食料品の調理、公共料金の収納、宅急便の受付・受領、コピー・ファックス、チケット申し込みと販売、銀行ATMの設置など、あらゆるサービスが提供されています。
ところがそれを捌く(さばく)スタッフの人件費は店舗オーナーの負担となるため簡単に拡充できず、さらにコストの安い外国人を使うため、レジの対応能力が急激に低下してしまうことになります。
とくに夜間にはレジに外国人が一人しかいないこともあり、夜間であるにもかかわらずレジの前で結構な時間待たされることもあります。とくに最近はセブン・イレブンの対応能力が最も低下しているように感じます。
以前はファミリーマートの対応能力が最悪と感じていましたが、最近は少し改善しているものの(セブン・イレブンより良くなっている)まだまだ満足すべき水準ではありません。またローソンは都内でも店舗が少ないと感じ、あまり行けないので比較できません。
コンビニがコンビニ(便利)でなくなったら、24時間営業であることを除けば、その存在意義の大半がなくなってしまいます。
何年か前に日本マクドナルドの店舗サービスの急激な劣化を指摘したことがありましたが、まもなく不祥事が立て続けに起こって経営危機に近いところまで追い込まれてしまいました。
それに「似ている」とまでは言いませんが、店舗サービスの劣化は企業価値の低下に直結すると考えるべきです。
「所帯じみた」話題になってしまいましたが、実際に自分の目で確かめているため、けっこう自信があります。
コメント
最近はコンビニに行っても何も買わずに
ってことが多くなったよ
カゴもってる客もかなり少ないですよ
2017.02.10 URL 名無しさん #- 編集
コンビニの買い物は値札あまり見ませんが、たしかに毎回お会計600円くらいな気がします(笑)
コンビニ関連で一つ。新しい銀行モデル、高収益なビジネスと取り上げられることの多いセブン銀行ですが、今年流れがかわることになりそうです。
現金引き出し無料のATMということで若者から絶大な人気を誇っているのですが、金融機関がセブンへの手数料負担に耐えられなくなり有料化が相次ぐ流れとなっております。
1回108円を銀行が負担しておりますが塵も積もれば何とやらで、経常利益数十億円規模の中堅地銀で年間3〜4億円負担しているのが現状です。
おそらくここ2〜3年のうちに大半の金融機関は有料化するでしょう。
タダだから使ってるだけで平日日中に手数料払うなんて馬鹿らしくて誰も使わなくなると思いますよ。
2017.02.10 URL 粉飾銀行員 #- 編集
コンビニは揚げ物の匂いがきつくなり
女性を遠ざけている気がします
私もあの油のにおいが嫌です
ローソンでコーヒーを頼んだらアルコールで手を消毒してました。「手が荒れませんか?」と聞いたら「荒れますがルールなので。」と。手はがさがさです。それ以来、缶コーヒーを選ぶことにしてます。
コンビニの並びがおかしいことがかなりあります
不慣れな外国人のためでしょうか
缶詰コーナーにシリアル系菓子があったり
顧客が置いた感じではなく箱ごと置いてます
値札も見ても置き間違いが多くてあてになりません
野菜が腐っていたこともありました。
供給過剰で品だしが追いつかないようです。
本部に伝えたらどの店舗かを問い質すので嫌になって伝えませんでした。
場所によっては配送ドライバーが野菜を陳列しているところもあります。トラックは一人です。駐禁違反と隣り合わせですね。これを見てから野菜も買わなくなりました。
揚げ物用の冷凍食品が店舗に置きっぱなしで溶けていることもありました。食中毒が怖いですがおそらくリスク回避に添加物やなにかはしているでしょう。こうした商品はパッケージがないので購入時に添加物表示がありません。
本部が実務を把握せずに行った結果、コンビニのレジ周りは壁が出来ました。おでん、ドーナツ、揚げ物、コーヒー。ドーナツや揚げ物はレジで時間がかかります。コーヒーもセルフでなければ時間がかかりますしメンテナンスも必要です。このレジの時間ロスを本部ではコスト想定していないでしょうね。仮に行っているとしてもベテランバイトがいる想定で積算してるでしょう。
先日、ポイントカードを「出すのがめんどくさいからいい」と言ったらレジの外国人が噴き出して笑ってました。「ぼくもそうおもいます。」
本部にはメリットでも実務者と消費者からすれば数秒の手間とコストです。毎回毎回この手間にイライラします。
あるコンビニの本部主催の表彰式ではオーナーからの直訴があるそうです。オーナーもそれくらい追い詰められてきています。
コンビニ社員で失踪した人もいました。過労だったようです。
気が付けばコンビニに並んでストレス感じるよりはレジのすいてる個人店で買ったほうが気楽なんですよね。
コンビニが便利を通り越しておせっかいな隣人や親戚レベルになってきました。
2017.02.10 URL 名無しさん #- 編集
あるディスカウント店は店舗在庫が異常に増えつつあり
心配しています
加工食品メーカーも投売りしたいのでしょう
(縮小社会で右肩上がりの目標を立てれば在庫を投売りしなければなりません)
かさばるものは爆買いに向きません
噂によればディスカウント店は店長が在庫を自腹で買うこともあるようです。郵便局も配達員に年賀状のノルマ営業を課すのですから今の日本では当たり前なのかもしれません。
棚卸しコストはどうなのだろう、積みあがっている店頭在庫が地震時にどうなるだろう、落下での怪我が発生したら補償が必要では?と他人事ながら心配になりました。
2017.02.10 URL 名無しさん #- 編集
小売りに『サービス』を期待すること自体がおかしい。高級ホテルじゃないんだから。頭のおかしい日本人の顧客に都合を合わせるくらいならどんどん衰退していけばいい。
2017.02.10 URL 名無しさん #- 編集
おっしゃる通りだと思います。
フランチャイズの経営なので実際な人的資源はオーナーの負担となっています。
そして労働者の減少によりどこも人手不足になります。時給も上がりコスト増です。
既存のモデルのまま拡大だけ進めれば収益力も下がっていきます。そこは工夫すればなんとかなるとは思いますが、恐らくしわ寄せはオーナーにいきそうです。
新規のオーナーがいなくなればモデルの崩壊となります、どちらにせよ収益力の低下は避けられそうにないのではないかと思います。国内だけの話に限りですが
2017.02.10 URL ケン #- 編集
コンビニでの陳列品で、例えばパンなどは朝早く買いにいくと欲しいパンはすぐになくなり、そうでないものはいつまでも残っている。少しは改善されるのだろうかと思っていたが、毎回変わらず。これじゃ、消費者の好みとかけ離れ、いつか在庫の山になってしまう。本部のオーナー虐めだね!
2017.02.11 URL コンビニ人間 #DEKzIO5. 編集
人間味のあるセブンと、他力本願なローソン。
緑色のファミリーマート。
電気水道ガスコンビニ。と言われるくらい無くてはならないもの。特に田舎では。
都会の人達と田舎の人達では感じ方が全然違うんですね。
2017.02.12 URL 名無しさん
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