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(回答先: 都心マンション「高値」の花 新築販売24年ぶり低水準 在庫増でも値引きせず 投稿者 あっしら 日時 2017 年 2 月 09 日 22:46:05)
転機の中古マンション市場
(上) 上昇相場、都心で陰り
高値で売買成立しにくく
上昇を続けてきた国内中古マンション相場に陰りが見え始めた。上昇ピッチの早さに需要が追いつかず、東京都内では値下がりに転じた地域もある。新築物件は低迷が続いており、マンション市場は転機を迎えている。
様子見広がる
「中古マンションの購入希望者に様子見姿勢が広がっている。従来のような強気の価格設定は難しくなってきた」。仲介大手、野村不動産アーバンネット(東京・新宿)の木内恒夫・営業推進部長は、最近の中古マンション市場について強調する。これまで続いていた上昇力が鈍り、売り出し価格の見極めに神経をとがらせる。
中古マンション市場は一見、活況の様相を呈している。東京カンテイ(東京・品川)によると2016年の首都圏の中古マンションの平均希望売り出し価格(70平方メートル換算)は3476万円。前年と比べて13.2%上昇した。直近の高値を付けた08年水準を超え、1994年以来の高水準だ。
一方、新築は低迷している。不動産経済研究所(東京・新宿)によると16年の平均価格は前年比0.5%下落の5490万円で4年ぶりのマイナスとなった。販売戸数も11.6%減り、好不調の目安となる契約率70%を下回った。東京カンテイの井出武・上席主任研究員は「高額で供給が少ない新築から、中古に需要が移った」と説明する。
流通戸数横ばい
ただ、好調に映る中古マンション市況には不透明感が強まってきた。仲介大手、三井不動産リアルティ(東京・千代田)の川上哲司・流通企画部長は、最近の価格動向の変化について「都心の先行的な調整の動きが、周辺にも広がっている」と話す。
東京23区でも都心に近いほど価格動向の変化が鮮明だ。12月の都心6区(千代田、中央、港、新宿、渋谷、文京)の前年比上昇率は2.3%。首都圏平均の9.1%に比べると差は明らかだ。「政府の経済政策によりマンションの取引量も多かったが、最近は購入意欲が減退している」(川上氏)。都心6区以外の沿岸部の大型物件では、すでに下げに転じる物件も出てきている。
在庫にも変化が出始めた。価格が上がっているときは売買が成立しやすいため市場に出る物件は増える傾向にあるが、16年12月の23区の流通戸数は1万1733戸と前月比で横ばいだった。東京カンテイの井出氏は「値段が高くて売買が成立しにくくなってきたため、売りに出される物件が減っている」という。
個人だけでなく、中古マンションを買い取った後に改修して販売する業者にも影響が及んでいる。トータルエステート(横浜市)の三沢章専務は「参入企業が多いため買い取り価格が5〜10%程度上昇する一方、販売価格は上がらない」と話す。
価格が下げ基調の新築に注目する動きも出始めた。価格が下がれば、賃料を得るための投資がしやすくなるためだ。台湾の不動産仲介大手で日本でも事業を手掛ける信義房屋不動産の何偉宏社長は「現在の利回りは中古のほうが高いが、品質や設備をみて新築を投資対象とする海外投資家も多い」と指摘する。
[日経新聞2月2日朝刊P.20]
(下)物件取引にもAIの波 業務効率化、収益性高める
不動産大手の野村不動産ホールディングスはAI(人工知能)関連事業を手掛けるオートマギ(東京・新宿)と連携し、マンションなど不動産の売買でAIを使った対話型サービスを始めた。物件の購入や売却などの相談や疑問に回答する。
新サービスの導入は、最適な情報提供につながるとの考えからだ。同社は「対話型サービスでは手軽な相談、店舗では本格的な相談と業務をすみ分け、営業効率の向上につなげる」と強調する。
「不動産業界もAI導入やIT(情報技術)の応用は不可避」と話すのは不動産賃貸仲介を手掛けるイタンジ(東京・港)の伊藤嘉盛最高経営責任者(CEO)。同社は物件の空室の問い合わせに自動応答するシステムなどを展開する。
物件の管理会社と仲介業者とのやりとりで多いのが空室の確認業務だ。仲介業者が管理会社に空きがあるか問い合わせても担当者不在などですぐにわかるとは限らない。管理会社も仲介業者からの電話対応に追われることが多い。同社のシステムを使うと「管理会社が受ける電話の本数を半減できる」(イタンジ)。
ITは既に仲介業務のあり方に変化をもたらしている。スマートフォン(スマホ)のアプリなどを使えば物件照会や内見予約も可能だ。1店舗あたり人数が平均3人と少ない仲介業者にとってもメリットはある。物件の管理状況といった専門知識が必要な問い合わせに集中でき「借りたいという申し込みが6割増えた店舗もある」(伊藤CEO)。
総務省が情報通信技術の導入状況を得点化した調査によると、不動産業界は導入の可否による業績の差が他業界と比べて大きいことが明らかになった。中古マンションは価格上昇に陰りがみられるようになってきただけに、コスト削減の重要性は高まる。野村総合研究所の谷山智彦プリンシパルは「取引の効率化に向けIT化の流れは加速する」と話す。
「AIやITは複数物件を対象とする例が多く、収益性という数字が重要な要素となる不動産投資と親和性が高い」と指摘するのは、リーウェイズ(東京・渋谷)の巻口成憲代表取締役。AIを使い、投資用不動産の将来の利回りを予測するサービスを展開する。
4000万件を超える賃貸物件の取引データを解析し、将来の賃料収入などを算出。週1〜2度、地方に出張するという巻口氏は「空室が多いとされる地方でも物件の収益性を高める需要がある」とみる。
中古マンションなど不動産市場は必ずしも取引の透明性が高いとはいえないとの指摘もある。異業種から不動産AIサービスに参入したリブセンス(東京・品川)の村上太一社長は「透明性向上は中古の流通活性化につながる」と話す。AIやITが果たす重要性はマンション市場でも高まっている。
斎藤公也が担当しました。
[日経新聞2月3日朝刊P.19]
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