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インターバンク市場金利を引き上げ(中国人民銀行)
中国の金融政策に変化、緩和から中立へ向かう意味
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170209-00010000-moneypost-bus_all
マネーポストWEB 2/9(木) 16:00配信
中国人民銀行はインターバンク市場金利を引き上げ始めた。中国の金融政策が緩和から中立に戻りつつある。
中国の金融政策は、銀行の預金、貸出金利に変更を加えたり、預金準備率を上げ下げして金融業界全体の資金量を変化させたりするといったやり方から、インターバンク市場における変更を通じて行うといったやり方に重点を移しつつある。
銀行預金、貸出金利を引き下げると銀行は貸し出しを増やす。しかし、その増加分は、貸し込みやすい業者向けの不動産融資や、短期的な株式投機向けの融資、購入者向けの不動産ローン、政治的な力が強い一部の大型国有企業向けの貸出などに集中してしまう。
その結果、不動産バブル、株式バブル、不要不急の投資、無駄な投資、重複投資が増える結果となってしまう。
“インターバンク市場の重要性が増している”というと、金融の自由化、市場化が進んでいるような印象を受ける。しかし、実際はそうではない。
インターバンク市場ではレポ取引(買い戻し条件付き取引)、リバースレポ取引(売戻し条件付き取引)などを通じた公開市場操作が行われているが、これはあくまで銀行業界全体に対して影響を与える効果がある。一方で、2013年以降、規模が大きい上に人事面などから当局のグリップが効きやすい5大国有商業銀行などの特定大手金融機関に対してピンポイントで資金を供給する方法が導入され、多用されている。
7日以内のレポ取引(SLO:Short-term Liquidity Operation)や、SLF(Standing Lending Facility、常設貸出ファシリティー)、PSL(Pledged Supplementary Lending、担保補充貸出)、MLF( Medium-term Lending Facility、中期貸出ファシリティー)など、1年未満の多様な期間の中国人民銀行からの貸出によって、流動性が供給する仕組みとなっている。
個別銀行が対象である以上、中国人民銀行は各行が行う貸出の資金使途を監視・監督することができる。零細企業や新興企業向けの貸出や、インフラ投資、環境関連投資などの用途向けの貸出を選択的に増やすことができる。
■中央テレビ局は「利上げには当たらない」
中国人民銀行は2月3日、SLF( Standing Lending Facility)金利を引き上げた。オーバーナイト物は35BP引き上げ3.1%、7日物、1か月物はそれぞれ10BP引き上げ、3.35%、3.7%とした。また、同日行われたリバースレポ取引金利についても、各取引いずれも10BP引き上げた。
SLF、リバースレポ取引金利が引き上げられたことについては、1月24日にMLF金利が引き上げられていたことから予想されたものの、オーバーナイト物が35BPも引き上げられたことについては大きなサプライズとなった。
中央テレビ局は今回の中央銀行の決定について、「銀行などの金融機関の貨幣市場において行われたことで、直接、公衆や実体企業の預金貸出金利領域においてではない。今回の引き上げは、中央銀行が金融機関に提供する資金に対する金利であり、銀行による預金貸出金利の引き上げではない。だから、利上げには当たらない」などと説明している。
そもそも、SLF、MLFを行うこと自体が資金供給である。そうした点では金融緩和に違いない。ポイントは量的な流動性拡大を図る中で、その価格となる金利が引き上げられたということに過ぎないとも考えられる。
しかし、中国人民銀行は春節休暇直前、貸出の伸びが高すぎることから、商業銀行に対して第1四半期の新規貸出を厳しくコントロールすると発表している。第1四半期の不動産向け新規貸出純増額について2016年第4四半期よりも総量、伸び率ともに低く抑えるといった政策目標がある。
また、貸出増加速度が速い銀行は、MPA(マクロプルーデンス評価システム)による差別化された貸倒引当金、預金に対する保険費率などの罰則規定にかかる可能性がある。こうした要因から新規貸出をコントロールするとしている。金融政策が緩和から中立に戻りつつあるのは事実である。
日本では、米中関係の悪化から輸出が減少し、景気が悪化するのではないかといった点を懸念する見方が多い。また、資金の海外流出が止まらず、そのことが中国経済に深刻な影響を与えるといった見方が多い。
しかし、中国本土ではそうした見方は少数派である。巨大な国内市場を持つ中国では貿易の経済に与える影響はそれほど大きくなく、資金の海外流出は単なるドル高による投機に過ぎないといった見方が多数である。
少なくとも中国人民銀行は、不動産バブルの助長や金融緩和によるレバレッジの拡大、インフレなどを懸念している。景気の無駄な成長やリスクの発生・拡大を抑えるといった点に政策の重点がある。そうした意味では、中国リスクをことさら懸念する必要はないかもしれない。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサル ティングなどを行うTS・チャイナ・リサーチ代表。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」、メルマガ「週刊中国株投資戦略レポート」も展開中。
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