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雑感。貿易黒字と日米雇用イニシアチブ
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52903741.html
2017年02月08日 在野のアナリスト
米商務省が発表した2016年、通年の赤字額が0.4%増の623億$となり、そのうちの半分近くを中国が占め、2、3、4位を10%前後の割合で日本、独国、メキシコが別ける形となりました。2位といっても中国と大差ある、独国が落ちたのはVWの排ガス不正の問題、などと日本には影響ない、と報じるところが大半ですが、それらは一切関係ありません。トランプ政権は貿易赤字を問題視していますが、額は言及していない。この4ヶ国はどんぐりの背比べ、ぐらいにしか考えていないのです。なので、何位だろうと、中国が最大だ、と言ってみようと、圧力をかける割合が変わるわけではなく、貿易赤字国は皆敵なのです。
しかも日本から大幅な譲歩、妥協、材料を引きだせば他国との交渉でも有利になる。実は今週末の日米首脳会談は、安倍氏がどれだけ朝貢するかにより、他の3国から恨みを買う可能性が高くなる、ともいえるのでしょう。だからこそ米国は歓待する準備をしている。日本の手土産が多ければ多いほど、米国にとって有利だからです。
そんな中、巷間語られる手土産が『日米雇用イニシアチブ』です。規模は70兆円ともされますが、財源をどうするのか? しかも米国の道路や橋、水道事業などのインフラ事業ですから、収益性が上がる事業ではなく、民間資金は入らない。入るとすれば、その利息を日本が肩代わりするようなケースですが、米国のインフラを日本の財源で賄う、という奇妙なことになりますし、償還も日本政府が行うなら、尚更財源の問題が拡大します。
ODAのように米国に返済義務があるような仕組みなら、米国が納得するはずもない。どうやって資金を集めるか? そのうちの一部を年金基金から、ともされますが、その場合は首脳会談で金額の約束をすることがおかしい。安倍首相自ら認めていますが、年金の運用に政府が口をだせるのは、運用先の割合までです。株、債券、それを国内外でどう配分するか、であって、米国のインフラに…とは指示できない。もし金額を約束できるとしたら、事前にGPIFがどの事業に、どのぐらいの投資をして運用、と決まっていなければならず、明日の段階までそれが決まっていないのなら、70兆円など約束できないはずです。
高速鉄道にしろ、日本がウィンウィンの関係になるように…と主張する向きもありますが、トランプ氏はそんなことを望んでいない。新幹線を日本から輸出したら、貿易赤字は拡大してしまうのですから、米国に工場をつくってそこで新幹線を作れ、と言い出すでしょう。そうなれば設備投資をムダにしないためにも、米国で継続してつくらざるを得なくなる。日本にとっては何の旨味もない。しかもその建設費に年金原資を充てるなら、事業として成功しない限り損をする可能性が高い。かといって米国で高速鉄道が成功する見込みは、今のところ極めて低い、とさえ言えるのでしょう。
成熟国で、インフラ投資をしても経済成長への効果は低く、だからこそこれまで後回しにされてきたのです。そんなものに日本がお金をだす、という時点でそもそもおかしい。米国の雇用をつくる前に、日本で貧困に喘ぐ子どもたちへの補助をしっかりとすべきであるにも関わらず、です。しかもそれでトランプ氏は喜んでも、各国は日本に敵意すら抱くのなら、尚更何のためにやるのか? 理解に苦しみます。
対日強硬論をかわすため、としますが、日銀の異次元緩和など、不正なことをしているとの弱みがある、と認識しているなら本末転倒でしょう。しかも詐欺師に最初から金を渡してしまうと、よい金ヅルとばかりに要求が高くなる、ということでもあり、これが最後となるわけでもない。会うたびに手土産を要求されることが確実です。
これは『日米雇用イニシアチブ』などではなく、『日米小姓イニシアチブ』なのでしょう。日本は米国の小姓、子分ですよ、ということを国内外に喧伝するためのものです。しかも小姓なら主従関係もありますが、今のトランプ氏と安倍氏の関係は、まるで悪代官と越後屋のようです。黄金色のまんじゅうを手に、お目こぼしをもらいに行くのなら、『日米姑息イニシアチブ』としてもよいのかもしれません。建国記念日の前日に行われる日米首脳会談、ここまで米国のために尽くさないと、日本の立場も危ういということなら、亡国記念日として記憶されることになるのかもしれませんね。
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