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待遇格差にやりがい搾取「子会社族」は不条理に泣く 若者の生涯収入倍増も ジロー不動産のグーグル2/3を寡占 銅変動幅拡大
http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/741.html
投稿者 軽毛 日時 2017 年 2 月 06 日 20:14:36: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

【2017/2/11号】 2017年2月6日 週刊ダイヤモンド編集部
待遇格差にやりがい搾取「子会社族」は不条理に泣く
『週刊ダイヤモンド』2月11日号の第1特集は『誰も触れなかった絶対格差?子会社「族」のリアル』です。待遇や立場で親会社に劣る子会社のプロパー社員、子会社出向を命じられた親会社社員、果ては転籍を余儀なくされた者……現場では日々、様々な悲哀を感じながら、「子会社」という器に関わり会社員生活を送る人々がいます。その実像を追いかけつつ、絶対格差が生まれる仕組みや「親子待遇格差」の実態、またグループ経営上の子会社論にまで踏み込み、会社員から就活中の学生まであらゆる関係者必読のコンテンツとしました。


写真はイメージです
“やりがいの搾取”だ──。新卒で大手損害保険会社の子会社に入社した20代男性はそう不条理を叫ぶ。

?同じグループ企業で働くも月給は親会社の約7割、賞与は半分以下。親会社から出向中の社員と机を並べてほとんど同じ仕事をしているが、出向者は親会社の給与体系に基づく高待遇を享受する。子会社の社員(プロパー)が報われることはない。

?そんなとき、親会社の人々が待遇格差の隠れみのとして持ち出すのは「仕事のやりがい」という殺し文句だ。「子会社は現場の最前線を担う重要な存在」とうそぶき、士気を保とうとする。だが、待遇が改善されることはない。

?いろいろな働き方がある中、今日では非正規労働者の格差問題に世間の目が向いている。だが、前述のような歴然とした待遇格差があり、不遇をかこちながら全く日の目を見てこなかった人々がいる。その一群こそが「子会社族」だ。

?毎月の給料だけではない。年金から退職金、福利厚生や社内教育、果ては心理的な領域に至るまで、あらゆる面で子会社は親会社の下に位置付けられる存在──。そんな実態が半ば“常識”として、日本社会ではまかり通ってきた。

?冒頭の男性の会社は、約10年前に現在の親会社に買収、子会社化された。「選択と集中」の名の下、取引額の大きい法人顧客の“お得意様”を次々に親会社に奪われていき、今や「親玉に上流の金山を献上して、下流で砂金集めをやらされているような状態」という。

?親会社からの“天下り”役員は子会社を見下し、本社側の方法論を押し付けがち。一方でお上の親会社の意向をうかがうばかり、という「ヒラメ出向者」で溢れる。

?ある大手航空会社の子会社に勤めていた20代女性は「ステップアップの無理強いがあった」と訴える。若くして「現場責任者」と呼ぶ立場を任され、これは一見、出世の早道で“名誉なこと”にも映るが、給料は一切上がらない。

?子会社幹部は親会社からの出向者で占められ「ガラスの天井」が見えている。一方で責任とそれに伴う業務負担が増えても、待遇には全く反映されない。この子会社では構造的に、出世するメリットが見いだせない。だから入社後3年で半数の人が辞めていく。

?現場の不満を尋ねれば、子会社族の多くはせきを切ったように、こうした不幸な実態を口にする。

?周囲と数年違いで就職氷河期に直面し、早慶レベルでも大企業に内定できずに、子会社行きを余儀なくされた学生も珍しくない。

?そんな一群を生み出す子会社の基本的な定義は次の通りだ。ある会社(親会社)が議決権のある他社の株式の過半数(50%超)を保有する場合、この株を握られている方が子会社と位置付けられる。

?50%以下でも、「実質的な支配」の関係にあれば子会社となり、さらに傘下で同様の関係にあれば親会社から見て孫会社。議決権20〜50%なら関連会社で、これらを総称してグループ企業と呼ぶ。

?サラリーマンなら誰もが関係し得る、子会社という存在。身近にありながら、実はその全貌をつかめる統計などはほとんどない。

?その中で比較的網羅性が高そうな経済産業省の「企業活動基本調査」によれば、従業員50人以上、資本金3000万円以上の製造業を中心とした日本企業(金融・建設業など除く)で見た場合、国内の子会社数は約5万社に上る。子会社といっても規模はさまざまだが、仮に中小企業と定義される1社当たりの従業員数300人以下(業種による)から推定すると、関係者は1000万人規模になる可能性もあり、裾野は極めて広い。

?企業再編が国内でも活発になっている中、ある日突然、籍を置く会社が買収されないとも限らない。そういう意味では、潜在的には全てのサラリーマンが「子会社族」予備軍だ。あなたも決して、その例外ではない。

http://diamond.jp/articles/-/116742


 


 

シリーズ・日本のアジェンダ 崖っぷち「人口減少日本」の処方箋
2017年2月6日 ダイヤモンド・オンライン編集部

若者の生涯収入“倍増”が人口減少でも夢ではない理由

吉川 洋・立正大学経済学部教授

未曽有の人口減少時代に突入しつつある日本では、近い将来、経済が衰退するのではないかという説が、半ば常識として語られている。しかし、それは本当だろうか?
未曽有の人口減少時代に突入しつつある日本では、労働力人口や消費の減少により、近い将来、経済が衰退するのではないかという不安が募っている。しかし、それは本当だろうか。もしも、人口減少にもかかわらず経済が成長し、日本人が豊かになれる未来があるとしたら――。実は、そんなシナリオを唱える専門家は現実にいる。マクロ経済学に精通する吉川洋・立正大学経済学部教授が唱える、これまでとは違う「人口と日本経済」論に耳を傾けよう。(まとめ/ダイヤモンド・オンライン?小尾拓也)

財政危機に地方の消滅、
人口減少の脅威は確かだが……。

?日本は今、かつてない人口減少時代を迎えようとしています。2012年1月に公表された国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口(出生中位)によると、2015年現在、1億2711万人(15年国勢調査)いる日本の人口は、2110年には4286万人になると見られています。今後100年間で、日本の人口は約3分の1まで減少するというのです。少子化に伴う人口減少・急速な高齢化により、日本社会に深刻な影響が起きるでしょう。

?少子高齢化の進行による最も大きな影響の1つは、社会保障の増大と財政赤字の拡大です。年金、医療、介護などの社会保障費は現役世代(15〜64歳)が高齢世代(65歳以上)を支えることで成り立っています。

?足もとで、日本の高齢化率(総人口のうち65歳以上が占める割合)は26.7%(2015年国勢調査)となっており、日本人の4人に1人以上は高齢者です。現役世代と高齢世代の比率は2.5対1(2013年時点)で、現役世代2〜3人で1人の高齢者を支える「騎馬戦」の状態になっています。これが、高齢化率のピークを迎えると見られる2060年には1.3対1となり、ほぼ1人の現役が1人の高齢者を支える「肩車」の状態になります。

?一方、日本の社会保障の給付は約116兆円ですが、このうち労使折半の保険料でカバーできているのは6割に過ぎず、残り4割は税金で賄われています。財政赤字が拡大し続ける日本は、社会保障給付を税金だけでは賄い切れず、赤字国債を増発し、借金が現役世代へツケ回されています。今後、少子高齢化で現役世代が減り、高齢世代が増え続ければ、社会保障の給付が増える半面、それを支える財源はどんどん先細り、日本は財政破綻の危機に直面しかねません。

?もう1つの深刻な影響は、地方自治体の消滅です。過疎問題は高度経済成長時代からありましたが、今後は地域によって人口減少、高齢化が極端に進み、立ちゆかなくなる自治体が増えそうです。2014年に民間の日本創成会議・人口減少問題検討分科会が発表した報告書によると、これまでと同じ人口流出が続くと想定した場合、子どもを生む若手女性人口(20〜39歳)が2040年にかけて5割以下まで減少する市町村は896(全体の49.8%)、このうち2040年時点で人口が1万人を切る市町村は523(同29.1%)と見られています。今後25年間で、全国市町村の約3割が消滅する可能性が高いのです。

「人口減少で経済ゼロ成長」は
あまりにも悲観的すぎないか?


よしかわ・ひろし
立正大学経済学部教授。1951年生まれ。東京都出身。東京大学経済学部卒、イェール大学大学院博士課程修了(Ph.D)。ニューヨーク州立大学教授、大阪大学社会経済研究所助教授、東京大学助教授、東京大学大学院教授を経て現職。東京大学名誉教授。専攻はマクロ経済学。『マクロ経済学研究』『日本経済とマクロ経済学』『高度成長』『転換期の日本経済』『いまこそ、ケインズとシュンペーターに学べ』『デフレーション』など著書多数。?写真:中央公論新社
?このように、人口減少が日本にとって大問題であることは間違いありません。そして人口減少問題が意識されてからの数十年間、とりわけ経済については、人口減少によって今後は右肩下がり、よくてゼロ成長だろうという悲観論が、半ば常識的に語られてきました。

?しかし、私はこうした見方に異議を唱えています。人口減少を悲観的にしか語らない人は、経済成長というものについて、人々がツルハシを持って道路工事をするイメージしか持ち合わせていないからです。

?経済の供給サイドについて言えば、よく語られるのはこういうことです。労働力人口の減少によって、100人で工事をしていた工事現場の労働者が10人に減ると、アウトプットは90人分減ってしまう。それが国全体で起きれば、日本はマイナス成長になる――。

?しかし、そうしたイメージは間違っている。そもそも過去の先進国の経済成長は、作業員1人1人がツルハシを持って仕事をしていた工事現場にブルドーザーやクレーンが登場したことから始まりました。まずメーカーが機械を発明し、それが市場に投入され、道路工事を請け負う企業がそれを購入し、工事に使用するという資本蓄積が起きる。そして、現場が機械を動かす技能を身につけることによってイノベーション(技術進歩)が起きる。

?その結果、労働生産性が向上します。労働者1人ひとりがツルハシで工事をしていたら、仕事の生産性は上がりません。しかし、機械の導入で人手が少なくて済むようになれば、100人でやっていた仕事が10人でできるようになり、生産性は向上します。そして、以前の職場で必要とされなくなった労働者が他の職場へ移って働くようになれば、新しい経済価値を生み出します。先進国では、国全体でこうしたイノベーションが起き、経済が成長してきたのです。これからの人口減少下でも同じことが起きれば、経済は成長し続けることができるはずです。

?悲観論者は経済成長の目安として人口の増減しか見ていませんが、実は労働生産性が向上するメリットのほうが、人口減少のデメリットよりもよほど大きいのです。それは過去のデータからも明らかです。

?たとえば、1870年代以降の日本の人口と実質GDPの推移を比較すると、それらは150年間、「ほとんど関係ない」と言っていいほど乖離しています。とりわけ日本の高度経済成長期(1955〜70年)、実質GDPは少し前の中国と同じように10%ペースで成長しましたが、当時の労働力人口(15歳以上人口のうち、就業者と完全失業者を合わせた人口)の伸び率はおおむね1%強に過ぎませんでした。

?この経済成長と労働力人口の9%の差は、労働生産性の伸びによってもたらされたものに他なりません。労働生産性の伸びは、ガンバリズムとは関係なく、前述したイノベーションによるものでした。人口が変わらなかったり、少し減ったりしても、1人あたりの労働者がつくり出すモノが増えれば、経済は成長し続けるのです。

労働生産性と付加価値の向上は
街の洋食店でも起きていること

?これまでイノベーションは、工事現場で使われる機械のようなハードのみならず、ソフトに至るまで、あらゆるモノやサービスで起こってきました。

?たとえば、街の洋食店でもイノベーションは起こりました。洋食店が持つ資本は火力、フライパン、食材など昔とあまり変わりませんが、シェフの知識や腕の向上によって新メニューが増えました。これまでスパゲティと言えば、ミートソースやナポリタンしかつくれなかったのが、お洒落なパスタをお客に提供できるようになった。同じ資本でより高い付加価値を実現するという、労働生産性の向上が起きたわけです。

?他にも、駅の改札が係員による切符のチェックから自動になったこと、通信が手紙だけでなくメールででもきるようになったこと、書店だけでなくインターネットでも本を買えるようになったことなどは、日本の労働生産性をどれだけ向上させたかわかりません。

?では、供給サイドはそうだとしても、需要サイドはどうなのか。「人口減に伴い需要が落ち込むのではないか」という不安もよく耳にします。しかしそれも違う。消費はあくまで価値をベースに決まるものであり、量とは関係ありません。つまり洋食店なら、500円のミートソースをたくさん売るより、付加価値を高めた1500円のパスタを少し売れば、これまでよりも効率的に同じ量か、もしくはそれ以上の量の消費を喚起することができます。

人口減少下でも若者の
生涯収入が倍増しそうな理由

「そうは言っても、人口減少が起きたら経済が縮小し、消費者に高いモノやサービスを消費する購買力はなくなるのでは」という異論も出てくるでしょう。ところが、人口減少は国民の所得を向上させる要因になります。人口と経済成長の間に関連性がないことは前述しましたが、イノベーションによって労働生産性が向上し、人手が少なくて済むようになった職場では、1人当たりの賃金は増えていくからです。

?足元では「AI(人工知能)に人間が仕事を奪われるのではないか」という議論もありますが、機械の発達で仕事が減るとしたら、数多くのイノベーションが起きた明治時代以降、日本人の所得はほとんどなくなっているはずです。でも、現実にはそうなっていない。昔の若者は安いナポリタンしか食べられなかったけれども、今は若いOLでも昼食に高価なパスタを食べている。これは昔と比べて、日本人の購買力が上がっている証拠です。

?多くの経済学者は、日本の潜在成長率は0.5%程度しかないと言いますが、私は1.5%程度の実質経済成長は可能だと考えています。そのためには、年率2.0%程度の労働生産性の伸びが必要ですが、それが実現すれば、国民1人当たりのGDP、つまり1人当たりの所得は年率2.0%で成長する計算になります。

?事実、リーマンショック後の大不況が起きた2009年を除く、2000年以降の14年間で見ると、日本の平均経済成長率は1.3%、労働生産性の平均上昇率は1.5%となっていることから、1人あたりGDPの年率2.0%成長は決して不可能な数字ではないことがわかります。

?2%で成長するものは35年で2倍になります。したがって、現在30歳の若者の生涯所得は、現在65歳の高齢者の生涯所得の2倍になってもおかしくありません。団塊世代の生涯所得をざっくり3億円とした場合、若者のそれは6億円になるということ。そうなれば、将来の日本人の購買力は減るどころか、むしろ増えていくでしょう。

?このように、人口減少下であっても、イノベーションによる労働生産性の向上が起き、経済が成長し、国民所得が増え、国が豊かになっていく可能性がある。決して無責任な話でなく、米国、欧州、日本の歴史を振り返ってもそうでした。しかし、世の中ではなぜかそう思われておらず、「人口減少で日本は立ちゆかなくなる」という不安ばかりが煽られています。

?こうした風潮はいつから、どうして出て来たのか。私が子どものときは「日本は狭い国土に人がたくさんいて、人口密度が高すぎる」と言われていました。それが変わって来たのが1970年代で、社会保障や財政の問題、過疎問題などに警鐘を鳴らす専門家が増えてからです。そして、不安が一気に噴出したのがバブル期以降。バブル崩壊後に経済がうまくいかない理由の多くが、人口減少のせいにされてきた印象があります。

人口減少は日本の未来を
よくするためのヒントにもなる

?冒頭で述べた通り、人口減少がよくないことは確かです。しかし、それが鮮明化した場合、どんな工夫をして国力を維持していけばいいのか、また人口減にも肯定的な面はないのか、というところへ視点を移していかないといけません。

?人口減少に伴う高齢化も、世の中でネガティブに捉えられ過ぎていますが、イノベーションの土台になります。たとえば高齢者用の紙おむつ。従来、「紙おむつは赤ちゃんのもの」というイメージしかありませんでしたが、「ひょっとしたら高齢者にもニーズがあるのでは」とメーカーが思いつき、開発したのがきっかけで、今ではシニアの生活必需品となっています。そう考えると、今後、自動車や流通などあらゆる業界で高齢者市場を見据えたイノベーションが起きるはずです。

?消費者の潜在的なニーズに気づくことは、企業の成長の原動力となり、経済を活性化させます。そこで必要なのは必ずしも難しい技術開発ではなく、ちょっとした発想の転換。まずはコンセプトが重要で、テクノロジーは後からついてくるのです。

?日本は少子高齢化のフロントランナーであり、消費者の目も厳しいので、日本企業にとって人口減少下の市場はイノベーションのための「格好の実験場」とも言える。国内は人口減少だからという理由で、人口が増加する海外市場に目を向ける企業も多いですが、いくら減っていると言っても、日本はまだまだ人口が多い市場です。企業は国内と海外の両方に、バランスよく目を向けるほうがいいでしょう。


吉川洋著『人口と日本経済〜長寿、イノベーション、経済成長』(中公新書)(アマゾンヘリンク貼る)好評発売中。『週刊ダイヤモンド』2016年の〈ベスト経済書〉第1位にも輝き、10万部突破のベストセラーに
?また一方で、国内の人口減少を補うために海外から若い労働力を受け入れようという動きもありますが、イノベーションとは付加価値を生むことなので、全くの単純労働者を無制限に受け入れても意味がなく、技能を持つ人たちを誘致すべきでしょう。これは、移民に関する議論も同じことです。

?さらに、そうした人々を有効活用できるよう、行政が現実的な施策を行うことも必要です。たとえば日本は、インドネシアやフィリピンから女性の介護士を受け入れていますが、彼女たちには着任から数年後に難解な日本語の試験が課せられ、及第点を取れないと本国へ帰らされてしまう。求められているのは実務能力なのだから、こうした非現実的なハードルは緩和されるべきです。

?人口減少を軸に考えると、今の日本が抱える課題が改めて浮き彫りになります。そこから、未来への提言も行うことができます。人口減少から我々日本人が学べることは、かくも多い。しかるに、今の日本では「人口減少ペシミズム(悲観主義)」が行き過ぎているのではないでしょうか。

http://diamond.jp/articles/-/116744


 



2017年2月6日 広瀬 隆雄
着実に回復を続ける米国の住宅市場に投資しよう!
米国のネットを介した不動産紹介の2/3を寡占し、
「不動産のグーグル」とも呼ばれる「ジロー」を解説
米国の住宅価格や中古住宅販売件数は、じわじわと回復
そこに投資できる関連銘柄とは?
 米国の住宅市場はリーマンショックで冷え込みましたが、その後の景気回復、失業率の低下、連邦準備制度理事会(FRB)の低金利政策による住宅ローン金利の低下などの支援材料を背景に、じわじわと回復しています。
 下はS&Pケース・シラー20都市住宅価格指数です。
拡大画像表示
 米国の不動産取引の大半を占める中古住宅販売件数も、着実に伸びています。
拡大画像表示
 このような住宅市場の回復に投資する方法としてまず考えられるのが、宅建業者の株を買うというやり方です。
 また大工さんが建材を買い求める際に利用する、ホームデポ(ティッカーシンボル:HD)などの小売店株に投資するという方法もあるでしょう。
 さらに、ウエルズファーゴ(ティッカーシンボル:WFC)のような、住宅ローンに強い銀行株を買うという手もあります。
 それらに加えて今日は、不動産紹介サイト、ジロー(ティッカーシンボル:Z)を紹介したいと思います。
不動産紹介サイトのジローは、
「不動産のグーグル」とも言える注目のサービス
ジロー(Zillow)の検索画面。さまざまな項目を入力することで、条件に合った物件を見つけ出せる
拡大画像表示
 ジロー(Zillow)は、「不動産のグーグル」のような存在です。消費者が家を探すとき、ジローを見れば、自分の住みたい町で、いまどんな物件が売りに出ているかを閲覧することが出来ます。
  同社のデータベースに含まれている物件数は、1.1億物件となっています。自分の求めている家を、予算や間取りでスクリーニングすることはもちろん、その家の外観や内部の各部屋の写真、広さや築年数、その他のあらゆるデータを調べることが出来ます。
 また、その物件の周辺の犯罪件数や小中学校の評価、同様の物件が幾らで取引されているか、などについても知ることが出来ます。
 さらに、それらの周辺物件の取引価格から、自分が検討している物件の「妥当価格」も教えてくれます。
 ジローは、「Zillow」サイトの他に、「トゥルーリア(Trulia)」、「ストリートイージー(StreetEasy)」、「ホットパッズ(HotPads)」、「ネーキッド・アパートメンツ(N*kid Apartments)」という、全部で5つのサイトを運営しています。
 これらのサイトを通じて、同社はネットを経由した不動産紹介の実に3分の2を寡占しています。ユーザーの多くは、スマートフォンを通じてこれらのサイトを頻繁にチェックしています。
 同社の平均月次ユニーク・ユーザー数は、下のチャートのように推移しています。
拡大画像表示
収益源である不動産仲介業者からの広告へ
新たに入札方式を導入
 同社の売上高の約7割は、プレミア・エージェントと呼ばれる、不動産仲介業者の広告から上がっています。
 ひとつの物件につき4人の不動産仲介業者が「この物件に興味があるなら私にコンタクトしてください!」という広告を出せます。消費者は、ある物件に興味を抱いたら、その4人の不動産仲介業者の写真から1人を選び、問い合わせのメールを送るわけです。
 これまでは、地域によって広告枠の価格設定をジローが予め決めていましたが、今期からは広告枠の価格が入札方式で動的に決められる方式が導入されました。
 最初はこの変更で広告を出す不動産仲介業者も戸惑うかもしれませんが、いずれこの新方式が円滑に動き出せば、生産性の高い、やり手の不動産仲介業者はどんどん高い値段で広告枠を落札し、顧客をどんどん獲得することが予想されます。適者生存というわけです。
 これは、ジローの側からすれば、売上機会が青天井になることを意味します。
 さらに、ジローのサイトは住宅ローン・ブローカーとも直結しており、消費者が興味を持った物件を買う際のローンを組む手伝いもします。
 このように、全てがジローのサイトを中心に動くわけです。
米国の不動産市場の拡大に連動し
ジローの売上げ高も成長
 ジローの売上高は「不動産仲介業者がどれだけ広告費を使う意欲を持っているか?」によって決まります。すると、そもそも不動産仲介業者が商売繁盛していないといけません。
 不動産仲介業者は、不動産取引が成立すると、売り手の不動産売却代金から6%の仲介手数料を差し引きます。売り手を代表する不動産仲介業者(=この業者をリスティング・エージェントといいます)は、買い手を代表する不動産仲介業者との間で手数料を50:50で折半することが多いです。
 このように不動産仲介業者の収入は、1)売買の成立、2)価格、によって変動します。
 冒頭の二つのチャートで見たように、不動産価格が上昇し、中古住宅の販売が増加するということは、不動産仲介業者の売上高も増えていることを示唆します。
 このように増加した手数料収入の一部を、不動産仲介業者はジローのサイト上での広告展開に再投入するわけです。
 同社の売上高は、下のチャートのように推移しています。
拡大画像表示
 なお、チャートには、2015年第1四半期からは、買収したトゥルーリアの数字が含まれています。
 ジローは、トゥルーリアを買収した後、一部の重複している部門を整理しました。そのリストラにまつわる費用が2016年第2四半期の修正EBITDA(利払税金償却前利益)を押し下げています。
拡大画像表示
【今週のまとめ】
不動産仲介業者にとって欠かせないツールとなった
ジローの値上がりに期待
 米国の住宅市場は回復してきています。不動産仲介業者が日々の業務を進める上で、ジローは欠かせないツールになっています。
 ジローは広告枠をこれまでの固定料率から入札方式に改めました。一定の試行期間を経て、広告出稿者がこの方式に慣れれば、不動産取引が活発になるにつれて売上も青天井になると予想されます。
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2017年2月6日 芥田知至 [三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員]
銅相場足元は回復基調も供給過剰続き変動幅が拡大

http://dol.ismcdn.jp/mwimgs/9/8/-/img_98c2b30a535424dc7ce8b0a720ce0fc6127527.jpg
 世界景気の先行指標として注目されることも多い銅相場は、高値警戒感があるものの、底堅く推移している。
 銅相場は、2011年に1トン当たり1万0190ドルの高値を付けた後、下落基調で推移し、16年1月には4318ドルの安値を付けた。その後、低迷が続いたが、10月終盤から急騰し、11月には6000ドル台に乗せた。12月後半には5500ドル割れまで下落したものの、17年1月後半には再び6000ドル近くまで上昇している。
 昨年10月までは、銅相場は低迷を続けるとの見方が支配的だった。中国の銅需要の鈍化や高水準の在庫といった需給の緩みから、上値は追いにくいとみられていた。
 ところが、その後、相場が急騰した。中国景気持ち直しが銅需要を喚起するとの観測が出始めたところに、米大統領選挙でトランプ氏が勝利し、インフラ投資や減税による需要増も連想されたためだ。
 銅の供給に対する見方も変化している。16年前半の需給緩和の背景には、鉱山開発を受けて供給が増えたことや生産障害の発生が例年に比べ少なかったことがあると指摘された。しかし、ここにきて、鉱山開発による供給増の勢いは一服し始めたとの見方が出ており、チリやインドネシアでは、ストライキや規制変更による供給減が懸念されるようになっている。
 出遅れ感のあった銅相場が上昇基調に転じたことは、ファンド勢の関心を集め、LME(ロンドン金属取引所)における資金運用者のネットポジションの買越幅が急拡大した。
 足元では、中国景気が回復の動きを見せている上に、供給の伸びも鈍化しつつあり、需給は引き締まる方向とみられる。もっとも、それでも17〜18年は供給過剰が続くとの慎重な見方も多い。
 また、トランプ政権の政策による銅需要の押し上げ効果は具体化しておらず、そもそも、米国の需要(年約180万トン)が増加することになっても、世界需要(同約2300万トン)に比べて小さいとみられている。
 これまでの銅相場上昇を受けて、銅供給が増える兆しもある。銅スクラップの供給が中国などで増え始めていると指摘され、価格低迷下で操業が停止されていた高コスト鉱山での生産も再開される可能性が高い。
 投機的な銅買いポジションもすでに高水準にあり、さらなる大幅増は見込み難い。最大消費国の中国では、不動産市場の過熱を沈静化する方策が採られつつある。
 17年の銅相場は、基調としては世界景気の拡大に合わせて緩やかに上昇するだろう。しかし、米中の景気や政策の動向によって市場の基調は変化しやすく、変動幅は大きくなりやすいだろう。
(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員 芥田知至)
http://diamond.jp/articles/-/116766

 

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