http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/688.html
Tweet |
雑感。米金融規制改革法の見直し
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52903512.html
2017年02月04日 在野のアナリスト
昨日、麻生財務相が「円高の状況を是正するため、金融緩和した」と発言し、後に財務省から「デフレ状況是正のため…」と訂正が入りました。言い間違い? むしろ本当のことがポロリと出てしまったようです。節分に絡めて言えば「鬼は外」というつもりが、「鬼は内」と言ってしまって災厄を招き入れる、といったところでしょう。来週の日米首脳会談に麻生氏も同行しますが、米国で同じことをすれば恰好の攻撃材料にされるでしょう。戦後教育の悪しきカタカナ英語をつかい、自ら英会話ができると自負する麻生氏ですから、通訳も介さず勝手に発言して墓穴を掘らないよう、注意しないといけません。
米国で1月の雇用統計が発表され、非農業部門の雇用者数が22.7万人増と、市場予想の17.5万人増を大幅に上回りました。しかし時間当たり平均賃金が前月比0.1%増、しかも12月の平均賃金も0.4%増から0.2%増へと下方修正され、雇用は伸びているものの賃金の伸びが軽微となっており、米国ではスラック(緩み)とされ、警戒されています。
しかしトランプ大統領はこの雇用統計を信用しておらず、全く改善していない、との見方を示しています。ただ雇用統計の中にも労働参加率62.9%、就労率59.9%という数字があり、決して全米の雇用が失業率4.8%、などではないことを示しています。米国の場合、労働条件も含めて働きたいけど働けない、といった割合が4.8%であり、働きたくない、もしくは働かなくてもいい、という人が半数近くいるのが現状です。それを指して「オバマ政権は失敗した」というのは誤りで、リーマンショックからここまで回復させた、がオバマ政権の実績となります。
昨晩の米株は上昇しましたが、雇用統計より金融規制改革法(ドッド・フランク法)の見直しに関する大統領令に署名し、市場が期待する金融機関への規制緩和、との期待が乗ったものでしょう。今はまだどこまで調整できるか、を調査する段階で内容は未定ですが、金融機関は負担の軽減であったり、収益機会の拡大であったり、ドッド・フランク法が見直されれば、今後の収益にも大きなプラスになるはずです。
しかしドッド・フランク法ができたのは、それこそリーマンショックの反省から、です。世界的にもバーゼルVと呼ばれる金融規制を策定しようとしている段階であり、ドッド・フランク法も当然、その規制に合わせて策定されたもの。それ以上の米国独自の規制については見直しもできますが、バーゼルVの規制に則らないと、国際的な活動は制限されてしまう。結局、米国が独自ルールを削る、ということにしかならないのでしょうが、それでも米金融機関にとっては光明です。
ただ今でさえ米不動産はバブルが懸念される。サブプライムを使ったローン組成で、売買が拡大していたリーマンショック前の価格を越えてきており、それは中国を初めとする不動産投資のシンジケートにより、実勢とかけ離れた水準にまで高騰してしまっているのです。そんなとき、金融を緩和すればバブルを助長する可能性もあり、ドッド・フランク法の見直しは次のトランプショックをおこす引き金になるのかもしれません。
しかし株式市場はすでにトランプバブル中です。再びダウは2万$に乗せましたが、減税や公共工事で業績が押し上げられる、との期待がのった数字であり、まだ何も決まっていないのはドッド・フランク法の見直しも同様です。相場では知ったら終い、という言葉がありますが、知らぬが華、というところでもあるのでしょう。来週、渡米する安倍政権の閣僚の面々も、今回は事務方の調整がすすんでいるとは到底思えず、何を要求されるのかも分かっていないのでしょう。緊張感も無く、財務相が一番間違えてはいけないところを間違えるなど、知らぬが華でいるのは今の内なのでしょうね。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民118掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。