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法改正で残業の上限が「月平均60時間」に!?(depositphotos.com)
活かされない電通過労死事件の教訓〜 「残業月60時間以上は禁止」で形骸化する「36協定」
http://healthpress.jp/2017/02/6036.html
2017.02.02 ヘルスプレス
長時間労働は当たり前、の日本の会社風土に、今度こそメスが入るのだろうか――。
現在、政府が長時間労働の是正策として、残業時間の上限を「月平均60時間。ただし繁忙期は1ヶ月100時間、2ヶ月の月平均80時間」として規制することで調整に入ったことが報じられた。
1月29日の朝日新聞の記事によると、政府は労働基準法を改正し、残業時間の上限を原則として「月45時間」「年間360時間」と規定。そのうえで、企業の繁忙期に対応できるよう6ヶ月は例外を設け、「月最大100時間」「2ヶ月の月平均80時間」の残業を認める方向。
その場合でも、「年間720時間」「月平均60時間」に抑えるよう義務づけ、違反に関しては罰則を科すとのことだ。今国会への提出は見送られるが、秋の臨時国会への提出を見込んでいる。
■電通過労死事件の教訓は改正法に活かされたのか?
今回の議論の高まりの背景には、大きく報道された電通の過労死事件があったことは間違いないだろう。電通の新入社員だった高橋まつりさん(当時24歳)が過労自殺した事件は、電通への東京労働局の立ち入り調査や、社長交代にまで発展した。
新社長に就任した山本敏博氏は、2年をかけて会社の構造的な問題を解決すると語っている。
ただ、結局は繁忙期に限るとの括弧付きながら「残業の上限80時間」を認めている取り決め案に関しては、それが過労死の根絶にどれほど直接につながるかを疑問視する声も多い。
そのひとつは、そもそも80時間という上限の数字が高すぎるというものである。80時間は、いわゆる「過労死ライン」とされている長時間労働を示す数字なのだ。
■そもそも「80時間」は過労死を防ぐギリギリの上限
高橋まつりさんの過労死事件も担当している、弁護士の川人博氏の著書『過労自殺第二版』(岩波新書)にも以下のように書かれている。
「過労死の事件で被災者の年間労働時間を調査すると、3000時間前後かそれ以上のケースがほとんどである。週休2日制の場合に祝祭日を考慮するとほぼ年間250日勤務であるが、その場合1日12時間労働を繰り返すことになる」
「1ヶ月あたりに置き換えると250時間の労働だから、週休2日制で所定労働時間が8時間とすると、1ヶ月の時間外労働が80〜90時間前後となる」
つまり、上限を80時間とするのはギリギリの過労死ラインを防いでいるだけで、労働と日常生活のバランスの取れた日々を健康的に送るためには、さらに上限を下げる必要があるという考え方がある。
■法律通りの残業時間を守る企業はほとんど存在しない
さらにもう一点、今回のニュースに関して、そもそもそのような取り決めがなされたとしても、実際に守られるのかどうかという懸念がある。というのも、現在でも労働基準法により、残業は原則として「月45時間、年360時間以内にするのがのぞましい」とされているからだ。
しかし、労働基準法36条に基づく「36(さぶろく)協定」により、労使間で特別条項を付ければ時間制限を外すことができることになっており、「残業月45時間以内」という規定は事実上無効化されている。
つまり、もともとの法律通りの残業時間を守っている企業はほとんど存在しないのだ。
電通事件を受けて午後10時にオフィスを消灯することを決めた会社でも、結果的に社員の持ち帰り残業が常態化しているケースが明らかになっている。働く環境の改革には、雇う側と雇われる側、双方の意識改革が必要だ。はたしてそれが実現するのはいつのことになるだろうか。
(文=編集部)
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